Lenovoの「Think」を冠したモデルは多くありますが、「Zシリーズ」は2022年6月末に発売開始したシリーズになります。
今までのThinkPadとは違った外観や性能で、よりおしゃれで大衆受けしそうだなと思います。特に、ThinkPadと言えば「ブラック」をイメージすると思いますが、グレーとブロンズ+ヴィーガンレザー、もしくは亜麻素材というサステナブルを意識した素材も使用です。
Contents
Lenovo ThinkPad Zシリーズの特徴
総合性能 | 特徴 | |
X/X1 シリーズ | [usr 5.0] | 薄型軽量、標準スペックでもハイスペック・ハイエンドモデル |
Zシリーズ | [usr 4.9] | Z世代向けの新しいThinkPad。SDGs(持続可能な開発目標)を意識したモデル |
Tシリーズ | [usr 4.5] | 軽量・ハイスペックだが、Xシリーズより1~2㎜大きいため中価格 |
ThinkBookシリーズ | [usr 4.0] | IdeaPadの外観にThinkPadのビジネススペックが搭載 |
Eシリーズ | [usr 4.0] | インターフェイスが若干少ないので低価格で高性能でも若干重たい |
Lシリーズ | [usr 4.2] | 性能ははそこそこ高く、メモリ最大64GBと大容量だが大きな筐体。量販店モデルが多い |
Pシリーズ | [usr 5.0] | 開発者向けのワークステーション。画像・動画編集・CADや分析などに向いている |
総合性能も高く、ThinkPad最高峰のX1シリーズに次ぐシリーズだと思います(Pシリーズはワークステーションなので別格です)。
Zシリーズのみじゃないですが、ThinkPadは性能と堅牢性が特に高く、そしてビジネスを円滑に進めてくれるという特徴があります。さすがに「Think」と名がつくだけあって、PCが「考えて」ユーザーをサポートしてくれる=使いやすい機種です。
しかも、NASAは国際宇宙ステーションとミール宇宙ステーションに、ThinkPadを持ち込んで使っていたくらい、堅牢性が高いです。
ちなみに、ThinkPadと言えば「ブラック」をイメージすると思いますが、Zシリーズはグレーかブロンズ+ヴィーガンレザー、Z13 Gen 2は亜麻素材になっています。
サステナビリティを実践したモデル
Zシリーズはその名から想像できるように、「Z世代」や今までThinkPadを使ってこなかった人をターゲットにしたモデルで、SDGs(持続可能な開発目標)/サステナビリティを実践した機種になります。
Z世代は一般的に、SDGsなどでよく聞くように、環境問題への取り組みや関心が高いと言われていますよね。本機はボディは再生アルミニウムを、ビーガンレザーを使った機種には再生プラスチックを、そして竹とサトウキビの繊維由来の堆肥化可能なパッケージング素材を使用しています。
今後の流れで、企業は良い製品を作るとともに、地球にやさしい製品であることも重要になってくるんでしょうね。
Zシリーズのスペック
Zシリーズはさすがに新しく作られたシリーズなので、基本性能はかなり高いです。こちらの表は2022年のハイエンドモデルのトレンドをまとめたもので、Zシリーズがどのくらい満たしているか確認してみます。
Ryzen 6000 | DDR5 LPDDR5 |
SSD PCIe 4.0 | |
〇 | 〇 | 〇 | |
アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | メタル素材 | Dolby Atmos | 全方位360°マイクが4つ |
〇 | 〇 | 〇 | × |
USB4 | 生体認証 | 18時間以上バッテリー | |
〇 | 指紋/顔 | 〇 |
※項目の細かい解説をしたら長くなるので、各機種のレビューでご確認ください
この14項目のうち、13項目を満たしています。項目を満たしていないマイクは全方位マイクですが、2つになります。
Zシリーズの良いところは、他のシリーズの様に「カスタマイズからスペックを変更しなくても、高品質パーツが搭載している」ところです。
なので、あまりパソコのスペックに詳しくなくても、信頼できる機種が手に入るという事です。
ただし、1点だけ注意点として、Zシリーズはとにかく筐体がコンパクトで薄く、特にZ13はEdge to Edgeキーボードを採用しているため、インターフェイスが若干乏しいです。
<ThinkPad Z13のインターフェイス>
USB-AやHDMIポート、RJ45(有線LANポート)はありません。
USBハブやThunderbolt対応ドックがあった方が、より使いやすくなります。
キーボードが他のThinkPadと違う
Zシリーズのキーボードはすべてのメインキーが大きく、他のThinkPadの様に小さなキーがありません(機種によってはすべて同じサイズのキーもあり)。キーが大きいという事は、タイピングしやすいんですね。
ただし、一般的なThinkPadのキーストローク(キーを押し込む距離)は1.8㎜前後と深いので打鍵感がかなり良いのですが、Zシリーズは1.35㎜となっています。一般的なキーストローク並みですが、ここはThinkPad。打鍵感もまずまずです。
また、上の画像はZ13ですが、キーボードが筐体の端から端まで広がっているのがわかります。このおかげで13.3インチでもキーが大きく、キーピッチも縦横約1.81㎜×1.9㎜と広めですが、デメリットは、インターフェイスが少なくなることです。
<左・Zシリーズ/右・今までのThinkPad>
また、トラックパッド(フォースパッド)を見ると、上部の独立した3つのボタンがなくなっています。今までのThinkPadから乗り換える人は、慣れが必要ですね。
トラックパッドは、クリック時にクリックしたような振動を指先に返す触覚フィードバックがあり、トラックパッドはガラス製で大きめなので、操作もしやすいです。
いつものトラックポイントはあり、2回タップするとカメラの輝度やコントラスト、マイクの設定などができるクイックメニューがポップアップします。Web会議中でも、設定変更しやすいですね。
筐体も他のThinkPadと違う
<左・Zシリーズ/右・X1シリーズ>
ThinkPadと言うか、他のどのノートパソコンも、手前に行くにつれて筐体が細くなっているのですが、Zシリーズは均一な厚さなんです。
どうしてかな~?と思ってLenovoの方に尋ねたら、「プロフェッショナルでモダンなスタイルにするためにこうした」と言われ、ただし、詳細は企業秘密なので、もちろん教えてもらえませんでした。
何かしら、性能や機能に貢献するからこうしたと思います。
コミュニケーションバー搭載
今までのThinkPadはノッチだったり、大きさが変わらないベゼルでしたが、Zシリーズはコミュニケーションバーと言うバーがパソコン上部に乗っかった感じになっています。
おそらくですが、細いベゼル(画面の黒い枠)を維持しながら、高性能パーツを搭載するためだと思います。
ちなみにコミュニケーションバーには、WEBカメラやIRカメラ、マイクなどが入っています。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
セキュリティ
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
- Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- セキュリティキーホール・・・ワイヤーを設置できる箇所
- AMD Memory Guard・・・多くのコンピューティ ング・システムにシンプルかつ信頼性の高いセキュリティーを提供するメモリー暗号化テクノロジー
- Microsoft Pluton・・・CPU にセキュリティ機能を直接組み込むことで、通信経路が攻撃される可能性を排除する
などがあり、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られています。(ThinkShieldの詳細は、公式サイトをどうぞ)
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。
また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
2023年モデル
ThinkPad Z13 Gen 2(AMD)
上位モデルのRyzen 7040シリーズが搭載で、メモリが最大64GBと大きくなっています。旧モデルからほとんど変化はないですが、重量が1.27㎏と若干増量しています。相変わらずのハイスペックで、スムーズになんでもこなしたいビジネスパーソンに向いています
CPU | Ryzen 5 PRO 7540U Ryzen 7 PRO 7840U |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS 光沢なし タッチあり WQXGA+OLED タッチ |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE |
オーディオ | ドルビーアトモス、2Wスピーカー×2、360°全方位マイク2つ |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | 1080p、IRカメラ |
カラー | ブロンズ |
重さ | 1.27㎏~ |
バッテリー | 最大約22.3時間 |
価格 | 21.7万円~ |
2022年モデル
2022年から発売開始し、現在13.3インチと16インチの2機種になります。
ThinkPad Z13 Gen 1(AMD)
標準スペックでも高性能パーツが搭載しており、「間違いない構成」になっています。キーボードが筐体の端から端まで広がっており、タイプしやすい幅とキーになっています。画面アスペクト比が16:10と縦に長く作業効率もアップ。軽量コンパクトで、バッテリー駆動時間は最大22.8時間!
CPU | Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen 7 PRO 6860Z |
---|---|
メモリ | LPDDR5 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS 光沢なし タッチあり WQXGA+OLED タッチ |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE、Bluetooth 5.2 |
その他 | 指紋センサー、顔認証、1080p、IRカメラ、ドルビーアトモス、 |
カラー | ブラックビーガンレザー+ブロンズ アークティックグレー |
重さ | 1.19㎏~ |
バッテリー | 最大約22.8時間 |
価格 | 21.7万円~ |
ThinkPad Z16 Gen 1(AMD)
16インチの大型で、Ryzen 6000 Hシリーズ搭載、メモリはLPDDR5、SSD PCIe 4.0と最新スペック満載です。ディスプレイも4K OLEDが選択可能で、Radeonグラフィックボードもあります。性能はすごく高く、+アルファもあり、おしゃれな機種です
CPU | Ryzen 5 PRO 6650H Ryzen 7 PRO 6850H Ryzen 9 PRO 6950H |
---|---|
メモリ | LPDDR5 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス Radeon RX 6500M |
ディスプレイ(16型) | WUXGA IPS タッチあり WQUXGA OLED タッチ |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE |
その他 | 1080p Webカメラ、顔認証、指紋センサー、ドルビーアトモス |
重さ | 1.81㎏~ |
バッテリー | 72Whr・最大約25.9時間 |
価格 | 25.2万円~ |
最後に
まだ2機種のみなので選択肢が少ないですが、性能が高くおしゃれで、完成された機種と言うイメージですね。
他のThinkPadも確認したい場合は、こちらからどうぞ。