16インチと大きなYogaで、大画面で使いやすい機種です。
インテル第14世代CPUを搭載したAI PCで、ますます使いやすくなっています。全体的なスペックはいつものYogaといった感じで高めですが、ディスプレイの色域が狭く、約2㎏と重たいです。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.2] |
---|---|
コスパ | [usr 4.0] |
総合評価 | [usr 3.9] |
Contents
Yoga 7i 2-in-1 Gen 9 16型のスペック
CPU | Core Ultra 5 125U Core Ultra 7 155U |
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メモリ | LPDDR5X-7467 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | インテルグラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー(オプション) |
WEBカメラ | IR+1080p FHD |
オーディオ | 2Wスピーカー×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 361.79 × 249.95 × 16.99mm |
重さ | 約1.99㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約12時間 |
標準保証 | 1年間 |
付属 | Lenovo デジタルペン |
価格 | 13.0万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第14世代で、省電力モデルのUシリーズになります。14世代CPUはAI関連の性能が上がっており、より使いやすくなっています。
メモリはLPDDR5X-7467MHzとかなり高い周波数で、オンボード16GBになります。動作周波数が高いと処理速度が速いので、サクサク使えます。
ストレージはSSD PCIe 4.0で、512GBか1TBになります。最新のストレージでデータ転送速度が速く、パソコンの起動も爆速です。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチとすでに大きいですが17インチ並みの情報が表示されるので、より使いやすいです。
解像度はWUXGA(1920×1200ドット)で視野角が広いIPS液晶、そして光沢のあるディスプレイです。Dolby Visionに対応していますが、色域はNTSC 45%とYogaにしては珍しく低い色域です。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、最新のWi-Fi 6Eに対応、Webカメラは高画質FHDで顔認証用のIRカメラもあります。ドルビーアトモスに対応した2Wスピーカーが2つあり、デュアルマイクも搭載です。
Lenovoデジタルペンも付属しており、メモ取りやイラストも描けます。
16インチと大きな筐体で約2㎏(1.99㎏)と重たいので、据え置き用としてや、時々社内移動で持ち運んだりという用途に合います。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ以上 |
〇 | × | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | バッテリー10時間以上 | |
〇 | 〇 | 〇 |
旧モデルとの比較
旧モデルのYoga 7i Gen 8 16との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
CPU | Core Ultra 5 125U Core Ultra 7 155U |
Core i5-1340P Core i7-1360P |
メモリ | LPDDR5X-7467 16GB | LPDDR5‐5200 16GB |
ストレージ | SSD 1TB | |
ディスプレイ | WUXGA IPS NTSC 45% | WQXGA IPS sRGB 100% |
無線 | Wi-Fi 6E | |
バッテリー(JEITA 2.0) | 25.4時間 | 21.5時間 |
重量 | 1.99㎏ | 1.98㎏ |
寸法 | 361.79 × 249.95 × 16.99mm | 362.16 × 250.12 × 16.99mm |
変更点です。
・CPUが14世代に
・メモリがLPDDR5Xに
・WQXGA(2.5K)がなくなりWUXGAになった
・色域がNTSC 45%に落ちた
・バッテリー駆動時間が伸びた
・若干小さくなったが10g増量
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1360P | |
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Core Ultra 5 125U | |
Core i5-1340P | |
Core Ultra 7 155U |
最高性能は下がっていますが、14世代にはNPUが搭載しておりAI性能が上がっています。
それでは、本機の特徴をご紹介します。
2 in 1 PCでどこででも使いやすい
2 in 1 PCとはヒンジが360度回転し、形状を変えることができるパソコンになります。
<テントモード>
テントモードはソファやベッドの上に寝転がって使うとき、底面の吸気口をふさがないので、筐体が熱くなりにくいです。
<テントモード>
キーボードが邪魔な時や、画面をもっと近づけたいとき、ペンを使う時はスタンドモードにすると使いやすいです。
<テントモード>
タブレットの様にもできるので、パソコンの状態じゃ使いにくい時に役に立ちます。が、約2㎏と重たいので、本物のタブレットの様に片手、もしくは両手で持って使うのは無理です。
4096段階の筆圧を検知するLenovoデジタルペンが付属しており、PCを購入したらすぐにスケッチやメモ取りなどもできます。ペンは内臓バッテリーじゃなく、A4電池を使います。せっかくのYogaなので、乾電池を使用しないペンが良かったですね。
インテル第14世代CPU搭載
Core Ultra 7 155U | Core Ultra 5 125U |
|
製造プロセス | Intel 4(7nm) | |
P/E/LPコア | 2/8/2 | 2/8/2 |
スレッド | 14 | 14 |
キャッシュ | 12MB | 12MB |
Pコア最大クロック | 4.8GHz | 4.3GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 4 | 4 |
ベースパワー | 15W | |
マックスパワー | 57W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Graphics(Uシリーズ)になっています。
ここ最近PhotoshopなんかでもAI生成などAIを使うことが増えているし、Webカメラのオートフォーカスなど見えないところでAIは使われているので、使い続けることでより便利になります。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。スコアは公開されているものや、当サイトで計測したものになります。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1370P | |
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Core i5-1340P | |
Ryzen 7 7730U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 7530U | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 165U | |
Core i7-1355U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1335U |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機 青・・・比較
Core i5-13500H | |
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Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i5-1335U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・14世代 青・・・13世代
Core i7-13700H | |
---|---|
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core i5-1335U | |
Core i5-13500H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 135U |
高画質FHD Webカメラ+IRカメラ搭載
上位モデルのPCでは一般的になったFHD Webカメラが搭載で、プライバシーシャッターやIRカメラも搭載しています。
FHDと一般的なPCに採用されるHDじゃ、全然見た目が違いますね。より明るく、そして高精細、Web会議などでも印象アップです。
ドルビーアトモスに対応した2Wスピーカーが2つ搭載しており、一般的なオーディオの様な平面的じゃなく、立体的な音を体感できます。ノイズキャンセリング機能があるデュアルマイクも搭載で、周囲がちょっとくらいうるさくても安心です。
Windowsスタジオエフェクトに対応しており、背景ぼかしなどの機能もあり、ビデオ通話やオンライン会議もよりしやすくなっています。
また、プライバシーシャッターもあるので、離席中やカメラを使わないときは閉じておくと安心です。
その他の特徴
外観
スリムな筐体でアルミニウム素材のユニボディで高級感があり、手触りもよい素材です。ユニボディはつなぎ目のないボディで1つのパーツから構成しており、耐久性や剛性も高く作るコストもかかります。上位モデルのみに見られる仕様です。
スリムボディではありますが、重量は1.99㎏と重たいです。
薄い筐体のラウンドエッジで、ボディラインが美しいのがYogaの特徴です。すごくおしゃれです。
天板はシンプルで、YOGAとだけロゴがあります。
キーボードは84キーで、テンキーとバックライト付きになります。主要キーは同じ大きさで、タッチパッドは135×80㎜と大きく操作性も高いです。
また、左カーソルキーの横に、Copilotボタンがあります。
コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。
例えばCopilotで「Lenovoパソコンを購入するのに、おすすめのパソコンレビューサイトは?」と質問したら、当サイトも紹介されました。信頼性が高いAIです(笑)。
冗談はさておき、このボタン1つでいろいろなことができるので、最近はChatGPTじゃなくコパイロットを使うことが多くなりました。
ディスプレイ
Yogaと言えば、「ディスプレイが高品質」というイメージを持っている人は多いと思います。クリエイター向けのPCなので当たり前と言えば当たり前ですね。
ただし、本機のディスプレイは、、、、IdeaPadの低価格モデルかと思いました(笑)。
どうしたんでしょうね。
画面アスペクト比は16:10と縦に長く、視野角が広くコントラスト比も高めのIPS液晶、そしてタッチパネルですが、色域がNTSC 45%なんです。
右から映像編集向けのDCI-P3 100%、画像編集向きのsRGB 100%、そして低価格モデルに採用されるNTSC 45%のディスプレイです。Yogaと言えばsRGBやDCI-P3の色域のみでしたが、本機はここ数年で初となるNTSC 45%なんです。
色彩が薄く、お世辞にも良い品質とは言えませんが、クリエイティブワークをしない人や、今使っているPC(もしくは今まで使っていたPC)がNTSC 45%であれば気にならないと思います。
少なくともDolby Visionに対応しており、白潰れや黒飛びしにくく、より自然な描写が可能です。ただし色域が狭いので、動画配信などを見ても、色あせた感じで描写されるのでそういった用途には向きません。
輝度は300ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
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250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 室内なら十分。屋外の日陰なら問題なし |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
最新のLPDDR5X-7467MHzが搭載で、オンボード16GBになります。動作周波数がかなり高く、サクサク使えますが、そろそろ32GB搭載できるようにしてほしいですね。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
SSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TBと大容量です。データ転送速度が速く、パソコンの起動もサクサクです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
セキュリティはWindows Defenderに守られていますが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。
バッテリー駆動時間
4セル71Whrが搭載で、JEITA 3.0測定で最大12.0時間(動画再生時)と長いです。2023年まで使用されていたJEITA 2.0測定だと、最大約25時間となっています。
自宅内や社内移動が多い人でも、わざわざ充電のために机に戻らなくてよいので便利です。
インターフェイス
インターフェイスはThuderbolt 4が2つあり、USB-Aも2つ、HDMIなど必要最低限のものはそろっていますが、16インチにしては多くないです。
屋内で使うときはThunderbolt 4対応ドックを使用すると、ケーブルも散らからないし、持ち運び時にもケーブル1つ外せばよいので楽です。
右側面インターフェイスはUSB 3.2 Gen 1(データ転送速度5Gbps)が2つ、microSDカードリーダー、そして電源ボタンです。
左側面インターフェイスはHDMI、Thunderbolt 4が2つ、そしてマイク/ヘッドフォンジャックで、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
16インチじゃなくてもよいという場合は、同じシリーズの14インチがおすすめです。似たような価格でディスプレイも性能も本機より高いです。
Yoga 7i 2 in 1 Gen 9
インテル14世代CPU搭載でグラフィック性能が高くディスプレイも業務用モニターレベルのスペックで、一つ上の快適さがあるPCです。14インチで1.49㎏と軽量じゃない点が欠点ですが、それ以外はハイスペックです。
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
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メモリ | LPDDR5X 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | インテルArcグラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA OLED 2.8K OLED |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | IR+1080p FHD |
重さ | 約1.49㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) JEITA 2.0 |
最大約11.6時間(動画再生時) 最大約28.4時間 |
付属 | Lenovo デジタルペン |
価格 | 14.3万円~ |
Yoga Pro 7 Gen 9 14型(AMD)
Ryzen 8000シリーズ搭載で、最高でRTX 3050を搭載できるクリエイターPCです。SDカードリーダーがない点を除けば、必要な機能やスペックはほとんどあるんじゃないかなと思います。純粋な性能は下で紹介している旧モデルの方が高いですが、CPUがRyzenになりTDPが大きく下がり発熱と消費電力も下がりました。
CPU | Ryzen 7 8845HS |
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メモリ | LPDDR5X-6400 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス RTX 3050 |
ディスプレイ(14.5型) | WQXGA IPS 光沢なし 90Hz 3K IPS 光沢なし 120Hz |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD&IRカメラ |
重さ | 1.49㎏ |
バッテリー 電源 |
最大約11.5時間 100W/140W |
価格 | 13.1万円~ |
まとめ
良い点
・アルミニウム素材のユニボディでおしゃれ
・インテル14世代CPU搭載でAI性能がアップ
・画面比が16:10で、16インチでも17インチ並みの情報が表示される
・2 in 1 PCでどこででも使いやすい
・高画質FHD Webカメラ
・メモリが高品質
・バッテリー駆動時間が長い
・ペン付属
残念な点
・ディスプレイが低品質
・重たい
総合評価
本機が普段使いPCのIdeaPadであれば文句もないですが、Yogaにしてはディスプレイが残念です。なぜ、せめてsRGB 100%の色域にしなかったのかと疑問に思います。
また、16インチと大きいとはいえ、約2㎏もあるので2 in 1 PCのモードを変えるときも重たいし、持ち運ぶのも重たいです。
ただし、重量とディスプレイ以外のスペックは高く、コンパクトで美しい筐体なのはさすがYogaといったところです。
プライベートユースでもビジネス用途でも、持ち運びが少ない人に向いた機種です。