キーボードが取り外しできるタブレット型PCで、子供にも使いやすい機種です。
米軍の物資調達規格であるMILスペックに準拠し、ラバー製バンパーを採用と、耐衝性の高い機種で、子供でも安心して使うことができます。
ただし、スペックはかなり控えめで、この点も子供向けになっています。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 2.5] |
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コスパ | [usr 3.0] |
総合評価 | [usr 3.0] |
Contents
Lenovo 10w Gen 1のスペック
SoC | Qualcomm Snapdragon 7c Gen 2 |
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メモリ | 4GB |
ストレージ | eMMC 64GB |
ディスプレイ(10.1型) | WUXGA IPS タッチ |
OS | Windows 11 Home/Pro/Pro Education |
無線 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.1 |
生体認証 | なし |
カメラ | 200万画素/800万画素 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 253.82 × 164.9 × 10~18.2㎜(キーボード装着時) |
重さ | 本体 570g キーボード付 1.1㎏ |
バッテリー | 16.8時間 |
付属 | 本体収納型Lenovo Active Pen搭載モデルあり |
保守活動終了予定日 | 2028年7月31日 |
価格 | 6.5万円~(量販店により変動あり) |
<性能評価>
本機はタブレット型のPCなので、プロセッサーはタブレットやスマホに搭載されるSnapdragon 7c Gen 2になっています。タブレットやスマホで使う分にはそこそこ高い性能ですが、Windowsで使うとなるとかなり低い性能です。
公式サイトでも言っているように、「学校での利用に最適な2 in 1 PC」で、学童向けです。サクサク動くわけじゃないですが、子供が使う分には使いにくくない程度になっています。
メモリは4GBとかなり小さく、ストレージもPC用じゃなくタブレットやスマホ用のeMMCで、64GBとかなり小さいです。
低スペックでも動きやすいWindows Sモードであれば、そこそこ使いやすかったと思います。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、10.1型でも11インチ並みの情報が表示されます。また、フルHD解像度でIPS液晶なので見やすく、目も疲れにくいです。
もちろん、タッチパネルなので指やペンで操作もできます。
無線はいわゆるWi-Fi 5で、Webカメラはフロント200万画素、リア800万画素になり、マイク2つに、1Wスピーカーが2つとなっています。
子供向けなので、低スペックにできるところは全部低スペックにしている機種ですが、本機はスペックとは違うところにお金をかけているようです。
耐水性キーボードや傷のつきにくいゴリラガラス ディスプレイ、そして米軍の物資調達規格であるMILスペックに準拠した堅牢性があります。
安心して子供に持たせることができる、PCだと思います。
本機は量販店モデルなので、電気屋さんや楽天などのECサイトで販売されています。
旧モデルとの比較
本機はLenovo 10W Gen 1という名前からわかるように、初めてのモデルです。旧モデルはありませんが、IdeaPad Duetなどもキーボードが取り外しができるタブレットPCがあります。
Lenovo 10w Gen 1の特徴
学童向けで耐久性を高めているので、ベゼル(画面の黒い枠)が太いですね。
寸法は
・幅 253.82㎜
・奥行 164.9㎜
・高さ 10㎜
になり、やはりタブレットじゃないので全体的に大きいです。
同じ10.1インチの、IdeaPad Duet Chromebookと比較してみます。
<IdeaPad Duet Chromebook>
幅 | 奥行 | 高さ | 重さ | |
本機種 | 253.82㎜ | 164.9㎜ | 10㎜ | 570g/1.1㎏ |
Duet | 239.8㎜ | 159.8㎜ | 7.35㎜ | 450g/920g |
本機は、同じ10.1インチでも一回り以上大きく、そして重たいですね。背面はゴム製バンパーになっており、耐久性や耐衝性が高いので、しょうがない部分もあります。
重さはキーボード付きで1.1㎏なので、パソコンに比べると軽いですが、ちょっと重たいと思います。
また、キーボードを付けた場合は、厚さが18.2㎜で分厚いですね。
ちなみにキーボードは取り外しが可能で、タブレットとしても使えるし、通常のPCとしても使えるので、子供には使いやすいと思います。
ヒンジは180度までしか回転しないので、ディスプレイはこれ以上倒すことはできません。
キーボードはフルサイズ・85キーで、バックライトはありません。トラックパッドは87㎜×49㎜と小さいですが、子供であれば十分だと思います。
アビスブルーのおしゃれな色で、ラバー製バンパーになっているので、ぶつけても壊れにくいと思います。
赤い部分に本体収納型Lenovoアクティブペンを入れることができるので、ペンをなくすこともないと思います。ただし、ペン付属モデルと、「付属無しモデル」の2種類があるので、購入時にご確認を。
カメラ
フロントカメラは200万画素とFHD 1080p相当と高解像度で、リアカメラは800万画素と一般的なタブレットのカメラの解像度です。
フロントカメラにはプライバシーシャッターもあるので、使用しないときは閉じておくと安心です。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、100項目以上の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
SoC
SoCはQualcomm Snapdragon 7c Gen 2で、タブレットやスマホに搭載されるプロセッサーになります。8コア8スレッドで、最大クロックは2.55GHzです。
こちらはCPUの性能を測るCPU markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 14000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1270P | |
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Core i5-1240P | |
Core i7-1265U | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Snapdragon 7c Gen 2 |
2022年に入り、一般的なPCに搭載される一番低いプロセッサーはCore i3-1215Uで、約1.1万のスコアがあります。とは言え、5000くらいあればそこそこ作業はできるほどです。
本機搭載のSnapdragonは3457とかなり低い性能です、
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA | あり | IPS | 400nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 | NTSC 70.8% | 170° | ― |
本機種で唯一と言ってもよいと思いますが、ディスプレイはまともなスペックで、見やすいと思います。
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、10.1インチでも11インチ並みの情報が表示され、視野角が170°と広いIPS液晶になります。
また、コントラスト比も1000:1と高いので、シャープな描写になり、色域はクリエイター向けPC並みのNTSC 70.8%と高いです。
<左/NTSC 45%・右/sRGB 100%>
一般的なノートパソコンにはNTSC 45%という色域が狭いものが採用され、価格が高い機種には、sRGB 100%が採用されることが多いです。
本機のNTSC 70.8%は、ほぼsRGB 100%に近い色域なので、色彩が豊かです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機にはLPDDR4Xと高品質なメモリが搭載ですが、4GBしかありません。タブレットで4GBあればそこそこ良い方ですが、PCで4GBはきついと思います。
すべての動作で待ち時間が長くなりますが、学校で使う分にはそこまで問題ないのかなと思います。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージはPCに搭載されるSSDじゃなく、タブレットなどに使用されるeMMCになり、容量は64GBとかなり小さいです。
パソコンに保存できるデータが少ないですが、クラウドストレージを併用したりしてもよいと思います。また、子供であれば、写真なども保存しないと思うので、十分かもしれません。
Wi-Fi 5に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
無線LANは802.11a/b/g/n/acに対応しており、最大速度は6.9Gbpsと速いです。無線速度だけを見たら、普通に使えます。
バッテリー駆動時間
バッテリーは2セル・30Whrと小さいですが、最大で16.8時間のバッテリー駆動時間があります。
学校で丸1日使っても、十分な時間だと思います。
インターフェイス
下部分はキーボードを接続する部分になります。
上部分にはマイクがあります。
側面にはスピーカーのみです。
こちらは電源ボタン、ボリュームボタン、マイク/ヘッドフォンジャック、そしてUSB 3.2 Gen 1 Type-Cがあります。
USBは映像出力機能付きなので、モニターにつなぐこともできます。
サポート・保証
標準で1年間の「片道修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、通常は最長4年まで延長できます。ただし、本機は量販店モデルなので、保証延長については購入時にお尋ねください。
片道引き取り修理は、自分で郵便局などでLenovoのリペアセンターに配送し、送料などは自己負担です。修理後は、Lenovoの負担で指定住所に配送されます。
ライバル機種
Lenovoでは学童向けのPCをいくつか販売していますが、当サイトとしてはお勧めできるようなものはありません。
学童向けのデバイスは、ぶつけたり落としたりを想定して耐久性が高いですが、普通のスペックだと価格が十何万円したり、一桁万台だと本機の様にスペックがかなり低いものが多いんです。
ということで、一般向けの機種をご紹介します。
IdeaPad Slim 570(14型 AMD)
上位モデルのRyzen 5000シリーズが搭載でかなり性能が高く、普段使い用としては十二分の性能があります。1.39㎏と軽く、Wi-Fi 6にも対応し、バッテリー駆動時間も長めと、持ち運びがしやすい機種です
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | DDR4 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS 光沢なし 300ニト |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
Webカメラ | HD 720p、FHD 1080p |
重さ | 1.39㎏ |
バッテリー | 最大15.1時間 |
価格 | 6.8万円~(Ryzen 5モデル) |
IdeaPad Flex 570(14型 AMD)
普段使いモデルのIdeaPadですが、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、より効率よく作業ができます。Ryzen 5000シリーズのCPUで性能も高く、ペンも付属しているので、メモ取りやイラストもできます
CPU | Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
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メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) 画面比 |
WUXGA IPS 300nit 光沢あり 16:10 |
無線 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.1 |
その他 | 指紋センサー、デジタルペン同梱 |
重さ | 1.55㎏ |
バッテリー | 約13時間 |
価格 | 8.0万円~(Ryzen 5モデル) |
まとめ
良い点
・2 in 1 PCでキーボードを取り外せ、タブレットとしても使用可能
・バッテリー駆動時間が長い
・ディスプレイが高品質
・耐久性が高く、子供のことを考えて作られた機種
残念な点
・低スペックで使いにくい
総合評価
本機の特徴はゴム製バンパー搭載で耐久性・耐衝性が高く、バッテリー駆動時間が長い点です。落としたりぶつけたりが多い子供でも、安心して使えます。
また、最大バッテリー駆動時間が約16.8時間と長いので、ACアダプタを学校に持っていかなくてもよいので、身軽になります。
ただし、スペックがかなり控えめで、何をするにしても待ち時間があり、大人であればストレスを感じると思います。子供であれば、気にならないかもしれません。
本機は量販店モデルなので、公式サイトでは販売されておらず、家電量販店や楽天などで販売されています。