インテル14世代CPUを搭載した14インチのThinkPadで、グラフィック性能やAI性能が上がっており今まで以上に快適に使えます。
また、メモリとストレージの増設が可能で、スペックが足りなくなったときに増設をしたら末永く使えます。
14インチで1.42㎏と持ち運び向きのPCですが、輝度が300ニトと明るい屋外では少し見にくいときがあります。
レビュー機のスペックはCore Ultra 5 125H、メモリ16GB、SSD 512GBになり、当サイトの評価はこのようになりました。
スペック | [usr 4.4] |
---|---|
コスパ | [usr 4.2] |
総合評価 | [usr 4.3] |
Contents
ThinkPad E14 Gen 6インテルのスペック
CPU | Core Ultra 5 125H/125U Core Ultra 7 155H/155U |
---|---|
メモリ | DDR5-5600 最大32GB(最大容量64GB) |
ストレージ | SSD×2 |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA/2.2 IPS タッチあり |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | Wi-Fi 6/6E、1ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー/顔認証(オプション) |
WEBカメラ | HD、FHD、FHD+IRカメラ |
寸法(幅×奥行×高さ) | 313 × 219.3 × 17.99mm~ |
重さ | 1.42㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約9.2時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 11.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはインテル第14世代が搭載で、省電力のUシリーズか、ハイパフォーマンスモデルのHシリーズになります。どちらもNPUというAI専用コアが搭載しており、使い勝手が上がります。
グラフィックスはUシリーズがインテルグラフィックス、HシリーズはインテルArcグラフィックスになります。Arcはグラボ並みの性能があり、画像編集や動画編集などグラフィック性能が必要なことをする人は、Hシリーズがおすすめです。
メモリはDDR5-5600が搭載で、公式サイトでは最大32GBにできますが、最大64GBに対応しています。後々スペックアップできるので、長く使えますね。
ストレージは最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TBと大容量です。こちらもM.2スロットがもう1つあるので増設も可能です。
PCIe 4.0はデータ転送速度が爆速で、パソコン起動やアプリの立ち上げなどサクサクです。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長いWUXGA(1920×1200ドット)か、2.2K(2240×1400ドット)で、14インチですが15インチ並みの情報が表示されるので、作業効率もアップします。
また、2.2KはsRGB 100%と高色域で、画像編集をする様なクリエイターに合います。
その他のスペックは、Winodws 11 HomeかProが選べ、無線は高速安定通信ができるWi-Fi 6かWi-Fi 6E、そして有線接続も可能、Webカメラは最高で高画質FHD 1080pになります。
指紋センサーと顔認証はオプションで追加でき、サインインも一瞬で完了です。ハーマンカードン製でドルビーアトモスに対応した2Wスピーカーが2つ搭載しており、そこそこ良いスピーカーです。
バッテリーは47Whrか57Whrがあり、バッテリー駆動時間は最大9.2時間となっています。
14インチでRJ45があり、Thunderbolt 4対応のUSB4があるので、インターフェイスは多くないですが使いやすいと思います。
数年前に比べるとEシリーズ14インチの重量がかなり軽くなったので、持ち運びが便利になりました。2022年モデルのE14 Gen 4は14インチなのに1.64㎏もありましたしね。重かったですよね。
とは言え、本機は1.42㎏と14インチでは軽いほうじゃないです。平均的な重さになっています。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6/6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ以上 |
〇 | △ | 〇 | △ |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.4㎏前後 | バッテリー14時間以上 |
〇 | △ | 〇 | × |
旧モデルとの比較
旧モデルのThinkPad E14 Gen 5との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
旧モデル | 本機種 | |
CPU | Core i3-1315U Core i5-1335U Core i7-1355U Core i5-1340P Core i7-1360P Core i5-13500H Core i7-13700H |
Core Ultra 5 125H/125U Core Ultra 7 155H/155U |
メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR5-5600 64GB |
ストレージ | SSD×2 | |
ディスプレイ | WUXGA IPS | WUXGA/2.2 IPS |
無線 | Wi-Fi 6/6E | |
バッテリー | 15.4時間(JEITA 2.0) | 9.2時間(JEITA 3.0) |
重量 | 1.41㎏ | 1.42㎏ |
寸法 | 313 × 219.3 × 18mm | 313 × 219.3 × 17.99mm |
主な変更点です。
・CPUが最新の14世代インテルに
・メモリがDDR5になり、最大容量が倍に
・2.2Kディスプレイが追加
・10g重くなった
・HD Webカメラが追加
・USB 2.0が3.2 Gen 1に、USB 3.2 Gen 2とGen 2×2が追加
・カラーがグラファイトブラックに
・Trackpoint Quick Menuが搭載
同じ筐体を使用しており、CPUとメモリ、インターフェイスが性能アップしています。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1340P | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U |
Uシリーズは微増で、HシリーズはCore Ultra 7が大きくCPU Markを伸ばしています。ただし、14世代にはNPUが搭載し、グラフィック性能が上がったので、Passmarkスコア以上に使いやすくなっています。
インテル第14世代CPU搭載
Core Ultra 7 155H | Core Ultra 5 125H |
|
製造プロセス | Intel 4(7nm) | |
P/E/LPコア | 6/8/2 | 4/8/2 |
スレッド | 22 | 18 |
キャッシュ | 24MB | 18 |
Pコア最大クロック | 4.8GHz | 4.5GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 8 | 7 |
ベースパワー | 28W | |
マックスパワー | 64/115W |
Core Ultra 7 155U | Core Ultra 5 125U |
|
製造プロセス | Intel 4(7nm) | |
P/E/LPコア | 2/8/2 | 2/8/2 |
スレッド | 14 | 14 |
キャッシュ | 12MB | 12MB |
Pコア最大クロック | 4.8GHz | 4.3GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 4 | 4 |
ベースパワー | 15W | |
マックスパワー | 57W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Arcベース(Hシリーズ)かIntel Graphics(Uシリーズ)になっています。
ここ最近PhotoshopなんかでもAI生成などAIを使うことが増えており、こういった作業はCPUとGPUだけよりも、NPUも一緒にやると全体的なパフォーマンスが上がります。また、Hシリーズのグラフィック性能は大きく上がったので、グラボなしでも作業がしやすくなりました。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアで、23235と高いスコアです。
スコアは公開されているものや、当サイトで計測したものになります。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core i9-13900H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13500H | |
Core i7-1370P | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 7730U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 7530U | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 165U | |
Core i7-1355U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1335U |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
本機はマルチコア9897、シングルコア2139と高い性能ですが伸び悩んだ感じです。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core i9-13900H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i7-13700H | |
Core i5-13500H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i5-1335U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・14世代 青・・・13世代
Core i9-13900H | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core i5-1335U | |
Core i5-13500H | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125H |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core i9-13900H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13420H | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-13700H | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1235U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。新しいベンチマークでサンプルが少ないのですが、悪くない数値だと思います。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Apple M1 Max | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P | |
Ryzen 3 8300GE |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Apple M1 Max | |
---|---|
Apple M1 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
高性能内蔵グラフィックスIntel Arcグラフィックスあり
グラフィクスはCore Ultra 5 125UとCore Ultra 7 155Uはインテルグラフィックスで、13世代のIris-Xeと同じですが名称が変わっています。
Core Ultra 5 125HとCore Ultra 7 155HはインテルArcグラフィックスで、14世代CPUの目玉の1つです。Arcはかなり高い性能で、ベンチマークではグラフィックボードのGTX 1650 Max-Qよりも高い性能です。
画像・動画編集をするならHシリーズが、もしくは簡単な趣味で画像編集をするような人であればUシリーズでよいと思います。
こちらはグラフィック性能を測る3D Graphics Markのスコアで、5828と高いスコアでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 8640HS | |
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Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 3 8300GE/8GB |
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4060 | |
---|---|
Radeon RX 6600M | |
RTX 4050 | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 2060 Max-Q | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M |
Night RaidはCPU内蔵グラフィックス向けのDirectX 12のベンチマークです。
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
増設可能なメモリとストレージ
注)自己増設や換装をすると保証が外れる可能性があるので、ご注意ください
メモリはついにDDR5が搭載し、動作周波数は5600MHzです。公式サイトでは最大で16GB×2枚の32GBにできますが、最大容量は64GBなので最大32GB×2枚の64GBにできます。ヘビーユーザーの筆者としては、すごくうれしいです。
また、今は16GBでも十分という人でも数年後に32GB、その後には64GBなどとその時の状況に合わせてスペックアップできるので、末永く使えます。
Memory Markの計測結果は、2412と悪くないですがDDR5にしてはちょっと遅いです。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
LPDDR5平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
本機種DDR5/16GB | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージも最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、公式サイトでは最大1TBできますが、M.2スロットがもう一つあるのでストレージの増設も可能です。
スロットはType-2242と2280が1つずつで、PCIe 4.0×4スロット、最大1TBとなっています。PCIe 4.0はデータ転送速度が速く、パソコンの起動も15秒前後と速く、アプリの立ち上げも高速です。
シーケンシャル速度はリード(読み込み速度)が4727MB/秒、ライト(書き込み速度)2754MB/秒とビジネス用途でも十分快適に使える速度ですが、PCIe 4.0にしてはあまり速くなかったです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
画面比16:10のディスプレイ
解像度 | 液晶/光沢 | インチ | 輝度 |
WUXGA 2.2K |
IPS/なし | 14インチ | 300nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
800:1 1500:1 |
NTSC 45% sRGB 100% |
170° | ― Eyesafe |
ディスプレイは3種類あり、用途に合わせてスペックを選べます。
- WUXGA(1920×1200) IPS 300ニト NTSC 45%
- WUXGA IPS 300ニト NTSC 45% タッチパネル
- 2.2K(2240×1400) IPS 300ニト sRGB 100% EyeSafe
画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチでも15インチ並みの情報量があり、スクロールアップ/ダウンの回数も減り作業効率が上がります。
さすがに15.6インチには及びませんが、通常の14インチでは見えない部分も多く見えています。
液晶は視野角が広いIPS液晶で、本機は上下横各85°広いので画面の四隅が暗くなったりしません。色域は2種類あり、一般的なNTSC 45%か、Web用画像編集に向いているsRGB 100%になります。
左は本機でNTSC 45%、右は別機種のsRGB 100%ですが、同じものを見ていても全然違ったものに見えますね。
全モデル輝度は300ニトで、こちらは輝度の目安です。持ち運びをする機種なので、350ニトや400ニトあれば、明るい屋外でもより使いやすかったです。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
Copilotボタン搭載キーボード
旧モデルからの変更点ですが、Prtscボタンがあった場所にCopilotボタンがついています。コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。
例えばCopilotで「Lenovoパソコンを購入するのに、おすすめのパソコンレビューサイトは?」と質問したら、当サイトも紹介されました。信頼性が高いAIです(笑)。
キーボードはフルサイズの89キーで、日本語キーか英語キーが選べ、バックライト有り無しも選べます。トラックパッド(タッチパッド)は56㎜×115㎜と大きく、操作性も高いです。
キーストロークは1.4㎜~1.5㎜で、キーピッチは18.9㎜×18.9㎜とフルサイズ並みです。キーストロークは深くないですが打鍵感があり、タイピングがしやすいです。また、タイプ音があまりしないので、静かな場所でも高速タイピングができます。
ただし、バックライト無しのキーボードはプラスチック感が強く打鍵感も低いので、バックライトありを強くお勧めします。
ThinkPadのキートップは若干湾曲しているので、ミスタイプしにくいです。これもタイピングがしやすい要因の一つです。
指紋センサーを選んだ場合は、電源に統合されているので、電源を入れたらサインインも完了です。
また、トラックポイントをダブルタップすると、TrackPoint Quick Menuがポップアップし、カメラやマイク、ノイズ抑制などの設定ができるようになりました。
次は、その他の特徴です。
その他の特徴
外観
ThinkPadはと言うか、LenovoのPCはどれもベゼル(ディスプレイ周りの枠)が細くコンパクトですね。
寸法は、
・幅 313㎜
・奥行 219.3㎜
・高さ 17.99㎜
で、ちょっと厚いですが、かなり小さいです。ThinkPadのフラッグシップモデルであるX1 Carbon Gen 11(2023年モデル)よりも小さいんですよね。
天板はアルミニウムで、高級感があります。底面カバーはアルミニウムのモデルと樹脂素材の2種類があるようですが、本機はアルミニウムの筐体です。
通気口が幅広く、4本になっていますね。旧モデルは2本のラインだったので、排熱性能を高めたようです。
また、御覧の通り指紋が付きやすいです。
MIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
天板はいつものThinkPadと言う見た目で、底面と同じく指紋が付きやすいです。
内部を見ると、シングルファンにヒートパイプも1つとなっています。底面通気口を増やしましたが排熱性能はそこまで高くないので、長時間高負荷な作業を毎日する人は省電力モデルのCPUであるUシリーズを選んだほうが良いかもしれません。
WEBカメラ周り
Webカメラは3種類あり高画質FHD 1080p、FHD 1080p+IRカメラ、そしてHD 720pカメラになり、プライバシーシャッター付きになります。
IRカメラは顔認証用で、サインインも一瞬で完了です。
ズームするとわかりやすいですが、FHDの方が倍近い画質で、毛並みまできれいに見えます。Web会議などで相手に表示される自分の映像が高精細になり、印象がアップします。
マイクはデュアルアレイで2つ搭載、そして2Wのスピーカーが2つあります。また、周囲の騒音があるときや、複数人で会議をしているときに、自動的に音量を調整するDolby Voiceにも対応しています。
本機はNPUを搭載しているので、Windows Studio Effectが使えます。AIによる自動フレーミングや背景ぼかしなどの機能もあり、より快適なオンライン会議ができます。
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
AIを搭載したインテル スレット・ディテクション・テクノロジーは、ランサムウェアやクリプトジャッキングなどを検出します。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6/6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6、もしくは6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。そして1ギガビットイーサネットも搭載しており、無線でも有線でも快適に使えます。
バッテリー駆動時間
バッテリーは47Whrと57Whrがあり、最大バッテリー駆動時間は約9.2時間になります。半日くらいは十分使えるので、外出用としても使いやすいです。
インターフェイス
インターフェイスは多くないですが十分にあり、USB4(Thunderbolt 4対応)もあるので、Thunderbolt 4対応ドックがあると据え置き時により使いやすいです。
右側面インターフェイスはUSB 3.2 Gen 1(データ転送速度5Gbps)、RJ45、そしてケーブルロックスロットになります。
左側面インターフェイスはUSB 3.2 Gen 2×2 Type-C(データ転送速度20Gbps/映像出力機能付き)、USB4(Thunderbolt 4対応)、USB 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)、HDMI、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
ライバル機種
ThinkPad E16 Gen 2インテル
本機の16インチモデルです。ほぼ同じスペックを搭載しており、持ち運ぶことが少ないという場合は、本機が良いかもしれません。
CPU | Core Ultra 5 125H/125U Core Ultra 7 155H/155U |
---|---|
メモリ | DDR5-5600 最大32GB(最大容量64GB) |
ストレージ | SSD×2 |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA IPS タッチあり |
通信 | Wi-Fi 6/6E、1ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー/顔認証(オプション) |
重さ | 1.78㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.5時間 |
価格 | 12.0万円~ |
ThinkBook 14 Gen 7
こちらも本機と似たようなスペックですが、ThinkBookになります。若干軽く、そして若干安い機種です。
CPU | Core Ultra 5 125U Core Ultra 7 155U Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大1TB×2 |
グラフィックス | Intel Arcグラフィックス Intel Graphics |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS 光沢なし |
LAN | Wi-Fi 6E、ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD |
重量 | 1.38㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約10.2時間 |
価格 | 11.3万円~ |
ThinkPad X13 Gen 5
13.3インチで1.12㎏と超軽量モデルです。上位モデルのXシリーズで、最高峰のモバイルPCです
CPU | Core Ultra 5 125U/135U Core Ultra 7 155U/165U Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | インテルグラフィックス インテルArcグラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS タッチパネルあり |
無線 | Wi-Fi 6E、LTE/5Gあり |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー搭載可能 |
WEBカメラ | 500万画素 |
重さ | 1.12㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約12.4時間 |
価格 | 18.0万円~ |
まとめ
良い点
・超コンパクト
・画面アスペクト比が16:10と縦に長い
・高色域sRGB 100%もあり
・インテル第14世代CPU搭載
・HシリーズのCPUはグラフィック性能がかなり高い
・メモリとストレージの増設が可能
・Wi-Fi 6/6Eに対応
・高画質FHD Webカメラ搭載可能
・USB4(Thunderbolt 4)やUSB 3.2 Gen 2×2も搭載
・RJ45あり
残念な点
・持ち運びに向いている14インチなのに、画面輝度が300ニトのみ
・シングルファンとヒートパイプ1本なので、そこまで排熱性能は高くない
総合評価
標準的な重さですが、14インチPCとしてはうれしいスペックです。USB4やRJ45もあるので社内で使うときにすぐに有線接続にできるし、社内では無線のみという場合でも、最高でWi-Fi 6Eを搭載できるので安定した高速通信が可能です。
メモリとストレージが増設でき、今後長く使用するうちにスペック不足になったら、増設できるのも助かります。14世代CPU搭載でメモリは最大64GBにもできるので、当分困ることはなさそうです。
重量は標準的で、バッテリー駆動時間は上位モデルに比べると短いですが、それでも半日くらいしか外出しない人であれば、十分だと思います。