LenovoのThinkPadシリーズには色々なモデルがありますが、本機種Lシリーズは低価格(低性能)~高価格(高性能)まで幅広くラインアップがあります。
ただしYogaシリーズはちょっと別格で、全体的にハイスペックになっています。他のLシリーズのように、低画質のHDディスプレイ搭載モデルがありません。
また、本機種とThinkPadの上位モデルXシリーズとの違いは主に、
- LTEがない
- 数百グラム重い
- バッテリー駆動時間が短い(と言っても本機種は10.3時間)
になります。
これだけの違いでXシリーズより格安に購入できるので、コスパが高い機種です。また、本機種は最新のインテル11世代CPU、Thunderbolt 4、メモリもDDR4-3200MHzとハイスペックなパーツが使用されているので、性能的にはXシリーズにも引けを取りません。
Contents
Lenovo ThinkPad L13 Yoga Gen 2のレビュー
CPU | Intel core i3-1115G4 Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | Iris Xe UHDグラフィックス(Core i3) |
OS | Windows 10 Home/Pro |
セキュリティ | Windows Defender、TPM、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、セキュリティ キーホール、ThinkShutter |
ディスプレイ(13型) | FHD IPS マルチタッチ NTSC 72% |
無線 | WiFi6(カスタマイズで搭載可能)、Bluetooth 5.1 |
有線 | なし(拡張ケーブル使用時は有線接続可能) |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
寸法 | 311.5x219x17.6㎜ |
重さ | 1.43㎏ |
バッテリー | 最大10.3時間 |
保証 | 1年間 |
付属 | ThinkPad Pen Pro |
価格 | 9.9万円~ |
Yogaシリーズは最新技術をいち早く搭載してリリースされることが多く、基本的にハイスペックモデルが多いので、クリエイターに人気の機種なのですが、本機種も2 in 1 PCでインテルの最新第11世代CPU搭載と、基本性能はかなり高いです。
CPUだけじゃなく、メモリもDDR4-3200MHzとデータ処理速度が速いものが搭載、ストレージもSSD PCIe NVMeで最高クラスのパーツ搭載です。
ディスプレイはFHD IPS液晶の高画質でコントラスト比も高く、sRGB 100%相当なので色域が高く、Web用画像編集にも向いているほどのディスプレイです。
また、最新の規格であるThunderbolt 4にも対応しているので、データ転送速度が最大40GB/秒と超高速!USB-Cドックも使えるので、配線が多い人でも装脱着が簡単に行えます。
もちろんセキュリティもハードディスクパスワードやTPMも搭載で、米軍の物資調達規格・MILスペックのテストもクリアしているので、堅牢性が高いです。
WiFi6も搭載できるので高速通信が可能、指紋センサーや顔認証も搭載可能で、非の付け所がない機種です。
専用のアクティブペンも付属しており、会議のメモ取りやイラストを描いたりと使い勝手もよく、筐体内部に収納スペースがあるので、失くす可能性が低いです。
前モデルとの比較
旧モデルのThinkPad L13 Yoga Gen 1との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | ThinkPad L13 Yoga | |
CPU | Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i3-10110U Core i5-10210U/10310U Core i7-10510U/10610U |
メモリ | 16GB(3200MHz) | 16GB(2666MHz) |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1TB |
ディスプレイ | FHD sRGB 100%相当 | FHD sRGB 100% |
無線 | WiFi5/6、4G LTE | WiFi5 |
バッテリー | 10.3時間 | 13.7時間 |
重量 | 1.43㎏ | 1.43㎏ |
価格 | 9.9万円~ | 9.2万円~ |
CPUやメモリが最新のものに変わっていますが、筐体は同じものを使用しているみたいで、マイナーアップデートされた機種になります。CPUは10%~30%ほど、メモリは20%ほど性能が高くなっており、待望のWiFi6が選択できるようになりました。インターフェイスにはThunderbolt 4も搭載されたので、性能は大きく上がっていますね。
ライバル機種
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | ThinkPad X13 Yoga Gen 2 | ThinkPad L13 Gen 2 | |
CPU | Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i7-1185G7/1165G7 Core i5-1145G7/1135G7 |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB | 32GB | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 2TB | SSD 1TB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe | Iris Xe |
ディスプレイ | FHD 画面比16:9 |
FHD相当、2.5K 画面比16:10 |
HD、FHD 画面比16:9 |
無線 | WiFi5/6 | WiFi6、4G LTE | WiFi5/6 |
バッテリー | 10.3時間 | 18.9時間 | 10.3時間 |
重量 | 1.43㎏ | 1.2㎏ | 1.43㎏ |
価格 | 9.9万円~ | – | 8.3万円~ |
X13 Yoga Gen 2は上位モデルになり、より高性能なCPUを搭載でき、ストレージも大きいですね。2.5Kディスプレイもあります。価格は上がりますが、より性能が高い機種が欲しい人には合うと思います。
L13 Gen 2は本機種とほぼ同じですが、2 in 1 PCじゃないので本機種の様な使い方ができません。ただし、価格も若干安めです。
メリット・デメリット
メリット
・ビジネスモデルの2 in 1 PCで生産性UP
・低価格でThinkPadの品質
・アクティブペン付属で、イラストやメモ取りもできる
・この価格でThunderbolt 4も搭載
デメリット
・2 in 1 PCの13型なので若干重い
・バッテリー駆動時間が10.3時間と普通
重さは上位モデルと差を出すために、あえてちょっと重くなっていると思います。
ThinkPad L13 Yoga Gen 2 Yogaの特徴
13.3型の本機種はコンパクトな筐体で、持ち運びがしやすいサイズです。先ほどLenovoの上位モデルであるXシリーズより数百グラム重いと紹介しましたが、軽量モデルは20万円くらいする機種なので、値段を考えても本機種はお得感が強いと思います。
寸法は幅311.5㎜、奥行き219㎜、厚さ17.6㎜と標準的な13型ビジネスノートサイズで、重さはたったの1.43㎏です。
大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べても、幅+1.45㎝、奥行き+0.9㎝なのでカバンに入れやすく、持ち運びがしやすいです。
厚さ17.6㎜はここ最近の13型にしては1~2㎜ほど大きいですが、ビジネスモデルでインターフェイスが豊富だし、1円玉(直径20㎜)以下のサイズなのでカバンに入れてもかさばらないので気にならないと思います。
<テントモード> | <スタンドモード> |
もう一つの特徴は、2 in 1 PCですね。ヒンジが360度回転するので、好きな時に好きな形にしてパソコンを使うことが出来ます。
例えばベッドやソファに寝転がって使うときは、底面の吸気口をふさがないようにテントモードで使ったり、映画を見るときはスタンドモードで、車内や移動中はタブレットモードで使ったりと、その場所に合わせて使いやすい形に変えることが出来ます。
<タブレットモード> | <デスクトップモード> |
アクティブペンが付属なので、メモを取ったり、資料に書き込みをしたり、イラストを描いたり出来るし、ペンは本体に収納できるので失くす心配もありません。
<ペンの収納場所>
ちなみに、電源ボタンは右側面にあるのでお忘れなく。
<Thunderbolt 4搭載のUSB Type-C>
本機種は新規格のThunderbolt 4にも対応していて、特徴はこのようになります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000MB/秒
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
- USB4.0規格に準拠
このポート1つで、ほぼすべてのことがまかなえますね。
底面の吸気口は比較的大きいです。
MILスペック
本機種だけでなく、ThinkPadシリーズは12項目の「米軍の物資調達規格」に準拠しており、200以上の品質チェックをした耐久性・堅牢性の高いパソコンになっています。
また、ThinkPadは日本で研究開発が行われている機種なので、日本基準の安心があります。
CPU
CPUはパソコンの頭脳なので一番重要なパーツで、本機種搭載のCPUは最新のインテル第11世代CPU搭載なので、性能がすごく高いです。
<Intelより>
こちらは例としてCore i7-1185G7と(本機種搭載CPUは1165G7)、このクラスでは最高のPassmarkスコアを出すRyzen 7 4800Uとの比較ですが、第11世代Core i7は
- エクセルは1.3倍
- ワードは1.38倍
- Power Pointは1.34倍
- フォトショップは1.4倍
- Premiere Pro(動画編集ソフト)はなんと2.7倍
- Google Chromeも1.15倍
速く快適に使えるんです。11世代のCPUはすごいです。
本機種搭載のCPUは以下の3つで、Core i5とi7は4コア8スレッドにグラフィックスはIris Xeなので、趣味で画像編集や動画編集をやる人にも向いています。
横にスクロールできます↓
コード名 Tiger Lake |
製造プロセス | コア/スレッド キャッシュ |
グラフィックス | ベースクロック ターボ時 |
TDP |
Core i7-1165G7 | 10nm SuperFin |
4/8 12MB |
Iris Xe | 2.8GHz 4.7GHz |
12~28W |
Core i5-1135G7 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
Iris Xe | 2.4GHz 4.2GHz |
12~28W |
Core i3-1115G4 | 10nm SuperFin |
2/4 6MB |
UHD グラフィックス | 3GHz 4.1GHz |
12~28W |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”15393″ lazy=”no” class=””]注)第11世代CPUから各メーカーが独自にTDP(熱設計電力)を設定できるため、同じCPUを搭載したパソコンでも性能が違うことがあります。また、Core i3は入手次第データを追記します
Core i7は、ゲーミングPCや動画編集用のハイエンドノートパソコンに搭載されるCore i7-10750H並みの性能で、かなりハイスペックですね。(HはハイパフォーマンスモデルでU(省電力モデル)より上位モデルです)
ここまで性能が高いと、ビジネス用途+アルファで快適に使える性能ですね。複数のソフトを並行して使ったり、多くのタブを開けて作業しても快適です。
Core i5もCore i7-10510Uより高い性能なので、同じようにビジネス用途以上のことにも使えます。
こちらはレンダリングを行ってスコアを出すテストで、Cinebench R20です。
[visualizer id=”15395″ lazy=”no” class=””]シングルコアは500オーバー、マルチコアは2000オーバーと高い性能です。
グラフィックス
グラフィックスはCore i7とi5にIris Xeが、Core i3にはUHDグラフィックスが搭載です。
グラフをタップすると数値が表示されます。
[visualizer id=”15397″ lazy=”no” class=””]Iris Xeは外付けグラフィックボードのNVIDIA GeForce GTX 660並みの性能があり、内蔵グラフィックスとしては信じられない性能になっています。
軽いゲームもプレイできるし、編集も比較的快適にできますね。(本格的な編集をやるならグラボ付きのPCになります)
メモリ
メモリはDDR4-3200MHzで、オンボードになります。
動作周波数が3200MHzと市販されるパソコンに搭載されるものでは最高クラスなので、処理速度が速いので高速表示が可能です。
ただし、メモリはオンボードで増設できないので、大きめのメモリをお勧めします。
ストレージ
ストレージはM.2 PCIe NVMeのSSDでType 2242と2280の2種類があり、データ転送速度が違います。
どちらもM.2 PCIe NVMeなので速いには違いないですが、
- PCIe 3.0×2の最大データ転送速度は16GB/秒
- PCIe 3.0×4の最大データ転送速度は32GB/秒
となります。(理論値なのでここまでは出ません)
128GBのみ速度が遅いPCIe 3.0×2なので、予算が付けば256GB以上がおすすめです。
また、SSDなのでパソコンの起動も12秒前後と、ストレスフリーです。
128GB以外はOPALに対応しているので、データをハードウェアレベルで暗号化できます。万が一の際にも、データ漏洩のリスクが減りますね。
ディスプレイ
液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 | 視野角 | |
FHD マルチタッチ |
IPS 反射/汚れ防止 |
300nit | 800:1 | NTSC72% | 170度 |
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
---|---|
IPS | 視野角が広く、コントラスト比も比較的高く、自然な色合いが描写できる |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位。250ニットくらいが標準 |
NTSC 72% | sRGB100%相当の色域で、Web用画像編集にも向いている |
ディスプレイは高品質・高解像度のマルチタッチディスプレイになります。輝度も高く、sRGB 100%相当で高色域なので文句なしです。
WiFi6
WiFiは2種類あり、いわゆるWiFi5と、次世代通信規格のWiFi6になります。
WiFi6は込み合った回線でもスムーズで安定した通信が可能で、最大通信速度も9.6GbpsとWiFi5(6.9GB/秒)に比べ40%ほど速いです。
そこまで値段も変わらないので、WiFi6をおすすめします。
キーボード
ThinkPadのキーボードはキーピッチが広く、キーストロークも深いので打感が良く、リズムに乗ってサクサクタイピングができます。
一般的なノートパソコンのキーストロークは1.2㎜前後が多いですが、ThinkPadシリーズは2㎜前後と深いので、押しごたえがあります。
キーボードの真ん中に赤いボタン(トラックポイント)があるので、ズームやページをスクロールできるので、手がホームポジションから離れずにタイピングできます。
資料作成が多い人やライター、プログラマーに人気ですね。
また、Fキー列にスカイプやZoomなどのインターネット電話用に受信・終了ボタンがあるので、ビデオ会議が多い人には特に使いやすい仕様になっています。
セキュリティ
ビジネスモデルの本機種は、セキュリティが豊富で堅牢です。
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時のログインパスワード
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
- セキュリティキ―ホール・・・ワイヤーなどを繋げて持ち運びできないようにする
- Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- ThinkShutter・・・前面カメラのカバー
電源
電源は2種類あるのですが、65Wだと急速充電に対応しており、60分で80%まで充電ができます。
インターフェイス
- USB Type-C 3.1 Gen 2
- USB Type-C 3.1 Gen 2 (Thunderbolt 4対応)
- イーサネット拡張コネクター2
- USB 3.1 Gen 1
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
- ペンスロット
- 電源ボタン
- microSDメディアカードリーダー
- USB 3.1 Gen 1
- HDMI
- セキュリティキーホール
インターフェイスは豊富で、USB-Aが2つ、Type-Cが2つもあり、HDMIにアクティブペンの収納もあります。
USB 3.1 Gen 2はデータ転送速度が10GB/秒で、USB 3.1 Gen 1の5GB/秒の2倍の速度があります。ただし、Thunderbolt 4のポートを使えば40GB/秒と超高速でデータ転送ができます。
RJ45はないので有線接続をするには拡張コネクタ―を買うか、Thunderbolt 4に対応しているドッキングステーション経由で接続できます。
最後に
こんなに高性能なのに9.9万円からと言うのは、お買い得だと思います。
特に2 in 1 PCは人気だし、最新11世代CPU搭載なのでビジネス用途で困ることはないと思います。セキュリティも豊富だし、米軍の物資調達規格に準拠しているので堅牢性も高いです。
アクティブペンが付いているのもの、ポイントが高いですね。