ThinkPad Lシリーズと言えば、標準モデルはスペックが低めで、カスタマイズから自分好みのスペックを作っていくことが多いのですが、本機は基本スペックもしっかりしており、どちらかと言うと、必要ない機能をダウングレードして価格を下げていく人も多いかもしれません(もしくはそのままですね)。
画面アスペクト比16:10の2 in 1 PCで、重さも1.32㎏と軽いので持ち運びに向いており、当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.1] |
---|---|
コスパ | [usr 4.0] |
総合評価 | [usr 4.0] |
Contents
ThinkPad L13 Yoga Gen 4 AMDのスペック
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 PRO 7530U Ryzen 7 PRO 7730U |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TGB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS 光沢/光沢なし |
OS | Windows 11 Home/Pro Windows 11 Pro(Windows 10 Proへのダウンロード権行使) |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 指紋センサーと顔認証搭載可能 |
WEBカメラ | HD、FHD、FHD+IRカメラ |
スピーカー | 2.0W×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 305 × 218 × 17.1 mm |
重さ | 1.32㎏~ |
バッテリー | 最大約15.3時間 |
標準保証 | 1年間 |
付属 | Lenovoペン |
価格 | 14.8万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のRyzen 7000シリーズで、Ryzen 3でもビジネス用途に十分な性能になっています。また、Ryzen 5と7は企業向けのPROシリーズなので、セキュリティもしっかりしています。
メモリはDDR4-3200MHzで、最大32GBと大容量、ストレージはSSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TBとこちらも大容量です。ただし、CPUがPCIe 4.0に対応していないのでPCIe 3.0×4接続です。それでもかなり速いデータ転送速度なので、遅いと思うことはないです。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10で、13.3インチでも14インチ並みの情報が表示されます。解像度はFHDよりも縦に長いWUXGA(1920×1200ドット)で、視野角が広いIPS液晶になります。
輝度は300ニトと400ニトがあり、色域はsRGB 100%と広く、画像編集をするような人にも合いますね。ちなみに400ニトのディスプレイは、タッチパネルでは珍しい光沢なしになっています。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProがあり、Wi-Fi 6EとLTE(オプション)に対応、そしてWEBカメラは一般的なHD解像度か高画質FHDカメラがあり、顔認証用のIRカメラもあります。
また、アウトカメラも搭載でき、こちらは500万画素と超高画質です(FHDは207万画素、HDは70~92万画素)。
指紋センサーもあるので、必要な人は顔認証と2つ搭載してもいいし、好みで1つにしてもいいと思います。
ここまで読んで勘のいい人は分かったかもしれませんが、ほとんどで「対応」や「あります」と記載しましたが、ThinkPad Lシリーズは基本的に「最低スペック」を搭載しており、ここからカスタマイズをして自分好みのスペックにする必要があります。
後々カスタマイズモデル以外も出ると思いますが、Lシリーズは自分でスペックを選ばないとおかしなスペックのこともあるので、注意が必要です。ただし、本機の場合は、標準でも比較的ハイスペックになっているので、そこまで警戒しなくてもよいと思います。
2023年のトレンドと比較
2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
Ryzen 7000 | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | × | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | △ | 〇 | △ |
USB4 | 生体認証 | 重量1.3㎏前後 | バッテリー14時間以上 |
× | △ | 〇 | 〇 |
旧モデルとの比較
旧モデルのThinkPad L13 Yoga Gen 3との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Gen 3 | |
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 PRO 7530U Ryzen 7 PRO 7730U |
Ryzen 3 5425U Ryzen 5 PRO 5675U Ryzen 7 PRO 5875U |
メモリ | 32GB | |
ストレージ | SSD 1TB | |
ディスプレイ | WUXGA IPS液晶 光沢なし | |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE | |
バッテリー | 15.3時間 | 11.7時間 |
重量 | 1.32㎏ |
主な変更点はプロセッサーが変わり、バッテリー駆動時間が伸びた点です。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。PROモデルは出たばかりでベンチマークの情報がないのですが、通常、PROモデルと通常版は同じ性能なので、通常版を記載しています。
また、旧モデルにはRyzen 5000シリーズの上位モデルが搭載できたので、新機種との性能差はあまりないですが、Ryzen 3が10%ほど、Ryzen 5が25 %アップ、そしてRyzen 7は旧モデル搭載CPUが5%ほど高い性能です。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 Pro 5875U | |
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Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 Pro 5675U | |
Ryzen 3 7330U | |
Ryzen 3 5425U |
ThinkPad L13 Yoga Gen 4 AMDの特徴
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、一般的な13.3型よりも大きなディスプレイですが、ベゼル(画面の黒い枠)もそこそこ細く、コンパクトな筐体です。
本機の寸法は
・幅305㎜
・奥行き218㎜
・高さ17.1㎜
になり、A4サイズ(210㎜×297㎜)とほぼ同じ大きさですね。小さなビジネスバッグにも入ると思います。
高さ(厚さ)は17.1㎜と薄く、掴みやすいです。重量は1.32㎏と、13.3インチでは標準的な重さで、通常2 in 1 PCって重くなりがちなのですが、頑張って重さを抑えている印象です。
写真左下にある小さな赤いマークがあるところには内蔵ペンを収納でき、充電もできます。本体収納型なので、ペンをなくすことも少ないと思います。また、ペンは4096段階の筆圧を検知するので、メモ取りなどに向いています。
天板はアルミニウムを採用しており、高級感のある見た目です。
底面カバーは強化繊維プラスチックを使用し、大きな通気孔があります。エアフローが良さそうですね。
2 in 1 PC
2 in 1 PCとはヒンジが360度回転し、形状を変えることができるパソコンになります。
<テントモード>
テントモードはソファやベッドの上に寝転がって使うとき、底面の吸気口をふさがないので、筐体が熱くなりにくいです。
<スタンドモード>
キーボードが邪魔な時や、画面をもっと近づけたいとき、ペンを使う時はスタンドモードにすると使いやすいです。
<タブレットモード>
タブレットの様にもできるので、パソコンの状態じゃ使いにくい時に役に立ちます。重さが1.32㎏なので、片手で持ってペンを使うのは難しいです。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
高画質1080p Webカメラ搭載可能
Webカメラは、HD画質 720pか高画質FHD 1080pが選べ、FHD画質は顔認証のIRカメラ付きもあります。また、プライバシーシャッターもあるので、カメラが必要ない時は閉じておくことができます。
顔認証があるので、一番右のIR+FHDカメラがおすすめになっていますが、ハイブリットカメラなのであまり画質は良くないです。一般的に、IRカメラは独立したIRカメラか、WebカメラとIRカメラを1つのカメラで使用しているものがあります。
あまりカメラを使わない人は720p HDカメラでもいいし、Web会議が多い人は1080p FHDカメラが、そして画質が下がりますが顔認証が必要な場合はIR+FHDが良いです。
また、500万画素のアウトカメラを搭載することもできます。タブレット型PCではアウトカメラはついていますが、2 in 1 PCでは珍しいですね。
そして、遠距離マイクが2つと、2Wのスピーカーが2つ搭載しており、オンライン会議などは普通にできます。
キーボード
キーボードはフルサイズの88キーで、すべての主要キーは同じ大きさなので、タイピングもしやすいと思います。
ThinkPadのキーボードはUSキーか日本語キー、そしてバックライトの有無をカスタマイズできるのですが、必ずバックライト付きを購入した方が良いです。
バックライト無しのキーボードはプラスチック感が強く、打鍵感も下がり、ThinkPadのキーボードを知っている人だったら、かなり落ち込みます。
CPU
Ryzen 7 PRO 7730U | Ryzen 5 PRO 7530U | Ryzen 3 7330U | |
製造プロセス | 7nm | ||
アーキテクチャ | Zen 3 | ||
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 | 4/8 |
L3キャッシュ | 16MB | 8MB | |
ベースクロック | 2.0Hz | 2.3GHz | |
ブーストクロック | 4.5GHz | 4.3GHz | |
GPUコア | 8 | 7 | 6 |
TDP | 15W |
アーキテクチャはZen 3、Ryzen 7000シリーズの中位モデルになります。ビジネス用途で十分な性能があり、高負荷なマルチタスクにも耐えることができます。
また、ProモデルのCPUは完全なメモリ暗号化を備えており、セキュリティが強化されていますが、通常版と性能は変わりません。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1340P | |
---|---|
Ryzen 7 7730U | |
Core i5-1345U | |
Ryzen 5 7530U | |
Core i7-1365U | |
Ryzen 5 Pro 5675U | |
Ryzen 3 7330U | |
Ryzen 3 PRO 5475U |
Ryzen 3で1万オーバーで、Ryzen 5と7はかなり高い性能です。CPU性能が足りないと思う版は少ないと思います。
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
計測次第、情報をアップデートします。
ディスプレイ
ディスプレイは2種類あり、どちらもWUXGA(1920×1200ドット)IPS液晶、そしてsRGB 100%です。
- 300ニト 反射防止/汚れ防止
- 400ニト 光沢なし/汚れ防止
反射防止は反射防止をしている液晶ですが、光沢ありになります。もう1つは、光沢なしですね。光沢があると背景などが反射して画面が見にくいことがあります。ただし、反射防止をしているので、反射具合も軽減されています。
こちらは左がNTSC 45%で、右がsRGB 100%ですが全然色が違いますね。企業のSNS用画像編集などをする人にも合います。
輝度は300ニトと400ニトがありますが、屋外で使うことが多い人は、400ニトがおすすめです。
そして、画面アスペクト比は従来の16:9じゃなく縦に長い16:10になっています。
左が16:10の13.3インチで、右が16:9の14インチですが、13.3インチの方がより多くの情報を表示できています。なので、今まで13.3インチは「見にくいからな~」と敬遠していた人も、問題なく使えます。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、オンボード・最大32GBになります。32GBもあれば、十分ですね。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージは最新のSSD PCIe 4.0が搭載ですが、先述したようにPCIe 3.0×4接続で、最大1TBになります。PCIe 4.0じゃないですが、データ転送速度は速く、何困ることはないと思います。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
LTE
執筆時現在LTEモデルは販売されていないですが、WWANはFibocom L860-GL-16, 4Gを搭載でき、速度はダウンロード最大1Gbps、アップロード最大75Mbpsになります。アップロードは普通の速さですが、ダウンロードは速いですね 。
LTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル・46Whrで、最大バッテリー駆動時間は約15.3時間になります。設定輝度ややっていることにもよりますが、半日以上は使えると思います。
インターフェイス
インターフェイスは豊富で、困ることはないと思います。
右側面にはペン収納場所、HDMI、USB 3.2 Gen 1、USB 3.2 Gen 1 Type-C、そしてセキュリティホールになります。
左側面はSIMカードトレー(搭載モデルのみ)、USB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 1、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
ライバル機種
ライバル機種には同じ2 in 1 PCで、Ryzen 7000シリーズが搭載したモデルをピックアップしました。
どちらも本機より安いですが、ビジネスノートではありません。
IdeaPad Flex 5 Gen 8 14 AMD
Ryzen 7000シリーズ搭載で、2.2Kディスプレイが選べたり、Windows 11 Proも選べ、ビジネスモデルよりの普段使いPCです。2 in 1 PCで形を変えることができるので、どこででも使いやすいです
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 8GB/16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS NTSC 45% 2.2K IPS sRGB 100% |
その他 | Wi-Fi 6、指紋センサー、HD/FHDカメラ、Lenovoデジタルペン付属 |
重さ | 1.55㎏ |
バッテリー | 最大約14.5時間 |
価格 | 7.7万円~ |
Yoga 6 Gen 8
最新のRyzen 7000シリーズ搭載で、性能が高くなっています。また、画面比が16:10なので、13.3インチでも14インチ並みの情報が表示されます。SDカードリーダーがなく、USBのデータ転送速度が5Gbpsなので、一眼を使うようなクリエイターには向きませんが、普段使い用としては優秀な機種です
APU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS タッチパネル |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | FHD&IRカメラ |
オーディオ | ドルビーアトモス |
重さ | 約1.39㎏ |
バッテリー | 最大約21.7時間 |
付属 | Lenovoデジタルペン |
価格 | 10.3万円~ |
まとめ
良い点
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・2 in 1 PCでどこででも使いやすい
・画面比が16:10で、13.3型でも14型以上の情報が表示される
・最大メモリが大容量
・バッテリー駆動時間が長め
・カスタマイズ性が高く、自分好みの機種を作れる
・本体収納型ペン付属で、失くしにくい
残念な点
特になし
総合評価
本機は総合的に見てミドルスペック・中品質の機種で、価格を考えても妥当な機種だと思います。もちろん、価格が価格なので最高品質とはいきませんが、ビジネス用途で困ることはないスペックです。また、2 in 1 PCでどこででも使えるので、自宅でも使いやすいです。
ビジネスシーンでもタブレットモードでメモを取ったり、飛行機などのデスクが小さな場所でも使いやすいので、重宝すると思います。