テレワーク対応ボタンが搭載されたT15 Gen 1は、ThinkPad T590の後継機種と言った感じですね。
Tシリーズはメモリも大きく、グラフィックスボードも搭載できるのでスペックが高いというのが通説ですが、今回の新機種もハイスペックながら値段が抑えられています。
WiFi6にも対応したりと、「今後必要になって来る機能」が詰まっているので人気の機種ですね。
Contents
ThinkPad T15 Gen 1のレビュー
まずはスペックを紹介します。
CPU | Intel core i5-10210U、10310U Intel core i7-10510U、10610U |
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コア/スレッド | 4/8 |
メモリ | 8GB~48GB |
ストレージ | SSD 128GB~2TB、OPAL対応 |
OS | Windows 10 Home Windows 10 Pro |
ディスプレイ(15.6型) | FHD(250nit) IPS 光沢なし FHD(300nit) IPS 光沢なし マルチタッチパネル UHD(500nit) IPS 光沢なし HDR |
グラフィックス | UHD グラフィックス 620 NVIDIA GeForce MX330 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(IRカメラ) |
LTE | 搭載可能 |
NFC | 搭載可能 |
WiFi6 | 対応 |
セキュリティ | セキュリティ キーホール、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、ThinkShutter、TPM、Windows Defender |
キーボード | JISキー、USキー |
サイズ | 365.8x248x19.95mm |
重量 | 1.82㎏~ |
バッテリー | 14.9時間 |
価格 | 12.5万円~ |
最新第10世代のIntel製CPU搭載でメモリも最大48GBと、かなり大容量になっています。
ストレージもOPALに対応したSSDで、PCIe-NVMeかPCIe Gen3x4が搭載可能です。他にもセキュリティはビジネスモデルと言うだけあって、ハードディスクパスワードやスーパーバイザーパスワードなど多くのセキュリティが搭載されて強固になっています。
ディスプレイは4K画質のUHD液晶が選べ、グラボも付いているので簡単な動画編集にも対応できます。
最大の特徴はWiFi6に対応し、LTE CAT.16に対応しているので、今後次世代通信規格の5GやWiFi6の普及が進めば超高速通信が可能です。
バッテリーも14.9時間と長いので、外出が多いビジネスパーソンでも充電アダプターの持ちは運びはほぼ必要ないかと思います。
値段も12.5万円からとなっていますが、スペックが高いので妥当な値段ですね。
本機種は15.6型となっていますが、14型のThinkPad T14 Gen 1と、薄型モデルのThinkPad T14s Gen 1もほぼ同じスペックで販売されています。
ThinkPad T15 Gen 1(15型)の特徴
上記した項目の解説や、その他の特徴をご紹介します。
外観
外観は前モデルのT590から何も変わっていないようですね。インターフェイスの場所も同じだし、サイズも全く一緒です。
Tシリーズは若干サイズが大きいのですが、厚さも2㎝以下で、重さは1.82㎏なので移動に困るサイズではないですが、毎日毎日外出がある人はX1 Carbonなどのもっと軽くて小さいものをおすすめします。
横から見ると結構スリムなので、見た目はおしゃれですね。インターフェイスには有線LANを接続できるイーサネットコネクターがあるので、会社のイントラネットに繋ぐ場合も大丈夫ですね。
ファンクションキー例にテレビ電話用の受信・終了ボタンが配置されたので、テレワークの人はちょっとだけ便利になりましたね。
この様にほぼ180度に開くことが出来るので、変な態勢でパソコンを使っている時に意外に役に立ちます。
ディスプレイ
ディスプレイは以下の3種類から選べます。
横にスクロールできます↓
光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | NTSC | 視野角 | |
FHD | 無し | IPS | 250nit | 800:1 | 45% | 170度 |
FHD マルチタッチ |
無し | IPS | 300nit | 800:1 | 45% | 170度 |
UHD/HDR | 無し | IPS | 500nit | 1400:1 | 100% | 170度 |
HDRはHDR 400 Dolby Vision
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
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UHD(4K) | ウルトラ・ハイディフィニション、解像度3840x2160 |
IPS液晶 | 視野角が広く画面の角度を変えてもきれいに見える |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位。250~300が標準 |
マルチタッチ | タッチパネル |
Dolby Vision | ドルビー規格のHDR |
HDR | ここ最近のトレンドで、ハイダイナミックレンジの略。快調性を保ったまま表示できる明暗差の幅の事で、明るい部分や黒い部分の白飛びや黒つぶれが少ない液晶 |
NTSC | 色空間の規格。一般的なディスプレイは45%。質が高いもので72%。100%はAdobe RGBカバー率97%ほど相当 |
ほとんどの人はFHD・250nitで十分かと思いますが、画像などの編集をする人はUHDがおすすめですね。作業がかなりしやすくなります。
UHDはDolby VisionというHDR規格で、非常に高い色域や500nitという高い輝度があり、人間の目で見た色彩に近い表現が出来ます。
また、UHDディスプレイはNTSC比100%なので、Adobe RGB 約97%相当とかなり色域が広いので、印刷用写真の編集にも向いているほど詳細な色が描写されます。
サイズ
15.6型なので結構大きいですね。サイズは365.8x248x19.95mmで、大学ノートA4サイズより縦3.7㎝、横6.61㎝大きいです。
テンキーも付いているし、作業がしやすいので大きめサイズは使いやすいですね。
ビジネスバックにもすっぽり入るサイズなのでそこまで気にならないと思いますが、重量は1.82㎏とちょっと重たいです。
CPU
パソコンの頭脳であるCPUは、最新第10世代のi5、i7の高性能モデルが選べます。
種類は4種類あります。
- Intel core i5-10210U
- Intel core i5-10310U
- Intel core i7-10510U
- Intel core i7-10610U
同一CPUで、赤文字の数字が大きい方が基本的に性能が高いです。
下のグラフは本機種搭載CPUとその他の性能比較です。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”9284″]普段使いやビジネス用途のPCとしては、かなりハイスペックなCPUになっています。
コアとスレッド
コアとスレッドはどちらも、4コア8スレッドになります。標準的なものが2コア4スレッドなので、倍以上の性能です。
コアとスレッドは、このように考えると分かりやすいです。
2コア4スレッドだと2本の2車線道路があり、計4台の車(データ)が同時に通行(処理)できます。4コア8スレッドだと単純に倍のデータが処理できるようになります。
同じモデルのCPUであれば、数値が大きい方が性能が良くなります。
メモリ
メモリはほぼ問題なく色々な事が出来る8GBから、プロ向け大容量の48GBまで選択できます。
8GBあればほとんどの人は問題ないくらいの性能がありますが、ヘビーユーザーは16GBあれば問題ないでしょうね。
仮に8GB選ぶとオンボードなので、空きスロットが1つあります。自己責任ですが、メモリの増設が出来る人は8GB選んで、後は自分で増設してもよさそうですね。
また、メモリの種類はDDR4-3200MHzと高性能メモリが搭載されています。
標準的なノートパソコンは2400MHz、2666MHzが多いですが、例えば2400MHzのメモリと本機種搭載3200MHzのメモリを比べると、30%以上高速でデータ処理が出来ます(理論的に30%以上高速表示が可能)。
ストレージ
ストレージはライトユーザー向けの128GBから、がっつり使う人向けの2TBまで選べます。
512GBあればパソコンもサクサク動くし、大容量なので困ることは無いと思いますが、余裕があればもっと入れてもいいですね。
SSDの種類は、M.2 PCle-NVMeになります。SATAと言うタイプとPCle-NVMeと言うタイプのものが使われることが多いのですが、SATAはデータ転送速度の理論値が6Gbpsで結構速いタイプです。
PCle-NVMeはデータ転送速度の理論値が40Gbpsと、かなり速いです。HDDと比べると数十倍速く、パソコンの起動も10秒ちょっとです!
また、SSDにはOPAL(オパール)という自己暗号化ドライブに対応しており、ハードウェアレベルでデータを暗号化できます。
グラフィックス
[visualizer id=”9290″]3Dグラフィックスが必要な3Dゲームや、動画編集をするにはスペックが足りない場面がほとんどですね。
とは言っても、アドビのPremiereなどヘビーなやつじゃなければ全然問題なく動画編集は出来ると思います。
というのも、私が持ってる1つのパソコンでGeforce MX250という一つ性能が下がったものを使っているのですが、PhotoPeaというPhotoshopのコピー画像編集ソフトも使っているし、ビデオエディター、Filmoraという動画編集ソフトも使えています。
プロ級に編集したい人にはお勧めしませんが、普通に使う分には全然問題ないスペックです。(ちなみに私はヘビーユーザーです)
OS
OSは最新のWindows 10 HomeかWindows 10 Proが選択可能です。
ProにはBitlockerというセキュリティや、仮想化機能であるHyper-Vで複数のOSをインストールしたり、Windows 10のカスタマイズに必要な機能などもあります。
ほとんどの人はHomeで問題ないと思いますが、管理者向けの機能が詰まったProが必要なビジネスパーソンもいると思います。
仮にHomeを選んでも、Microsoft storeでアップグレードできます。
セキュリティ
Thinkpadには標準で、多くのセキュリティ機能が搭載されています。主なセキュリティ機能を紹介します。
- Windows Defender・・・Windows 10標準搭載のセキュリティで、マルウェアやフィッシングなどのウイルス対策に効果があります。
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- セキュリティキーホール・・・ワイヤーなどを繋いで物理的に持ち運びできないようにするもの
- ハードディスクパスワード・・・ストレージにハードウェアレベルでパスワードを設定できる
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更できる
- ThinkShutter・・・前面カメラのカバー
生体認証
生体認証には、指紋センサーとIRカメラ(顔認証)が搭載可能です。
ログインも一瞬で出来るし、ログインパスワードが流出する恐れもないのですごく役に立ちます。
公式ページの購入ページで「内蔵カメラ」を確認し、「IR」と記載されていれば顔認証有りです。
無い場合は、「カスタマイズ」から追加できます。
LTE
LTEは最新CAT16に対応しているので、今後5Gが普及していけば超高速回線が使えるようになります。
今まではCAT.9の450Mbpsが最大受信速度(理論値)でしたが、CAT.16では1Gbpsになりました。
対応バンドは以下になりますが、ほぼ全て対応しているので問題ありません。
LTE対応かどうかの確認は、公式ページのWWANと言う個所を調べます。無い場合は、「カスタマイズ」→「WWAN Selection」とあるのでここから追加できます。
NFC
NFCとは近距離無線通信規格の一つで、対応していると他のデバイスとのデータ移動などがシームレスに行えます。
スマホで移動中に調べものをしていて、家や会社に着いたときにその記事をパソコンで表示したい事ってありますよね。
NFC付きであれば、スマホなどの対応デバイスをパソコンの画面に近づけるとそのページがパソコンにも表示されます。
意外に便利です。
WiFi6
WiFi6は5Gと共に注目されている次世代通信規格で、超高速通信が可能になります。
5GもWiFi6も少しづつ普及が始まっていますが、一般的になるにはもう少し時間がかかりそうですね。
といっても5GやWiFi6を利用する場合は、デバイスが対応していないと使えないんですよね。
WiFi5は6.9Gbpsの理論値速度でしたが、WiFi6は9.6Gbpsと40%ほど速くなっています。
今から買うPCは、WiFi6必須ですね。
インターフェイス
- スマートカードリーダー(一部構成でのみ選択可能)
- USB 3.1 Gen 1(Powered USB)
- イーサネットコネクター(RJ-45)
- セキュリティー・キーホール
- USB 3.1 Gen1 Type-C(電源と共用)
- USB 3.1 Gen2 Type-C (Thunderbolt™ 3)
- ドッキングコネクタ-
- USB 3.1 Gen 1
- HDMI
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
- microSDメディアカードリーダー
注)7のドッキングコネクタは5と6を併用して使います。
有線LANケーブル用のイーサネットコネクターもあるし、ドッキングコネクターがあるので配線が多い人は楽になりますね。
ビジネス用途のパソコンと言うだけあってポートは豊富なので、困ることは無いと思います。
まとめ
ThinkPad Xシリーズより安く、性能は同じくらい高いT15 Gen 1はコスパが高いです。
グラフィックスもちょっと動画をきれいな画質で再生したいや、簡単な編集をしたいなどであれば全然使えます。
価格も12万円台からと割引されているので、おすすめの時期でもあります。
事記載情報は執筆時のものなので、公式ページで最終確認をお願いします。