超高性能で人気が高いRyzen 5000 Proシリーズ搭載のThinkPadです。通常のUシリーズとビジネス用のProシリーズがあり、よりセキュリティにこだわった仕様になっていますね。
前モデルと比較してみると、おそらく筐体は同じものを使用しており、全く同じ外観と仕様になっているので、本機種はCPUを最新のものに乗せ換えた、バージョンアップ機種になります。
ThinkPad Lシリーズは上位モデルに比べ筐体が大きいですが、スペック自体は上位モデルとそん色がなく、ハイスペック機種になります。
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ThinkPad L15 Gen 2のスペックレビュー
CPU | AMD Ryzen 3 5400U/Pro 5450U AMD Ryzen 5 5600U/Pro 5650U AMD Ryzen 7 Pro 5850U |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | Radeonグラフィックス |
ディスプレイ(15.6型) | HD TN液晶 FHD IPS液晶 |
OS | Windows 10 Home、Pro |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5.2、LTE(eSIM対応) |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(オプション) |
Microsoft Office | 搭載モデルあり |
セキュリティ | Windows Defender、TPM、ThinkShutter、セキュリティ キーホール、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード |
寸法 | 366.5 x 250 x 21㎜ |
重さ | 1.99㎏ |
バッテリー | 最大約13.6時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | ― |
パソコンの頭脳であるCPUには最新のAMD Ryzen Pro 5000シリーズが搭載可能で、全モデルが最新アーキテクチャのZen 3になっています。性能がかなり上がっており、デスクトップ並みの性能です。
メモリは2スロットで最大64GBと大容量、ストレージは最新で最高性能のPCIe 4.0が搭載可能です!パソコンの起動もデータ移動もサクサクです!
ディスプレイは解像度が低めのHD TN液晶と、高解像度のFHD IPS液晶が選べ、多くの人はFHDディスプレイを選ぶと思います。
指紋センサーや顔認証にも対応可能で、WiFi6やLTEも搭載可能なので、必要な機能はほぼ搭載できると思います。また、LTEはeSIMにも対応するようなので、気軽に使い始めることができますね。
サイズは若干大きめで、1.99㎏と重たいので、持ち運び用と言うよりも据え置き用として使う人に合いますね。
旧モデルとの比較
<左・本機種/右・ThinkPad L15 gen 1>
旧モデルのThinkPad L15 Gen 1との比較です。両機種は同じ筐体を使用しており、ほぼ同じ仕様です(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | ThinkPad L15 Gen 1 | |
CPU | Ryzen 3 5400U/Pro 5450U Ryzen 5 5600U/Pro 5650U Ryzen 7 Pro 5850U |
Ryzen 3 PRO 4450U Ryzen 5 4500U/Pro 4650U Ryzen 7 PRO 4750U |
メモリ | 64GB(3200MHz) | 64GB(3200MHz) |
ストレージ | SSD(PCIe 3.0×4、4.0) | SSD(PCIe 3.0×4) |
ディスプレイ | FHD IPS、HD TN | FHD IPS、HD TN |
無線 | WiFi6、LTE | WiFi6、LTE |
バッテリー | 13.6時間 | 15.7時間 |
重量 | 1.99㎏ | 1.98㎏ |
価格 | ― | 7.8万円~ |
CPUとストレージ以外は特に変わりがないですが、CPUの性能が上がった分、バッテリー駆動時間が下がっていますね。ただし、CPU性能はかなり上がっているし、ストレージにPCIe 4.0を選んだ場合は、速度もかなり速くなっています。
こちらはCPUの性能を測る、Passmarkスコアです。
[visualizer id=”22420″ lazy=”no” class=””]以前も十分高い性能なのですが、さらに高い性能になっていますね。
ライバル機種
<左から本機種・ThinkPad L15 Gen 2 Intel・ThinkPad E15 gen 3>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | L15 Gen 2 Intel | E15 Gen 3 | |
CPU | Ryzen 3 5400U/Pro 5450U Ryzen 5 5600U/Pro 5650U Ryzen 7 Pro 5850U |
Celeron 6305 Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 64GB | 64GB | 24GB |
ストレージ | SSD | SSD+HDD | SSDx2 |
グラフィックス | Radeon | Iris Xe GeForce MX450 |
Radeon |
ディスプレイ | FHD IPS HD TN |
FHD IPS HD TN |
FHD IPS/TN |
無線 | WiFi6、LTE | WiFi5/6、LTE | WiFi |
バッテリー | 13.6時間 | 11.3時間 | 10.3時間 |
重量 | 1.99㎏ | 1.98㎏ | 1.7㎏ |
Thunderbolt 4 | 無し | 有り | 無し |
価格 | ― | 16万円~ | 6.9万円~ |
インテルモデルのL15 Gen 2以外はRyzen 5000シリーズ搭載で、CPU性能を比較するとRyzen 5000の方がかなり高い性能になっています。
[visualizer id=”22435″ lazy=”no” class=””]ただし、グラフィック性能はインテルの方が高そうです。
[visualizer id=”22466″ lazy=”no” class=””]また、AMDプロセッサーを使用している機種にはThunderbolt 4が無いので、大きなデータを移動する人や外付けドライブを常に繋いでデータをやり取りする人などは、インテルモデルを選んだ方が使いやすいと思います。
ThinkPad E15 Gen 3はエントリーモデルで、インターフェイスが少なくメモリもあまり大きくできないですが、普通にビジネス用途で使う場合には十分な性能があります。
- 本機種・・・デスクトップ代わりに超高性能ノートパソコンを探している人に合います
- L15 Gen 2 Intel・・・同じく据え置き用としての使用がメインで、画像編集など簡単な編集作業もする人、大きなデータを頻繁に移動する人に合います
- E15 Gen 3・・・L15ほどの性能が必要ないけど、ある程度の性能が必要な人に合います
メリット・デメリット
良い点
・セキュリティが高い高性能CPU搭載
・メモリが大きい!
・インターフェースが豊富
・タイピングがしやすいキーボード
・大画面で作業がしやすい
・WiFi6にLTEもあるので外出先でも安心して作業ができる
悪い点
・Thunderbolt 4があったらよかった
・持ち運びには重たい
ThinkPad L15 Gen 2の特徴
ThinkPad Lシリーズは若干筐体が大きいとは言え、ベゼル(画面の黒い枠)も細くおしゃれですね。筐体の寸法は幅366.5㎜、奥行き250㎜、厚さ21㎜で、
・幅はB4サイズの長辺(364㎜)
・奥行きは一万円札1.5枚分(240㎜)
・厚さは一円玉(直径20㎜)
とほぼ同じです。標準的な15.6型と比べ、幅と奥行きは1㎝ほど大きいですね。
高さも1円玉より1㎜大きいので、ボリュームがありますね。
横から見るとそこまで大きく見えないですね。重さは1.99㎏と標準的な15.6型の1.7㎏に比べ、約200g重いです。持ち運びできないわけじゃないですが、重さを感じますね。
素材はPCとABSが使用され、これらは樹脂素材になります。ボディを触って「これは樹脂だ!」って分かる人は少ないと思うし、チープな感じはしないですね。
上位モデルのXシリーズはカーボンファイバーやアルミニウムも使用しているので、あえて素材に差を出していると思います。
底面には多くの吸気口があり、右側面にも空気口があるので、エアフローも良いと思います。
<右側面>
指紋センサーや顔認証も搭載できるので、サインインも一瞬で完了です。
キーボード
<ThinkPadのキーボード>
キーボードはテンキー(右側の数字のキーパッド)付きで、Excelなどで数字を使った資料作成が多い人は、特に使いやすいと思います。
ThinkPadのキーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は約19㎜x18.5㎜で、手が大きな人でも打ちやすく、キーストローク(キーを押し込む距離)は2㎜前後と深いので、打感がいいんですよね。サクサク気持ちよくタイピングできます。
また、トラックポイント(真ん中の赤いボタン)があるので、ホームポジションから離れずにカーソル移動やクリックもできます。生産性も上がると思います。
また、通常ThinkPadでは英語キーか日本語キーが選べます。
MILスペック
ThinkPadは「米軍の物資調達規格(MIL規格)」に準拠しており、MILスペックテストをクリアーした耐久性・堅牢性の高いパソコンになっています。
有名な話ですが、ThinkPadは元々IBMのパソコン事業部門でそれをLenovoが買収したのですが、今でもThinkPadの研究開発は横浜にある大和研究所で行われています。一部のモデルは日本でも作られているし、安心の品質があります。
CPU
Ryzen 3 5400U Pro 5450U |
Ryzen 5 5600U Pro 5650U |
Ryzen 7 Pro 5850U | |
アーキテクチャ | Zen 3 | Zen 3 | Zen 3 |
---|---|---|---|
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 | 8/16 |
キャッシュ | 8MB | 16MB | 16MB |
GPUコア | 4 | 6 | 8 |
基本クロック(GHz) | 2.6 | 2.3 | 1.9 |
ブーストクロック(GHz) | 4.0 | 4.2 | 4.4 |
TDP | 15W | 15W | 15W |
CPUはRyzen 5000シリーズで最新アーキテクチャのZen 3になります。大きな変化として、以下があります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
また、多くのRyzen 4000シリーズは1コア当たり1スレッドでしたが、Ryzen 5000シリーズは全てが「マルチスレッディング」に対応したため、1コア当たり2スレッドになっています。このおかげで、より多くのデータを同時に処理できるようになりました。
<アプリの数は例です>
多くのタブやソフト、アプリを同時に使う人は、より快適さが上がっています。
また、Ryzen Proシリーズは通常版よりもセキュリティが強化され、メモリの暗号化などにも対応しています。
下のグラフはCPUの性能を測るPassmarkスコアになります。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”22458″ lazy=”no” class=””]グラフの一番上のCPUは、インテルのデスクトップ用ハイエンドCPUですが、Ryzen 7はほぼ同じスコアですね・・・。すごく性能が高いです。
Ryzen 3ですらスコア1万オーバーなので、どれを選んでも快適に使えそうですね。
こちらはシングルコア性能とマルチコア性能を測る、Cinebench R23です。
[visualizer id=”22462″ lazy=”no” class=””]まだデータが少ないのですが、マルチコア性能はAMDが高いですが、シングルコア性能は同等モデルのIntelの方が高いですね。クリエイティブワークをする人は、インテルの方が使いやすいかもしれません。
グラフィックス
画像・動画編集やゲームをする上で必要なグラフィック性能です。また、これらだけでなく、複数画面を使ったり、Officeワークがしやすくなります。
[visualizer id=”22466″ lazy=”no” class=””]内蔵グラフィックスとしては良いと思いますが、画像編集などをする人はインテルモデルが使いやすいです。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 視野角 |
HD 1366×768 |
なし | TN | 220nit | 400:1 | 90° |
FHD 1920×1080 |
なし | IPS | 250nit | 700:1 | 170° |
FHD/タッチ 1920×1080 |
なし | IPS | 300nit | 800:1 | 170° |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい | ||||
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広いが、TN液晶は若干青みがかった色で低品質 | ||||
コントラスト比 | 最少輝度(黒色)と最大輝度(白色)の差。差が大きいとより鮮やかで、力強い描写が可能 | ||||
nit | 明るさを表す単位。通常250~300前後が標準 |
ディスプレイは3種類あり、HDディスプレイTN液晶は低品質で、3万円ほどのノートパソコンに搭載されるようなディスプレイです。常に外付けモニターに繋いで使う場合以外は、お勧めしません。
その他の2つは高画質のフルHDディスプレイ、視野角も広くコントラスト比も高いIPS液晶です。こちらがおすすめですね。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR4-3200MHzで、スロットが2つ・最大で64GBにできます。現行最高の動作周波数(MHz)なので、処理速度がかなり速いです。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種はPCIe NVMeの中でも性能が高いPCIe 3.0×4、もしくはPCIe 4.0なので、起動もデータ移動もWebページの読み込みなども速いです。4.0が最新規格で、3.0に比べシーケンシャル速度も50%~100%ほど速くなっています。
セキュリティ
さすがビジネスノートなので、セキュリティは堅牢です。
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
- ThinkShutter・・・前面カメラの物理カバー
- セキュリティキーホール・・・パソコンが持ち出されないようにロックするワイヤーを設置する個所
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間はビジネス用途としては普通で、最大約13.6時間です。使い方によっては一日外出していても、バッテリーが持ちそうですね。また、1時間で約80%まで充電できるので、必要な場合はサクッと充電して次に向かうことができます。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、混雑した回線でも安定した高速通信が可能なので、カフェや社内無線LANを使う場合でも作業がやりやすくなりますね。
WiFi6は旧規格のWiFi5よりも、同時により多くのデバイスに電波を飛ばすことができ、最大通信速度もWiFi5より約40%速くなっているので、遅延も少なく、高画質のビデオ会議などにも対応できます。
- WiFi5の最大通信速度・・・6.9Gbps
- WiFi6の最大通信速度・・・9.6Gbps
LTE
LTEはnanoSIMを使って常時インターネットに接続できる機能で、4G回線のQuectel EM120R-GL 4G LTE CAT12が搭載可能です
回線速度は下り最大600Mbps、上り最大150Mbpsになります。
対応バンドは上の表になり、大手3社の4Gの重要なバンドすべて対応しています。また、eSIMにも対応しているとのことなので、楽に使い始めることができますね。
LTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。eSIMもあります。
インターフェイス
左側面インターフェイスは、USB-C 3.2 Gen 1、USB-C 3.2 Gen 2(共に映像出力機能付き)、ドッキングコネクタ、USB-A 3.2 Gen 1、HDMI 2.0、Nano SIMカードスロット(LTEモデル)、MicroSDカードリーダー、RJ45、スマートカードリーダー(オプション)です。
左側面インターフェイスはヘッドフォン/マイクジャック、USB-A 3.2 Gen 1、セキュリティーキーホールです。
USB 3.2 Gen 1のデータ転送速度は最大5Gbpsになり、3.2 Gen 2は最大10Gbpsになります。
インターフェースはかなり豊富ですね。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、プレミアムサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は以下の2と3にアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者が指定場所(自宅など)にピックアップにきて、リペアセンターに配送、修理後返送してくれる。(郵送費はすべてLenovo負担)
- オンサイト修理・・・指定場所にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理+プレミアサポート・・・通常、翌営業日にエンジニア指定場所に来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
まとめ
多くのパーツやスペックは旧モデルと同じですが、CPUとストレージが最新のものを搭載できるので、もともと高かったスペックが、より一層高くなりました。
Lシリーズはスペック的に最上位モデルのXシリーズと似ていますが、筐体が大きいだけで価格も比較的安くなっているので、持ち運びが少ない人にはうってつけです。