量販店モデルの本機種は2Kの高解像度ディスプレイに、比較的性能が高いSnapdragon 662が搭載、そしてこの価格でWiFi6にも対応しています。
LTEモデルもあるので常時インターネット接続が可能、490gと軽くバッテリー駆動時間も最大12時間なので、持ち運びが多い人でも安心して使えます。
本機は量販店モデルなので、街の電気屋さんや楽天などで販売されています。
Contents
Tab P11のスペックレビュー
<キーボードは撮影用にP11 Proのものを使っています>
SoC | Qualcomm Snapdragon 662 |
---|---|
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ(11型) | 2K IPS液晶 タッチパネル |
OS | Android 10 |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.1、LTEモデルあり |
オーディオ | Dolby Atmos |
生体認証 | 顔認証 |
内蔵カメラ | フロント・800万画素 背面・1300万画素 |
寸法 | 258.4 x 163 x 7.5㎜ |
重さ | 490g |
バッテリー | 最大12時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 約4万円前後 |
SoCにはQualcomのSnapdragon 662が搭載で、性能はそこそこ高いですね。高負荷な事をしなければ、たいていの用途に対応できるほどです。
メモリは4GBと標準サイズ、ストレージは64GBと少なめですが、micro SDカードを入れて増設できるので、クラウドを使わない人でも安心して使えます。
ディスプレイは大きめの11インチで、2Kの高解像度、400nitと高輝度、そして色域も高めのNTSC 70%となっています。高品質なので、見やすいし使いやすいです。
カメラはタブレットとしては結構良い方で、フロントカメラが800万画素、リアカメラが1300万画素です。ビデオ電話時も高解像度の自身の映像が相手に表示されるので、見た目も良いし、相手も見やすいと思います。
また、バッテリー駆動時間は最大12時間と長めになっています。
全体的に見て、標準以上(ミドルハイクラス)の品質です。
Lenovo XiaoXin Pad(Tab P11)との比較
ここ最近XiaoXin Pad(小新Pad)って名前のタブレット見たことありませんか?2021年後半からよく見かけるのですが、これはLenovo中国が販売している製品を外国向け(中国国外向け)の仕様にして世界で販売している機種なんです。
なので、括弧書きで Tab P11 と記載されており、システムなどはTab p11となっています。
先日このXiaoXin Pad(Tab P11)を購入したので、比較します。外観やUIなどは全て同じですが、ちょっとスペックが違います。
Lenovo XiaoXin Pad | 本機種 | |
CPU | Qualcomm Snapdragon 662 | |
メモリ | 6GB | 4GB |
ストレージ | 128GB | 64GB |
ディスプレイ | 2000 x 1200 IPS | |
無線 | WiFi5、Bluetooth 5.0 | WiFi6、Bluetooth 5.0、LTEあり |
バッテリー | 最大12時間 | |
重量 | 490g | |
その他 | 顔認証、Dolby Atmos | |
価格 | 約2.4万円 | 約4万円~ |
本機種はP11に比べメモリが50%増し、ストレージは2倍ですが、価格は40%ほど低いです。
ただし、Lenovo Tab P11はWiFi6に対応しているので、最大通信速度が速いです。XiaoXin PadはWiFi5ですが2.4GHzと5GHzに対応しているので、筆者のような家(WiFiがギガ契約じゃない)ではあまり違いがありませんでした。
安いのに高性能なのでお勧めですが、Lenovo中国の製品なのでLenovo中国のサポートが対象です。言い換えると、Lenovoジャパンのサポートは受けることができません。先日サポート具合を確認したかったのでチャットで問い合わせたら、筆者購入機種のシリアル番号は登録されていないとのことで、「サポート対象外です」と言われました。
なので、問題があったときに自分で解決できる人におすすめです。
Tab P11の特徴
本機種はベゼル(画面の黒い枠)が細く、画面比率85%となっています。ベゼルが細いので、視界に邪魔が入らず使いやすいですね。
ベゼルは左右約7.9㎜、上下約7.8㎜でした。
寸法は幅258.4㎜、奥行き163㎜、厚さ7.5㎜となっており、小型ですね。いくつかの機種と比較してみます。()は本機種との差・単位㎜です。
縦 | 横 | 高さ | 重さ | |
本機種 11型 | 258.4㎜ | 163㎜ | 7.5㎜ | 490g |
Tab P11 Pro 11.5型 | 264.28㎜ (+5.88) |
171.4㎜ (+8.4) |
5.8㎜ (-1.7) |
485g (-5g) |
iPad Pro 11インチ | 247.6㎜ (-10.8) |
178.5㎜ (+15.5) |
5.9㎜ (-1.6) |
468g (-22g) |
iPad Pro 11インチと比べると、本機種は縦に長く横幅が狭いですね。あと、若干厚みがあります。
厚さ(高さ)は7.5㎜と普通で、カバー付きスマホと同じくらいのサイズです。
ボディにはメタルとPC(ポリカーボネート)などの樹脂素材になっています。上の濃い色は樹脂で、滑り止めの機能もあると思います。薄い部分はメタルが使用されています。
カメラはちょっと飛び出しているので、カバーを付けていないと置くときに邪魔になりやすいし、傷つきそうです。
フロントカメラは顔認証にも対応しているので、サインインも一瞬ですね。
カバー
ファブリック素材で、温かみのあるカバーですね。角度も自在に変えることができるし、安定しています。執筆時現在、公式サイトやAmazonなどのECサイトでは、販売が確認で来ませんでしたが、アマゾンにはP11用の一般的なカバーが販売されています。
<左・Tab P11 Pro/右・IdeaPad Duet>
筆者もTab P11 Pro用とIdeaPad Duet用に、同じ仕様のカバーとキーボードを使っています。
Tab P11 Proとは兄弟モデルなので使えるかなと思いキーボードを接続すると、使えたり使えなかったりで、システムエラーになったりしたので、使わない方が良さそうです。まぁ、もともとサイズが違うので使えても使いにくいです。
タブレット用のキーボードは薄くて軽いので、持ち運びがしやすい設計です。意外に打鍵感もあり、タブレット用のキーボードとしては十分だと思います。
Lenovo プレシジョンペン2
ペンは4096段階の筆圧を感知し、傾き検知機能もあります。ただしペンは別途購入の必要があり、初代のプレシジョンペンには対応していません。
OneNoteで使ってみましたが、結構細かく反応したので流れるように書くとペンを動かした箇所にもインクが付きやすかったです。ペンをちゃんと上に上げて次の文字を書いた方が良さそうです。
ライバル機種との比較
<左からTab P11 Pro/本機種/IdeaPad Duet>
Tab P11 Pro | 本機種 | IdeaPad Duet Chromebook | |
CPU | Snapdragon 730G | Qualcomm Snapdragon 662 | Media Tek Helio P60T |
メモリ | 6GB | 4GB | 4GB |
ストレージ | 128GB 増設可能 |
64GB 増設可能 |
128GB 増設不可 |
ディスプレイ | 11.5型 2.5K OLED | 11型 2K IPS | 10.1型 FDH相当 IPS |
無線 | WiFi | WiFi6 | WiFi |
バッテリー | 15時間 | 12時間 | 10時間 |
重量 | 485㎏ | 490g | 450g |
価格 | 6.1万円~ | 約4万円~ | 4万円前後 |
付属 | 充電ケーブル | 充電ケーブル | キーボード 充電ケーブル |
本機種は11型の2K高解像度で、なんとWiFi6に対応した機種です。WiFi通信速度が速く安定しているので、より使いやすいですね。
兄弟機種のTab P11 Proは「Proモデル」で、価格が高い分性能もかなり高く、2.5Kディスプレイが搭載です。より快適に動画編集などの高負荷な事をしたい場合は、こちらがおすすめです。
Ideapad duetは10.1型と普通サイズですが、カバーもキーボードも付属しているので、使い勝手が高く、コスパも高いです。
CPUの性能はP11 pro>P11>Duetの順になります。
[visualizer id=”21212″ lazy=”no” class=””]
CPU
Qualcomm Snapdragon 662 | |
コア | 8コア |
最大クロック数 | 2GHz(1.8GHz) |
内蔵GPU | Adreno 610 |
CPUはスマホやタブレットに搭載されるSnapdragon 662が搭載で、ちょっと変わった仕様になっています。8コアあるうちの4コアは2.0GHzで動作し、残りの4コアは1.8GHzで動作します。簡単に言うと、多くのアプリなどを同時に使うと最初の4コアで処理しているものは速く動き、別の4コアで処理されているものは若干遅い動きになります。ただし、基本的にそこまで気にしなくて良いと思います。
こちらはGeekBench 5で性能を測った結果です。
[visualizer id=”21216″ lazy=”no” class=””]本機種は一番上のグラフで、その他のグラフはLenovoのタブレットに使用されているものなどです。一番性能が高いのは兄弟機種のTab P11 Proで、本機種はその次に高い性能になっています。
これだけの性能なので、動画視聴、Web閲覧などの普段使いであれば特に問題なくサクサク動きます。ゲームもラグもなくできるゲームがほとんどだと思います。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢/液晶 | コントラスト比 | 輝度 | 色域 | 特徴 |
2K 2000×1200 |
あり/IPS | 1500:1 | 400nit | NTSC 70% | 指紋が付きにくい加工あり |
2K | 一般的なFHDディスプレイよりも若干解像度が高い |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
IPS | コントラスト比が高く、視野角も広い液晶 |
コントラスト比 | 最少輝度(黒色)と最大輝度(白色)の差。差が大きいとより鮮やかで、力強い描写が可能 |
nit | 明るさを表す単位。タブレットでは280~300nitが標準 |
NTSC | 色域の規格 |
2Kディスプレイと解像度が高く、IPS液晶とコントラスト比も高いので、写真や動画を見た時に色鮮やかに描写されます。また、色域がNTSC 70 %とsRGB 100%に近い色域があり、Web用画像編集をするクリエイター向けの品質があります。
角度を変えてもかなり見やすく、90°近くまで倒しても薄暗くなる部分がほとんどありませんでした。視野角はかなり広いです。
また、指紋が付きにくい加工がしてあるそうですが、指紋はがっつり付くのでフィルムを貼った方が良いです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。本機種にはLPDDR4 – 4GBが搭載です。
標準より少し多いメモリ容量なので、比較的快適に使いやすいです。
ストレージ
本機種搭載のストレージはスマホやタブレットを中心に搭載されるeMMCでなく、uMCPというUFSベースのMCPというフラッシュメモリ・64GBが搭載されています。
micro SDカードでストレージの増設ができるので、気兼ねなくアプリのダウンロードや写真も撮れますね。
オーディオ
オーディオはDolby Atmosです!映画館でも導入が進んでおり、Netflixなどの動画配信サイトでもドルビーアトモス用の動画が配信されています。Atmosは最大9.1.6chのサラウンディングが可能で、音がそこからもあそこからも、いろんな方向から聞こえるのが特徴です。
しかも1Wスピーカーが4つもあるので、ダイナミックです。
個人的に、音響は10段階で7です。深みのある音です。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は最大12時間と、一般的なタブレットの10時間より若干長くなっています。使い方によっては、充電ケーブルの持ち運びも必要ないかもしれません。
充電は約3時間で満タンになります。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
LTE
本機種にはLTEモデルもあり、nano SIMを使ってスマホの様に常時インターネット接続が可能です。
対応バンドは1/3/8/19/28で、ドコモとソフトバンク系のSIMはほぼ問題なし、auは重要回線2回線のうち1つしか対応していないので通信しにくい場所もあるかもしれません。
大手3社の重要バンド(赤文字は本機種非対応)
- docomo・・・1,3,19,21
- au・・・1,18
- softbank・・・1,3,8
インターフェイス
左側面には電源ボタンがあります。
右側面には、USB-C 2.0があり、ここで充電をしたり、OTG(USB On The Go)機能付きなのでSDカードやHDDに直接アクセス/直接繋ぐことができます。
下部にはキーボードを接続する箇所があります。
上部には音量ボタンとmicro SDカード/nanoSimスロットがあります。
サポート・保証
標準で1年間の「片道引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポート(朝9時~夕方6時まで))があります。
片道引き取り修理とは、故障時には自分でリペアセンターに郵送し、修理後、指定住所に送られてきます。修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
また、本機種は販売代理店で販売されているので、詳しくは購入時にご確認ください。
Androidタブレットをサブモニターとして使用する方法
無料アプリのSpacedeskをダウンロードして、PCのサブモニターとしてタブレットも使えます。PCとタブレット両方にアプリをダウンロードしたら使えますが、詳しい方法はこちらの記事にまとめているので併せてどうぞ。
まとめ
本機種のメリット、デメリットは以下になります。
メリット
・価格のわりに高い性能
・ディスプレイが高解像度
・オーディオがDolby Atmos
・11型と大きいので作業がしやすい
・色域が高いので正確な画像編集がしやすい
デメリット
・キーボード・ペンなどが別売り
・大きいので片手で持ちにくい
キーボードや専用カバーがまだ販売されていませんが、全体的に「快適に使える」スペックですね。
ディスプレイの質も高く、オーディオもDolby Atmosで内蔵スピーカーが4つもあるので、ミュージックビデオや動画は特に迫力満点だと思います。
LTE搭載モデルならいつでもどこでも通信が可能だし(エリアの範囲内で)、小型軽量なので持ち運びもしやすいですね。
他にも多くのタブレットがあるので、Lenovoタブレットのレビューも併せてどうぞ。