本機は希少な16インチの2 in 1 PCで、普段使い用途のIdeaPadとしてはかなり高い性能です。
その分価格も上がっていますが、ビジネス用途やクリエイター向けと言っても過言じゃないくらいのスペックです。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.2] |
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コスパ | [usr 3.8] |
総合評価 | [usr 4.0] |
Contents
IdeaPad Flex 5i Gen 8 16型のスペック
カラー | アークティックグレー アビスブルー |
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CPU | Core i5-1335U Core i7-1355U |
メモリ | 8/16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA IPS 光沢 タッチ |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD |
寸法(幅×奥行×高さ) | 357.8 × 253.9 × 18.7㎜ |
重さ | 約2.1㎏ |
バッテリー | 最大約17時間 |
ペン | Lenovoデジタルペン(一部モデルに付属) |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 11.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは、最新のインテル第13世代が搭載です。執筆時現在、詳しい性能がまだわかっていませんが、旧モデルから高くなっているはずなので、かなりの性能になっていると思います。
メモリはLPDDR4Xで、8GBか16GBになります。ストレージも最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TBと大容量です。
兄弟モデルのFlex 5 Gen 8 14インチはパソコンがPCIe 3.0×4までしか対応していませんが、本機はPCIe 4.0になっているのでより快適に使えます。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。解像度はFHD相当のWUXGAか、2.5K WQXGAの2種類があり、視野角の広いIPS液晶になります。
タッチパネル搭載なので指やペンで操作もでき、発色が良い光沢液晶です。背景などが反射しやすいというデメリットもありますが、タブレットやスマホと同じなので、違和感はないと思います。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProも選べ、無線はようやくWi-Fi 6に対応、ただし、大きな筐体ですが有線ポートはありません。有線接続をしたい場合は、Thunderbolt 4経由でアダプタを使います。
Webカメラは高画質FHD 1080pと、ビジネスモデル並のスペックです。16インチで約2.1㎏と重たく、バッテリー駆動時間は約17時間と長めです。
IdeaPadは普段使いPCですが、価格もスペックもビジネスモデルになっていますね。Thunderbolt 4が搭載した普段使いモデルも珍しいです。
普段使い用途はもちろん、ビジネスやクリエイターPCとして購入しても使いやすい機種です。
2023年のトレンドと比較
2022年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
13世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | バッテリー14時間以上 | |
〇 | 〇 | 〇 |
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Flex 570 16 AMD>
旧モデルのIdeaPad Flex 570との比較です。ただし、Flex 570はAMDモデルのみ発売され、インテルCPU搭載モデルは出ませんでした。Flex 570の前はFlex 550iと言って、15.6インチでインテル11世代CPUが搭載していました。
なので正確に言うと2020年発売のFlex 550iが旧モデルですが、古すぎて比較しても意味がないと思うので、2022年に発売開始したFlex 570 AMDと比較します。筐体は同じものを使用し、色が変わっています(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Flex 570 | |
CPU | Core i5-1335U Core i7-1355U |
Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | LPDDR4X-4266 16GB | |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | SSD PCIe 3.0 |
ディスプレイ | WUXGA/WQXGA IPS | WUXGA IPS |
無線 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 |
バッテリー | 17時間 | 14時間 |
カラー | アークティックグレー アビスブルー |
ストームグレー |
重量 | 2.1㎏ | |
寸法 | 357.8 × 253.9 × 18.7㎜ |
主な変更点です。
・CPUが最新のインテル第13世代に
・SSDがPCIe 4.0に
・2.5K WQXGAが追加
・Wi-Fi 6に対応
・バッテリー駆動時間が伸びた
・カラーが変わり、2色になった
・Thunderbolt 4搭載
IdeaPad Flex 5i Gen 8 16型の特徴
IdeaPad Flex 570と若干色が違ういますが、全く同じ筐体を使っているので、参考資料として、旧モデルの画像を使います。
ベゼル(画面の黒い枠)が細く、画面占有率は90%と大きいです。カメラ部分はノッチになっており、カメラ部分(マイクも搭載)以外を細くし、ベゼルが細く見えるようにしています。
旧モデルのベゼルは実測で左5.6㎜、右5.2㎜、上8.3㎜、下10.8㎜となっており、4辺すべてが細いです。
寸法は
・幅 357.8㎜
・奥行き 253.9㎜
・高さ 18.7㎜
になり、一般的な16インチサイズ、もしくは15.6インチサイズになります。
約2.1㎏と重たいので、毎日の持ち運びには向きませんが、宅内移動や社内移動であれば問題ないと思います。
ヒンジはドロップダウン式になっており、ディスプレイが筐体の下に入り込むので、キーボードに傾斜がつき、タイピングしやすくなっています。
人間工学に基づいた最適な角度でタイピングできるとのことです。実際、軽い傾斜がつくので、他のノートパソコンよりもタイピングはしやすいです。
また、机などとの接地部分にはゴムっぽい素材のプロテクションがあるので、PCが傷つくことはありません。
天板はアルミニウム素材でAl陽極酸化スタンピングという表面加工をしています。これは、アルミニウムは自然に酸化被膜が作られますが、自然のものは薄いため、傷などに強くなるよう、耐久性の高い皮膜を作る加工です。
排気口はベゼル付近にあり、ベンチマークなどの高負荷なことをしていたら、結構な風が出てきます。ただし、普段使い用途であれば気にならない程度の、ファンが回ります。
底面の通気孔は大きいです。パームレストや底面は樹脂素材ですが、それでも安っぽい感じはしなかったので、本機でも同じ手触りだと思います。
2 in 1 PC
2 in 1 PCはヒンジが360°回転する仕様で、いろいろなモードに変形できるので、いろんな状況で使いやすいです。
右上の写真から時計回りに、
・テントモード
・タブレットモード
・スタンドモード
・通常のクラムシェルモード
です。
筆者は旧モデルを買ったときに、16インチの2 in 1 PCを初めて購入したのですが、画面が大きくてすっごく使いやすいんですよね。ディスプレイのクリップも効いており、ペンで書きやすかったです。
キーボード
キーボードは84キー・バックライト付きで、テンキー(右側の数字のキー)も搭載です。
旧モデルと同じ筐体を使っているのでキーボードも同じスペックだと思いますが、キーピッチは縦横18.6㎜×18.4㎜と十分な幅があり、キーストロークは約1.3㎜と軽めのタイピングが合います。
CPU
Core i5-1335U | Core i7-1355U | |
製造プロセス | Intel 7(10nm) | |
Pコア | 2 | |
Eコア | 8 | |
スレッド | 12 | |
キャッシュ | 12MB | |
ターボブースト | 4.6GHz | 5.0GHz |
Pコア最大周波数 | 4.6GHz | 5.0GHz |
Eコア最大周波数 | 3.4GHz | 3.7GHz |
GPU実行ユニット | 80EU | 96EU |
ベースパワー | 15W | |
マックスパワー | 55W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
コアやスレッド数は同じで、周波数とGPU実行ユニット数が違うだけですね。
こちらはCPUの性能を測る、CPU Markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1360P | |
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Core i5-1350P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1335U | |
Core i7-1250U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 |
本機搭載CPUは末尾がUの省電力モデルですが、12世代のパワフルなPシリーズ並の性能になっています。
普段使い用途はもちろん、ビジネス用途でも十分なほどの性能です。
グラフィックス
発売されたばかりのCPUで情報が一切ないので、実機が来たら追記します。
ディスプレイ
<Flex 570のディスプレイ/WUXGA IPS NTSC 45%>
解像度 | 画面比 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA WQXGA |
16:10 | IPS 光沢 | 300nit 400nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
800:1 1200:1 |
NTSC 45% sRGB 100% |
170° | – Dolby Vision、ブルーライト軽減 |
ディスプレイは画面比が16:10と縦に長く、一般的な17インチのノートパソコン並の情報を表示できます。
解像度はWUXGA(1920×1200ドット)か、高精細2.5KのWQXGA(2560×1600ドット)が選べます。解像度だけでなく、2.5Kディスプレイは輝度もコントラスト比も、そして色域も広く、Dolby Visionにも対応しています。が、その分、2万円ほど価格が高くなります。
こちらは左がsRGB 100%で、右がNTSC 45%の色域ですが、全然違う色になっていますね。画像編集をするようなクリエイター向けの色域で、写真や映画などを見ることが多い人にもおすすめです。
ドルビービジョンとはDolby社のHDR(ハイダイナミックレンジ)規格で、白はより白く、黒はより黒く描写できる技術です。よりメリハリの利いた描写になります。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリは旧モデルと同じく、LPDDR4X-4266MHzが最大16GBになります。LPDDR4Xは動作周波数も高いし、すごく良いメモリなので、サクサク動きます。
また、メモリはオンボードなので、増設/換装はできません。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージは最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TBになります。PCIe 4.0はデータ転送速度がかなり速く、パソコンの起動もWebサイトの表示などもサクサク速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
この様に、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
3セル・52.5Whrと大きく、最大バッテリー駆動時間は17時間と長いです。やってることや画面の明るさによって前後しますが、1日持つくらいのバッテリー駆動時間があると思います。
また、急速充電に対応しており、約2時間で満充電になります。
インターフェイス
インターフェイスは普段使いPCとしては十分にあり、Thunderbolt 4もありThunderbolt 4対応ドックも使えるので、据え置き用としても使いやすいです。Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。
左から電源ボタン、4 in 1 メディアカードリーダー、USB 3.2 Gen 1が2つになります。
左から電源コネクタ、HDMI、Thunderbolt 4、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
IdeaPad Flex 570(16型 AMD)
旧モデル(と言っても20227月発売)でAMD搭載ですが、かなり安いです。Thuderbolt 4や2.5K解像度が必要ないのであれば、本機の方がお買い得です
CPU | Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
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メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(14型) 画面比 |
WUXGA IPS 300nit 光沢あり タッチ 16:10 |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.1 |
生体認証 | 指紋センサー |
重さ | 2.1㎏ |
バッテリー | 約14時間 |
同梱 | Lenovoデジタルペン |
価格 | 7.8万円~ |
IdeaPad Flex 5 Gen 8 14 AMD
Ryzen 7000シリーズ搭載で、2.2Kディスプレイが選べたり、Windows 11 Proも選べ、ビジネスモデルよりの普段使いPCです。2 in 1 PCで形を変えることができるので、どこででも使いやすいです
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 8GB/16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS NTSC 45% 2.2K IPS sRGB 100% |
その他 | Wi-Fi 6、指紋センサー、HD/FHDカメラ、Lenovoデジタルペン付属 |
重さ | 1.55㎏ |
バッテリー | 最大約14.5時間 |
価格 | 7.7万円~ |
ThinkBook 15 Gen 5(AMD)
15.6インチと大型で、バッテリーは最大約13時間と長めです。1.7㎏ありますが、外出先でも大画面で作業をしたい人や、社内移動が多い人に合います。ビジネスノートで、7万円台からとコスパが高い機種です
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | 最大SSD×2 |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS液晶 タッチあり |
通信 | Wi-Fi 6E、ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | FHD 1080p |
重さ | 1,7kg |
バッテリー | 最大約13時間 |
価格 | 7.7万円~ |
まとめ
良い点
・16インチの2 in 1 PCで希少なモデル
・インテル13世代CPUに、SSD PCIe 4.0、Thunderbolt 4やWi-Fi 6など高いスペック
・ビジネス用としても十分使えるスペック
残念な点
残念な点と言いますか、普段使い用PCでここまで性能を求める人がどのくらいいるのか?と思うほど高いスペックです。
それよりも、価格を下げて普段使い用途でも十分快適に使える程度のスペックで販売してくれた方がよかったんじゃないかな?と思います。
総合評価
総合スペックが非常に高く、完成されたビジネスPCと言う印象を受けました。インテル13世代CPUに、メモリは最新じゃないですがかなり性能が高いLPDDR4X、そして最新のSSD PCIe 4.0、そして、ビジネスPCについていたらうれしいThunderbolt 4まで搭載しています。
ディスプレイも最高で2.5K sRGB 100%の広色域があり、クリエイター向けと言ってもよいくらいですね。
さきほどライバル機種をご紹介しましたが、16インチの2 in 1 PCって少ないんですよね。本機は希少な機種なので、人気も出るのかなと思います。