Lenovo ThinkPad T14 Gen 3(AMD)の実機レビュー Ryzen PRO 6000シリーズ搭載機種

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ThinkPad Tシリーズと言うと、CPU性能などは高いですが、ハイエンドモデルのX1やXシリーズよりも筐体が大きく、バッテリー駆動時間が若干短いという特徴がありましたが、2022年に入り、筐体サイズはかなり小さくなり、バッテリー駆動時間も長くなってきました。

徐々に最高峰モデルとの差が小さくなっているのですが、本機は比較的低価格から購入できます。

レビューは、ThinkPad T14 Gen 3の愛用者である「SKYFさん(@SKYF9)」にご協力いただきました。ジャンク品購入して自作PCを作ったり、Blenderを使用している方です。面白いことしているので、興味がある方はツイッターをフォローしてみてください。

レビュー機のスペックは、Ryen 7 PRO 6850U、LPDDR5 32GB、SSD PCIe 4.0 256GBになります。まずは、レビューのまとめからどうぞ。

良い点

・小型軽量で持ち運びがしやすい
・クリエイターPCとして使えるスペック
・画面比が16:10で、縦に長いDCI-P3 100%
・CPUやメモリ、SSDが最新スペック
・グラフィック性能がめちゃくちゃ高い
・4Kディスプレイ・DCI-P3 100%もあり
・バッテリー駆動時間が長い

 

残念な点

・USB4がない

 

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ThinkPad T14 Gen 3(AMD)のスペックレビュー

CPU Ryzen 5 PRO 6650U
Ryzen 7 PRO 6850U
メモリ 最大32GB
ストレージ SSD 最大2TB
グラフィックス 内蔵グラフィックス
ディスプレイ(14型) WUXGA、2.2K、WQUXGA IPS 光沢なし マルチタッチあり
OS Windows 11 Home/Pro
無線
有線
Wi-Fi 6E、4G/5G LTE
10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T
オーディオ Dolby Audio
生体認証 顔認証、指紋センサー
WEBカメラ 720p/1080p
セキュリティ パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、セキュリティ キーホール, HPDなど
寸法(幅×奥行×高さ) 317.7 × 226.9 × 17.9㎜
重さ 1.21㎏~
バッテリー 39.3Whr/約14.4時間
52.5Whr/最大21.1時間
保証 1年間
価格 13万円~

<性能評価>

 

本機は普通に使っている分には欠点を感じることもなく、家でも外出先でも高性能PCとして使え、処理落ちしたり、重くなったりすることもありません。

パソコンの頭脳であるCPUは最新のRyzen PRO 6000シリーズで、かなり高い性能になっています。Ryzen 5は6コア12スレッド、Ryzen 7は8コア16スレッドと多コアで、マルチタスクもサクサクできます。

レビュー機の搭載CPUはRyzen 7で、これはThreadripper 1900X(2017年発売)や、Ryzen 5 3600XTなどの数世代前のデスクトップ版超ハイエンドCPUと同等性能があるので、処理に困ることはまずないと思います。

メモリも最新のLPDDR5-6400MHz・最大32GB搭載可能で、重たいデータもサクサク処理できます。インテルCPUよりも対応周波数が高いのも、ポイントですね(インテルは5200MHzまで)。

ストレージはSSD PCIe 4.0で、旧モデルのPCIe 3.0よりも倍の帯域幅になっており、データ転送速度もかなり速くなっています。パソコンの起動やWebサイトの表示もサクサクですね。

グラフィックスは内蔵グラフィックスのRadeon 680M(Ryzen 7)が搭載で、デスクトップ版のGeForce GTX 1050クラスの性能があり、内蔵グラフィックスと呼べないほどの高性能になっています。

ディスプレイはアスペクト比が16:10と縦に長いので、より多くの情報を一目で見て取れます。14インチですが、15.6インチ並みの情報が表示されるので、作業効率も上がります。

また、最大で4K解像度のWQUXGAが選べ、色域はデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%と、クリエイティブワークをする人にも使いやすいです。

PCのコアスペックは最新スペックが満載で、高性能です。

機動性も高く、14インチなのに重さはたったの1.21㎏(最軽量モデル)、バッテリー駆動時間は20時間オーバー、Wi-Fi 6Eに対応、そして4G/5G LTEも搭載可能と、楽に持ち運べて外でも快適に作業ができます。またRJ45もあるので、据え置き用としても快適に使えますね。

その他のスペックも高く、Windows 11 HomeかProが選べ、顔認証と指紋センサーも搭載可能、セキュリティも豊富な機種となっています。

また、最低価格は13万円からと、このスペックにしては比較的低価格です。

 

公式サイト

 

2022年のトレンドと比較

2022年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。

ハイエンドPCは2022年に入り、基本スペックが高く、欠点が減ってきている状況です。欠点というと、例えばWebカメラが720Pの低画質や、マイクの質だったりですが、今まで別途購入が必要だったものが搭載できるようになってきたイメージです。

Ryzen 6000 LPDDR5 PCIe 4.0
アスペクト比16:10 sRGB 100%以上 輝度300nit以上 1080P Webカメラ
Wi-Fi 6E メタル 素材 Dolby Atmos 全方位360°マイクが4つ
× × ×
USB4 生体認証 重量1.2㎏前後 18時間以上バッテリー
× 指紋/IR

全方位マイク4つ搭載はハイエンドモデルのThinkPadに搭載していますが、本機種は遠距離マイクが2つになっています。

素材は樹脂で、オーディオは一般的なドルビーオーディオ、そしてUSB4はないですが、USB Type-C 3.2 Gen 2(映像出力機能付き)が2つあります。

パソコンの速度に関するスペックはハイエンドモデルと同じですが、総合的に見るとミドルハイエンドと言った機種です。

 

旧モデルとの比較

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMDとGen 2<左/本機種・右/ThinkPad T14 Gen 2>

旧モデルのThinkPad T14 Gen 2との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 T14 Gen 2 AMD
CPU Ryzen 5 PRO 6650U
Ryzen 7 PRO 6850U
Ryzen 3 Pro 5450U
AMD Ryzen 5 5600U/Pro 5650U
AMD Ryzen 7 Pro 5850U
メモリ LPDDR5 32GB DDR4 48GB
ストレージ SSD PCIe 4.0 SSD PCIe 3.0
ディスプレイ
アスペクト比
WUXGA、2.2K、WQUXGA
16:10
FHD、UHD
16:10
無線 Wi-Fi 6E、LTE Wi-Fi 6、LTE
バッテリー 21.1時間 16.9時間
寸法 317.7 × 226.9 × 17.9㎜ 329 × 227 × 17.9㎜
重量 1.21㎏ 1.47kg
価格 13万円~ 9.9万円~

変更点です。

・CPUがRyzen 5000シリーズから6000シリーズに
・メモリがDDR4からLPDDR5になったが、スロットがなくなった
・SSDがPCIe 3.0から4.0に
・画面アスペクト比が16:10に
・2.2Kディスプレイが追加
・Wi-Fi 6がWi-Fi 6Eに
・バッテリー駆動時間が約4時間伸びた
・筐体がコンパクトになり、260g軽くなった
・価格が約3万円上がった

ディスプレイが大きくなったにもかかわらず、筐体が小さくなっています。また、メモリスロットがなくなりましたが、260gも軽くなっています。

プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。

Passmarkスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル

Ryzen 7 Pro 6850U  20740
Ryzen 7 Pro 5850U  19604
Ryzen 5 Pro 6650U  18482
Ryzen 5 Pro 5650U  16850
Ryzen 3 PRO 5450U  11453

 

ThinkPad T14 Gen 3 AMDの特徴

ThinkPad T14 Gen 3 AMD 左斜め前から

旧モデルから幅が11.3㎜も小さくなっており、ディスプレイは縦に長くなりましたがほぼ同じ寸法なので、ベゼル(画面の黒い枠)が細くなっていますね。

ディスプレイは約180°開くことができるので、情報共有するときや、地面にパソコンを置いて作業をするエンジニアにも使いやすいです。

筐体の寸法は、

・幅 317.7㎜
・奥行き 226.9㎜
・高さ 17.9㎜

で、A4サイズ(210㎜×297㎜)より一回り大きいくらいです。

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 厚さ

厚さは17.9㎜と平均的ですが、有線LANポート付きです。重量は1.21㎏~約1.3㎏と軽量の13.3インチ並みで、画面アスペクト比が16:10の14インチでこの軽さなのはすごいです。持ち運びも楽にできますね。

 

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 右側面

通常、ベゼルそばの背面部分に通気口がありますが、本機は背面にLTEで使うnanoSIMスロットがあるので、右側面に通気口があります。

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 背面部分<右側にあるnanoSIMスロット>

 

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 底面

底面の通気口は、かなり大きいですね。Ryzen 7は8コア16スレッドのCPUに、GTX 1050並みの内蔵グラフィックスと高性能ですが、内部には2本のヒートパイプと大きなファンがあり、この広い通気口のおかげで底面が熱くなることが少なく、膝の上で作業をすることができます。

排熱性能が高いです。

 

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 天板

天板も底面も樹脂素材を使用しており、指紋が付きにくくなっています。

比較のために紹介しますが、こちらは↓ThinkPad E14 Gen 2でアルミニウム天板でしたが、指紋が付きまくっていました。ふき取るのが面倒でしたね。

Lenovo ThinkPad E14 Gen 3 AMDの天板<ThinkPad E14 Gen 2>

 

WEBカメラ

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD WEBカメラ<FHD 1080p Webカメラ>

WEBカメラはHD画質の720pか、高画質FHD 1080pのカメラが選べます。Web会議が多い人やチームリーダー、もしくはオンラインレッスンの先生などは、相手に映し出される自分の映りが良くなるので、高画質1080pを選ぶと良いと思います。

顔認証に使用するIRカメラも選択でき、これは1080p Webカメラとのハイブリットカメラになります。(Webカメラで顔認証もするという意味です。中には専用のIRカメラが搭載しているモデルもあります)

また、ThinkShutterという物理シャッターが搭載しているので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。

 

電源統合指紋センサー

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 電源ボタン

電源ボタンは指紋センサーが統合しており、電源を入れたらサインインも完了です。素早く作業を始めることができます。

 

MILスペック

本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。

 

キーボード

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD キーボード

キーボードはフルサイズ89キーで、バックライト付き、日本語か英語が選べます。バックライトは2段階ですが、他のキーボードに比べ若干暗い気がします。キーボード自体見やすいので、そこまで気になりませんが、、、。

タッチパッドは61 × 115㎜で、そこそこ幅も広く使いやすいと思います。また、キーストロークは1.8㎜前後と深く打鍵感が高いので、サクサクタイピングできます。資料作成やSEの人に人気ですね。

また、トラックポイントもあるので、慣れたらマウスを使わなくても操作しやすいです。

キーボード上部には2Wのスピーカーが2つあり、オーディオはドルビーオーディオになります。スピーカーが目の前にあるので、音もクリアに聞こえやすいと思います。

 

高性能Ryzen 6000シリーズ

Ryzen 6000シリーズの特徴

Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen 7 PRO 6850U
アーキテクチャ Zen 3+ Zen 3+
製造プロセス 6nm
コア/スレッド 6/12 8/16
キャッシュ 16MB
基本クロック 2.9GHz 2.7GHz
ブーストクロック 4.5GHz 4.7GHz
GPUコア 6 12
TDP 15-28W

Ryzen 6000シリーズはZen 3+のアーキテクチャで、以下の様な特徴があります。

・前世代と比較して最大30%高速
・最大24時間のバッテリー
・内蔵GPUがRDNA2(レイトレーシング対応)
・統合型グラフィック性能は最大約2倍に
・DDR5/LPDDR5のメモリに対応
・USB4対応(ただし、本機には非搭載)
・PCIe Gen 4対応
・Wi-Fi 6E対応

プロセッサーはかなり高い性能で、PROモデルというセキュリティが強化されたビジネスモデルです。

こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。

ThinkPad T14 Gen 3 AMD Performancetest CPU Passmark性能計測結果

Ryzen 7 PRO 6850Uのスコアは、20740とかなり高いスコアでした。他のスコアも今言及すると、左端のオレンジがCPUで、青が2D Mark 829、紫が3D Mark 5663、緑がメモリマーク 2204、最後の赤がDisk Mark(ストレージ)で18646になりました。

スコアの目安

  • 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
  • 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 10000~・ハイエンドPCに搭載される
  • 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

Passmarkスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i9-12900H  29773
Core i7-12700H  27754
Core i5-12500H  23156
Core i7-1280P  22897
Ryzen 7 Pro 6850U  20740
Core i7-1270P  19915
Core i7-1260P  18771
Ryzen 5 Pro 6650U  18482
Core i5-1240P  17664
Core i7-1265U  12334
Core i7-1165G7  10620
Core i5-1135G7  10098

スコアは7000ほどあれば、ビジネス用途でもがっつり使えるのですが、全然異次元のスコアになりました。また、これ何がすごいかって、こんなコンパクトなノートパソコンで2万オーバーの性能が出るって、よほど排熱効率が高くないと難しいんですよね。

すごいの一言です。

 

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD Cinebench R23 測定結果

こちらはCinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。

Ryzen 7 Proはこんなになりました。

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD Cinebench R23 測定結果

 

マルチコアシングルコア

Cinebench R23 マルチコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-12700H  16745
Ryzen 9 5900HX  13875
Core i9-11900H  12345
Core i7-11800H  12180
Core i7-1260P  10571
Ryzen 7 PRO 6850U  10058
Ryzen 7 5700U  9555
Core i5-1240P  8392
Ryzen 5 PRO 6650U  8018
Ryzen 5 5500U  7783
Ryzen 7 4700U  6874
Core i7-1165G7  6070
Core i5-1135G7  5913

Cinebench R23 シングルコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i9-12900H  1917
Core i7-12700H  1806
Core i7-1260P  1773
Core i9-11900H  1540
Core i7-1165G7  1504
Core i7-11800H  1492
Ryzen 7 PRO 6850U  1483
Core i5-1240P  1488
Ryzen 9 5900HX  1478
Ryzen 5 PRO 6650U  1425
Ryzen 5 5600U  1372
Core i5-1135G7  1343
Ryzen 5 5700U  1274
Ryzen 5 5500U  1180

どちらもかなり高い性能ですが、マルチコアはもうちょっと高い性能が出るかな?と思っていましたが、伸びませんでした。

 

グラフィックス

グラフィックは内蔵グラフィックスで、Ryzen 5 6600UがRadeon 660M、Ryzen 7 6800UがRadeon 680Mになります。

グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。

今回はメモリが32GBと大きめだったのでスコアも伸びましたが、それにしてもありえないくらい高性能でした。

ThinkPad T14 Gen 3 AMD Performancetest 3Dグラフィック性能計測結果

5663!!!

嘘でしょ?ってくらい、高い性能です。NVIDIAの最新ビデオカードのMX550(ローエンドモデル)よりも高い性能でした。

VRAMもメインメモリと共有で最大4GBに設定でき、レイトレーシングやFSR2.0に対応しています。

Video Card Benchmarks

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 PRO 6850U  5663
MX550  5089
MX450  3715
Core i7-1165G7  3681
Core i5-1135G7  2898
Core i5-1130G7  2644
MX250  2582
Ryzen 7 5800U  2416
Ryzen 5 5500U  2326
Ryzen 7 5700U  2251
Core i3-1115G4  2118
Ryzen 5 5600U  2101
Ryzen 7 4700U  2066

ちなみに、内蔵グラフィック性能が高いインテル11世代Core i7-1165G7よりも、50%以上高い性能です。

画像編集や動画編集、簡単な3D CAD、軽い3Dゲームも全然できるほどの性能です。

 

ディスプレイ

ThinkPad T14 Gen 3 AMD ディスプレイ

解像度 光沢 画面比 輝度
WUXGA なし/IPS 16:10 300nit
300nit
400nit
コントラスト比 色域 視野角 その他
700:1
700:1
800:1
NTSC 45%
NTSC 45%
sRGB 100%
170°
マルチタッチ
省電力
解像度 光沢 液晶 輝度
2.2K
WQUXGA
なし IPS 300nit
500nit
コントラスト比 色域 視野角 その他
1500:1 sRGB 100%
DCI-P3 100%
170°
HDR400、マルチタッチ
WQUXGA 4K解像度で、3840×2400ドット
2.2K 解像度は2240×1400ドット
WUXGA フル・ハイディフィニション相当で、一般的な画質で解像度は1920×1080ドット
光沢 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい
コントラスト比 最少輝度と最大輝度の差で、700~800:1が標準。差が大きい方が力強い描写が可能
IPS液晶 コントラスト比が高く、視野角も広い
nit 明るさを表す単位。通常250~300nitが標準
HDR ハイ ダイナミックレンジの頭文字。白はより白く、黒はより黒く描写でき、より現実に近い色彩

ディスプレイは画面アスペクト比が縦に長い16:10で、14インチでも15.6インチ並みの情報が表示されます。一目でより多くの情報が見て取れるので、作業効率もアップします。

解像度は3つあり、フルHD相当のWUXGA、2.2K、そして4K相当のWQUXGAになります。

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMDのディスプレイ

WUXGAは3種類あり、標準搭載のものは良くも悪くもない普通のもので、同じスペックでタッチパネルのモデルもあります。

輝度が400ニトのものはsRGB 100%と色域が広く、画像編集をするクリエイター向けの品質です。

sRGB 100%のThinkbookとNTSC 45%のThinkbook<左・NTSC 45%/右・sRGB 100%>

右のディスプレイの方がより鮮やかで、多くの色が描写されていますね。

 

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMDのディスプレイ

2.2Kと4K相当のWQUXGAは、sRGB 100%かデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%になり、より高品質です。

色域の比較

DCI-P3 100%のディスプレイは、動画編集をするクリエイター向けの色域です。

色域が広い方が鮮やかできれいなので、画像・動画編集をしなくても、画像や映画を見る時も、Webサイトを見る時もよりきれいです。

また、どちらもコントラスト比が1500:1と高く、4KディスプレイはHDR400にも対応しており、よりくっきりとした描写が可能です。

輝度はどれも300ニト以上と明るいですが、日の光が当たる屋外で使うことが多い人は、400ニトや500ニトのモデルがおすすめです。

 

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

搭載メモリはLPDDR5-6400MHzで、オンボードになります。6400MHzってかなり高い周波数で、現行最高になります。ちなみに、本機にはThinkPad T14 Gen 3 Intelモデルもあるのですが、インテルモデルはDDR4-3200MHz搭載で、本機の半分の周波数です。

この周波数が高いと処理速度が速いので、本機はインテルモデルよりもかなり速い処理速度になります。

Memory Markの計測結果は、2204と普通でした。LPDDR6-6400MHzにしては、遅いかなと言うスコアです。

ThinkPad T14 Gen 3 AMD Performancetest memory Mark計測結果

その他の機種との比較です。

Memory Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Thinkbook 13s Gen 2 16GB  2921
Ideapad Flex 550i 14型 8GB  2700
ThinkPad X12 Detachable 16GB  2549
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 16GB  2539
Yoga 660 16GB  2417
Ideapad slim 550i 8GB  2385
Thinkbook 15 Gen 2 8GB  2227
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 32GB  2204
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 8GB  2205
Thinkbook 14 Gen 2 8GB  1908
Ideapad s145 AMD 8GB  1682

 

 

ストレージ

SSD(PCIe 4.0×4) SSD(PCIe 3.0×4) HDD
最大データ転送速度 最大64Gbps 最大32Gbps 最大6Gbps(SATAの場合)
平均起動時間 10秒~15秒 30秒~2分(新品の場合)
温度 熱くなりにくい 熱くなりやすい
価格 高い 安い

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

本機は最新のPCIe 4.0搭載で、最大データ転送速度が旧モデルの倍・64Gbpsになっています。パソコンの起動も、Webサイトの表示も速いです。

CrystalDiskMarkで計測した、シーケンシャル速度です。

ThinkPad T14 Gen 3 AMD CrystalDiskMark計測結果

Read(読み込み)は速いですが、Write(書き込み)は十分な速さですが思ったほどではありませんでした。どちらにしてもPCIe 4.0にしては、スコアが伸び悩みました。

ストレージは256GBモデル以外はPerformanceモデルになっており、こちらの場合は速度もより速いのかと思います。

他機種との比較です。本機種のみPCIe 4.0で、その他はPCIe 3.0になります。

シーケンシャルリード

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

ThinkPad E14 Gen 2 Intel 256GB  3402MB/秒
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 256GB  3251MB/秒
Thinkbook 14 Gen 2 256GB  2986MB/秒
Ideapad Flex 550i 15型 512GB  2621MB/秒
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 256GB  2539MB/秒
Yoga 660 512GB  2410MB/秒
ThinkPad X12 Detachable  2395MB/秒
Thinkbook 13s Gen 2 512GB  2302MB/秒
Thinkbook 15 Gen 2 256GB  2240MB/秒
Thinkbook 14 Gen 3 8GB  1868MB/秒

 

セキュリティ

Lenovoのセキュリティ

  • パワーオンパスワード・・・電源を入れた時のログインパスワード
  • ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
  • スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
  • Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
  • TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
  • セキュリティキーホール・・・ワイヤーを設置できる箇所
  • AMDメモリー・ガード・・・システムへの物理的な攻撃が懸念される場合に、多くのコンピューティ ング・システムにシンプルかつ信頼性の高いセキュリティーを提供するメモリー暗号化テクノロジー

などがあり、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られています。ThinkShieldについては、公式サイトをどうぞ。

ThinkShield

この様に、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。

仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。

 

通信環境は抜群

周波数 通信速度
IEEE802.11a 5GHz 54Mbps
IEEE802.11b 2.4GHz 11Mbps
IEEE802.11g 2.4GHz 54Mbps
IEEE802.11n 2.4/5GHz 300Mbps
IEEE802.11ac
(Wi-Fi 5)
5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6E)
2.4/5/6GHz 9.6Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。

また、ギガビットイーサネットもあるので、室内で使う時も安心です。

 

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMDのLTEの種類

LTEは4GのFibocom L860-GLか5Gが搭載可能とのことですが、執筆時現在4Gしか販売されていません。また、仕様書にも5Gのことは記載されていないので、もしかしたら公式サイトの記載ミスかもしれません。

Fibocom L860-GLの速度は、ダウンロード最大1Gbps、アップロード最大75Mbpsになります。アップロードは普通の速さですが、ダウンロードは速いですね。1Gbpsもあったら、Wi-Fiのギガ契約よりもはやい速度です。

LTE用の格安SIMを購入するなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。

 

バッテリー駆動時間

バッテリーは3セル・39.3Whrか、4セル・52.5Whrが選べ、3セルの場合は最大約14.4時間のバッテリー駆動時間が、4セルの場合は最大21.1時間のバッテリー駆動時間があります。

4セルにしたらバッテリー駆動時間は伸びますが、1.32㎏と重たくなるので、軽さ重視かバッテリー重視かで選んだらよいと思います。

また、電源は45Wか65Wが選べます。

 

インターフェイス

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 右側面

右側面インターフェースは、スマートカードリーダー(カスタマイズ)、USB 3.2 Gen 1、そしてセキュリティーキーホールになります。

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMD 左側面インターフェイス

左側面はRJ45、USB Type-C 3.2 Gen 2が2つ(映像出力機能付き)、HDMI、USB 3.2 Gen 1、そしてマイク・ヘッドフォンジャックになります。

USB4がないですが、USB Type-Cは速度が10Gbpsと速く、映像出力機能付きなので使いやすいと思います。

 

公式サイト

 

サポート・保証

Lenovo サポートと保証

標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)

また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。

  1. 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
  2. オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
  3. 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理

修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。

 

ライバル機種

Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 AMDと比較機種<左から本機種・X1 Carbon Gen 10・T14s Gen 3>

本機種と似たような最新機種との比較です。全機種軽量コンパクトで、バッテリー駆動時間も長いです(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)

本機種 ThinkPad X1 Carbon Gen 10 ThinkPad T14s Gen 3
CPU Ryzen 5 PRO 6650U
Ryzen 7 PRO 6850U
Core i5-1240P/1250P
Core i7-1260P/1270P/1280P
Ryzen 5 PRO 6650U
Ryzen 7 PRO 6850U
メモリ LPDDR5 32GB
ストレージ SSD PCIe 4.0
ディスプレイ WUXGA 2.2K 4K WUXGA 2.2K 4K
2.8K OLED
WUXGA 2.2K
2.8K OLED
無線 Wi-Fi 6E
4G LTE
Wi-Fi 6E
4G/5G LTE
Wi-Fi 6E
4G/5G LTE
有線
USB4
あり
なし
なし
あり
なし
なし
素材 樹脂 カーボン/マグネシウム カーボン/アルミ
バッテリー 21.1時間 24.9時間 22.98時間
重量 1.21㎏ 1.12㎏ 1.22㎏
価格 13万円~ 22.5万円~ 15.7万円~

すべて最新モデルなので似たようなスペックですが、素材やマイク、スピーカーなど細かな点が違います。

 

各機種の特徴です。

本機種・・・唯一RJ45搭載で、5G LTEがなく、樹脂素材を使用。ただし、価格がかなり安い。

X1 Carbon Gen 10・・・インテルCPUで、スピーカーやマイクも高品質、そして特別なPCにのみ与えられるEvoプラットフォーム認証。Lenovo最高峰機種。

ThinkPad T14s Gen 3・・・兄弟モデルでSが付いたスリムモデル。とは言っても本機とほぼ同じ筐体で、厚さが1㎜薄いだけ。本機と似たスペックだが、5G LTEがあり、筐体もアルミニウムやカーボンファーバーを使用しており、より高級がある

 

まとめ

良い点

・小型軽量で持ち運びがしやすい
・クリエイターPCとして使えるスペック
・画面比が16:10で、縦に長いDCI-P3 100%
・CPUやメモリ、SSDが最新スペック
・グラフィック性能がめちゃくちゃ高い
・4Kディスプレイ・DCI-P3 100%もあり
・バッテリー駆動時間が長い

 

残念な点

・樹脂素材
・USB4がない

 

総合評価

CPUやメモリ、SSDなどの速度に関するスペックはかなり高く、ハイエンドモデルと同じくらいです。バッテリー駆動時間も長いし、Wi-Fi 6E対応、LTEもあり、そして有線接続も可能なので、外でも中でも使い勝手が高い機種です。

特に一番驚いたのは、グラフィック性能がめちゃくちゃ高いことです。これ、内蔵グラフィックのレベルじゃないですよ。クリエイティブワークもサクサクできますね。

また、素材が樹脂だったり、USB4がない、マイクやスピーカーの品質がハイエンドモデルよりも劣るので、価格もハイエンドモデルに比べ安くなっています。

言い換えると、全部のスペックが高いモデルは必要ないから、サクサク快適に使える機種が欲しいという場合は、本機はコスパも高くお勧めです。もしくは、スピーカーやマイクは外付けのものを持っているという人にも、合いますね。

 

公式サイト

 

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