16インチの大画面ワークステーションで、最新スペックが満載の機種です。
ビデオカードはローエンドモデルですが、その他のスペックは高めで、持ち運び用のワークステーションとして、もしくは学生や2DCAD、簡単な3DCAD、そして画像・動画編集などをする人に合います。
Contents
ThinkPad P16s Gen 3のスペック
CPU | Core Ultra 5 125H/135H Core Ultra 7 155H/165H Core Ultra 9 185H |
---|---|
メモリ | DDR5-5600 最大96GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス NVIDIA RTX 500 Ada |
ディスプレイ(16型) | WUXGA IPS WQUXGA OLED |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | Wi-Fi 6E、LTE、1ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | 500万画素 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 361.5 × 248.6 × 21.13mm |
重さ | 1.82㎏~ |
バッテリー | 最大約14.18時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 21.6万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはインテル第14世代で、ハイパフォーマンスのHシリーズになります。Core Ultra 5から9まで選べ、vPro対応CPUもあります。また、すべてのCPUはAIコアを搭載しており、対応アプリなど使いやすさが増します。
メモリはDDR5-5600MHzで、最大96GBに対応しています。動作周波数も高いし、メモリもかなり大きくできるので、重たい作業もしやすいです。また、Core Ultra 9以外はRTX 500 Adaを選択でき、グラフィック性能もちょっと高いです。
ストレージはSSD PCIe 4.0で、最大2TBになります。ストレージは1枚だけ搭載可能で、増設はできません。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示できます。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)かWQUXGA(3840×2400ドット)とかなりの格差があり、中間スペックの2.5Kや3Kはありません。
執筆時現在WUXGAは色域が狭いNTSC 45%のみなので、普通のワークステーション向けのディスプレイを選ぶにはWQUXGA(DCI-P3 100%/+93,500円になります)を選ばないといけません。
ただし、仕様書にはWUXGA sRGB 100%も記載されているので、後々発売されるのかもしれません。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、Wi-Fi 6Eに対応、WEBカメラは超高画質の500万画素でIRカメラ搭載モデルはHPD(人感検知機能)付です。
16インチのワークステーションで1.82㎏と重くなく、最大バッテリー駆動時間は14.18時間と長めです。
2DCADや簡単な3DCADを扱う人や、画像動画編集などをする人で、PCの持ち運びが多く、外出先で作業をすることが多い人に合います。
2024年のトレンドと比較
2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | NPU | Copilotボタン | DDR5 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SSD PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | Wi-Fi 6E |
〇 | 〇 | △ | 〇 |
輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ以上 | 生体認証 | バッテリー10時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
モデルによっては色域が狭いNTSC 45%もありますが、カスタマイズからDCI-P3 100%のディスプレイも選べます。
旧モデルとの比較
旧モデルのThinkPad P16s Gen 2との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
旧モデル | 本機種 | |
CPU | Core i5-1340P/1350P Core i7-1360P/1370P |
Core Ultra 5 125H/135H Core Ultra 7 155H/165H Core Ultra 9 185H |
メモリ | DDR5/LPDDR5X 64GB | DDR5 96GB |
ストレージ | SSD 2TB | SSD 2TB |
GPU | NVIDIA RTX A500 | NVIDIA 500 Ada |
ディスプレイ | WUXGA IPS タッチあり WQUXGA OLED |
|
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE | |
バッテリー | 16.7時間(JEITA 2.0) | 14.18時間(JEITA 3.0) |
重量 | 1.7㎏ | 1.82㎏ |
寸法 | 361.98 × 255.5 × 20.5mm | 361.5 × 248.6 × 21.13mm |
主な変更点です。
・CPUが14世代に
・メモリが最大96GBに
・グラボが最新のRTX Adaシリーズに
・筐体が少し小さくなった
・120g重たくなった
・コミュニケーションバーが搭載
・クイックメニューが追加
旧モデルからそこまで変化はありませんが、AIコアやコミュニケーションバーが搭載し、使い勝手が上がった機種です。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。スコアもかなり上がっていますが、旧モデルにはAIコアはなく、14世代の本機はAIコアありです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-1370P | |
Core i7-1360P | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1350P | |
Core i5-1340P |
それでは本機の特徴です。
高性能インテル14世代CPU搭載
Core Ultra 9 185H | Core Ultra 7 155H/165H | Core Ultra 5 125H/135H | |
製造プロセス | Intel 4(7nm) | ||
P/E/LPコア | 6/8/2 | 6/8/2 | 4/8/2 |
スレッド | 22 | 22 | 18 |
キャッシュ | 24MB | 24MB | 18MB |
Pコア最大クロック | 5.1GHz | 4.8GHz | 4.5/4.6GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 8 | 8 | 7/8 |
ベースパワー | 45W | 28W | 28W |
マックスパワー | 115W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Arcベースになっています。Hシリーズのグラフィック性能はかなり高く、時々しか動画編集をしないような人であれば十分に使えます。
NPUを搭載しているPCはAI PCと呼ばれるのですが、本機もNPUを搭載しいろいろな場面でNPUを使いより快適に使えるようになっています。
Core Ultra 5 135HとCore Ultra 7 165H、そしてCore Ultra 9 185HはvProに対応しているので、多くのPCをきっかつ管理をする人に使いやすいです。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。スコアは公開されているものや、当サイトで計測したものになります。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core i9-13900H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core i5-13500H | |
Core i7-1370P | |
Core i5-1340P | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7730U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core i7-1355U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1335U |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
---|---|
Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i5-13450HX | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
---|---|
Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 9 185H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-13450HX | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900H | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13420H | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1235U |
高性能内蔵グラフィックスIntel Arcグラフィックス
内蔵グラフィックスはインテルArcグラフィックスで、インテルArcは14世代CPUの目玉の1つです。Arcはかなり高い性能で、Core Ultra 5 125HのベンチマークではグラフィックボードのGTX 1650 Max-Qよりも高い性能です。
仕事で毎日編集をする人はグラボ搭載モデルが良いですが、時々しかしないという方は内蔵グラフィックスでも十分かもしれません。ただし、本機のようなハイスペックワークステーションには、RTX Ada世代のグラフィックカードをお勧めします。
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4060 | |
---|---|
Radeon RX 6600M | |
RTX 4050 | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 2060 Max-Q | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M |
Night RaidはCPU内蔵グラフィックス向けのDirectX 12のベンチマークです。
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
業務用グラフィックカード搭載可能
グラフィックスはDirectX(3Dゲーム)に最適化されたGeForceじゃなく、高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたRTX Ada世代です。発色が良く、CAD等を使う設計・建築、メディアクリエイターの業務用グラフィックボードです。
RTX 5000 |
RTX 4000 |
RTX 3000 |
RTX 2000 |
RTX 1000 |
RTX 500 |
|
アーキテクチャ | Ada Lovelace | |||||
CUDAコア | 9728 | 7424 | 4608 | 3072 | 2560 | 2048 |
RTコア | 76 | 58 | 36 | 24 | 16 | 16 |
Tensorコア | 304 | 232 | 144 | 96 | 80 | 64 |
TOPS | 682 | 538 | 319 | 232 | 193 | 154 |
メモリタイプ | GDDR6 | |||||
メモリ帯域 | 576GB/秒 | 432GB/秒 | 256GB/秒 | 256GB/秒 | 168GB/秒 | 128GB/秒 |
メモリ容量 | 16GB | 12GB | 8GB | 8GB | 6GB | 4GB |
TGP | 80-175W | 60-175W | 35-140W | 35-140W | 35-140W | 35-60W |
本機のTGP | – | – | – | – | – | 35W |
※搭載できるのはRTX 500
TGPが最低に抑えられているので低めの性能になりますが、その分発熱も低いので安定して使えるというメリットもあります。
ハイスペックディスプレイ搭載可能
ディスプレイは16インチと大きく、以下のスペックがあります。
- WUXGA IPS 光沢なし 300ニト NTSC 45%
- WUXGA IPS 光沢なし 300ニト NTSC 45% タッチ
- WUXGA IPS 光沢なし 400ニト sRGB 100% 省電力パネル(未確認)
- WQUXGA OLED 反射防止/汚れ防止 400ニト DCI-P3 100% HDR500
WUXGAは1920×1200ドット、WQUXGAはいわゆる4K解像度で3840×2400ドットと高精細で細かな部分もしっかりと見えます。
赤文字の3番は執筆時現在未確認ですが、仕様書に記載されていました。このモデルが販売されるかどうかわかりませんが、販売されない場合はWQUXGAが候補になるかもしれません。
というのも、1番と2番の色域はNTSC 45%と言って、低価格なPCに採用される色域です。20万円もするPCに搭載することはないと思います。もしくは、色域が関係ない2DCADを作成する人などのみ使えると思います。
これを見比べたら一目瞭然ですが、色が全然違いますよね?ただし、DCI-P3 100%のモデルは9.3万円ほど価格が上がるので考え物です。
また、DCI-P3 100%のディスプレイのみX-Rite Pantone ファクトリー・カラー・キャリブレーション対応しており、Dolby VisionやHDR500 True Blackにも対応しています。映像編集をする人向けのスペックです。
また、OLEDディスプレイは完全な黒を表現でき、コントラスト比も高くシャープでメリハリのある映像が描写されます。
最大輝度は300か400ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
もし、モニターの購入もお考えなら、先日私が購入したこちらのモニターのレビューもどうぞ。
Copilotボタン搭載
コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。
例えばCopilotで「Lenovoパソコンを購入するのに、おすすめのパソコンレビューサイトは?」と質問したら、当サイトも紹介されました。信頼性が高いAIです(笑)。
冗談はさておき、このボタン1つでいろいろなことができるので、最近はChatGPTじゃなくコパイロットを使うことが多くなりました。
NPUっていつ使うの?
ここ最近、AI、AIと言われていますが、AIコアであるNPUっていつ使うの?っていう疑問ありますよね。
今現在NPUコアを使ってできるものはWindows Studioエフェクトや、一部のアプリ(Photoshopなど)がNPU対応の機能を実装しています。
と言うことで、現在はそこまで活躍する場がないですが、今後あると便利になるといったものになります。
現在どの程度使えるのか当サイトで筆者の用途で検証してみましたが、検証時点ではPhotoshopなどでAIコア対応機能が実装されていなかったので、参考程度に見てください。
筆者がやることで、NPUを使いそうなものはこちらです。
・Lightroomで編集
・PhotoshopでAI画像生成・Youtube動画作成
・Web会議・オンラインレッスン
・AI音楽生成ソフトで音楽作成
動画にまとめたので、どうぞ。
この中でNPUを使ったものは、Webカメラを使用時にWindows Studioエフェクトを使ったときのみです。ちなみに動画にはありませんが、Copilotで画像を生成しているときもNPUは動きませんでした。
コミュニケーションバー搭載で高画質WEBカメラも搭載
ちょっと飛び出したようになっていますが、コミュニケーションバーが搭載しており、このおかげでカメラやマイクのスペックが上がっています。
WEBカメラは超高画質の500万画素(おおよそ2.8K解像度)で、マイクはDolby Voice(周囲の騒音があるときや、複数人で会議をしているときに、自動的に音量を調整する機能)に対応しており、遠距離マイクが2つ内蔵されています。また、2Wスピーカーが2つ搭載です。
顔認証用のIRカメラ対応モデルもあり、こちらは人体検知(HPD)機能付きになるので、のぞき見されていると警告を出した、離席するとロック、戻るとアンロックされたりします。
また、先述しましたが本機はAIコアがあるのでWindows Effect Studioが使えます。自動フレーミングやアイコンタクト、背景のぼかしなど、Web会議などに「あったらいいな」があります。
その他の特徴
外観
画面アスペクト比が16:10の16インチなので、画面が大きく見やすいですね。筐体も大きいですが。
寸法は
幅361.5㎜
奥行き248.6㎜
高さ21.13㎜
で、16インチなので大きいですが、15.6インチと大差ないサイズです。
また、一般的なノートパソコンよりも分厚い21.13㎜ですが、エアフローを考えるとこのくらい厚くてよいかなと思います。
以前は右側面に排気口がありましたが、マウスを使っていると温風が当たって嫌な人は多かったと思いますが、排気口は背面に移動したので安心です。
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
ISV認証
本機種はISV(独立系ソフトウェアベンダー)により、アプリケーションとの互換性や安定稼働、高い運用性をテストされてISV認証を得ています。
ISV認証はこちらから確認できますが、発売されたばかりなのでいくつかのソフトのみ確認できました。
上の画像は「Bentley 2023 MicroStation Connect Edition」の認証を確認した画像で、iGPU時はRecommended、eGPU時はCertifiedとなっています。
キーボード
ThinkPadのキーボードはタイピングがしやすいことで有名で、打鍵感が良く、トラックポイントを使えば、ホームポジションから離れずに作業が可能です。
キーボードはフルサイズ110キーで、バックライトの有無はカスタマイズから変更できます。ただし、バックライト無しのキーボードはプラスチック感が強く打鍵感も低いので、バックライトありを強くお勧めします。
トラックパッド(タッチパッド)は67.6㎜×115㎜で、アクセシビリティ向上のため、エンターキーやFnキー、F2とF3キーに突起(ポジションバー)が付きました。重要なキーの押し間違いが減りそうです。
そして、トラックポイントをダブルタップすると、TrackPoint Quick Menuがポップアップし、カメラやマイク、ノイズ抑制などの設定ができるようになりました。
指紋センサーは電源ボタンと指紋センサーが統合されているので、電源を入れたらサインインも完了です。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR5-5600MHzで、2スロット・最大96GBになります。公式サイトでは最大64GBにできるので、96GBにする場合は自分でやることになります。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
最新のSSD PCIe 4.0×4が搭載で、最大2TBと大容量です。パソコンの起動も10秒ほどと速いです。
軽さと引き換えにM.2スロットは1つしかないので、ストレージの増設はできません。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6Eに対応し、イーサネットも搭載
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。
また、1ギガビットイーサネットも搭載しており、無線でも有線でもサクサク使えます。
バッテリー駆動時間
バッテリーは57Whrか75Whrとどちらも大容量で、最大14.18時間の動画再生時間があります。Lenovoでもトップクラスのバッテリー駆動時間で、外出先でも長時間作業ができます。
インターフェイス
インターフェイスはそれほど困らない程度にあり、Thunderbolt 4は2つもあるので、ドックを持っていたら据え置き用としても使いやすいです。Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。
左側面にはHDMI、Thunderbolt 4が2つ、USB 3.2 Gen 1、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。
右側面はスマートカードリーダー(オプション)、SIMスロット、USB 3.2 Gen 1、イーサネットコネクタ、そしてセキュリティスロットになります。
Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
まとめ
良い点
・16インチのワークステーションとしてはコンパクトで軽い
・14世代CPU搭載でAIコアもあり
・ローエンドグラフィックボード搭載可能
・最新スペック満載
・画面比が16:10で表示量が多い
・最大メモリ容量が大きい
・ディスプレイがハイスペック
・500万画素のWEBカメラが搭載
・バッテリー駆動時間が長い
残念な点
・16インチでストレージの増設ができない
・(執筆時現在)sRGB 100%のモデルがなく、NTSC 45%の色域以外を選びたい場合は+10万円ほどの出費になる
総合評価
全体的にハイスペックで、なんと言ってもAIコアが搭載しているので、今後対応アプリが増えてきたら作業がもっとしやすくなります。
最高でCore Ultra 9 185Hが搭載できますが、グラフィックはRTX 500 Adaとそこまで高い性能じゃないので、持ち運び用としてや、そこまでグラフィック性能を必要としない人に合います。例えば2DCADメインの人や、簡単な3DCAD、簡単な動画編集をすような人向けですね。
個人的に、やっぱり16インチだしワークステーションなので、ストレージの増設ができたらよかったなと思います。