ARM系のプロセッサーであるQualcomm Snapdragonが搭載で、基本的にスマホより若干性能が高いスペックになります。また詳しくは後述していますが、一般的にパソコンで使う64bitアプリは使用できません。
総合的に見て、低負荷な作業を外出先でもやる人向けの機種で、スマホやタブレットじゃメールの返信がしにくいし資料が見にくいから「外出先で使えるPCが欲しい」と言う人に合います。
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IdeaPad 4Gのスペックレビュー
CPU | Qualcomm Snapdragon 8c |
---|---|
メモリ | 最大8GB |
ストレージ | SSD 256GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ | 14型 FHD IPS液晶 光沢なし sRGB 100% |
OS | Windows 10 Home |
無線 | WiFi6、4G LTE、Bluetooth v5.1 |
生体認証 | 顔認証 |
寸法 | 321.7x207x14.9㎜ |
重さ | 1.2㎏ |
バッテリー | 最大21時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 10.7万円~ |
QualcomのSnapDragonはスマホやSurfaceにも使われているプロセッサー(正確に言うとSoC)で、バッテリー効率が高く(省電力)、スマホの様にスリープからの復帰が速いという特徴があります。また、Snapdragonはもともとスマホ向けのプロセッサーなので、ファンレス(CPUを冷やすファンがない)になっていることが多いです。
性能や機能的にもSnapdragon搭載のPCは、「ノートパソコンの形をしたスマホ」だと思えば分かりやすいと思います。
メモリは最大8GBでストレージはSSD 256GBが搭載と、Snapdragon搭載のPCとしては普通だと思います。十分、サクサク快適に動かせるほどです。
ディスプレイは高解像度のフルHDで、高色域のsRGBカバー率 100%です!Web用画像編集に向いているディスプレイです。
2021年に入りIdeaPadでもWiFi6に対応し始め、本機種でも対応しています。また、スマホの様に常時インターネット接続が可能な4G LTEも搭載なので、「いつでもどこでも」使うことができます。
また、顔認証システムもあるので、サインインも一瞬、インスタントオン機能というディスプレイを開けばすぐに使える機能もあるので、ここもスマホっぽいですね。
バッテリー駆動時間は最大21時間とかなり長いので、使い方によっては毎日充電しなくてもいいですね。
総合評価として、「外出用のノートパソコン」としてはかなり優秀だと思います。高負荷な事や64bitのアプリやソフトをダウンロードしない、必要としない人であればこれ1台で十分だと思います。
ライバル機種
本機種は新しいモデルで、旧モデルとの比較ができません。本機種と似たような14型最新機種との比較をご紹介します。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | IdeaPad Slim 550i | IdeaPad Slim 560i Pro | |
CPU | Qualcomm Snapdragon 8c | インテル11世代 | インテル11世代 |
メモリ | 8GB | 16GB | 左に同じ |
ストレージ | SSD 256GB | SSD 512GB | 左に同じ |
ディスプレイ | FHD IPS sRGB 100% 画面比16:9 |
FHD IPS 画面比16:9 |
2K IPS sRGB 100% 画面比16:10 |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi5 | WiFi6 |
バッテリー | 21時間 | 12時間 | 17時間 |
重量 | 1.2㎏ | 1.45㎏ | 1.38㎏ |
価格 | ― | 5.9万円~ | 9.6万円~ |
特徴 | 性能は控えめだが バッテリーが長持ちで軽量 |
性能は高いがその他は普通 WiFi6がない |
バッテリーも長く比較的軽量。 ディスプレイの質も良し |
本機種は「外出が多い人」向けの機種で、その他のLenovoノートパソコンとは一線を画す機種です。どちらかと言うと、旧モデルのYoga C630(販売終了)を意識した機種だと思います。低負荷な事しかしない人には、使い勝手が高かった機種です。
IdeaPad 4Gの特徴
さすがIdeaPadの新機種なので、ベゼル(画面の黒い枠)が細いですね。画面占有率は何と90%と高く、見てお分かりの様に上下左右のベゼルが極細です。2020年の夏から、IdeaPadはコンパクト感が半端ないですね。
寸法は幅321.7㎜、奥行き207㎜、そして厚さは14.9㎜と極薄です。大学ノートA4サイズ(297×210㎜)と比べると、幅+約2.5㎝、奥行き+0.3㎝とほぼ同じサイズです。
厚さは1円玉(直径20㎜)の3/4で14.9㎜と薄く、14型では最薄クラスです。
横から見てもスリムですね。
カラーはライトシルバーで、光の当たり具合によっては白っぽいですね。
底面に吸気口が無いので、CPUファンがないファンレス設計になっていると思います。
ディスプレイは約180度まで倒すことができます。対面にいる人にディスプレイを見せる時に役に立ちますね。
キーボード
キーボードは84キーの一般的な仕様で、ディスプレイの明るさ調整やスピーカーの音量、内蔵マイクのON/OFFもFキー列でできます。
キーボード面の左右にはスピーカーが1つずつあり、スピーカーが正面にあると音がクリアに聞こえやすいですね。
CPU
Qualcomm Snapdragon 8c | |
コア/スレッド | 8/8 |
クロック数 | 最大2.45GHz |
グラフィックス | Qualcom Adreno 675 |
キャッシュ | 3MB |
TDP | 7W |
先述したように、CPUはARM系のプロセッサーであるため、インテルやAMD製のCPUを使った機種で普通にMicrosoft Storeからダウンロードした64bitアプリや、各Webサイトからダウンロードした64bitソフトは使えないものがほとんどです。
ただし、ゆくゆく対応していくそうなので、少しづつ増えていくと思います。
現時点ではエミュレーションという特殊な手法を使えば64bitアプリも動かせるものがありますが、そこまでして使いたいソフトウェアがあるのであれば、本機種じゃなく他のIdeaPadを購入した方が理にかなっていると思います。(こちらでおすすめIdeaPadシリーズを紹介しています)
また、ファンレス設計でTDPも7Wという低い数値からもわかるように、CPUの性能は高くありません。Web閲覧や動画視聴、メールのやり取りなどの低負荷な事を外出先でするのに使うのであれば、問題ないと思います。
コアとスレッドが大きいと「並行していろいろな作業がしやすい」と言う特徴があるのですが、一般的なCPUは2コア4スレッド~4コア8スレッドになり、本機種では8コア8スレッドになります。同時にあれもこれもしやすい性能があります。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 色域 |
FHD 1920×1080 |
なし | IPS | sRGBカバー率 100% |
HD | ハイディフィニション、低解像度で安い機種に使用される |
---|---|
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
sRGB 100% | Web用画像編集に向いている色域 |
ディスプレイは比較的高品質で、高解像度のFHDに、コントラスト比が高く視野角も広いIPS液晶が搭載です。また、色域が高いsRGB 100%なので、より鮮やかな色が描写されます。
こちらは一般的なノートパソコンに使用されるNTSC 45%と言う色域と、sRGB 100%(NTSC換算で約72%)のディスプレイを一眼カメラで撮影して並べたものですが、右の方が鮮やかな色ですよね。画像編集をする人だけでなく、動画を見る時でもより鮮やかでダイナミックな色彩になります。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くのデータを処理しやすくなります。
本機種には標準的な8GBメモリが搭載で、CPUの性能を考えれば十分すぎる容量になっています。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | SSD(SATA) | HDD(本機種非搭載) | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 15秒前後 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 中価格 | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種にはデータ転送速度が速いM.2 PCIe NVMeが搭載なので、ストレージの性能は高く快適にサクサク使いやすいです。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は21時間と、かなり長いですね。それもこれも、省電力なCPUを使っているので、バッテリーの持ちが良いんですね。小型軽量でバッテリー駆動時間を長くするには省電力CPUを使わないといけないので、相対関係にありますね。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
LTE
<対応バンド>
LTEとはnanoSIMを使った通信で、スマホの様に常時インターネットに接続できます。LTEがどこのものか明記がないのですが、4G LTEは下り450Mbps/上り50Mbpsほどになります。
また、携帯大手3社の重要バンドにはすべて対応しています。
4G
- docomo・・・1,3,19,21
- au・・・1,18
- softbank・・・1,3,8
インターフェイス
インターフェイスはLTE用のSIMカードスロット、電源ボタン、USB-A 3.0になります。
左側面インターフェイスは、USB-C 3.0(給電・Display Port出力機能付き)が2つに、マイク/ヘッドフォンジャックがあります。
外出用の機種なので、インターフェイスはすごくシンプルですね。HDMIがないので、外付けモニターがHDMIのみの場合は、DP-HDMIの変換ポートが必要です。
サポート・保証
IdeaPadでは標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
まとめ
全体的に「外出用と割り切った機種」で、スペックもそこそこ、インターフェイスや機能も割り切っていますね。その分、小型で軽く、バッテリー駆動時間が最大21時間もあり、WiFi6にLTEも搭載と機動性は抜群の機種です。
長時間外出をするような人で、パソコンの方が作業がしやすいという場合は、本機種はなかなかのお勧め機種です。
量販店モデルなので、電気屋さんか楽天などで販売されています。