先日、筆者はゲーム兼動画/画像編集用に、価格も安いし性能も高いのでLenovo LOQ 15AHP9(AMD)を購入しました。
LOQといえばLegionの廉価版で価格は安いが、CPUやGPUの性能はLegionと同じく高く、コスパの良い機種として知られていますね。
筆者が購入した機種はデフォルトでもsRGB 100%で、画像編集や細かい色を気にしない筆者にとっては動画編集でも十分な色域です。
さて、ゲーム的な性能はLOQ 15AHP9のレビュー記事を読んでほしいのですが、動画編集はできるの?って気になる人も多いと思います。
ということで、LOQで動画編集ができるのか?そして本機を使うメリットデメリットをご紹介します。
レビューにはLOQ 16IRH8とLOQ 15AHP9を使用していますが、LOQ 16は公式サイトでは販売が終了したようです。
動画も作成したので、併せてどうぞ。
Contents
LOQで動画編集はサクサク余裕でできる
まずは結論からですが、LOQで動画編集や画像編集、3DCADなどクリエイティブワークもできます。
LOQには13/14世代インテルCPUやRyzen 7000/8000搭載が搭載しており、グラボは2023年モデルは最大でRTX 4070、2024年モデルはRTX 4060が搭載できるので、スペック的にはクリエイターPCやほかのゲーミングPCとそん色ありません。
ディスプレイはsRGB 100%で画像編集に向いている色域ですが、YoutubeやSNS用の動画編集であればこの色域で十分です。
本格的な動画編集をする場合はDCI-P3 100%以上が良いですが、こうなると価格も2倍近くになるので、どうしても気になる人はDCI-P3 100%のモニターを使用したらよいと思います。
上の画像は筆者の今の環境ですが、LOQ 15AHP9にThinkVision P27u-20というThunderbolt 4ドッキングステーションが搭載している4Kモニター、そしてThinkVision M14dというモバイルモニターを使って、Lightroom、Photoshop、Davinci Resolveを使っています。
3画面表示も可能なので、作業がしやすいです。
ちなみに、今この記事を書いているときに、かなり多くのタブ(23タブ)やアプリ(Lightroom、Photoshop、Davinci Resolve、Paint、エクスプローラーなど)を開いているのですが、メモリ使用率はたったの60%(レビュー機はメモリ32GB)です。
多くのアプリを開けながらでも、作業ができます。
本記事の動画をLOQ 15AHP9を使って作成している途中の動画です。
これは、同じくLOQ 15AHP9で編集した動画です。5分ほどの尺で、書き出し時間は3分ほどでした。
デメリット
さて、CPUやGPU、そしてディスプレイの色域的にはクリエイティブワークもできますが、LOQって低価格モデルなので「ちょっとやめてよー」という個所もあります。
・インターフェイスが低品質
・ディスプレイの画面アスペクト比が16:9もある
・Wi-Fi 6Eじゃなく6が搭載
インターフェイスが低品質
正面から見ると隠せますが、裏はこんな感じなんです(笑)
HDMIと電源ケーブル、USB-Cケーブル(PCとモバイルモニターを接続)があり、マウス用USBレシーバー、そしてThunderbolt 4ケーブルがモニターに刺さっています。これは、ほかの機種を使うとき用です。
持ち運びしなければ気にならないですが、私は動画編集以外はほかの機種を使っているのでケーブルの抜き差しが面倒です。
LOQには、USB Type-Cが1つしかないんですよね。しかもGen 2。しかも右側面(笑)。なんでこんなところにつけたんだ?って思うほどバッドチョイスです。
これを使うとマウスに当たって、使いにくいことこの上ないです。
右側面にしかUSB Type-Cがないと不便だな・・・ pic.twitter.com/kzcrrBbt1b
— パソコンガイド (@pc_reviewer) August 7, 2024
ゲームをするときはモバイルモニターを外せばいいですが、いちいちケーブルを触るのが面倒くさい人もいると思います。
Thunderbolt 4やUSB4があるPCの時と、見比べてみましょう。
USB4があるPCだと、ケーブルも少なくきれいさっぱりですね。
また、2024年モデルのLOQはUSB Type-Cは10Gbpsですが、USB-AはすべてGen 1(5Gbps)です。
データをスマホや一眼から移動する場合はUSB Type-Cが一番早いですが、筆者のようにUSB Type-Cを使っている場合はケーブルを付け替えるか、5GbpsのUSBを使うことになります。
大きなデータだと時間がかかって面倒くさいですが、小さなデータなら気にならないです。
これはLOQ 15のインターフェイスで、左側面と背面にインターフェイスがあります。
こちらはLOQ 16のインターフェイスです。16インチは左右に排気口があり、マウスを使っていると温風が当たります。
スペック的には動画編集もできますが、インターフェイスのおかげでクリエイターPCとしては不便です。
画面アスペクト比が16:9もある
これちょっと不思議なのですが、2023年に発売された画面アスペクト比が16:10のLOQを、2024年にはあえて16:9にして販売しています。
通常2年は同じ筐体を使用し、CPUやGPUを変えて販売するのですが、LOQは1年で筐体が変わりました。
上の画像は16:9のLOQと16:10のディスプレイの比較で、表示量が全然違いますよね。16:10のほうが一度に見て取れる情報が多いので、作業効率は上がります。
ただし、2023年発売の16インチモデルは、画面比が16:10と縦に長いです。
<左・LOQ 16IRH8/右・LOQ 15AHP9>
Wi-Fi 6EじゃなくWi-Fi 6
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
現行主流なのはWi-Fi 6Eで、上位モデルにはWi-Fi 7が搭載された機種もあります。
本機はイーサネットコネクタがありますが、無線はWi-Fi 6になります。最大通信速度が少し下がります。とは言え最大9.6Gbpsは、理論値は1ギガビットイーサネット(1Gbps)よりも早い通信速度です。
良い点
・側面に排気口がないので、温風が手に当たらない
・メモリとストレージの増設が可能
・sRGB 100%でクリエイティブワークにも向いている
温風が当たらない
LOQ 15は左も右も排気口がないので、マウスを使っていても温風が当たらないんです。
すごくうれしいです。
普通のゲーミングPCは左右に排気口があるものがほとんどなので、マウスを使っていると不快感がありますよね。
この辺りは、ゲーミングPCというよりもクリエイターPCの仕様です。
増設可能なので安くスペックアップできる
LOQはメモリスロット2つ、M.2スロットが2つあり、メモリもストレージも増設が可能です。(増設方法はこちらをどうぞ)
私はメモリ16GB増設して32GBに、SSDも付け足しています。容量が増えたので、気にせずに重たい作業も快適にできるし、多くのデータの保存もできます。
ディスプレイの色域がデフォルトでsRGB 100%
低価格モデルのPCだと色域が狭いNTSC 45%が標準搭載のことがほとんどですが、LOQは低価格なのに高色域のsRGB 100%を採用しています。
左がNTSC 45%で、右はLOQ 15です。色が全然違いますよね?より正しい色を見ながら編集ができます。
結論
以上の結果、性能的には動画編集もできるが、インターフェイスが低品質なのでクリエイターPCとして使うのはストレスがたまるかもしれないです。
とは言え、これだけ低価格(11万円台から)でCPUやGPUの性能が高いので、まずはLOQで動画編集をはじめ、全体的にハイスペックな機種が欲しくなったら買い替えるのもよいと思います。
もしくは上位モデルのLegion 5i(16万円~)はUSB Type-Cが2つあるし、Legion 7i(22万円~)はThunderbolt 4があるので、こちらを買うのもいいかもしれません。
LOQシリーズのレビューはこちらをどうぞ。
LOQ 15IRX9(Intel)
LOQ 15AHP9(AMD)