便利な機能が満載した機種で、最大48 TOPSのNPU性能を持つCore Ultraシリーズ2を搭載し、グラフィック性能が高い機種です。
本機はトラックポイントが無い初のThinkPadと言うことでご存じの方も多いと思いますが、今回触った感じでは「ThinkPad」と思はない方がいいかな、と思いました。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore Ultra 5 226V、メモリ16GB、SSDは256GBになります。
・新着セール情報
Contents
- 1 ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition(14型 Intel)のスペック
- 2 よくある質問と回答
- 3 Copilot+PCとは?
- 4 Lenovo Aura Editionとは?
- 5 Evo Editionプラットフォーム認証に準拠
- 6 (メモリ32GBモデルは)Lenovo AI Nowが使える
- 7 トラックポイントがないキーボード
- 8 14インチで1.21㎏と軽い!
- 9 ThinkPadには見えないが質感が高く高級感の高い筐体
- 10 最大48 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra シリーズ2搭載
- 11 グラボ並みのグラフィックス性能
- 12 高品質ディスプレイ
- 13 Wi-Fi 7に対応
- 14 2つの生体認証対応
- 15 その他の特徴
- 16 ライバル機種
- 17 まとめ
ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition(14型 Intel)のスペック
CPU | Core Ultra 5 226V/228V/238V Core Ultra 7 258V Core Ultra 7 268V |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-8533 最大32GB |
ストレージ | SSD 2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA OLED 2.8K OLED タッチ |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | 8MP+IRカメラ FHD+IRカメラ |
オーディオ | ドルビーアトモス/2Wスピーカー×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 311.8 × 212.3 × 6.7-17.18mm |
重さ | 1.21㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約13.5時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 18.0万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはCore Ultraシリーズ2で、合計で最大100 TOPS以上のNPU性能を持ち、Copilot+PC、そして数少ないAura Editionになります。
Aura Editionは、数百のPCを販売しているLenovoでも数えるほどしかない特別なモデルです。
メモリも最新のLPDDR5X-8533で最大32GBと大容量、そしてチップに統合されているので処理速度が速いです。
ストレージはSSD PCIe 4.0で最大2TBと大きいです。
ディスプレイは超高品質で、2.8K解像度に真っ黒を描写できるOLEDディスプレイでタッチパネルを採用、そしてハイダイナミックレンジのHDR600に色域はDCI-P3 100%、輝度は明るい500ニトになります。
また、こちらもOLEDディスプレイですが、WUXGA(1920×1200ドット)もあります。
OSはWindows 11 HomeかProが搭載し、IRカメラ付きの800万画素Webカメラ(WUXGAモデルはFHD画質)にプライバシーシャッターを搭載、そしてオーディオはドルビーアトモスで2Wスピーカーが2つになります。
無線は最新のWi-Fi 7で、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅に、Wi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があり、すごく快適に使えます。
重さは14インチで1.21㎏と軽く持ち運びにも便利、そしてバッテリー駆動時間は最大13.5時間とまぁまぁ長いので持ち運びが多い人にも使いやすいです。
インターフェイスはThunderbolt 4が2つ、マイク/ヘッドフォンジャックにHDMIとミニマムです。
よくある質問と回答
ここではよく聞かれる質問と回答をまとめました。聞きたいことがない場合は、Xにて質問してもらえればすぐに回答します。
質問 | 回答 |
---|---|
納期が変わりました。こういうことは良くありますか? | 時期によりますが、大きなセールがある12月、1月、そして新年度に向けての買い替え需要が高い3月4月は納期がずれることが多い気がします。 |
出荷からどのくらいで届きますか? | 出荷時期はモデルによりますが、「2~3営業日出荷モデル」は通常2~3営業日以内に届くと思います。 |
画像・動画編集に使えますか? | 簡単な切り貼りや字幕・音声を付けるという動画編集であれば問題ありません |
ファンはうるさいですか? | CPUパワーをフルで使うベンチマークの時は47dBとちょっとうるさいですが、そもそもCPUをフルパワーで使うことはほぼないので、うるさいと思うこと少ないと思います |
PD充電できますか? | USBType-CがPowerDeliveryに対応しているのでできます |
PD給電とDP出力をケーブル一本でできますか? | USBType-CがPowerDeliveryとDisplayPort機能に対応しているのでできます |
オンラインレッスンに合いますか? | 講師であればもっと解像度が高いものがおすすめですが、ビジネス用途に使えるFHD Webカメラなのでレッスンに合います。 |
メモリ/ストレージの増設はできますか? | いいえ、できません |
持ち運びに向いていますか? | 14インチで実測1227gと軽く、バッテリー駆動時間は最大約13.5時間と長いので持ち運び向きです |
ディスプレイは明るいですか? | 400~500ニトと明るいです |
Officeの使い心地は? | どのCPUを選んでも、快適に使えます |
PCを快適に使う目安のスペックは? | 本機は性能が高いので、一番安いモデル(Core Ultra 5+メモリ16GB+SSD 256GB)でも多くの作業を快適にこなせます |
ディスプレイの色域の違いは何ですか? | 色域が広いとより正確な色を描写できます。広さはAdobe RGB(これはほとんどない) >DCI-P3 > sRGB > NTSC 45%になり、本機はDCI-P3 100%になります |
バッテリー駆動時間は長いですか? | JEITA 3.0測定で13.5時間と長い方です |
リフレッシュレートはいくつですか? | WUXGAモデルは60Hzで、2.8Kを選ぶと120Hzです。 |
以下にて本機の特徴をご紹介します。
兄弟モデルのX9 15 Gen 1との比較
基本的に似たようなスペックで画像左の本機は14インチ、右のX9 15は15.3インチになります。
大きな違いはX9 15は最大約24.6時間のバッテリー駆動時間ですが、本機は半分近くの13.5時間。
また、14インチはWUXGAもありますが15.3インチは2.8Kのみ、そして14インチにはUSB-Aはないですが15.3インチにはあります。
より大きなディスプレイで作業をしたい人は、X9 15 Gen 1もチェックしてみてください。
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・リコールでPCで見たものを簡単に検索
・コクリエイター、イメージクリエイターでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
Lenovo Aura Editionとは?
執筆時現在3つのThinkPadと1つのYogaがAura Editionとして販売されています。
スマートモードにはシールドモードやアテンションモード、コラボレーションモードなど、PCをより安全に、そしてより賢く使える機能があります。
スマートシェアはスマートフォンをPCにタップするだけでデータ転送ができ、スマートケアは国内どこにいてもバーチャルサポートを受けることができます(有料)。
この特徴については「Lenovo Aura Editionとは?」にまとめたので、こちらをどうぞ。
個人的に気に入っているのは、Smart Shareです。
Evo Editionプラットフォーム認証に準拠
本機は5世代めのEvoプラットフォーム認証に準拠している特別な機種です。
Evoは14世代以降のCPUを搭載しているすべてのPCが準拠しているわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
14世代CPU搭載のEvoプラットフォーム認証の主な要件は75を超え、Intel曰く「高性能、高速充電、長寿命バッテリー、即時起動、クラス最高の接続性、および最適なサイズと重量など、75 を超える項目について、妥協することない高い水準をクリアする必要がある」とのことです。
以下は要件の一部です。
- Core Ultra 5/7/9搭載
- Intel Arc、もしくはdGPU搭載
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- フルHDで実利用10時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1.5秒以内でスリープから復帰
- 生体認証/近接デバイス認証対応
- 30分の充電で4時間以上駆動
- 15㎜以下(iGPU)もしくは20㎜以下(dGPU)の厚さ
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制や背景ぼかしなどの機能
- Windowsスタジオエフェクト対応
- Thunderbolt 4搭載
- EPEATR Silver以上などサステナブルであること
- Intel Unisonのサポート
代々、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。
(メモリ32GBモデルは)Lenovo AI Nowが使える
Lenovo AI Nowは、簡単に言うと「完全無料でインターネット不必要、そして完全にローカルで処理をするChat GPT」と言った感じで、プラスアルファの機能があります。
これ凄いんですよ。無料で、しかも回数制限もなく、自分好みのAIアシスタントを簡単に構築できます。
Local AI Modeでは完全にローカルで処理をするため、今まで情報漏洩の観点からChat GPTなどを使えなかった人にも合います。
Lenovo AI Nowには以下の機能があります。
・Local Chat(Chat GPYやGeminiみたいなもの)
・Knowledge Assistant(パーソナルナレッジベース (PKB) にファイルをアップし(ローカルに保存される)、検索、要約、洞察などができる)
・PC Assistant(Windowsの設定などを簡単にできる便利機能)
・Cloud Chat(現在使えないが、オンライン版のチャットのよう)
・Explore(Lenovo AI Nowの機能を1画面にまとめた項目)
こちらで詳しいレビューをしているので、ぜひ読んでみてください。
トラックポイントがないキーボード
本機最大の特徴は、トラックポイントが無いことです。
赤ポチがあるからThinkPadを使う筆者としては意味不明ですが、聞くところによると、他社製PCユーザーが乗り換えしやすいようにと言うことらしいです。
ちなみに、これが通常のトラックポイントキーボードとの比較です。全然違いますね。
また、外観だけじゃなく打鍵感も違います。というのも、本機はめちゃくちゃ薄いんです。最薄部は6.7ミリとタブレット並みです。
これだけ薄いですがキーストローク(キーを押し込む距離)は実測1.1ミリを確保しており、頑張っているのは分かりますがいつものThinkPadの打鍵感は感じられませんでした。どちらかと言うと、IdeaPadやThinkBookみたいな打ち心地です。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.8 × 18㎜と、フルサイズ並みで窮屈じゃありません。
キートップもいつもの湾曲したものとは違い、IdeaPadの様な平らなキーです。
半角/全角キーなどの主要キーはすべて同じ大きさで、あまり使わないEntreキー左側は微妙に小さくなっています。左右のカーソルキーも主要キー並みに大きいので、ミスをしにくいです。
結論として、普通のキーボードでキーの大きさなどを鑑みるとタイピングしやすい方だと思いますが、あのThinkPadのキーボードとイメージを持っているとがっかりします
また、タッチパッドは触覚タッチパッドを採用し、不思議な感じがします。これ、例えばクリックするときにタッチパッドを押し込むと押し込んだ感触はありますが、実際のタッチパッドは押し込まれてません。疑似的な感覚が指先に来ているだけです。
凄いですよね~。
14インチで1.21㎏と軽い!
14インチで実測1227グラム(公称値1210グラム)と軽く、持ち運びがしやすいです。
ThinkPadには見えないが質感が高く高級感の高い筐体
ベゼルがすごく細く、スリムですね。
ベゼル幅は左右上4ミリ、下10ミリとすごく細いです。
アルミニウム筐体で質感が高く高級感もありますが、汚れがちょっと付きやすかったです。
幅311.8ミリ、奥行き212.3ミリ、厚さ6.7~17.18ミリで、最薄部はタブレットみたいな薄さです。
薄すぎるので、インターフェイスのみ厚くなってます。これをエンジンハブデザインと言って重要なコンポーネントをカバー内に収めたので、高負荷時でも低温を維持できるとのことです。
底面はこんな感じです。
底面カバーの内側です。通気口はすごく小さいですね。
インターフェイス部分だけ大きくして、その他の部分を薄くすると考えたのはすごいですね。
本機はMIL-STD-810Hと言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
カメラやマイクが収納された部分で、コミュニケーションバーと呼びます。
このバーのおかげでより良いマイクやカメラが搭載できるようになっており、最高で800万画素のWebカメラが選べ、マイクが2つ搭載しています。
ディスプレイは約180度開くことができるので、床で作業をすることがある人にも使いやすいです。
ちなみに、指一本で開けることができるので、書類やコーヒーなど何か持っていても簡単に開けることができます。
また、オリガミスリーブケースというX9専用のスタンド付きケースも販売されています。これ、すっごく便利なんですよ。持ち運びするケースであり、スタンドにも変身するんです。
詳しくは「オリガミケースのレビュー」をどうぞ。
最大48 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra シリーズ2搭載
<レビュー機にはCore Ultra 5 226Vが搭載>
- Core Ultra 5 226V
- Core Ultra 5 228V
- Core Ultra 5 238V
- Core Ultra 7 258V
- Core Ultra 7 268V
本機には上記5つのCPUが選択でき、Pコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
ただし、全モデル8コア8スレッドとスレッドが少ないのでマルチコア性能は低めです。基本的に超高負荷な作業には向いていなく、低負荷~中負荷の作業向けですね。
NPUは最大48 TOPSで、1秒間に48兆回の演算処理ができます。このおかげで、ローカルでStable DiffusionやLenovo AIなどのAIコアが必要なアプリも使えます。
グラフィックはIntel Arcグラフィックス130V(Core Ultra 5)か140V(Core Ultra 7)で、グラフィック性能は高めです。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、Core Ultra 5 226Vは16479と平均よりも15%ほど低い性能でした。兄弟モデルのThinkPad X9 15も同じく平均よりも低いスコアだったので、筐体が薄すぎて排熱できていないのかなと思います。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 5 226V/ThinkPad X9 15 | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 155U |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2223、Half Precision(半精度)は1141、Quantized(量子化スコア)も4263と、すべて悪くない性能でした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI MAX+ 395 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
---|---|
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI MAX+ 395 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア481、シングルコア111とシングルコアは高いスコアでしたが、マルチコアはすごく低い性能です。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Apple M1 | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Core Ultra 5 226V | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は6354→ミドルクラス
- Essentialは9699→通常用途やビデオ会議などはかなり快適にでできる
- Productivityは8121→かなり快適に使える
- Digital content creationは8841→高い性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は4分12秒でした。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370 |
グラボ並みのグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは4620と、良いスコアでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI MAX+ 395 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 7 7735HS | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U |
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Fire Stikeは7692、Night Raidは27738と、どちらも外部グラフィックボードであるGTX 1650 Max-Qのスコアを上回りました。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 226V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258 | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 226V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、計測はどちらもFHD・標準品質モードです。ドラゴンクエスト10は15065で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは5844で「普通」でした。
内蔵グラフィックスで、外部グラフィックボードのGTX 1650 Max-Qを超える性能はすごいですね。
高品質ディスプレイ
<レビュー機は2.8K OLED>
本機のディスプレイは特徴が多いです。
解像度 | 2.8K | WUXGA |
---|---|---|
ディスプレイ | OLED | OLED |
タッチ | タッチパネル | ‐ |
ハイダイナミックレンジ | HDR 600 | HDR500 |
輝度 | 500ニト | 400ニト |
反射汚れ防止 | – | |
コントラスト比 | 100,000:1 | 100,000:1 |
色域 | DCI-P3 100% | DCI-P3 100% |
リフレッシュレート | 120Hz | 60Hz |
視野角 | 170度 | 170度 |
※2.8Kを選ぶとWebカメラが800万画素、WUXGAだとFHD画素になります
ディスプレイは通常の画面アスペクト比の16:9よりも縦に長い16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。一目でより多くの情報が見て取れるので、スクロールする回数も減ります。
左は本機で右はオリジナルの画像です。本機は黒もしっかりと描写できており、コントラスト比も高いのでくっきりと煙も描写できていますね。すごく良いディスプレイです。
左は低価格モデルに採用されるNTSC 45%、真ん中はクリエイター向けsRGB 100%、そして右は本機DCI-P3 100%になります。
色彩豊かで、しっかりと本来の色を表現できています。
視野角のチェックです。上や横から見ても、しっかりと見えます。
輝度は400ニトか500ニトと高く、屋外でも使いやすいです。
こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
2つの生体認証対応
執筆時現在、全モデルに電源ボタン統合型指紋センサーと顔認証があります。通常はゼロタッチの顔認証でサインインすることが多いと思いますが、暗いところやカメラが汚れてるなどでうまく動作しないことがあるので、そういった時に指紋センサーもあると便利ですね。
その他の特徴
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
WebカメラはWUXGAはFHD画質で、2.8Kは超高画質800万画素で、顔認証用のIRカメラに電子式プライバシーシャッターを搭載しています。
サインイン時の顔認証はスムースです。(カメラが高性能だと顔認証の反応が良い)
こちらはWebカメラの画質比較で、左は一般的なFHDカメラ、真ん中はハイエンドビジネスPCに採用されることがある500万画素、そして本機800万画素になります。ズームするとわかりやすいですが、本機はすごくきれいな映りです。
スピーカーは2Wが2つでオーディオはドルビーアトモスで、悪くない音でした。(音は動画で紹介します)
マイクは普通に良いと思います。
また、ThinkPad X9用の「Lenovo TWSイヤホン(ThinkPad X9)」もレビューをしたのであわせてどうぞ。
排熱性能
2つの通気口があり、メッシュカバーがしてあります。
筐体内部には2つの小さなファンとヒートパイプがあります。バッテリーは55.1Whrです。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、PC表面温度と騒音値を計測しました。
PC表面温度は47度と結構高く、騒音も平均約47dBとちょっとうるさいですが、CPUを100%フルで使うことってベンチマーク以外じゃほとんどないので、こういった騒音や発熱を感じることはないと思います。
同じくベンチマーク時の底面温度は43.2度ちょっと高く、ズボンの素材や厚さによっては結構熱くなるので、膝の上に置いて高負荷な作業をする人は気を付けてください。
超高性能メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のLPDDR5X-8533MHzで、オンボードメモリ最大32GBになります。レビュー機は16GBで、メモリ性能を測るMemory Markの結果は3167と平均よりも遅かったですが、速い方です。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
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本機種LPDDR5 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
SSD
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージは最新のSSD PCIe 4.0 256GBで、シーケンシャル速度を計測したらリード(読み込み速度)は4061MB/秒、ライト(書き込み速度)は2013MB/秒と「う~ん。。。」って速度でした。
遅いわけじゃないんですが、このクラスのPCにしては期待外れと言う感じです。
レビュー機は256GBだったので、512GB以上を選ぶと速度が速いかもしれません。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を5回計測し、平均は13.6秒でした。速いですね。
1回目 | 15秒 |
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2回目 | 15秒 |
3回目 | 12秒 |
4回目 | 13秒 |
5回目 | 13秒 |
平均 | 13.6秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーは大容量55.1Whrで、最大13.5時間のバッテリー駆動時間があります。この軽さでこれだけバッテリーが持てばよい方です。
インターフェイス
インターフェイスはミニマムですが、Thunderbolt 4が左右に1つずつあるので便利です。
右側面にはThunderbolt 4、マイク/ヘッドフォンジャックになります。
左側面はHDMIとThunderbolt 4になり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
こちらにCopilot+PCをまとめているのでどうぞ。
まとめ
良い点
・14インチで軽量1.21㎏
・めちゃくちゃ薄い
・アルミニウム素材で高級感がある
・Evoプラットフォームで性能が高い
・Aura Editionの特別な機種
・グラフィック性能が高い
・ディスプレイが超高品質
・片手でディスプレイ開けることができる
・Wi-Fi 7に対応
・Thunderbolt 4が2つあり、左右に1つずつある
・生体認証が2つある
・Webカメラが超高品質
残念な点
・8コア8スレッドなので、マルチコア性能は高くない
・キーボードはThinkPadではない
・排熱性能はそこまで高くなさそう
総合評価
14インチで1.21㎏と軽く持ち運びに向いており、画面比が16:10と縦に長いので作業効率も高いです。
マルチコア性能はあまり高くないですがグラフィック性能がすごく高いので、動画編集や簡単なCADなんかもできるほどです。
特に2.8Kを選んだ場合はディスプレイがすごく高品質なので、画像・動画編集をするような人に向いています。
トラックポイントが無い初のThinkPadですが、トラックポイントが無いだけじゃなく、あの極上の打鍵感も、湾曲しているキートップもなくなっていたので、ThinkPadとは呼びにくい機種かなと言う印象でした。
全体的な性能自体はほとんどの作業をこなせるほど高いので、使いやすい機種ではあります。
Aura EditionでEvo Editionプラットフォーム認証もあり、一味違うPCを探している人は検討の価値があります。