X13 Gen 1はモデル名こそ変わっていますが、X390やX395の後継機種ですね。
X390(Intel製CPU)とX395(AMD製CPU)の様に、X13 Gen 1インテルCPUモデルとAMDのCPUモデル2機種販売されています。
前機種からの最大の変化は、WiFi6対応、LTE CAT.16対応、CPUの性能が上がったといったところです。
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ThinkPad X13 Gen 1(2020)のレビュー
CPU(Intel) | Intel core i3, i5, i7(第10世代) |
---|---|
コア/スレッド | i3)2/4、i5、i7)4/8 |
CPU(AMD) | AMD Ryzen 3pro, 5pro, 7pro(第3世代) |
コア/スレッド | 3)4/8、5)6/12、7)8/16 |
メモリ | 8GB、16GB、32GB |
ストレージ | SSD128GB、256GB~2TB(OPAL対応) |
ディスプレイ(13.3型) | HD、FHD、FHD(タッチパネル)、FHD(Privacy Guard付き) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics、Radeon Graphics |
OS | Windows 10 Home、Pro |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
LTE | 搭載可能 |
NFC | 搭載可能 |
WiFI6 | 対応 |
セキュリティ | セキュリティ キーホール、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、TPM、Thinkshutter |
キーボード | JIS、US選択可 |
サイズ | 311.9 x 217 x 16.5mm(ディスプレイによる) |
重さ | 1.18㎏~1.33㎏ |
バッテリー | 最大16時間 |
価格 | 9.6万円~ |
前機種であるX390,X395からほとんど変わっていないですが、CPUと重量、そしてバッテリーの長さに変化があります。
変化があったのは以下の部分です。
X13(新製品) | X390 | X395 | |
CPU | 第10世代Intel 第3世代Ryzen Pro |
第8・10世代Intel | 第2世代Ryzen Pro |
重さ | 1.18㎏~ | 1.18㎏~ | 1.28㎏~ |
バッテリー | Intel・最大16時間 AMD・最大13.9時間 |
最大19時間 | 最大14.4時間 |
WiFI6 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
ビデオコールボタン | あり | なし | なし |
CPUの性能が上がったからでしょうか?バッテリーがこんなに短くなっているのは。とは言っても、16時間(AMDは13.9時間)使えたら一日外で使ったとしても充電ケーブルの持ち運びはいらない人がほとんどだと思います。
今機種から次世代通信規格のWiFI6にも対応しているので、高速回線でインターネットが使えますね。
下記にて詳しく解説しますが、今製品の最大のポイントは、WiFI6対応とRyzen第3世代が選べるようになったというところだと思います。
Intelモデルは上位モデルのCPUが選べますが、驚きの変化と言うほどではありません。
IntelモデルとAMDモデルの比較
Intelモデル | AMDモデル | |
CPU | Intel core i3, i5, i7 | Ryzen Pro3、5、7 |
コア/スレッド | i3)2/4、i5、i7)4/8 | 3)4/8、5)6/12、7)8/16 |
クロック数(GHz) | i3)2.1、i5)1.7,1.6、i7)1.8 | 3)2.5、5)2.1、7)1.7 |
メモリ | 8GB、16GB、32GB | 8GB、16GB、32GB |
ストレージ | 128GB~2TB | 128GB~1TB |
ディスプレイ | ・HD(250nit) ・FHD(300nit) ・FHD(300nit マルチタッチ) ・FHD(500nit Privacy Guard) |
・HD(250nit) ・FHD(300nit) ・FHD(300nit マルチタッチ) ・FHD(500nit Privacy Guard) |
生体認証 | ・指紋センサー ・顔認証 |
・指紋センサー ・顔認証 |
重さ | 1.18㎏~1.33㎏ | 1.28㎏~1.39㎏ |
バッテリー | 最大16時間 | 最大13.9時間 |
サイズ | 311.9 x 217 x 16.5㎜ | 311.9 x 217.2 x 16.9㎜ |
価格 | 10.8万円~ | 9.6万円~ |
下記グラフはAMD Ryzen pro 7とIntelの同等モデル core i7-10510Uの性能比較表です。低い方を100として単位%での比較です。
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AMDモデルがほとんどの機能を上待っていますね。
最大の違いは、コアとスレッドの性能で、AMDモデルはコアとスレッド数がハイエンドモデルのデスクトップ並みになっています。
これはすごいですね。Ryzen 7proの8コア16スレッドなんて、ほとんど見たことが無いような大きさです。モンスタークラスの性能です。
4コア8スレッドも大きい方なのですが、比較するとAMDのコア性能はやばいですね。8コア16スレッドなんて搭載したら、どんなヘビーな使い方しても大丈夫でしょうね。
また、価格もAMDの方が安いので、AMDを選ぶ人が多いんじゃないかなって思います。
ThinkPad X13 Gen 1の特徴
それでは以下にての特徴をご紹介します。
外観
外観は変わらずにThinkPadという見た目ですね。いつも思うのですが、仕事が出来るビジネスパーソンが使っていそうな見た目ですよね。
画面の黒い枠(ベゼル)が細いので、パソコンいっぱいに画面が広がる感じです。また、キーボードにはテレワーク用のビデオコール受信・終了ボタンが付いたので、テレワークをする人にはちょっと便利になりました。
サイズはディスプレイにより若干変わるのですが、標準的なサイズの311.9 x 217 x 16.5mmです。13型にしてはそこまで薄いわけじゃないですね。
厚さは16.5㎜です。カバンに入れて持ち運びも問題ない大きさです。天板にカーボンファイバーを選ぶと1.18㎏とかなり軽くなるので、外出が多い人でも持ち運びは苦にならないですね。
ディスプレイ
ディスプレイには、以下の4種類が選択できます。
- HD(250nit)TN液晶 光沢なし
- FHD(300nit)IPS液晶 光沢なし
- FHD(300nit)IPS液晶 光沢なし マルチタッチ
- FHD(500nit)ThinkPad Privacy Guard
HD | ハイディフィニション、1366x768の解像度 |
---|---|
FHD | フル・ハイディフィニション、1920x1080 |
TN液晶 | 視野角が狭いので角度によっては見にくい |
IPS液晶 | 視野角が広く角度を変えても見やすい |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位、250~300nitが一般的 |
ThinkPad Privacy Guard | ボタン一つで視野角を狭くできる。左右からののぞき込み防止ができる |
なぜHD液晶があるのか分かりませんが、時々しかパソコンを触らないという人ならこれでもいいかもしれませんが、FHDが断然きれいなのでおすすめですね。
FHD(500nit)にはPrivacy Guardが付いているので、外でパソコンを使うことが多い人はのぞき見防止になるので役に立ちます。
各ディスプレイの詳細スペックはこの様になります。
視野角 | 輝度 | コントラスト比 | 色域(NTSC) | |
HD | 170度 | 250nit | 300:1 | 45% |
FHD | 170度 | 300nit | 800:1 | 72% |
FHD(マルチタッチ) | 170度 | 300nit | 700:1 | 72% |
FHD(Privacy Guard) | 170度 | 500nit | 1000:1 | 72% |
NTSCはアナログテレビ時代からある規格で、通常72%のカバー率でした。NTSCの色域はAdobe RGBなみに広いので、72%と言っても描写力は高いです。
CPU
CPU(Intel製) | APU(AMD製) |
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先ほども比較性能を紹介しましたが、AMD製は性能が高いですね。Intelがほぼ市場を独占しているので「高性能・低価格」路線で攻めてきています。
下のグラフは本機種搭載のCPUと、その他の性能比較です。
[visualizer id=”10226″]Ryzenのスコアがやばいくらい飛び抜けていますね。コア数も高い性能ですしね。
個人的にAMDでもIntelでも良いと思うのですが、Intel製の方が安定した動作が出来ると一般的に言われています。それでもここまで高性能ならAMDを選ぶ人が多いと思います。
コアとスレッド、クロック数(GHz)は、数値が大きければ大きいほど同一時間内に処理できるデータ量が上がるので、ヘビーユーザーは最低4コア8スレッド以上がいいですね。
4コア8スレッドでも大きい方なのですが、Ryzenは5が6コア12スレッドのモンスタークラスで、Ryzen 7が8コア16スレッドなんていうデスクトップでも「大きいな」と思うほどの性能です。
ただし、性能が安定しているのは一般的にIntel製なので、ゲームや計算ソフトなど安定した動作が必要な事をする人はIntel製がいいかもしれません。
グラフィックスは、
- Intel UHD Graphics
- AMD Radeon Graphics
となっています。
どちらも性能が高いものじゃないので、ゲームや動画編集などGPUが必要な事には向いていません。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、より大きなメモリは、より大きなデータ、より多くのデータを処理しやすくなります。
一般的には8GBで十分、16GBもあればかなり大きい方です。メモリはオンボードで空きスロットがないので、増設を考えている人は初めから大きな16GBを選んだ方がいいかと思います。
ちなみにメモリの種類は
- Intel搭載モデル・・・DDR4 PC4-21300MHz(2666MHz換算)
- AMD搭載モデル・・・DDR4 PC4-25600MHz(3200MHz換算)
です。
周波数が高いと処理速度も速くなるので、AMDモデルはIntelモデルよりも20%以上高速処理が出来ます。
ストレージ
ストレージはSSD128GB~2TBの大容量まで選べます。すべてM.2 PCIe-NVMeなので、超高速です。
SSDにはSATAと言うモデルとこのPCIe-NVMeが搭載されることが多いのですが、SATAはデータ転送速度の理論値が6Gbpsと結構速いタイプで、PCIe-NVMeは40Gbpsとめっちゃ速いタイプになります。
また、128GB以外のストレージにはOPAL(オパール)という自己暗号化ドライブに対応しており、データをハードウェアレベルで暗号化して保存できます。
ソフトウェアで後から暗号化するわけじゃないので、解読・解除が難しんです。
セキュリティ
セキュリティはさすがThinkPadですね。ビジネスで重要なデータを扱う人にも対応できるセキュリティが入っています。
- セキュリティキーホール・・・ワイヤーなどを繋げて持ち運びできないよういする
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時に入れるパスワード
- ハードディスクパスワード・・・ストレージにハードウェアレベルでパスワードを設定
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどのハードウェアの設定を見たり変更したりする
- システムマネジメントパスワード・・・詳細なし
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップ。パスワードなどの情報を格納
- ThinkShutter(搭載有り無しモデルあり)・・・前面カメラのカバー
- OPAL・・・SSDの自己暗号化ドライブ
- Windows Defender・・・マルウェアやフィッシングなどのウイルス対策
生体認証
指紋センサーとIRカメラ(顔認証)が搭載可能です。ログインが一瞬で終わるのでかなり時間短縮になるし、パスワードは自分の指や顔なので覚えなくても大丈夫ですね。(笑)
LTE
LTEは前機種のCAT.9からCAT.16に、バージョンアップしています。
大きく変わったのは最大受信速度で、CAT.9の450MbpsがCAT.16では1Gbpsと倍以上に速くなっています
5Gが始まっても対応できるようになっていますね。
標準搭載ではないので、「カスタマイズ」からWWANと言う項目で変更できます。
NFC
意外に便利なNFC。最近のスマホには入っていますよね。これはNFC搭載デバイス間でのデータ移動などが、無線で出来るようになります。
また、例えばスマホで何か記事を見ていて同じものをパソコンで見たいときは、スマホを画面に近づけるとページがパソコンに移動できます。
インターフェイス
- USB 3.1 Gen1 Type-C(電源と共用)
- USB 3.1 Gen2 Type-C (Thunderbolt3対応)
- イーサネット拡張コネクター
- USB 3.1 Gen1
- HDMI
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
- スマートカードリーダー(一部構成でのみ選択可能)
- USB 3.1 Gen1(Powered USB)
- セキュリティ キーホール
Thunderbolt3に対応しているので、この規格がもっと普及したら何でも繋げますね。
有線LANポートがないので、ケーブルを買って「イーサネット拡張コネクタ」に接続しないといけません。
まとめ
前機種からそこまで劇的に変わったわけじゃないですが、今後必要になって来るWiFi6やLTE CAT.16に対応しているので、困ることは無いと思います。
AMDモデルは約10万円から、Intelモデルは11.4万円からとスペック的には価格以上のものが付いているのでコスパは高いです。
先ほども言ったようにLenovoではセールをやっているので、この機会をお見逃しなく!