何百種類も販売されているノートパソコンですが、Evo認証のPCは数えるほどしかなく、厳格な規格が定められています。
本機はそのEvoプラットフォーム認証を得た機種で、極上の使い心地があり、ディスプレイの品質がかなり高く、2.8K OLED液晶で10.74億色に対応しています!本格プロ向けのディスプレイです。
購入機種はCore i5-1240P、メモリ16GB、SSD 512GBです。
まずはレビューのまとめをどうぞ。
良い点
・アルミニウム素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・2 in 1 PCで場所を選ばずに使える
・メタルユニボディでおしゃれ。耐久性も高い
・画面比が16:10で、14型でも15型並みの情報が表示される
・ディスプレイが2.8K OLED DCI-P3 100% 10bitと最高峰
・顔認証が標準搭載・指紋センサー搭載可能
・CPUやメモリ、SSDが最新モデル
・WEBカメラが高画質FHD
・デジタルペンが付属
・Wi-Fi 6E対応
・オーディオが最高クラス
残念な点
・インターフェイスがミニマム
・見た目ほど軽くない
・カメラの性能が予想より低かった
Contents
Yoga 770iのスペックレビュー
CPU | Core i5-1235U Core i7-1255U Core i5-1240P Core i7-1260P |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | 最大 1TB SSD |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K IPS 2.8K OLED 10bit(最大10.74億色) |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6E |
オーディオ | ドルビーアトモス対応、スピーカー×4 |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | FHD 1080p |
付属 | Lenovoデジタルペン |
寸法(幅×奥行×高さ) | 316.66 × 220.25 × 17.35㎜ |
重さ | 1.42㎏ |
バッテリー | 約12時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 14.3万円~ |
<性能評価>
本機種は特別性能が高く、快適に使えるノートパソコンにのみ与えられるEvoプラットフォーム認証を得ており、全体的な性能が高いモデルです。
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第12世代で、かなり性能が高くなっており、シングルコアもマルチコアも高性能です。クリエイティブワークにはもってこいの性能です。
メモリは最大16GBで、最新のLPDDR5-4800MHzが搭載です。動作周波数がかなり高いので、処理速度も速くなっています。ストレージも同じく最新のPCIe 4.0で、大容量1TBです。
ノートパソコンの基本性能であるCPU、メモリ、SSDは最新モデルで高性能ですね。
ディスプレイはLenovo史上過去最高クラスのディスプレイで、2.8K OLED 10bit、DCI-P3 100%(実測DCI-P3比 114%)です。OLEDはコントラストが高く、完全な「黒」が表示可能で、より引き締まった色彩になっています。
10bitは最大10.74億色表現でき、他のノートパソコンは通常8bit 1677万色なので、全然違いますね。昔、Quadro搭載のノートパソコンでもディスプレイが10bitに対応していなくて、「モニターに繋がないと性能を発揮できなかった」なんてありましたが、本機はすごいですね。
10bit対応ディスプレイを搭載したノートパソコンなんて、おそらく数えるほどしかないと思います。少なくとも筆者は、過去に2台くらいしか見たことないです。
また、オーディオもドルビーアトモスと高品質で、2Wスピーカーが4つも搭載です。ハイエンドタブレット並みの仕様ですね。
その他のスペックは、Windows 11 Home、無線LANは最新Wi-Fi 6E、高画質のFHD 1080p WEBカメラ、Lenovoデジタルペンも付属と、至れり尽くせりです。
唯一の欠点は、「軽くない」ことです。14インチの平均的な重量は1.4㎏で、本機は1.42㎏です。平均値なので問題ないですが、ここ最近、14インチでも1.2㎏前後の機種もあるので、本機ももうちょっと軽かったら嬉しかったですね。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Yoga 750i>
旧モデルのYoga 750iとの比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Yoga 750i | |
CPU | Core i5-1235U Core i7-1255U Core i5-1240P Core i7-1260P |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB(4800MHz) | 16GB(3200MHz) |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | SSD PCIe 3.0 |
ディスプレイ | 2.2K IPS 2.8K OLED |
FHD IPS |
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
バッテリー | 12時間 | 14.7時間 |
寸法 | 316.66 × 220.25 × 17.35㎜ | 320.4 × 214.6 × 15.7㎜ |
重量 | 1.42㎏ | 1.43㎏ |
価格 | 14.3万円~ | 8.7万円~ |
どちらもハイエンドモデルのEvoプラットフォーム認証を受けており、高性能です。本機種は排熱効率を上げるため、少し厚くなっています。
変更点は以下になります。
・CPUが11世代から12世代に
・メモリがDDR4からDDR5に
・SSDがPCIe 3.0から4.0に
・画面アスペクト比が16:9から16:10に
・ディスプレイがFHD IPSから2.8K OLEDになり、10bitになった
・Wi-Fiが6から6Eに
・筐体の幅は小さくなったが、ディスプレイが大きくなったので奥行きは約+6㎜、厚さは約+1.5㎜になった
・USBの転送速度が上がり、microSDカードリーダーとHDMIが追加
全体的な性能が上がっており、特にディスプレイは2.8K OLEDで10bitです!発色がかなり良いですね。
個人的にうれしいのは、HDMIです。クリエイティブワークをするならDisplayport接続が多いので、HDMIは気にしない人もいると思いますが、筆者の様に8K編集なんてしないし、画像編集だけだし、HDMIケーブル持ってるからっていう人も多いと思います。
今までの欠点が、大分改善しましたね。
こちらは、プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1240P | |
---|---|
Core i7-1260P | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
2022年のトレンドと比較
2022年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。
ハイエンドPCは2022年に入り、基本スペックが高く、欠点が減ってきている状況です。欠点というと、例えばWebカメラが720Pの低画質や、マイクの質だったりですが、今まで別途購入が必要だったものが標準搭載になってきたイメージです。
12世代CPU | Evo | LPDDR5 | PCIe 4.0 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | 素材 | Dolby Atmos | 全方位360°マイクが4つ |
〇 | アルミニウム | 〇 | × |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.2㎏前後 | 18時間以上バッテリー |
〇 | 指紋センサー | × | × |
Evoプラットフォーム認証は、100機種以上販売しているLenovoでも数機種しかないほどのものになり、特別な機種になります。
全方位マイク4つ搭載は、ビジネスモデルのThinkPadのハイエンドモデルに搭載していますが、YogaやIdeaPadには見当たらないですね。
2.8K OLED液晶なのでバッテリー駆動時間はあまり長くなく(と言っても最大約12時間)、重量は14インチの平均である1.4㎏ほどなので、重たくないですがハイエンドモデルの様に「軽いっ!」と言うわけでもありません。
Evoプラットフォーム認証
第12世代CPUのEvoプラットフォームは、Project Athenaから数えて第3世代のEvoになります。
12世代CPUを搭載していたらEvo認証を得るわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
- Iris Xeグラフィックス搭載の第12世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制機能搭載
- Thunderbolt 4搭載
- ノートパソコンであること
- (必須じゃないが)Intel VSC(Visual Sensing Controller)搭載
12世代CPU搭載モデルは増えてきましたが、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかありません。 そのくらい特別な機種なんです。
Yoga 770i インテルの特徴
上下左右のベゼル(画面の黒い枠)がすっごく細いですね。限界じゃないかな?と言うくらい細いです。
ベゼル幅は実測で、上6.81㎜、下10.1㎜、そして左右は3㎜です!3㎜ってありえないくらい細いですね。
上ベゼルはノッチになっているので、カメラ部分のみ大きくなり他の部分が細くなっています。ここ最近のハイエンドモデルは、この仕様になっていますね。
また、ディスプレイを開くときに指に引っ掛かりができるので、簡単に開けることができます。
ベゼルが細いので筐体の寸法も当然小さく、
・幅 316.66㎜(≒一万円札2枚分/320㎜)
・奥行 220.25㎜(≒千円札1.5枚分/225㎜)
・高さ17.35㎜(≒一円玉の直径/20㎜)
になり、A4サイズ(210㎜ × 297㎜)よりもほんの少し大きいサイズです。重さは先述した様に1.42㎏と、14インチの平均的な重さになります。
厚さは実測で、一番薄い部分が13.1㎜、一番厚い部分が17.1㎜でした。下部分は、本当に薄いですね。
ラウンドエッジと言って、筐体の角が丸く、すごくおしゃれだと思います。アルミニウムを使用したユニボディなのでデザイン性が高く、耐久性も高いボディです。(ユニボディとはボディを1つのパーツで構成し、つなぎ目がない仕様です。)
それにしても、ボディラインがきれいですね。今までで、一番力を入れて作ったんじゃないかな?と思うくらい、匠の一品に仕上がっていますね。
ベゼルも排気口も、細かなつくりにこだわっているのが分かります。さすがYogaと言った出来栄えです。
底面カバーもアルミニウムです。通気口の幅が大きいので、フレッシュエアーもたくさん取り込めます。
排気口はかなり大きく、ちょっと未来っぽいデザインです。CPUをフルパワーで使うベンチマークを取っていた時、たくさんの風が排出されていたので、エアフローはすごく良いと思います。
CPUをフルパワーで使うと排気口部分は熱くなりましたが、キーボードは一部が暖かくなるくらいで、パームレストは特に変わりませんでした。排熱処理がうまくできているようです。
天板も手触りが良く高級感がありますが、夏場で汗をかいているときは、指紋がちょっとつきます。
キーボードは打鍵感が良い
キーボードはバックライト付き84キーで、タッチパッドはガラス製で120㎜×75㎜と大きいので、操作しやすいです。
キーストローク(キーを押し込む距離)は1.55㎜とこの薄さにしては深く、意外に打鍵感もあるので、タイピングしやすいキーボードです。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は横18.9㎜、縦17.8㎜と十分な大きさです。手が大きめの人でも窮屈じゃないと思います。
傾斜が付くキーボード
ディスプレイが360度回転するので、ディスプレイを倒したときにちょっと傾斜が付きます。
こんな感じですね。ディスプレイ下部が下の方に行くので、筐体がちょっと浮くんです。膝の上にパソコンを置いて使う人は、ちょっと違いを感じると思います。
ちなみに、ディスプレイ下にゴムの様なサポートが付いており、ディスプレイを倒しても傷つかないようになっています。
2 in 1 PC
2 in 1 PCとはディスプレイを360度回転させることができ、タブレットの様に使用したりできるタイプのPCになります。
<タブレットモード>
移動中の車内やカフェで使うときは、タブレットモードだと場所を取らないので使いやすいです。また、4096段階の筆圧を感知するLenovoデジタルペン(Lenovo Eカラーペンも選択可能)も付属しており、簡単な絵を描いたりメモを取ったりもできます。
約1.4㎏なので片手で持つと疲れますが、短時間であれば片手で持ってメモ取りなどもできます。
<テントモード>
ベッドやソファに寝転がって使うとき、テントモードだと底面にある吸気口を塞がないので、本体が熱くなりにくいです。通常のLenovo2 in 1 PCは、スピーカーがキーボード面にあるので、テントモードで使うときは、音が反対方向に向いて行きますが、本機はキーボード面にも底面にもスピーカーがあるので、テントモードで聞いても良い音でした。
<スタンドモード>
タブレットモードだと光が反射して見にくい時や、ディスプレイをもっと近づけたいときに有効なスタンドモードです。
ペンの使い心地
ペンはLenovo デジタルペンか、Lenovo E-カラーペンが選べ、私はデジタルペンを選びました。
絵心がないので息子と一緒に落書きをしてみたのですが、すっごく書きやすいんです。
ペン自体は4096段階の筆圧を検知し、一般的なペンだと思います。ただし、以前の様にツルツル滑らずに、キュッキュッと音がするくらい摩擦があり、「書いている」感じがすごくします。
左下の黒で書いた部分ですが、ペンを速く動かすと時々反応しませんでした。
カメラ回り
Webカメラは高画質FHD 1080pで、Web会議などで自分の映像がより高画質に相手に映し出されます。今までは仕事用に外付け高解像度カメラを使っていた人も多いと思いますが、もう、そういったものは必要ないかもしれません。
左の写真は本機・FHD WEBカメラで撮影し、右はHD WEBカメラで撮影したのですが、もちろん左の方が高精細ですが、右のHDの方が発色が良い感じです。
思ったほど良い品質じゃなかったのですが、これはWebカメラと顔認証用のIRカメラがハイブリットになっているので(通常は分かれており、カメラが2個ある)、こうなったのかなと思います。
カメラの品質テストをしたら、138とFHD Webカメラにしては低い数値でした。
実は、ノートパソコンってカメラがあるところにマイクもあるんですね。本機はノイズキャンセリング機能付きデュアルアレイマイクが搭載で、同じく品質テストをしました。
一般的なマイクなので普通くらいの性能かなと思いましたが、1909とかなり高かったです。
マイクは平均以上の高品質です。
その他の機種との比較です。
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
FHD 1080p平均 | |
---|---|
Yoga 770i | |
IdeaPad 1080p | |
HD 720p平均 |
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Yoga 770i | |
---|---|
IdeaPad Flex 570 | |
Thinkbook 13s Gen 2 | |
Thinkbook 14 Gen 2 | |
ThinkPad E15 Gen 4 | |
ThinkPad E14 Gen 4 | |
IdeaPad Slim 550i |
オーディオはドルビーアトモス対応で、一般的なオーディオの様な平面的な音じゃなく、立体的な音を体感できます。
また、2Wスピーカーが4つもあり、そのうち2つは重低音用のウーファーになります。
今まで多くのノートパソコンをレビューしてきましたが、ノートパソコンでここまで本格的な音が楽しめるのは初めてだと思います。この音質には、ちょっと感激しました。
CPU
Core i7-1260P | Core i5-1240P | |
Pコア | 4 | |
Eコア | 8 | |
スレッド | 16 | 16 |
キャッシュ | 18MB | 12MB |
Pコア最大周波数 | 4.7GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 2.1GHz | 1.7GHz |
Eコア最大周波数 | 3.4GHz | 3.3GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 80 |
ベースパワー | 28W | |
最大パワー | 64W |
Core i7-1255U | Core i5-1235U | |
Pコア | 2 | |
Eコア | 8 | |
スレッド | 12 | |
キャッシュ | 12MB | |
Pコア最大周波数 | 4.7GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 1.7GHz | 1.3GHz |
Eコア最大周波数 | 3.5GHz | 3.3GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 80 |
ベースパワー | 15W | |
最大パワー | 55W |
全てのCPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理し、Intel Thread Directorというハードコアが命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
また、11世代までは4コア8スレッドでしたが、本機搭載モデルはPシリーズが12コア16スレッド、Uシリーズが10コア12スレッドとかなり多いので、マルチタスクもサクサクできます。
Pシリーズは通常版のパワフルなモデルで、Uシリーズは省電力モデルです。より高い性能が欲しい人はPシリーズを、バッテリー駆動時間重視の人はUシリーズがおすすめです。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
<Core i5-1240Pのスコア>
Passmarkスコアはなんと19861も出ました!!こんなに高い性能必要な人、あまりいないと思いますが、まぁ、低いより高い方が良いですね。
そりゃ、サクサク何でもできるわけですよね。すごいスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1280P | |
---|---|
Core i5-1240P 本機種 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P 平均 | |
Core i7-1265U | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1245U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
本機種Core i5-1240Pはマルチコア9770、シングルコア1645と、これもかなり高い数値になりました。本格的なクリエイターPCですね。
スコアの目安は、マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Ryzen 7 PRO 6850H | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 7 Pro 6850U | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1215U | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-12500H | |
Ryzen 7 6800U | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
グラフィック性能
グラフィック性能が高いと画像・動画編集や、Officeワークがしやすくなります。
本機のスコアは2332と、予想外に低めの数値でした。低めと言っても平均くらいですが、11世代よりも低い数値です。
2022年に入り多くの12世代CPU搭載PCをレビューしましたが、今のところ全てで11世代よりも低いグラフィック性能です。
それでも、2300もあればPhotoshopなどの編集アプリも使えます。
その他のCPUとの比較です。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 PRO 6850U | |
---|---|
MX550 | |
MX450 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5300U |
ディスプレイ
解像度 | 光沢/液晶 | アスペクト比 | 輝度 |
2.2K 2.8K |
あり/IPS あり/OLED |
16:10 | 300nit 400nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1500:1 100000:1 |
sRGB 100% DCI-P3 100% |
170° | Dolby Vision Dolby Vision,HDR500 TB 90Hz, 10bit |
2.2K | 解像度は2240 × 1400ドット |
---|---|
2.8K | 解像度は2880×1800ドット |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。差が大きい方が力強い描写が可能 |
IPS | 一般的な液晶で高品質 |
OLED | コントラスト比が高く、完全な黒を描写可能。 |
nit | 明るさを表す単位。通常250~300nitが標準 |
Dolby Vision | Dolby社のHDRの技術。従来よりもより明るく(白はより白く、黒はより黒く描写できる)表現できる |
本機種搭載の2.8Kディスプレイは、近年他では見ない品質で、最高峰のディスプレイだと思います。
2.8Kと解像度が高く、一般的なIPS液晶じゃなく、OLEDです。OLEDはメリハリがある色を描写でき、黒がまっ黒!また、Dolby VisionやHDR500 True Blackに対応で、より引き締まった色が描写できます。
コントラスト比は10万対1とかなり高いのでシャープな描写ができ、視野角も170°と広いです。ちなみにリフレッシュレートも90Hzと高めなので、ちょっとしたゲームもしやすいです。
アスペクト比は縦に長い16:10で、14インチですが15インチ並みの情報を表示できます。16:10になり、1つ下のインチを購入しても見やすさが劣らないので、使いやすくなりましたね。
i1 Display Proで色域と輝度を計測しました。
・Adobe RGBカバー率は97.2%、Adobe RGB比は114.6%
・DCI-P3カバー率は100%、DCI-P3比は114%
・輝度は358ニット
なんか色がきれいだな~って思っていたら、Adobe比は114.6%もあったんですね。
ちなみに、色域は
・Adobe RGB・・・製版・製本・印刷向け
・DCI-P3・・・デジタルシネマ規格で映像編集向け
・sRGB・・・Web用画像編集向け
となっています。輝度は公称値より低かったですが、358ニトもあるとかなり明るいので、晴れた日の屋外でも使いやすいです。
本機では、本格的な業務ができるほどのディスプレイです。
また、CPUにUシリーズを選ぶと、2.2K IPS sRGB 100%のディスプレイが搭載です。もちろん、これもかなり高性能で色域が広いのできれいです。
一般的なノートパソコンにはNTSC 45%ですが、sRGB 100%だと全然色彩が違いますね。
sRGB 100%とDCI-P3 100%を比べると、これもまた全然違いますね。
色が鮮やかだと映画を見るにしても、何をするにしてもより没頭しやすいです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機には最新のLPDDR5-4800MHzが搭載で、動作周波数(MHz)も高く処理速度も速いです。
また、オンボードメモリなので増設などはできません。
Memory Markで計測した結果は、2774と高めのスコアでした。使っていても処理が遅いと思うことはなく、普通にサクサク使えています。
その他の機種との比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Thinkbook 13s Gen 2 16GB | |
---|---|
Yoga 770i 16GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 24GB | |
Ideapad Flex 550i 14型 8GB | |
ThinkPad X12 Detachable 16GB | |
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 16GB | |
Yoga 660 16GB | |
ThinkPad E15 Gen 4 24GB | |
Ideapad Slim 550i 8GB | |
Thinkbook 15 Gen 2 8GB | |
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 32GB | |
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 8GB | |
IdeaPad Slim 360(17) 8GB | |
Ideapad Flex 550i 15型 8GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 8GB | |
ThinkPad E15 Gen 4 8GB | |
Ideapad s145 AMD 8GB |
ストレージ
SSD(PCIe 4.0×4) | SSD(PCIe 3.0×4) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大64Gbps | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) | |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージも最新のPCIe 4.0×4が搭載で、旧モデルのPCIe 3.0より帯域幅が倍になり、データ転送速度の最大値も倍になっています。今までもかなり速かったですが、それ以上の速度です。
シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み)が3615MB/秒、ライト(書き込み)が2450MB/秒と、かなり速い速度でした。
ここまで速いと、困ることはないと思います。
他の機種との比較です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Yoga 770i Intel 512GB | |
---|---|
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 256GB | |
Ideapad Flex 570 14型 256GB | |
Ideapad Flex 550i 14型 512GB | |
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 256GB | |
ThinkPad E15 Gen 4 PCIe 4.0 | |
Thinkbook 14 Gen 2 256GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 Intel 256GB | |
Ideapad Flex 550i 15型 512GB | |
Yoga 660 512GB | |
ThinkPad X12 Detachable | |
Thinkbook 13s Gen 2 512GB | |
Thinkbook 15 Gen 2 256GB | |
Thinkbook 14 Gen 3 8GB |
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windowsに標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
などがあり、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。
Wi-Fi 6Eに対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4/5GHz | 300Mbps |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。
ルーターから直線距離で5m程/壁1枚隔てた自室で、本機種(Wi-Fi 6E)とThinkBook 13s Gen 2(Wi-Fi 6)でWi-Fi速度を計測しました。
Wi-Fi 6のThinkBookは120Mbpsでしたが、Wi-Fi 6Eの本機種は280Mbpsと超高速通信でした。
Wi-Fi 6Eの6GHzがないので同じ5GHz帯での接続ですが、ここまで差が出るんですね。
バッテリー駆動時間
バッテリーは大きめの4セル・71Whrで、バッテリー駆動時間は約12時間となっています。実際の使用時には輝度も上がるし、アプリを使うと思うので、ここまで長時間持ちません。
長時間外出の際は、充電アダプタも持ち運んだ方が良いと思います。
また、急速充電にも対応しており、約2時間で満充電になります。
インターフェイス
左側面インターフェイスはHDMI、Thunderbolt 4が2つ、そしてmicroSDカードリーダーです。
右側面インターフェイスはマイク/ヘッドフォンジャック、USB 3.2 Gen 1、そして電源ボタンです。
ミニマムなインターフェイスで、一眼カメラで使うSDカードリーダーなどがあればより使いやすかったですね。
外出用ならLenovo USB Type-C 7-in-1 ハブが、自宅で使うときはユニバーサル Thunderbolt 4ドックを使えば、使いやすいと思います。
ちなみにThunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ライバル機種
<左から本機種・ThinkPad X1 Carbon Gen 10・Yoga Slim 770i ProX>
本機種と似たような最新機種との比較で、CPUやメモリ、SSDはすべて2022年最新スペックです。(バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | ThinkPad X1 Carbon Gen 10 | Yoga Slim 770i ProX | |
CPU | Core i5-1240P Core i7-1260P |
Core i5-1240P/1250P Core i7-1260P/1270P/1280P |
Core i5-12500H Core i7-12700H |
メモリ | 16GB | 32GB | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 2TB | SSD 1TB |
ディスプレイ | 2.8K OLED 10bit 14型 画面比16:10 |
WUXGA、WQUXGA OLEDあり 14型 画面比16:10 |
3K IPS 14.5型 画面比16:10 |
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6E、LTE | Wi-Fi 6E |
電源 | 65W | 65W | 100W |
バッテリー | 12時間 | 24.9時間 | 18時間 |
重量 | 1.42㎏ | 1.12㎏ | 1.45㎏ |
その他 | Evo 2 in 1 PC |
Evo | PureSight Display |
価格 | 14.8万円~ | 22.5万円~ | 18.4万円~ |
これら3機種はどれもディスプレイの品質がすごく高いモデルで、グラフィックボードがないPCでは、クリエイターPCとして上位モデルになります。
各機種の特徴です。
本機種・・・特徴がありすぎて簡単にまとめられませんが、この品質でこの価格はすごいと思います。
X1 Carbon Gen 10・・・4Kディスプレイや2.8K OLEDディスプレイも選択可能で、同じく超高品質ディスプレイ。メモリ容量が大きくバッテリー駆動時間も長い、そして1.12㎏と超軽量
Yoga Slim 770i ProX・・・唯一ハイパフォーマンスモデルのCPU搭載で、電源は100Wとパワフル。性能はこの中で一番高いです。ディスプレイはIPSですがPureSight Displayというディスプレイが搭載しており、これはよりシャープな映像がより速く、そしてより現実のものの様に描写できるとのことです。色域はΔE<1とのことで、こちらも高品質
納期
7月15日に購入して、目安納期は2~3週間、到着は2週間半後の8月2日でした。
予定通りだったので、大満足の納期です。
まとめ
良い点
・アルミニウム素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・2 in 1 PCで場所を選ばずに使える
・メタルユニボディでおしゃれ。耐久性も高い
・画面比が16:10で、14型でも15型並みの情報が表示される
・ディスプレイが2.8K OLED DCI-P3 100% 10bitと最高峰
・顔認証が標準搭載・指紋センサー搭載可能
・CPUやメモリ、SSDが最新モデル
・WEBカメラが高画質FHD
・デジタルペンが付属
・Wi-Fi 6E対応
・オーディオが最高クラス
残念な点
・インターフェイスがミニマム
・軽くない
・カメラの性能が予想より低かった
総合評価
総合的に見て、完成された機種と言うスペックで、ほぼ欠点もないと思います。厳しい目で見たら、14インチで1.42㎏と平均的なので、もっと軽かったら嬉しかったです。また、SDカードリーダーがあった方がクリエイターには使いやすいと思います。
Evoプラットフォーム認証を得ており、極上クラスの機種です。100機種以上のノートパソコンを販売しているLenovoでも、Evo認証のPCは数えるほどしかありません。
やはり、最大の特徴はディスプレイですね。2.8K OLEDでコントラスト比がかなり高く、Dolby VisionやHDR500対応、10.74億色も表示可能で、業務用のスペックです。
あとは、オーディオがすごく良いです。イヤフォン無しで音楽を聴いても、全然問題ないくらいです。
より一歩先を行く快適さが欲しいクリエイターや、スマートなPCが欲しい人におすすめしたい機種です。