ThinkPad Tシリーズはパワフルな性能を持った機種が多く、最上位モデルのX1シリーズに近いスペックになります。
ただし、筐体が樹脂素材だったり、X1シリーズに比べちょっと大きかったりするので、価格は比較的安めです。
本機ThinkPad T16 Gen 1はTシリーズ初の16インチモデルで、グラフィックボードも搭載可能、そして比較的コンパクトで軽量モデルになります。
16インチなので据え置き用としても使いやすいですが、持ち運びをする人に特におすすめです。
まずはレビューのまとめをどうぞ。
良い点
・16インチとしては小型軽量で持ち運びがしやすい
・バッテリー駆動時間が17.4時間と長い
・画面比が16:10で、より多くの情報が表示される
・最新のインテル第12世代CPU搭載
・メモリ容量が大きい
・最新のSSD PCIe 4.0搭載可能
・高画質1080p Webカメラ搭載可能
・Wi-Fi 6E対応で、LTEも搭載可能
・Thunderbolt 4が2つ
・最大135Wの電源が選べる
残念な点
・メモリが最新モデルじゃない
・筐体が樹脂素材
Contents
ThinkPad T16 Gen 1のスペックレビュー
CPU | Core i5-1235U/1245U Core i7-1255U/1265U Core i5-1240P/1250P Core i7-1260P/1270P/1280P |
---|---|
メモリ | 最大48GB |
ストレージ | 最大 2TB |
グラフィックス | Iris Xe GeForce MX550 GeForce RTX 2050 |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA IPS マルチタッチあり |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 有線LAN |
Wi-Fi 6E、4G LTE、Bluetooth 5.2 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
オーディオ | ドルビーオーディオ |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
Webカメラ | 720p/1080p、IRカメラあり |
セキュリティ | パワーオン パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、セキュリティ キーホールなど |
寸法(幅×奥行×高さ) | 361.9 × 255.5 × 20.5㎜ |
重さ | 1.64㎏~ |
バッテリー 電源 |
最大約17.4時間 45W/65W/135W |
保証 | 1年間 |
価格 | 15.1万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第12世代で、省電力モデルのUシリーズか、通常版のPシリーズが搭載可能です。
本機は16インチで1.64㎏と軽いので、持ち運びをするという人は、バッテリー駆動時間が長いUシリーズでもいいかもしれません。もしくは、がっつり高性能が良い場合は、Pシリーズですね。
とは言え、UシリーズもPシリーズも高負荷なことを処理するPコアと、低負荷なことを処理するEコアがあるので、どちらも省電力性は高いです。また、いくつかのCPUはvProにも対応しているので、企業にも購入しやすいと思います。
メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、オンボード+スロット・最大48GBになります。メモリ容量は大きいですが、最新のDDR5じゃないので、性能評価のグラフでは7.8点を付けました。
ストレージは256GBモデルのみ最新モデルのPCIe 4.0を表す「Gen 4」と記載されていないですが、512GB~2TBモデルはGen 4となっています。最新のPCIe 4.0は、旧モデルのPCIe 3.0より帯域幅が倍になり、最大データ転送速度も64Gbpsとかなり速くなっています。
グラフィックスは内蔵グラフィックスのIris Xeに、OfficeワークがしやすくなるMX550、そして、画像・動画編集がしやすくなるRTX 2050が搭載可能です。用途によってグラフィックを選べるので、無駄な出費も減りますね。
ディスプレイは画面アスペクト比が縦い長い16:10で、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。もともと大きな画面ですが、より多くの情報を一目で見て取れるので、作業効率も高くなります。
特に、本機は軽いので持ち運びをする人も多いと思いますが、外付けモニター無しでも本格的な作業がしやすいですね。
FHD相当のWUXGAと2.5K解像度のWQXGAがあり、WQXGAにはHDR対応モデルもあります。色域も広めのsRGB 100%があるので、画像編集をする人にも使いやすい機種です。
パソコンのコア性能は高く、最近の流行を取り入れた機種です。
その他のスペックは、Windows 11 HomeかProが選べ、WebカメラはHD画質の720pかFHD画質の1080pが選べ、指紋センサーや顔認証もあります。
アスペクト比16:10の16インチとしては軽い1.64㎏で、Wi-Fi 6E対応、4G LTEも搭載可能、そしてバッテリー駆動時間は最大17.4時間と長いので、機動性が高い機種です。
インターフェイスもUSB-Aが2つ、Thunderbolt 4が2つ、RJ45もあり、問題ないインターフェイスです。
2022年のトレンドと比較
2022年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。
ハイエンドPCは2022年に入り、基本スペックが高く、欠点が減ってきている状況です。欠点というと、例えばWebカメラが720Pの低画質や、マイクの質だったりですが、今まで別途購入が必要だったものが標準搭載になってきたイメージです。
12世代CPU | Evo | DDR5 | PCIe 4.0 |
〇 | × | × | 〇 |
アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | メタル素材 | Dolby Atmos | 全方位360°マイクが4つ |
〇 | × | × | × |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.6㎏前後 | 18時間以上バッテリー |
〇 | 指紋・顔 | 〇 | △ |
Evoプラットフォーム認証は、100機種以上販売しているLenovoでも数機種しかないほどのものになります。
メモリは最新じゃなく、旧モデルのDDR4です。樹脂素材を使用しており、オーディオはDolby Audio、マイクは2つになります。
あまりパソコンの速さに関係ない部分を削っている印象ですが、バッテリー駆動時間は長めです。
総合性能はハイエンドとは言えませんが、Core i7-1280Pが搭載でき、メモリも最大48GBと大きいので、パソコンの速さだけ見るとハイエンドと呼んでいいと思います。
旧モデルとの比較
ThinkPad Tシリーズは、今まで15.6インチと14インチのみだったので、初の16インチになります。執筆時現在、2022年最新のTシリーズは14インチと16インチのみリリースされています。
2021年ごろから15.6インチの数が少しづつ減り、その代わりに16インチモデルを投入していますね。と言うのも、16インチでも15.6インチ並みの重量が実現できているので、より使いやすい16インチにシフトしているかもしれません。
ThinkPad T16 Gen 1の特徴
16インチと大型の筐体ですが、ベゼル(画面の黒い枠)が細いですね。上部はノッチになっていないので、ちょっと太く見えます。
ノッチと言うのは、カメラ部分のみ大きくなった仕様で、こうすることで全体的にスリムに見えるんです。
まぁ、それでも全体的に細めだと思います。
寸法は
・幅 361.9㎜
・奥行き 255.5㎜
・高さ 20.5㎜
で、一般的な16インチサイズです。
ThinkPadの人気モデルの15.6インチThinkPad E15 Gen 2(画面アスペクト比16:9)と、比較してみます。
幅 | 奥行き | 高さ | 重さ | |
本機種 16インチ |
361.9㎜ | 255.5㎜ | 20.5㎜ | 1.64㎏ |
E15 Gen 2 15.6インチ |
365㎜ | 240㎜ | 18.9㎜ | 1.7㎏ |
奥行きはアスペクト比が違うので、本機の方が大きくなっていますが、全体的に本機はコンパクトですね。重さも60g軽いです。
厚さは20.5㎜と厚めですが、RTX 2050を搭載できることを考えたら、熱がこもりにくくなるのでOKだと思います。ここ最近のモデルは薄くしすぎて、排熱性能が損なわれ本領発揮できない機種もあるので、個人的に2㎜くらいは歓迎する厚さです。
右側面には通気口があります。
背面にはかなり大きな通気口があり、エアフローも良さそうですが、ヒートパイプは1本だけでした。
天板はいつものThinkPadで、シンプルです。
本機は天板も底面も樹脂素材を使用しており、若干「プラスチック感が強い」筐体です。
指紋センサーは電源ボタンと統合しており、電源を入れたらサインインも完了です。サッと仕事に取り掛かれますね。
ちなみにディスプレイは約180°開くことができるので、現場で地面に座って作業をすることがあるような場合でも使いやすいです。
カメラ回り
WebカメラはHD画質の720pが標準搭載で、カスタマイズからFHD画質の1080pが選べます。ビデオ通話やWeb会議が多い人は外付けカメラを使うことも多かったと思いますが、1080pを選べば相手に映し出される自分の映像が高画質になるので、外付けカメラは必要なさそうです。
また、顔認証用のIRカメラも搭載でき、WebカメラとIRカメラのハイブリットになります。この場合は、人体検知(HPD)機能付きになるので、のぞき見されていると警告を出したりできます。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
キーボード
キーボードはフルサイズの110キーで、バックライト付き、JISキーかUSキーが選択できます。トラックパッドは115㎜×67.7㎜で奥行きはありますが、幅は115㎜と13.3インチ並みのサイズです。
ThinkPadのキーボードは打鍵感が高くタイピングしやすいので、タイピングが多い人に特に人気です。
ちなみにキーボード上部に2.0Wスピーカーが2つあり、オーディオはドルビーオーディオと普通なスペックです。
CPU
CPUは大きく分けて、末尾がPのモデルと末尾がUの2種類になります。Pは通常版の位置づけで、Uは省電力モデルになります。
Core i7-1280P | Core i7 1270P/1260P |
Core i5 1250P/1240P |
|
Pコア | 6 | 4 | 4 |
Eコア | 8 | ||
スレッド | 20 | 16 | 16 |
キャッシュ | 24MB | 18MB | 12MB |
Pコア最大周波数 | 4.8GHz | 4.8/4.7GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 1.8GHz | 2.2/2.1GHz | 1.7GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 96 | 80 |
ベースパワー | 28W | ||
最大パワー | 64W |
※Core i5-1240Pと1250Pはほぼ同じ仕様ですが、グラフィックス最大動的周波数が1.3GHz(1240P)1.4GHz(1250P)となっています。
Core i7-1255U/1265U | Core i5-1235U/1245U | |
Pコア | 2 | |
Eコア | 8 | |
スレッド | 12 | |
キャッシュ | 12MB | |
Pコア最大周波数 | 4.7GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 1.7/1.8GHz | 1.3/1.6GHz |
Eコア最大周波数 | 3.5GHz | 3.3GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 80 |
ベースパワー | 15W | |
最大パワー | 55W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。また、11世代以前のCPUに比べ、コアとスレッドが増えたので、マルチタスクがよりしやすくなっています。
こちらは、CPUの性能を測るPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i7-1280P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1250P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1265U | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1245U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i7-1280P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1250P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i7-1280P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1250P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
グラフィックス
内蔵グラフィックスは、メモリが1枚の場合はUHDグラフィックとして動作し、2枚の場合はIris Xeで動作します。UHDグラフィックの場合はシングルチャンネルメモリなので、グラフィック性能がガタ落ちします。
ビデオカードはNVIDIA GeForce RTX 2050とMX550が搭載可能で、RTX 2050はレイトレにも対応し、ゲーム用途にも使えます。
NVIDIA GeForce RTX 2050 | |
アーキテクチャー | Ampere |
CUDAコア | 2048基 |
Tesorコア | 256 |
RTコア | 32 |
ブーストクロック | 1155-1477MHz |
ベースクロック | 1185MHz |
メモリタイプ | GDDR6 4GB |
メモリパス幅 | 最大112GB/秒 |
メモリ速度 | 最大14Gbps |
TDP | 30~45W |
RTX 2050の性能はまだ出ていないので、分かり次第追記します。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX550 | |
---|---|
MX450 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 4300U |
MX550はOfficeワークをより快適にするために使用し、RTX 2050は動画編集などをより快適にすることができます。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA | なし | IPS | 300nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
800:1 | NTSC 45% | 170° | マルチタッチあり |
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA WQXGA |
なし | IPS | 400nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 1200:1 |
sRGB 100% | 170° | 省電力、BL軽減 HDR、BL軽減 |
※BL軽減はブルーライト軽減パネル
WQXGA | 解像度は2560×1600ドット |
---|---|
WUXGA | フル・ハイディフィニション相当で解像度は1920×1200ドット |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。差が大きい方が力強い描写が可能 |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
HDR | ハイダイナミックレンジで、白はより白く、黒はより黒く描写でき、力強い描写が可能 |
ディスプレイは画面アスペクト比が縦に大きい16:10で、より多くの情報を表示できます。16インチでも17インチ並みに情報が表示されるので、エクセルなど上に行ったり下に行ったりする回数も減り、作業効率がアップします。
アスペクト比16:10は共通ですが、ディスプレイは大きく分けて2種類あり、NTSC 45%(一般的な低価格モデルに搭載の色域)とsRGB 100%があります。sRGB 100%は画像編集向きの広い色域で、色彩が鮮やかですね。
<左・NTSC 45%/右・sRGB 100%>
NTSC 45%のディスプレイは色域は狭いですが、輝度も300ニトでコントラスト比も800:1とそこそこ高いので、質が悪いわけじゃありません。
sRGB 100%のディスプレイは2.5K WQXGAか、FHD相当のWUXGAになり、どちらも輝度は400ニトと高いです。これだけあると屋外の明るい場所でも使いやすいです。
また、WUXGAは省電力パネルを搭載しているので、若干省電力性が高くなります。WQXGAはHDR(ハイダイナミックレンジ)対応で、よりくっきりシャープで、力強い描写が可能です。
<左・HDRオフ/右・HDRオン>
据え置き用として使用し、外部モニターを常に使う場合は色域が狭いディスプレイでも良いですが、それ以外だとsRGB 100%のディスプレイを選んだ方が良いと思います。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、オンボード1つとスロットが1つ・最大48GBと大容量です。
オンボードは最大16GB、スロットは最大32GBになり、一般的にメモリは2枚1組で搭載するので、理想は16GB+16GBの組み合わせです。ただし、より大きなデータを快適に処理したい場合は、16GB+32GBでも良いと思います。
メモリが大きいと、PhotoshopにLOW画像を大量に放り込んでも処理が速くなるので、個人的には2枚のメモリが同じにできなくても大きなメモリを選ぶことが多いです。(2枚1組でできたらそれが一番ですが・・・)
先述した様に、メモリを1枚にした場合はシングルチャンネルメモリなので、グラフィック性能がかなり落ちます。必ず2枚搭載することをお勧めします。
ストレージ
SSD(PCIe 4.0×4) | SSD(PCIe 3.0×4) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大64Gbps | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) | |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
SSDはGen 4と書かれたモデルは最新のPCIe 4.0で、Gen 4と書かれていない256GBは分かりませんが、Gen 3の可能性が高いです。
どちらにしても256GBじゃ少ないので、出来たら512GBモデルがおすすめです。
こちらはシーケンシャル速度のおおよそのスコアで、HDDはおおよその最大速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時のログインパスワード
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
- Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- セキュリティキーホール・・・ワイヤーを設置できる箇所
などがあり、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。
Wi-Fi 6Eに対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4/5GHz | 300Mbps |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
また、有線接続もでき、ギガビットイーサネットが搭載です。
LTE
4G CAT16のLTEを搭載可能という事ですが、執筆時点ではLTEは選べないので、名称やスペックが分かりません。後々追加されると思うので、その時に追記します。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル52.5Whrか、大容量86Whrが選択可能です。最大約17.1時間のバッテリー駆動時間と長く、外出が多い人にも使いやすいと思います。ただし、ビデオカード搭載モデルはバッテリー駆動時間も短くなるし、PhotoshopやPremiere Proなどの編集アプリで高負荷な作業をすると、ここまで長持ちしません。
電源
電源は45W、65W、そして135Wが選択可能です。通常、135Wを選ぶのはビデオカードを搭載した場合ですが、カード無しでも大きな電源があればパフォーマンスが高くなるので選んでも良いと思います。
インターフェイス
右側面インターフェイスはスマートカードリーダー、USB 3.2 Gen 1、そしてセキュリティキーホールになります。
左側面はRJ45、USB4(Thunderbolt 4対応)が2つ、HDMI、USB 3.2 Gen 1、、マイク/ヘッドフォンジャックになります。また、LTEモデルは、背面にnanoSIMスロットがあります。
1つのUSB4は充電兼用なので、パワーパススルー機能が付いたデバイスを使わない場合は、USB4は実質1つになります。
USBの最大データ転送速度は、USB 3.2 Gen 1が5Gbps、USB4が40Gbpsになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ライバル機種
<左から本機種・ThinkPad P16s・Yoga 770i>
本機種と似たような最新機種との比較です。全機種16インチ、画面比16:10・sRGB 100%になり、比較機種はビデオカード搭載した価格です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | ThinkPad P16s Gen 1 | Yoga 770i 16 | |
CPU | 第12世代 P・Uシリーズ |
第12世代 Pシリーズ |
第12世代 Hシリーズ |
メモリ | DDR4 48GB | LPDDR5 32GB | |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | ||
グラフィックス | MX550 RTX 2050 |
NVIDIA T550 | インテルArc A370M |
ディスプレイ | WUXGA/WQXGA IPS sRGB 100% |
WQXGA IPS sRGB 100% |
|
無線 有線 |
Wi-Fi 6E、LTE あり |
Wi-Fi 6E なし |
|
バッテリー 電源 |
17.4時間 45/65/135W |
16時間 100W |
20時間 100W |
重量 | 1.64㎏ | 1.68㎏ | 2.16㎏ |
価格 | 15.1万円~ | 16.2万円~ | 18.2万円~ |
本機種は、RTX 2050搭載モデルがまだ販売されていないのですが、MX550は搭載できます(+約2万円)。他の機種は外部GPU搭載価格になり、Yoga 770iはインテルのビデオカード搭載です。
グラフィックボードは、RTX 2050>Arc A370M>T550>MX550の順に性能が高くなります。
各機種の特徴です。
本機種・・・省電力性が高いUシリーズのCPUもあり、最大でRTX 2050も搭載と、グラフィック性能は高い。電源も一番大きくメモリも大容量。バッテリー駆動時間が長く軽量なので、持ち運びが多い人にも合います
ThinkPad P16s Gen 1・・・業務用グラフィックボードのNVIDIA T550が搭載で、本機種T16に似たスペックで、エントリ―クラスのワークステーションです。
Yoga 770i 16・・・メタルユニボディの筐体で、すっごくおしゃれです。インテルArc A370Mというビデオカード搭載で、CPUはハイパフォーマンスモデルのHシリーズが搭載、メモリも最新のLPDDR5。LTEはない
まとめ
良い点
・16インチとしては小型軽量で持ち運びがしやすい
・バッテリー駆動時間が17.4時間と長い
・画面比が16:10で、より多くの情報が表示される
・最新のインテル第12世代CPU搭載
・メモリ容量が大きい
・最新のSSD PCIe 4.0搭載可能
・高画質1080p Webカメラ搭載可能
・Wi-Fi 6E対応で、LTEも搭載可能
・Thunderbolt 4が2つ
・最大135Wの電源が選べる
残念な点
・メモリが最新モデルじゃない
・筐体が樹脂素材
総合評価
最新のインテル第12世代CPU搭載で性能はすごく高く、グラボも最大でRTX 2050が搭載でき、高い性能にできます。
特に、クリエイター向けPCはメモリ容量が重要ですが、本機は最大48GBと大きいので、多くのデータも同時に処理しやすいです。
Wi-Fi 6E対応でLTEも搭載可能、そしてバッテリー駆動時間は17.4時間と長くLTEも搭載できるので、持ち運びが多い人にも使いやすい機種です。
CPUなどのPCの速さに直結する性能は高いですが、スピーカーやオーディオ、素材などの「その他のスペック」はやや低め(低価格モデル並み)です。まぁ、そのおかげで比較的低価格になっているので文句は言えませんが、こだわり派は最上位モデルのThinkPad X1 Extreme(30万円以上から)も検討したいかもしれません。