16インチと大きいですが重さは1.65㎏と軽く、最大バッテリー駆動時間も17時間以上と、外出先でも大画面でがっつりと作業をしたい人向けの機種です。
最新スペックが満載で基本性能は高く、価格も15万円台からとコスパも高いです。
当サイトの評価は、以下になりました。
スペック | [usr 4.5] |
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コスパ | [usr 4.5] |
総合評価 | [usr 4.5] |
ThinkPad T16 Gen 1(AMD)のスペックレビュー
CPU | Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen 7 PRO 6850U |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(16型) | WUXGA、WQXGA |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | Wi-Fi 6E、4G LTE、イーサネット |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 361.9 × 255.5 × 20.5㎜ |
重量 | 約1.65㎏~ |
バッテリー | 最大約17.3時間(52.5Whr時) |
保証 | 1 年間 プレミアサポート+翌営業日オンサイト修理 |
価格 | 15.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは、最新のRyzen PRO 6000シリーズが搭載で、Passmarkスコアもさることながら、グラフィック性能がかなり高いです。Office系アプリの作業もしやすく、簡単な画像・動画編集もこなせるほどです。
PROモデルはよりセキュリティが強化されたCPUで、DASH(Desktop and Mobile Architecture for System Hardware)という保護されたアウトバンド管理やリモート管理が可能なので、企業にとっても使いやすいと思います。
メモリはLPDDR5-6400MHzで、オンボード・最大32GBと大容量、SSDも最新のPCI Express 4.0で、最大2TBが搭載可能です。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、色域が一般的なモデルもありますが、sRGB 100%もあり色鮮やかです。
「外出先でもしっかりした作業ができる」モデルで、Wi-Fi 6E標準搭載、4G LTEも搭載可能。バッテリー駆動時間は52.5Whrモデルでも最大約17.3時間、86Whrならもっと長持ちで、最軽量モデルは1.65㎏と、16インチにしてはかなり軽いです。
保証とサポートも抜群で、1年間 プレミアサポート+翌営業日オンサイト修理(エンジニアが自宅/会社に来て修理)なので、安心して購入できます。
外出することが多く、ヘビーなタスクをこなす人に向いた機種です。
2022年のトレンドと比較
2022年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/カスタマイズから追加、×/なし)
Rzen 6000 | LPDDR5 | PCIe 4.0 | |
〇 | 〇 | 〇 | |
アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | △ |
Wi-Fi 6E | メタル素材 | Dolby Atmos | 全方位360°マイクが4つ |
〇 | × | × | × |
USB4 | 生体認証 | 重量1.6㎏前後 | 18時間以上バッテリー |
〇 | 〇 | 〇 | △ |
旧モデルとの比較
本機ThinkPad T16シリーズは2022年に始めた登場したモデルで、旧モデルはありません。ただし、ほぼ同じスペックで、インテルCPUが搭載した兄弟モデルはあります。
ThinkPad T16 Gen 1(AMD)の特徴
16インチと大型ですが、ベゼル(画面の黒い枠)も太くなく、すっきりとした外観です。
寸法は
・幅 361.9㎜
・奥行き 255.5㎜
・高さ 20.5㎜
と一般的な16インチサイズですが、最軽量モデルが1.65㎏と一般的な15.6インチモデルよりも軽いです。
厚さは20.5㎜と若干厚めです。掴むと、「大きいな」と思うサイズです。
天板も底面も樹脂素材です。
底面カバーには大きな通気孔があり、エアフローもよさそうです。
排気口は右側面のみになり、一般的なPCの様に背面にはありません。
背面部分にはLTE用のnanoSIMスロットがあります。
指紋センサーと顔認証搭載可能
指紋センサーは電源ボタン統合型で、電源を入れたらサインインも完了しているので、素早く作業に取り掛かれます。
オプションで顔認証のIRカメラを搭載できますが、その場合はIRカメラとFHD Webカメラのハイブリットになるので、Webカメラの品質を考えるとやめた方が良さそうです。
Webカメラ回り
WebカメラはHD 720p標準搭載で、高画質のFHD 1080p、もしくはFHD 1080p+IRカメラのハイブリットが選択でき、プライバシーシャッターもあります。
HD Webカメラは一般的なノートパソコンに搭載される品質で、FHD Webカメラは一目で違いが分かるほどの高画質になっています。
FHD Webカメラ+IRカメラは、2つ別々のカメラじゃなくハイブリットカメラ(カメラ1つ)なので、正直言うとHD Webカメラの方が映りが良い気がします。
スピーカーは2Wが2つで、デュアルアレイ 遠距離マイクが搭載と、一般的な品質です。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
キーボード
キーボードはフルサイズ・110キーで、日本語キーか英語キーが選べ、テンキー付き、バックライト有無しが選べます。
通常、ThinkPadではバックライトがないキーボードは、プラスチック感が強く打鍵感も落ちるので、バックライト付きのモデルを選んだほうが良いと思います。
トラックパッドは115㎜×67.7㎜と16インチにしては小さいですが、ガラスっぽい感触の素材を使用しており、操作性は悪くないと思います。
高性能Ryzen 6000シリーズ
Ryzen 5 PRO 6650U | Ryzen 7 PRO 6850U | |
アーキテクチャ | Zen 3+ | Zen 3+ |
製造プロセス | 6nm | |
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 |
キャッシュ | 16MB | |
基本クロック | 2.9GHz | 2.7GHz |
ブーストクロック | 4.5GHz | 4.7GHz |
GPUコア | 6 | 12 |
TDP | 15-28W |
Ryzen 6000シリーズはすべてがZen 3+のアーキテクチャで、以下の様な特徴があります。
・前世代と比較して最大30%高速
・最大24時間のバッテリー
・内蔵GPUがRDNA2(レイトレーシング対応)
・統合型グラフィック性能は最大約2倍に
・DDR5/LPDDR5のメモリに対応
・USB4対応(ただし、本機には非搭載)
・PCIe Gen 4対応
・Wi-Fi 6E対応
プロセッサーはかなり高い性能で、PROモデルというセキュリティが強化されたビジネスモデルです。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
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Core i7-1280P | |
Ryzen 7 Pro 6850U | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 Pro 6650U | |
Core i7-1265U | |
Core i7-1165G7 |
こちらはCinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 9 5900HX | |
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Core i9-11900H | |
Core i7-11800H | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 7 PRO 6850U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
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Core i7-1260P | |
Core i9-11900H | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 7 PRO 6850U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5700U |
Ryzen 5 PRO 6650Uの詳しい性能は、こちらをどうぞ。
グラフィックス
グラフィックは内蔵グラフィックスで、Ryzen 5 6600UがRadeon 660M、Ryzen 7 6800UがRadeon 680Mになります。
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
VRAMもメインメモリと共有で最大4GBに設定でき、レイトレーシングやFSR2.0に対応しています。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
GTX 1650 mobile | |
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Ryzen 7 PRO 6850U | |
MX550 | |
MX450 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U |
グラフィックカードのMX 550並みの性能ですね。
ディスプレイ
解像度 | 液晶/光沢 | アスペクト比 | 輝度 |
WUXGA WUXGA WUXGA(タッチ) WQXGA |
IPS/なし | 16:10 | 300nit 400nit 300nit 400nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
800:1 1000:1 800:1 1200:1 |
NTSC 45% sRGB 100% NTSC 45% sRGB 100% |
170° | ― 省電力 ― Dolby Vision |
WQXGA | 解像度は2560 × 1600ドット |
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WUXGA | FHD相当で、解像度は1920 × 1200ドット |
Dolby Vision | Dolby社のHDRの技術。従来よりもより明るく(白はより白く、黒はより黒く描写できる)表現できる |
ディスプレイは4種類あり、大きく分けて、一般的な解像度のWUXGAと、2.5KのWQXGAになります。もちろん、2.5Kの方が高精細で見やすいです。
一般的なノートパソコンのアスペクト比は16:9ですが、本機は縦に長い16:10なので、より多くの情報が表示されます。
輝度は300ニトと400ニトがあり、どちらでも明るい方ですが、屋外で使うことが多い人は400ニトモデルが良いと思います。
色域は一般的なNTSC 45%と、クリエイター向けのsRGB 100%の2種類があり、予算に余裕があればsRGB 100%モデルがおすすめです。
<左・NTSC 45%/右・sRGB 100%>
色域が広いsRGB 100%だとより多くの色が描写できるので、写真や動画を見る時に鮮やかなので、没入感も高いし、画像編集もしやすいです。
また、2.5KはDolby Visionに対応しており、よりシャープで力強い色彩の描写が可能になっています。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはオンボード・最大32GBで、LPDDR5-6400MHzが搭載です。
現行最高のメモリが搭載しており、処理速度も速いです。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージも最新のSSD PCI Express 4.0が搭載で、最大2TBと大容量です。また、SSDはPerfomanceモデルと無印があり、Performanceモデルの方が高い性能になると思います。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。(詳しくは、公式サイトをどうぞ。)
また、Secured Core Level 3が施されており、詳細は公表されていませんが、Windows OSのハードウェアやセキュリティ関連の設定条件が一番厳しい基準になっているとのことです。ちなみにこれはLenovoの設定・基準じゃなく、Windowsによるものです。
この様に、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
有線LANは、ギガビットイーサネットになっています。
LTE
Fibocom L860-GL-16, 4G LTE CAT16が搭載できるようですが、執筆時現在、WWANを選んでも通信モジュールが選べないです。ゆくゆくは、搭載できると思います。
Fibocom L860-GLの速度は、ダウンロード最大1Gbps、アップロード最大75Mbpsになります。アップロードは普通の速さですが、ダウンロードは速いですね。
ちなみに、LTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
バッテリー駆動時間
バッテリーは標準で52.5Whrが搭載で、+3300円で大容量86Whrに変更できます。当然、若干重たくなりますが、ACアダプタを持ち運ぶよりも軽いので、外出先で使うことが多い人は検討しても良いと思います。
52.5Whr時は、最大バッテリー駆動時間が17.3時間となっており、これでも十分長いですが、86Whr時はもっと長くなると思います。
インターフェイス
左側面インターフェイスはRJ45、USB 3.2 Gen 2 Type-Cが2つ、HDMI、USB 3.2 Gen 1、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。
右側面はUSB 3.2 Gen 1と、セキュリティーキーホールで、カスタマイズよりスマートカードリーダーが搭載できます。
データ転送速度は、USB 3.2 Gen 1が5Gbps、Gen 2が10Gbpsです。
インターフェイスは16インチにしては多くないですが、そこまで困ることはないと思います。
サポート・保証
標準で1年間の「翌営業日オンサイト修理保証」と、プレミアサポートが付随しており、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
ライバル機種
<左から本機種・ThinkPad T14 Gen 3・ThinkPad P16s Gen 1>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | ThinkPad T14 Gen 3 | P16s Gen 1 Intel | |
スペック | Ryzen 6000 LPDDR5 32GB SSD PCIe 4.0 |
Ryzen 6000 LPDDR5 32GB SSD PCIe 4.0 |
インテル12世代 DDR4 48GB SSD PCIe 4.0 NVIDIA T550 |
ディスプレイ | 16型 WUXGA,2.5K |
14型 WUXGA,2.2K,4K |
16型 WUXGA,2.5K |
重さ バッテリー |
1.65㎏ 17.3時間 |
1.21㎏ 21.1時間 |
1.68㎏ 16時間 |
価格 | 15.3万円~ | 13万円~ | 16.2万円~ |
※P16s Gen 1のグラボ搭載モデルは、17,3万円から
持ち運びがしやすい14インチのT14 Gen 3と、グラボが付いてよりグラフィック性能が高いP16s Gen 1、そして、価格などが中間の本機になります。
大きさや価格で選ぶなら本機が、持ち運びやすさ重視ならT14 Gen 3が、グラボがあった方がよさそうならP16s Gen 1が良いかもしれません。
まとめ
良い点
・16インチでは軽量で持ち運びがしやすい
・画面比が16:10で、より多くの情報が表示される
・CPUやメモリ、SSDが最新で高品質
・内蔵グラフィックはかなり高性能
・Wi-Fi 6Eに対応
・バッテリー駆動時間が長い
・高画質FHD Webカメラが搭載可能
残念な点
・USB4があったらうれしかった
総合評価
一部はオプションですが、全体的なスペックが高く高品質なPCです。16インチで15.6インチ並み、もしくはそれよりも軽く、バッテリー駆動時間も長い、そして大画面でがっつりした作業ができるのも特徴です。
持ち運びを考えて13~14インチを使う人もいますが、やはり、大画面で作業ができるので、生産性が落ちにくく、どこでも仕事ができると思います。
価格も比較的低価格で、購入しやすいと思います。