LenovoのLシリーズはちょっと曲者なスペックがあるのですが、L15 Gen 1 AMDは比較的間違えにくいスペックになっています。
「曲者」の意味は、絶対に選ばないような(搭載したくない)スペックが用意されているんですね。L15 Gen 1 Intelだと、CPUに超低性能のCeleronが選べたり、SSDじゃなくHDDだったりと、うっかりすると超低性能PCを買ってしまう恐れがあるんですね。
今回のL15 Gen 1 AMDは基本的にまともな性能のものが選べ、ディスプレイにさえ気を付けていれば高性能スペックになります。
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Lenovo ThinkPad L15 Gen 1(AMD)のレビュー
APU | AMD Ryzen 7 PRO 4750U AMD Ryzen 5 PRO 4650U AMD Ryzen 3 PRO 4450U AMD Ryzen 5 4500U |
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メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大1TB(128GB以外OPAL対応) |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス AMD Radeon |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS マルチタッチ 300nit 光沢なし FHD IPS 250nit 光沢なし HD TN 220nit 光沢なし |
OS | Windows 10 Home、Windows 10 Pro |
Office | 搭載可能 |
指紋センサー | 搭載可能 |
顔認証 | 搭載可能 |
LTE | 搭載モデルあり |
セキュリティ | Windows Defender、TPM、ThinkShutter、セキュリティ キーホール、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード |
無線LAN | WiFi6 AX200、Bluetooth 5.0 |
サイズ | 366.5x250x21.7mm |
重さ | 1.98㎏ |
バッテリー | 最大15.7時間 |
価格 | 7.8万円~ |
パソコンの頭脳であるプロセッサー(以下APU)には、高性能のAMD Ryzen4000シリーズが搭載で、より性能が高くビジネス用途のProモデルもあります。最近のAMDのAPUはインテルより性能が高いものが多いので、人気ですよね。
メモリも大容量の64GBに、ストレージは高速データ転送ができるM.2 PCle-NVMe SSDで、最大1TBの容量があります。
グラフィックスは比較的性能が高いAMD Radeonなので、軽いゲームも出来るし、エンコードも同等クラスのIntelに比べて比較的早くできます。
その他にも、指紋センサーや顔認証も搭載可能、次世代通信規格のWiFi6にも対応し、セキュリティも豊富ですが、注意する点はディスプレイになります。
ディスプレイは3種類あって、その中の一つにHD TN液晶 220nitというものがあるのですが、このクラスのパソコンに搭載するようなディスプレイではありません。2万円のパソコンだったらいいですが、7万以上するPCになぜこれを搭載したのか・・・
と言っても、Lシリーズはいつも低性能部品から高性能部品まで選べる仕様になっているので、知っていれば間違えることもありません。
バッテリー駆動も最大15.7時間と長めなので、スペック自体は高いですね。
ThinkPad L15 Gen 1(AMD)の特徴
OSは最新のWindows 10で、HomeかProが選べます。個人使用であればHomeがいいですが、チームのマネジメントをする場合や法人はProを選びます。
ProにはWindowsをカスタマイズするのに必要な機能や、複数のOSをインストールできるHyper-Vと言った機能、Bitlocker(デバイスの暗号化)などがあります。
寸法は幅366.5㎜、奥行き250㎜と標準的な大きさですが、厚さが21.7㎜とちょっと厚いですね。5円玉の直径が22㎜なので、ほぼ同じサイズです。
横から見たらそこまで厚く見えないですね。でも、2020年にリリースされたLenovo PCの平均的な15型の厚さは17㎜前後が多いので、5㎜くらい厚いです。薄い機種はXシリーズになりますが、値段がちょっと上がります。
あまりこうする機会は無いと思いますが、画面が180度開きます。
キーボード
ThinkPadのキーボードは、伝統的にタイピングがしやすいって知ってました?キーストロークが深いので、打感がいいんですよね。JISキーかUSキーも選べるし、バックライト有り・無しも選択できます。
このトラックポイントに慣れたら、手がホームポジションから離れずに作業が出来ます。トラックポイントでカーソルを動かしたり、ズームしたり出来ます。
APU
パソコンの頭脳であるAPUは、かなり性能が高いものが搭載されています。ちなみにRyzen Proは、通常版よりもセキュリティが強化され、暗号化にも対応しています。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”13249″ lazy=”no” class=””]この中では一番性能が低いRyzen 3 Proでも、1万オーバーの数値になっています。これって、ゲーミングPCとかに搭載されるレベルの性能ですよ。
ちなみに青グラフの一番上にあるIntel core i7-1065G7は、性能が高めのノートパソコンに搭載されるIntel製CPUですが、ちょっとRyzenはレベルが違いますね。
また、複数の作業が同時にしやすいかどうかの目安であるコアとスレッドは、この様になっています。
- Ryzen 7 Pro 4750U・・・8コア16スレッド
- Ryzen 5 Pro 4650U・・・6コア12スレッド
- Ryzen 5 4500U・・・6コア6スレッド
- Ryzen 3 Pro 4450U・・・4コア8スレッド
Ryzen 5や7は、ゲーミングPCに使われるようなコア数ですね。Ryzen 3 Proの4コア8スレッドが小さく見えますが、これって大きい方なんですよ。
結論として、どのAPUを選んでもIntel製CPUのハイスペックモデルであるIntel core i7-10510Uより性能が高いので、どれを選んでもサクサク動きます。
メモリ
メモリは、市販されているノートパソコンに使われる最高峰のメモリが搭載です。DDR4 SODIMM PC4-25600です。メモリクロックは3200MHzなので、一般に出回っているものの最高クロック数です。
クロック数が高いと、同一時間に処理できるデータ量が多くなるので、結果、パソコンが快適に使えるようになります。
本機種では、4GB、8GB、12GB、16GB、32GB、64GBがありますが、12GBは選ばない方がいいです。というのも、メモリは対になって使ったほうが性能が高いので、通常は8GBだったら4GBx2、16GBは8GBx2の様にメモリを2つ使う場合が多いんですね。
ただし、12GBは4GB+8GBになるので、良い組み合わせじゃないです。
ストレージ
ストレージには、データ転送速度の理論値が40GB/秒のM.2 PCle-NVMe SSDが搭載です。現時点で利用できる最速のストレージになります。
データ転送速度が速いとパソコンが快適に使えるし、パソコンの起動もかなり速いです。通常、9秒~15秒くらいで起動できます。
ディスプレイ
ディスプレイは3種類から選べます。
- FHD IPS 300nit マルチタッチ 光沢なし
- FHD IPS 250nit 光沢なし
- HD TN 220nit 光沢なし
HD | ハイディフィニション、解像度は1366x768 |
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FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
IPS | 視野角が広く、コントラストも高めの液晶 |
TN | 視野角が狭く、コントラストも低め |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常250nit前後が標準 |
マルチタッチ | スマホの様にタップできる液晶 |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
HD TN液晶は安いですが、画質も良くないし目にも良くないので選ばない方がいいかなと思います。見にくいです。
生体認証
生体認証には、指紋センサーか顔認証(IRカメラ)が搭載可能です。ログインが楽になるので、おすすめですよ。
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
- ThinkShutter・・・前面カメラの物理カバー
- セキュリティキーホール・・・パソコンが持ち出されないようにロックするワイヤーを設置する個所
他にも、スーパーバイザーパスワードや、システムマネジメントパスワードが搭載されています。
無線LAN
無線は次世代通信規格のWiFi6に対応です。通信速度の理論値が9.6Gbpsと、超高速です。(理論値なので絶対出るわけじゃないです)
ただし、通信回線はもちろん、ルーターもWiFi6に対応していないと、ルーターの通信規格での接続になります。
インターフェイス
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
- USB 3.1 Gen1
- セキュリティ・キーホール
- USB3.1 Type-C Gen 1(電源と共用)
- USB3.1 Type-C Gen 2
- ドッキングコネクタ-(1.2.と合わせて使用)
- USB 3.1 Gen1x1(Powered USB)
- HDMI
- microSDメディアカードリーダー
- Nano SIMカードスロット
- イーサネットコネクター(RJ-45)
- スマートカードリーダー(一部構成でのみ選択可能)
ドッキングステーションも使えるので、配線が多い人は助かりますね。HDMIとUSB Type-Cからモニターにも繋げるので、簡単に大画面で作業も出来ます。
まとめ
ちょっと厚めの機種ですが、性能は高いですね。Ryzen Pro4000シリーズのAPUなので、なおさらハイスペックです。
価格もビジネスモデルのノートパソコンにしては安めの7.8万円からなので、コスパは高いと思います。