Lenovo V15 Gen 3 AMDのレビュー

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Lenovoシリーズのビジネスノートは、「削れるところは削って低価格で提供する」といった機種です。ThinkPadシリーズよりも「頼りなさ」がありますが、それでも価格が安いので気にならない人もいるかと思います。

CPUはRyzen 5000シリーズなので高性能、そしてメモリの増設も可能、ストレージはSSDとHDDのデュアルストレージとなっています。

当サイトの評価は、このようになりました。

スペック [usr 3.5]
コスパ [usr 3.8]
総合評価 [usr 3.6]

 

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Lenovo V15 Gen 3 AMDのスペック

CPU Ryzen 3 5425U
Ryzen 5 5625U
Ryzen 7 5825U
メモリ 最大16GB
ストレージ 最大SSD+HDD
グラフィックス 内蔵グラフィックス
ディスプレイ(15.6型) FHD IPS/TN 光沢なし
OS Windows 11 Pro/Home
LAN Wi-Fi 6、ギガビットイーサネット
生体認証
WEBカメラ HD 720p
寸法(幅×奥行×高さ) 359 × 236 × 19.9㎜
重さ 約1.7㎏~
バッテリー 最大約9.9時間
標準保証 1年間
価格 6.9万円~

<性能評価>

 

パソコンの頭脳であるプロセッサーは、Ryzen 5000シリーズのリフレッシュ版で、旧モデル搭載のRyzen 5000シリーズよりも最大温度が10度も下がり、なおかつ性能も上がっています。

より高負荷な作業が、長時間しやすくなりました。

メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、8GBか16GBになります。オンボードに1つとスロットに1つ搭載でき、保証は外れますが増設も可能です。

ストレージはHDDとSSDが搭載でき、HDDは5400rpm、SSDはPCI Express 3.0か4.0が選べます。ただし、筐体のスロットはPCIe 3.0×4に対応しているので、PCI Express 4.0を選んでもそこまで速度は出ません。

ディスプレイはフルHDですが、執筆時現在、TN液晶しかありません。仕様書にはIPS液晶も記載されているので、後々販売されると思います。

TN液晶は視野角が狭く、色味もちょっとおかしいですが、IPS液晶よりも安いので、ディスプレイを気にしない人や、モニターにつないで使うという人なら気にならないと思います。

その他のスペックは、Windows 11 HomeかProがあり、Wi-Fi 6とギガビットイーサネットに対応、Webカメラは一般的なHD 720pになります。

15.6インチと大きな画面ですが1.7㎏と重たく、バッテリー駆動時間は最大約9.9時間なので、据え置き用として使いやすいと思います。

 

 

公式サイト

 

2022年のトレンドと比較

2022年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)

Ryzen 6000 DDR5 PCIe 4.0 アスペクト比16:10
× × *〇 ×
Wi-Fi 6 sRGB 100%以上 輝度300nit以上 1080P Webカメラ
× × ×
USB4 生体認証 バッテリー14時間以上
× × ×

低価格モデルなので2022年のトレンドはカバーしていません。SSDのみ最新のPCI Express 4.0が選べますが、本体のスロットがPCIe 3.0×4しか対応していないので、PCIe 4.0のSSDを選んでも、PCIe 3.0と速度はほぼ変わりません。

 

 

旧モデルとの比較

Lenovo V15 Gen 3 AMDと旧モデル<左/本機種・右/旧モデル>

旧モデルのV15 Gen 2との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 V15 Gen 2
CPU Ryzen 3 5425U
Ryzen 5 5625U
Ryzen 7 5825U
Ryzen 3 5300U
Ryzen 5 5500U
Ryzen 7 5700U
メモリ 16GB 16GB
ストレージ SSD+HDD SSD+HDD
ディスプレイ FHD IPS/TN FHD TN液晶
無線 Wi-Fi 6 Wi-Fi 5
バッテリー 9.9時間 15.4時間
重量 1.7㎏ 1.7㎏
寸法 359 × 236 × 19.9㎜ 359 x 236 x 19.9㎜

変更点です。

・プロセッサーがリフレフレッシュ版になり、最大温度が10度下がった
・ディスプレイにIPS液晶が追加(執筆時現在未発売)
・Wi-Fi 6に対応
・バッテリー駆動時間が下がった
・USB Type-Cが映像出力機能付きになった

 

プロセッサーの性能を表すCPU markスコアです。

Passmarkスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 5825U  18328
Ryzen 7 5700U  16272
Ryzen 5 5625U  15108
Ryzen 5 5500U  13579
Ryzen 3 5425U  10946
Ryzen 3 5300U  10092

最大温度が10度も下がり、その上性能も上がっています。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMDの特徴

Lenovo V15 Gen 3 AMD 左斜め前から

旧モデルから筐体の寸法などは変わっていませんが、おしゃれな外観だと思います。

ベゼル(画面の黒い枠)も太くないので、安っぽくないですね。

寸法は、

・幅 359㎜
・奥行 236㎜
・高さ 19.9㎜

で、意外にも幅と奥行きはThinkPad E15 Gen 4(365 × 240 × 18.9㎜)よりもコンパクトです。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 右側面インターフェイス

厚さは19.9㎜と厚く、重さも1.7㎏あるので、重さを感じると思います。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 天板

天板はすごくシンプルで、LENOVOのロゴがあるだけです。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 背面

樹脂素材を使用していますが、安っぽさはないですね。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 底面カバー

底面カバーには幅広く通気孔がとられており、エアフローも悪くないと思います。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 180度開いた状態

ほぼ180°開くので、床に座って作業をするエンジニア系の人にも、使いやすいと思います。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 右斜め前から

WebカメラはHD 720pで、ノイズキャンセリング機能付きのマイクが2つ、スピーカーは1.5Wが2つになります。高性能ではないですが、普通に使えるくらいです。

 

キーボード

Lenovo V15 Gen 3 AMD キーボード

キーボードはフルサイズ・105キーで、テンキー付き、バックライト無しになります。

タッチパッドは104㎜×69㎜で、15.6インチにしてはちょっと小さいかな?と思いますが、問題ないと思います。

パームレストなどの表面は「テクスチャ」という加工がしてあり、つるつるじゃなくざらっとした手触りです。

 

CPU

Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U
製造プロセス 7nm
アーキテクチャ Zen 3
コア/スレッド 4/8 6/12 8/16
L3キャッシュ 8MB 16MB
GPUコア 6 7 8
基本クロック 2.7GHz 2.3GHz 2.0GHz
ブーストクロック 4.1GHz 4.3GHz 4.5GHz
TDP 15W

アーキテクチャはZen 3になっており、旧モデル搭載CPUのZen 2に比べ以下の様な特徴があります。

  • コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
  • IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
  • シングルスレッドの性能が最大23%UP
  • マルチスレッドの性能が最大108%UP
  • バッテリー効率が上がった

また、最大温度が10度下がったので、より安定して高負荷な作業も長時間しやすくなっています。

こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。

 

スコアの目安

  • 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 14000~・ハイエンドPCに搭載される
  • 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 5800U  19960
Ryzen 7 Pro 5850U  19604
Ryzen 7 5825U  18328
Ryzen 7 5700U  16272
Ryzen 5 5600U  15944
Ryzen 5 5625U  15108
Ryzen 3 5400U  12110
Ryzen 3 5425U  10946
Core i7-1165G7  10620
Core i5-1135G7  10098
Ryzen 3 5300U  10092

Ryzen 3でも1万ほどのスコアがあり、Ryzen 5と7は1.5万以上と、かなり高い性能です。普段使いのPCとは言えかなり高い性能なので、スペックが足りないなんてことはないと思います。

 

次のCinebench R23は、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。

マルチコアシングルコア

Cinebench R23 マルチコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 5800H  12969
Ryzen 7 5875U  11530
Ryzen 7 5800U  11203
Ryzen 7 5700U  9555
Core i5-1240P  8392
Ryzen 5 5500U  7783
Ryzen 5 5625U  7776
Ryzen 5 5600U  7582
Core i7-1165G7  6070
Core i5-1135G7  5913
Ryzen 3 5300U  5379
Ryzen 3 5300U  5379
Ryzen 3 5425U  5239
Core i3-1115G4  3343

Cinebench R23 シングルコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1185G7  1538
Ryzen 7 5875U  1510
Core i7-1165G7  1504
Core i5-1240P  1488
Ryzen 7 5800U  1478
Ryzen 5 5625U  1394
Ryzen 5 5600U  1372
Core i5-1135G7  1343
Ryzen 3 5425U  1300
Ryzen 5 5700U  1274
Ryzen 5 5500U  1180

 

グラフィック性能

グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。

3D Graphics Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1260P  3263
Core i5-1135G7  2898
Ryzen 7 5800U  2416
Core i5-1240P  2326
Ryzen 5 5500U  2326
Core i3-1215U  2258
Ryzen 7 5700U  2251
Core i5-1235U  2196
Ryzen 5 5600U  2101
Ryzen 5 5625U  2021
Ryzen 3 5425U  1859
Ryzen 3 5400U  1734
Ryzen 3 5300U  1606

 

ディスプレイ

Lenovo V15 Gen 3 AMD 正面

解像度 光沢 液晶 輝度
FHD
1920×1080
なし TN
IPS
250nit
300nit
コントラスト比 色域 視野角 その他
500:1
800:1
NTSC 45% 90°
170°

解像度は一般的なフルHDですが、現在販売されているモデルはTN液晶のみになっています。

視野角も狭く、輝度も低め、コントラスト比も低いと、あまりいいところがない液晶です。

自宅で別のモニターにつないで使う人であれば気にならないと思いますが、このディスプレイで長時間作業は目が痛くなるかもしれません。

 

 

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、オンボード+スロットになります。

8GBモデルは、販売モデルに4GB+4GBの8GBと、オンボードに8GB 1枚のものがあるので、後々増設する人は8GB 1枚のモデル、増設しない人はデュアルチャンネルの4GB+4GBモデルをどうぞ。

16GBモデルは、8GB×2枚になっています。

 

ストレージ

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

ストレージは最大1.5TB搭載でき、HDDは5400rpmで1TB、SSDは最新のPCI Express 4.0(公式サイトではGen 4と表記)か、3.0があります。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 搭載できるストレージ

ただしスロットがPCIe 3.0×4にしか対応していないので、Gen 4(PCI Express 4.0)を搭載してもGen 3と速度はそんなに変わりません。

こちらはシーケンシャル速度の、一般的な速度です。

シーケンシャル速度

オレンジ色・・・リード 青・・・ライト

PCIe 4.0×4  3000~7000MB/秒
 2000~5000MB/秒
PCIe 3.0×4  ~約3000MB/秒
 ~約2000MB/秒
HDD  600MB/秒
 200MB/秒

 

 

セキュリティ

Lenovoのセキュリティ

ThinkPadの様なセキュリティはなく、IdeaPadなどの個人向け機種と同等(TPMやWindows Defender)のセキュリティが搭載です。

セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。

 

 

Wi-Fi 6に対応

対応周波数 速度
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

 

 

バッテリー駆動時間

バッテリーは2セル・38Whrと小さく、最大で約9.9時間のバッテリー駆動時間があります。

仕様書には3セル・45Whrもあるとのことですが、未確認です。

 

インターフェイス

インターフェイスは控えめで、数も少ないです。

Lenovo V15 Gen 3 AMD 右側面インターフェイス

右側面にはRJ45、USB 2.0、そしてセキュリティキーホールになります。

 

Lenovo V15 Gen 3 AMD 左側面インターフェイス

左側面には電源コネクタ、USB 3.2 Gen 1、HDMI、USB 3.2 Gen 1 Type-C(映像出力機能付き)、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。

旧モデルのUSB Type-Cは映像出力機能はありませんでしたが、本機ではようやく採用されていますね。また、USB 2.0はマウスやキーボードを接続するために使い、USB 3.2 Gen 1は、データ転送速度が5Gbpsになります。

 

サポート・保証

Lenovo サポートと保証

標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)

 

ライバル機種

 

ThinkPad E15 Gen 4(AMD)

ThinkPad E15 Gen 4(AMD)Ryzen 5000シリーズのリフレッシュ版CPU搭載で発熱が下がったCPUです。メモリは最大40GBと大きく、特に大きなメモリが必要だという人に合います。生体認証もあり、FHD Webカメラも搭載可能です

CPU Ryzen 3 5425U
Ryzen 5 5625U
Ryzen 7 5825U
メモリ 最大40GB
ストレージ SSD 最大1TB
ディスプレイ(15.6型) FHD IPS液晶 マルチタッチあり、sRGB 100%あり
FHD TN液晶
無線 Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2
有線 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T
その他 指紋センサー、IRカメラあり、1080p Webカメラ搭載可能
重さ 1.78㎏~
バッテリー 最大16.7時間
価格 8.1万円~

レビュー

 

ThinkBook 15 Gen 3

Lenovo Thinkbook 15 gen 3超高性能Ryzen 5000シリーズ搭載で、大画面15.6型なのでがっつり作業をしたい人に向いています。SDカードリーダーもあるし、テンキー付きなのでExcelなどの数字入力が多い人に特におすすめです。

 

CPU Ryzen 3 5300U
Ryzen 5 5500U/5600U
Ryzen 7 5700U/5800U
メモリ 最大24GB
ストレージ SSD 最大512GB+HDD
ディスプレイ FHD IPS 光沢なし
その他 WiFi6、イーサネット
重さ 1.7㎏
バッテリー 最大10.7時間
価格 6.7万円~

レビュー

 

IdeaPad Flex 570(14型 AMD)

IdeaPad Flex 570(14型 AMD)普段使いモデルのIdeaPadですが、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、15.6インチ並みの情報が表示されます。Ryzen 5000シリーズのCPUで性能も高く、ペンも付属しているので、メモ取りやイラストもでき、2 in 1 PCなので使いやすいです

CPU Ryzen 3 5300U
Ryzen 5 5500U
Ryzen 7 5700U
メモリ 最大16GB
ストレージ SSD 最大1TB
ディスプレイ(14型)
画面比
WUXGA IPS 300nit 光沢あり
16:10
無線 Wi-Fi 5、Bluetooth 5.1
その他 指紋センサー、デジタルペン同梱
重さ 1.55㎏
バッテリー 約13時間
価格 8.0万円~

レビュー

 

まとめ

良い点

・最大温度が低いRyzen 5000シリーズ搭載
・メモリの増設が可能(ただし、保証が外れる)
・デュアルストレージ可能で大容量
・Wi-Fi 6対応

 

残念な点

・TN液晶
・インターフェイスが少ない
・Webカメラが720p
・生体認証がない
・樹脂素材

 

総合評価

2022年のノートパソコンで、これだけ低価格なので削れるところを削った機種で、IdeaPadに有線LAN(RJ45)が搭載したような機種です。

CPUの性能は高いので普通に作業はできますが、執筆時現在、液晶はTN液晶のみなので、あまり目に良いものではありません。

据え置き用で外付けモニターに接続して使うような人であれば、問題ないとは思います。

 

公式サイト

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