世界シェアNo.1のLenovoは、その豊富なラインナップで色々な人に合うPCを作っています。
ビジネスPCで有名なThinkPad、家庭用PCでおなじみのIdeaPad、クリエイターに人気のYogaなどがありますが、各シリーズがどんなPCなのか把握している人も少ないと思います。
筆者は数多くのLenovo PCをレビューしており、プライベートで使うPCや周辺機器もLenovoばかりなので、愛用者の視点から各シリーズの違いをご紹介したいと思います。
動画でサクッと概要をつかみたい方は、こちらもどうぞ。
LenovoにはビジネスモデルのThinkPad、ThinkBook、そして超低価格のLenovoの3種類があり、クリエイターPCのYoga、普段使いPCのIdeaPad、そしてLegionとLOQのゲーミングPCがあります。
Lenovoシリーズはここ最近更新されていないので省略しますが、低価格ビジネスPCになります。とにかく安い、そして安っぽい、でも普通の性能です。
また、LegionとLOQはゲーミングPCで用途もはっきりしているし、別ページにまとめているので、これも今回の記事では触れていません。
ということで、今回はこうなります。
ThinkPad | ThinkBook | Yoga | IdeaPad | |
用途 | ビジネス | ビジネス | クリエイティブ | 普段使い |
最低価格 | 8万円台~ | 8万円台~ | 10万円台~ | 6万円台~ 3万円台~(Chromebook) |
シリーズ | 7シリーズ | 1シリーズ | 3シリーズ | 4シリーズ |
性能 | 中~最高 | 中~上 | 中~上 | 下~上 |
機能性 | 上 | 中~上 | 上 | 下~中 |
排熱性能 | 下~上 | 中 | 中~上 | 下~中 |
セキュリティ | ThinkShield | ThinkShield | – | – |
インチ | 12/13.3/14/16 | 13.3/14/16 | 13.3/14/16 | 14/15/16 |
増設 | E/T/L/Pシリーズ | 基本可能 | 不可 | 可能な機種もあり |
強味 | キーボード 軽量コンパクト 最新スペック・機能が早く搭載 |
13.3インチ以外は全機種増設が可能で、最大メモリ64GB | ディスプレイが高品質 おしゃれな筐体 スピーカーが高品質 |
低価格でもしっかりとしたスペック |
弱点 | ― | ハイスペックディスプレイがない | ・クリエイターPCなのにSDカードリーダーがない ・平均より重い |
・種類が多すぎて分かりにくい ・家庭用PCなのでハイスペック機種があまりない |
それでは、詳しく見ていきましょう。
Contents
用途別に分けられたラインナップ
まず、すべてのノートパソコンはそれぞれの用途に分けられています。
ThinkPadとThinkBookはビジネスPCで、ビジネス用途に必要なスペックや機能があります。
YogaはクリエイターPCで、画像編集や動画編集に向いたスペックです。
IdeaPadは低価格モデルからハイエンドと呼んでよいほどのProモデルがあり、ProモデルはYogaみたいなスペックですが、その他は基本的に「家庭で使う」、「学生が使う」のに十分なスペックです。
詳しい違いはこちらです。
※IdeaPadのProモデルはYoga Proと同じスペックで、これを入れるとIdeaPadの実像がつかみにくくなるので、IdeaPadの欄にはProモデルのスペックは抜きで記載しています。ProモデルはYogaの欄を見てください。
ThinkPad | ThinkBook | Yoga | IdeaPad | |
CPU | 中~最高峰 | 中~最高峰 | 中~最高峰 | 下~中 |
NPU | ほぼあり | あり | あり | ほぼなし |
メモリ | 最大128GB | 最大64GB | 最大16GB (1機種のみ32GB) |
最大16GB |
SSD | 最大2枚 | 最大2枚 | 最大1枚 | 最大1枚 |
ディスプレイ | WUXGA/2K/2.5K/3K/4K IPS/OLED |
WUXGA IPS |
WUXGA 2.8K/3K IPS/OLED |
FHD WUXGA IPS |
最大色域 | DCI-P3 100% | sRGB 100% | DCI-P3 100% | sRGB 100% |
dGPU | あり | なし | あり | なし |
インターフェイス | 豊富 | 豊富 | 少ない | そこそこ豊富 |
USB4 Thunderbolt 4 |
あり | あり | あり | なし |
質量 | 軽~重い | 普通 | 平均より重い | 普通~重い |
素材 | カーボン メタル メタル/樹脂 |
メタル メタル/樹脂 |
メタル | 樹脂 メタル/樹脂 メタル |
Webカメラ | HD FHD 500万画素 800万画素 |
FHD | FHD 500万画素 |
HD FHD |
オーディオ | 普通~極上 | 普通 | 普通~極上 | 普通 |
最長保証 | 5年 | 5年 | 4年 | 4年 |
注)dGPUはグラフィックカード。メタルはアルミニウムやマグネシウム。樹脂はプラスチック
簡単に解説すると、ビジネスPCのThinkPadとThinkBookはCPUの最高性能も高く、最大メモリが大きい、そしてストレージを増設できる機種もあります。
中でもThinkPadは最高で800万画素のWebカメラだったり、コミュニケーションバーが搭載でマイクも高性能など、全体的にハイスペックにできます。
※ThinkBookにも1機種コミュニケーションバーが搭載
ThinkBookはマイクなどのその他のスペックが「普通(ミドルスペック)」になります。
Yogaはおしゃれな筐体で、性能はそこそこ高くでき、ディスプレイとオーディオの品質が最高峰という特徴があり、クリエイターに必要なものがそろっています。ただし、平均質量よりも100gほど重たく、インターフェイスが少ないという特徴があります。
IdeaPadはローエンドからミドルクラスまであり、低価格モデルでも安っぽさがあまりない外観です。ただし、2024年以降はローエンドCPUを多く採用しており、あくまでも普段使い用としては普通にサクサク使える性能になっています。
外観はThinkPadは「The・ビジネスPC」、ThinkBookとIdeaPadは似ており「万人受け」するタイプ、Yogaは美しいです。
豊富なシリーズがある
ThinkPadには用途別に7シリーズあり、IdeaPadにも多くのシリーズがあるのですが、スペック的には4シリーズ(Proを入れたら5シリーズ)、Yogaには3シリーズ(Proを入れたら4シリーズ)、ThinkBookは1シリーズあります。ちなみに、ThinkPad以外はスペックで分けているので、公式サイトとは違った分け方になっています。
ThinkPad各シリーズの特徴 | |
X/X1 シリーズ | 薄型軽量、標準スペックでもハイスペック・ハイエンドモデル |
Zシリーズ | Z世代向けの新しいThinkPad。SDGs(持続可能な開発目標)を意識したモデル |
Tシリーズ | X1シリーズと似ているが、1~2㎜大きいため若干価格が低い |
Eシリーズ | インターフェイスが若干少ないので低価格で高性能、若干重たい |
Lシリーズ | 性能はそこそこ高く、メモリ最大64GBと大容量だが大きな筐体。 |
Pシリーズ | 開発者向けのワークステーション。画像・動画編集・CADや分析などに向いている |
IdeaPad各シリーズの特徴 | |
1シリーズ | 2世代前くらいの旧スペックを使用で、このシリーズのみ画面比は16:9。CPUはそこそこ性能があるものを搭載し、最低限快適に使えるスペック。樹脂素材 |
3シリーズ | 最新スペックを多く採用しているが、インテルモデルはローエンドCPUを、AMDモデルは1世代前のものを使用。全体的にしっかりとしたスペックで、価格は比較的安いが、おしゃれで安っぽさはない。基本樹脂素材。 |
5シリーズ | 最新スペック搭載で3シリーズ同様インテルモデルはローエンドCPUも使っているが、AMDモデルは超高性能CPUを搭載。全体的にビジネスPCに近いスペックで、価格も10万円前後と高め。基本アルミニウム素材 |
Proモデル | 他のシリーズとは一線を画し、Yogaとほぼ同等性能。グラボ搭載機種あり |
Chromebook | セール時は3万円台から購入でき、スペックは高くないが普通に使える程度になっている |
Yoga各シリーズの特徴 | |
6シリーズ | 13.3インチで、基本的に上位モデルの7シリーズとほぼ同じスペックだが、ディスプレイはWUXGAのみで、2.8Kなどの高精細ディスプレイがない。 |
7シリーズ | 14インチは基本スペックも高く、デフォルトでほぼ最高性能。16インチもほぼ同じスペックだが、なぜだかディスプレイがNTSC 45%と色域が低いのでクリエイティブワークに向かない |
9シリーズ | 最上位モデルで超高品質 |
Proモデル | グラボが搭載し、メモリが最大32GB |
注意点 | YogaにはSlim(クラムシェル)、Yoga(コンバーチブルPC)、Pro(グラフィックボード搭載)の3種類がある |
ThinkBookの特徴 | |
13.3インチ、14インチ、そして16インチがあり、13.3インチ以外のほぼすべての機種で増設が可能。筐体が小さい方が高い性能の傾向がある |
ビジネスPCの保証は最長5年
ThinkPad | ThinkBook | Yoga | IdeaPad | |
基本保証 | シリーズによる | プレミアサポート | Premium Care | 引き取り修理保証 |
引き取り修理 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
オンサイト修理 | 〇 | × | ||
有料サポート | プレミアサポート プレミアサポートプラス |
Premium Care Premium Care PLus |
||
最長 | 5年 | 4年 |
保証はビジネスPCもその他も長めで、4~5年になります。
ThinkPadはシリーズにもよりますが、ここ最近はデフォルトでプレミアサポートになっている割合が上がっていると思います。ThinkbookとYogaは、基本的にプレミアサポート/Premium Careがデフォルトです。
IdeaPadは執筆時に確認した全機種・全モデルで、デフォルトは1年間引き取り修理でした。
すべての保証には電話・チャット・LINE・メールでのサポートが付いており、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードすると、24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
こちらはThinkPadとThiknBookの保証内容です。
こちらはYogaとIdeaPadの保証です。
各修理保証は、このようになります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
Think製品はThinkShieldに守られている
「Think製品」とは名前にThinkが付く製品で、ThinkPad、ThinkBook、ThinkCentre、ThinkStationがあります。
ThinkShieldはノートンやAVASTの様なセキュリティソフトと違い、包括的なセキュリティのソリューションを提供するものです。
「ファームウェア」、「ネットワーク」、「ソーシャルハッキング」、「盗難紛失」、「開発製造」などのカテゴリでThinkShieldを構成しています。
わかりやすい例で言えば、Think製品にはPrivacyGuardというのぞき見を防止できる機能があったり、PrivacyAlertでのぞき見を検知したら教えてくれたり、もしくは自己回復BIOSなどもそうです
すべての機種にすべての機能がついているわけじゃありませんが、Lenovoの「Think」を冠している製品には何かしらの機能がついています。
Think製品は製造段階から管理されており、ソフトウェアだけじゃなくハードウェアでもセキュリティを高度化しようとしています。
当然IdeaPadやYogaもしっかりと管理されていますが、Think製品のようにより高度化されているわけじゃないようです。
詳しいThinkShieldの内容は、こちらをどうぞ。
使用素材
ThinkPad | ThinkBook | Yoga | IdeaPad | |
素材 | メタル/樹脂 メタル カーボン |
メタル/樹脂 メタル |
メタル | 樹脂 メタル/樹脂 メタル |
樹脂のみ | × | × | × | Slim 1シリーズやChromebookにあり |
天板メタル 樹脂カバー |
あり | あり | × | Slim 3や5シリーズにあり |
メタルのみ | あり | あり | 〇 | Slim 5シリーズ一部にあり |
カーボンファイバー | あり | × | × | × |
※樹脂はプラスチック、メタルはアルミニウムやマグネシウム
使用素材は似ており、基本的に価格に反映されますが、価格が高いThinkPad PシリーズやTシリーズにも樹脂素材が使用されるモデルもあります。
ここ最近の樹脂素材はプラスチックっぽさが少ないので写真ではわかりにくいですが、各素材の写真です。
ThinkPad X1シリーズで、カーボンファイバーを使用した天板。
一般的なThinkPadのアルミニウム天板と、アルミニウム底面カバー。指紋が付きやすいという特徴がある。
Yogaの筐体で、オールメタルのユニボディ。ユニボディは1つのパーツから作られたボディで、つなぎ目がない。
ThinkBookのアルミニウム底面カバー(左)と樹脂底面カバー(右)
IdeaPad 5シリーズの樹脂底面カバー(左)と、アルミニウム底面カバー
IdeaPad Slim 3シリーズの樹脂天板(左)と、Slim 5シリーズのアルミニウム天板(右)。樹脂の天板はつやがあり、ほとんどの人はこれがプラスチックだと触ってもわからないと思います。中には安っぽいものもあり。
各シリーズの詳細
各シリーズの詳細は、以下の記事にまとめているのでそちらからご確認ください。
ThinkPad
ThinkPadは言わずと知れたビジネスPCで、高性能・高機能です。特に有名なのはキーボードですね。トラックポイントと言うボタン・通称赤ポチがあり、ここでカーソルを動かすことができ、マウス代わりになります。
打鍵感もすごくよく、こんなにタイピングしやすいキーボードはほとんどないと思います。いろいろなノートパソコンやキーボードを試しましたが、私はThinkPadのキーボードが一番使いやすいです。
作業効率もアップし、仕事が早く終わります。
ThinkBook関連記事
実は筆者が大好きなThinkBookです。
IdeaPadの様なカジュアルな見た目で、それでいて仕事をサクサクできる性能を兼ね揃えています。メモリが最大64GBと言うのがうれしいですね。パワフルです。
Yoga関連記事
ディスプレイが高品質なYogaは、Youtube用の動画編集や画像編集をするときに使っています。
ボディラインが美しく高級感が高いので、カフェやコワーキングスペースに行くときによく持ち歩きます。
IdeaPad関連記事
普段使い用とは言え中にはハイスペックなモデルがあり、がっつり使うこともできます。また、あまり使わない人は低価格モデルが3~4万円ほどからあるし、大学生に合うPCも6~7万円ほどからあります。
メタルを使用した機種は高級感があり、手触りも良いです。
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