高性能CPU・Ryzen 5000シリーズのリフレッシュ版が搭載で、最大温度が10度低くなったのに性能が高くなったCPUが搭載です。
本機はアルミニウム筐体の14インチで、メモリは最大40GBと大きく、SSDは最新のPCIe 4.0と高性能で、Wi-Fi 6標準搭載、1080pの高解像度Webカメラも搭載可能と、旧モデルに比べ総合性能がぐっと上がっています。
レビュー機のスペックは、Ryzen 3 5425U、メモリ8GB、SSD 256GBになります。
まずはレビューのまとめをどうぞ。
良い点
・CPUの発熱(最大温度)が下がったが、より高い性能になった
・大容量40GBメモリ搭載可能
・FHD 1080pのWebカメラが搭載可能
・Wi-Fi 6標準搭載
・タイピングしやすいキーボード
・バッテリー駆動時間が長い
・アルミニウム筐体
残念な点
・インターフェイスが少ない
・USBのデータ転送速度が遅い
・ちょっと重い
ThinkPad E14 Gen 4(AMD)のスペックレビュー
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
---|---|
メモリ | 最大40GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | Radeonグラフィックス |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 sRGB 100%あり |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | ※Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
有線 | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
カメラ | FHD 1080p /720p |
生体認証 | 指紋センサー、IRカメラあり |
セキュリティ | パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、セキュリティ キーホール |
寸法(幅×奥行×高さ) | 324× 220 × 17.9㎜ |
重さ | 1.64㎏ |
バッテリー | 最大16.7時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 8.0万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるプロセッサーには、高性能Ryzen 5000シリーズが搭載です。ただし、今までのRyzen 5000シリーズじゃなく、上位モデルのリフレッシュ版になっています。
通常版 | 上位モデル | 搭載モデル | |
Ryzen 3 | 5300U | 5400U | 5425U |
Ryzen 5 | 5500U | 5600U | 5625U |
Ryzen 7 | 5700U | 5800U | 5825U |
上位モデルと同じZen 3アーキテクチャですが、より発熱を抑えた設計になっているため、上位モデルよりも若干性能が下がっています。とは言え、かなり高い性能なので使い比べても違いは分からないくらいだと思います。
メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、オンボードに8GB+メモリスロットに最大32GBの合計40GBのメモリを搭載できます。40GBあれば、ほとんどの人は困ることは無いと思います。
大量の画像をPhotoshopで編集する人や、大きなPDF文書を使う様な人は、特に使いやすくなっています。
ストレージはM.2 PCIe NVMeが搭載で、パソコンの起動も速く、データ移動も速いです。また、SSDスロットが1つ空いているので、増設も可能です。
ディスプレイは一般的な品質ですが、sRGB 100%と色域が広いものもあるので、画像編集をするクリエイターにも向いています。また、輝度が300ニトと高いので、比較的明るい場所でも見やすくなっています。
その他のスペックも高く、筐体はアルミニウム素材、Wi-Fi 6が標準搭載で有線LANもあり、指紋センサーと顔認証のIRカメラも搭載可能で、Webカメラは高画質FHD 1080pもあります。
一般的なノートパソコンにはHD画質の720pが搭載だったので、筆者も同じですが、外付けカメラを使っていた人が多いと思います。ただし、本機に限ればそういった心配も必要ないですね。
バッテリー駆動時間は最大16.7時間と長いので、安心して持ち運びができます。
ただし、14インチで1.64㎏と重く、インターフェイスが少ない、そしてマイクやスピーカーは個人向けPCに搭載される様な「普通」のものというコストカットをしている部分もあります。(ただし、オーディオはハーマンカードン)
総合的に見ると、この価格帯でこのスペックはコスパが高いので、大きなデータを頻繫に移動する人以外におすすめしたい機種です。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/ThinkPad E14 Gen 3>
旧モデルのThinkPad E14 Gen 3との比較です。旧モデルと言っても、E14 gen 3は2021年9月に発売されたばかりで、実質新機種の部類に入ります(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | E14 Gen 3 | |
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 40GB | 24GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | SSD PCIe 3.0 |
ディスプレイ | FHD IPS | FHD TN/IPS |
無線 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5/6 |
Webカメラ | 1080p/720p | 720p |
バッテリー | 16.7時間 | 17.7時間 |
重量 | 1.64㎏ | 1.64㎏ |
価格 | 8.0万円~ | 7.1万円~ |
筐体はほぼ同じで、中身が大きく変わっています。
変更点はこちらです。
・CPUの発熱が減った
・40GBのメモリ搭載可能
・ストレージの転送速度が倍になった
・ディスプレイの輝度が300ニトのみと明るい
・Wi-Fi 6が標準搭載
・1080pWebカメラ搭載可能
・液晶が高品質のIPS液晶のみになった
・トラックパッドの操作性がアップ
大きなデータを扱う人にはうれしい、大容量メモリになりましたね。筆者はLightroomを主に使うのですが、メインで使っていたノートパソコンが16GBだったので、容量が足りずに使いにくくなってたんです。
また、Webカメラが高画質できれいなんです。相手に与える印象もアップしますね。
それでは、プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5825U | |
---|---|
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 5300U |
CPU性能は若干上がっており、CPUの最大温度は105°から95°に下がっているので、より長時間高いパフォーマンスを発揮しやすくなっています。
ThinkPad E14 Gen 4(AMD)の特徴
外観はいつものThinkPadですが、筐体はアルミニウムを使用しているので、高級感があります。また、ちょっと重たいですが、比較的コンパクトなサイズです。
ベゼル幅は左右6.6㎜、上部12.6㎜、下部18.2㎜で、太いわけじゃないですが細くもない一般的なサイズです。
寸法は
・幅324㎜(≒一万円札2枚分/320㎜)
・奥行き220㎜(≒千円札1.5枚分/225㎜)
・高さ17.9㎜(≒一円玉の直径/20㎜)
になります。A4サイズ(210㎜×297㎜)よりも、一回り大きなサイズです。
厚さは17.9㎜と標準的で、筐体は前部に行くにつれ細くなっているので、おしゃれだし掴みやすいです。社内や自宅内移動もしやすいです。
14インチの平均重量は1.4㎏前後ですが、本機は1.64㎏と重たいです。持ち運びが多い人は超軽量モデルのThinkPad Xシリーズがお勧めですが、価格は倍くらいになります。
ただし、14インチのディスプレイなので、家で使う時も使いやすいし、外出先でも比較的大きな画面で作業ができます。
アルミニウム素材の天板は耐久性も高く、傷もつきにくいですが、若干指紋の付きやすさが目立ちます。でも、旧モデルより付きにくくなったかな?と思います。
<旧モデル>
旧モデルは頻繁に指紋を拭かなくちゃいけませんでした・・・。
天板も底面カバーもアルミニウム素材で、熱にも強く剛性もあり、傷がつきにくいです。触っただけで分かる高級感もありますね。
通気口は3か所あり、内部にはファンが1つ、ヒートパイプが2本、そして内部はすっきりしているのでエアフローもよさそうです。ベンチマークを取っているときも、ひどく熱くなりませんでした。
ディスプレイはほぼ180°開くことができます。床に座って作業をすることがあるエンジニアにも、使いやすい仕様です。
生体認証は顔認証と指紋センサー搭載可能
生体認証はモデルによっては指紋センサーも顔認証も無しで、カスタマイズからそれぞれ追加することになります(モデルによっては両方標準搭載)。
指紋センサーは電源ボタンと統合しているので、電源を入れたらサインインが完了です。
FHD 1080p Webカメラも搭載可能
執筆時点で販売されているモデルには、標準で高画質FHD 1080pのWebカメラが搭載しています。一般的なノートパソコンにはHD 720pが搭載していますが、FHD画質になると段違いにきれいになります。
全然画質が違うのが分かると思います。Web会議などで、相手に高画質な自分の映像が映し出されるので、印象も良くなると思います。
ちなみに、マイクはデュアルアレイ マイクが搭載で、オーディオは高級外車に使用されることが多いハーマンカードン製、そして2Wスピーカーが2つ搭載です。
また、FHDカメラが必要ないという人向けに、720pのカメラも選択できるようになっています。
WEBカメラにはプライバシーシャッターも搭載しているので、Webカメラを使用しないときは閉じておくと安心です。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。
安心して使える、高品質な機種です。
キーボード
<日本語キーか英語キーが選択可能>
キーボードは、フルサイズ89キー・バックライト付きになり、トラックパッドは100㎜×57㎜と小さめですが、手触りも良く操作しやすいです。
また、赤いボタンのトラックポイントもあるので、操作性は高いですね
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は実測約19㎜ × 19.2㎜で、余裕を持ってタイピングできる幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は約1.77㎜と打鍵感があり、気持ちよくタイピングできます。
<プラスチック感が強い素材>
今回初めてバックライト無しのキーボードを購入したのですが、キーが若干ザラザラしており、プラスチック感が強いです。見た目はほぼ変わりませんが、触ると安っぽく感じます。
バックライト付きはツルツルした表面で、ゴムっぽい感触なのでタイピングがしやすいです。
ThinkPadのキーは湾曲しているので、フィット感が高く、タイピング時に中心からずれてタイプしてもしっかり反応してくれます。ミスタイプも減りますね。
CPU
Ryzen 3 5425U | Ryzen 5 5625U | Ryzen 7 5825U | |
製造プロセス | 7nm | ||
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 3 | ||
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 | 8/16 |
L3キャッシュ | 8MB | 16MB | |
GPUコア | 6 | 7 | 8 |
基本クロック | 2.7GHz | 2.3GHz | 2.0GHz |
ブーストクロック | 4.1GHz | 4.3GHz | 4.5GHz |
TDP | 15W |
CPUはRyzen 5000シリーズのリフレッシュ版で、2022年2月頃から搭載される新モデルです。アーキテクチャはZen 3になっており、通常版のZen 2に比べ以下の様な特徴があります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
旧モデルに搭載されていたRyzen 3 5300UやRyzen 5 5500U、Ryzen 7 5700Uよりも最大温度が10度も抑えられており、なおかつ性能も上がっているので、高いパフォーマンスも長時間維持しやすい仕様になっています。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。1万729と結構高めの数値でした。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5800H | |
---|---|
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 Pro 5850U | |
Ryzen 7 5825U | |
Ryzen 5 Pro 5650U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i3-1115G4 |
旧モデルから激的にCPU性能が上がったわけではないですが、発熱を抑えたのに性能が上がっているのはすごい進化だと思います。
また、今回はあえてRyzen 3モデルを選んだのですが、ほとんどのユーザーはRyzen 3でも十分快適に使えるので、一番需要があるかなと思いました。もしくは、Ryzen 5ですね。
Ryzen 7は一番性能が高いですが、一般的なビジネス用途でそこまで高い性能が必要な人は限られてくると思います。
ビジネス用途で使うにはPassmarkスコア7000以上、快適にサクサク使うなら1万くらいあればよいので、今回はどのCPUを選んでも十分だと思います。
次はCinebench R23です。CPUの3DCGレンダリング性能を測定し、一般的に3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
本機種のスコアはマルチコア5154、シングルコア1233となりました。マルチコア性能は高めで、シングルコア性能は平均的です。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5800H | |
---|---|
Ryzen 7 5875U | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 5 5600U | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-11900H | |
---|---|
Core i7-1185G7 | |
Ryzen 7 5875U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 5600U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 5 4500U |
グラフィック性能
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
購入機種はメモリ1枚の8GBだったので、シングルチャンネルメモリで動作するためグラフィック性能がかなり低く、1072でした。
右側はメモリ2枚時のスコアで、1839と普通です。
グラフィック性能に大きな差が出るので、メモリ2枚搭載モデル、もしくはカスタマイズから8GB+8GBの16GBにカスタマイズするといいと思います。自信がある方は自分で増設もできますが、保証が外れます。
こちらで増設方法の手順を解説しているので、興味がある方はどうぞ。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 PRO 6850U | |
---|---|
MX550 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i5-1130G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 4300U | |
Ryzen 3 5425U |
クリエイター向けsRGB 100%ディスプレイ搭載可能
<本機はNTSC 45%のディスプレイ>
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 | その他 |
FHD | なし | IPS | 300nit | 800:1 | NTSC 45% | 視野角170° |
FHD | なし | IPS | 300nit | 1200:1 | sRGB 100% | 視野角170° |
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質で解像度は1920×1080ドット |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。差が大きい方が力強い描写が可能 |
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広い。TN液晶はその逆 |
nit | 明るさを表す単位。室内であれば250nit~、350~400nitあれば日光の当たる場所でも見やすい |
ディスプレイはFHD解像度で、コントラスト比が高く視野角が広いIPS液晶になっています。1つのモデルはコントラスト比が800:1、色域が広いsRGB 100%モデルは1200:1です。
コントラスト比が高いとくっきりメリハリのある画面になり、色域が広いと現実の色により近い色彩が描写されるので、sRGB 100%モデルを選んだ方が良いと思います。
こちらは同じ画像をNTSC 45%とsRGB 100%のディスプレイで表示したものですが、全然色が違いますよね。
<左・NTSC 45%/右・sRGB 100%>
sRGB 100%は画像編集をする人に合う色域、NTSC 45%は一般的なノートパソコンに搭載される色域です。
価格もそこまで出さずにクリエイター向け品質のディスプレイになるので、余裕があればどうぞ。
また、輝度は300ニトと高いので、明るいオフィスでも使えるほどです。
最大40GBの大容量メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機搭載のメモリはDDR4-3200MHzで、オンボードに8GB 1枚搭載、メモリスロットに最大32GBのメモリを搭載できます。
もしメモリが1枚の場合はシングルチャンネルメモリで動作するので、必ずもう1枚のメモリを追加、もしくは自分で増設した方がいいです。(シングルチャンネルメモリだとグラフィック性能がかなり下がり、作業効率も下がります)
追加するメモリはオンボードにある8GBに合わせるのが一般的ですが、大きなデータを扱う人は16GBや32GBを搭載しても使いやすくなるので良いと思います。
こちらは、Memory Markの計測結果です。メモリ2枚時はオンボード8GB+スロット16GBです。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Thinkbook 13s Gen 2 16GB | |
---|---|
Ideapad Flex 550i 14型 8GB | |
ThinkPad X12 Detachable 16GB | |
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 16GB | |
Yoga 660 16GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 24GB | |
Thinkbook 15 Gen 2 8GB | |
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 32GB | |
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 8GB | |
IdeaPad Slim 360(17) 8GB | |
Ideapad Flex 550i 15型 8GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 | |
Thinkbook 14 Gen 2 8GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 8GB | |
Ideapad s145 AMD 8GB |
ストレージはそこそこの性能
SSD(PCIe 4.0×4) | SSD(PCIe 3.0×4) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大64Gbps | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) | |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機には最新のPCIe 4.0×4が搭載しており、PCIe 3.0×4よりも帯域幅が倍になり、データ転送速度がかなり上がっていますが、M.2 スロットがPCI Express 3.0×4にしか対応していないため、本領を発揮できていないようです(とは言っても、かなり速いです)。
シーケンシャル速度はリード(書き込み)が2604MB/秒、ライト(書き込み)が2013MB/秒と、ビジネス用途でも十分使える速さです。
2022年の新機種をレビューしていて感覚的にですが、256GBよりも512GBの方が速いような気がします。容量が小さなSSDは、時々PCIe 3.0が使われているので、速さを求めるなら512GB以上がよさそうです。
他機種との比較です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 256GB | |
---|---|
Ideapad Flex 570 14型 256GB | |
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 256GB | |
ThinkPad E15 Gen 4 PCIe 4.0 | |
Thinkbook 14 Gen 2 256GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 Intel 256GB | |
ThinkPad E14 Gen 4 AMD 256GB | |
Yoga 660 512GB | |
ThinkPad X12 Detachable | |
Thinkbook 13s Gen 2 512GB | |
Thinkbook 15 Gen 2 256GB | |
IdeaPad Slim 360(17) 256GB | |
Ideapad s145 AMD 256GB |
セキュリティ
セキュリティは以下になります。
- Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時のログインパスワード
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
- セキュリティキ―ホール・・・ワイヤーなどを繋げて持ち運びできないようにする
基本的にビジネスモデルなので十分なセキュリティがありますが、追加のセキュリティをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。
Wi-Fi 6に対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4/5GHz | 300Mbps |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
公式サイトではWi-Fi 6E(Wi-Fi 6に6.0GHz帯が加わった規格)も記載されていますが、執筆時現在、Wi-Fi 6Eは選べません。
長時間バッテリー駆動
バッテリーは3セル・45Whrで、最大駆動時間は約16.7時間となります。この価格でこのバッテリー駆動時間はすごいですね。多くの人は丸一日持ち歩いて使っても、大丈夫そうですね。
インターフェイス
右側面インターフェースはUSB 2.0、RJ45、そしてセキュリティホールになります。
左側面はUSB Type-C 3.2 Gen 1、USB 3.1、HDMI、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。USB Type-Cは電源兼用で、映像出力機能付き、Powerdelivery(給電)対応です。
USB 2.0以外のデータ転送速度は5Gbpsと「普通」で、USB 2.0はマウスやキーボードを繋ぐために使うポートです。
ビジネスモデルなので、データ転送速度が10Gbpsあればより使いやすかったと思います。大きなデータを頻繁に移動する人は、Thunderbolt 4搭載のThinkPad E14 Gen 4が使いやすいと思います。
また、ポートも少ないので、こういったハブがあった方が使いやすいと思います。
サポート・保証
標準で1年間の「片道引き取り修理保証(修理時は片道送料負担)」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3つにアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ライバル機種
<左から本機種・E14 Gen 2 Intel・ThinkBook 14 Gen 3>
本機種と比較的性能と価格が似ているモデルと比較です(メモリ・バッテリーは最大値)。一番性能が高い部分は赤文字にしています。
本機種 | ThinkPad E14 Gen 2 | ThinkBook 14 Gen 3 | |
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 40GB(オンボ+スロット) | 16GB(スロットのみ) | 24GB(オンボ+スロット) |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | SSD PCIe 3.0 | SSD×2 PCIe 3.0 |
グラフィックス | Radeon | Iris Xe | Radeon |
ディスプレイ | FHD IPS | FHD IPS/TN | FHD IPS |
無線 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5/6 | Wi-Fi 6 |
USB最大転送速度 | 5Gbps | 40Gbps(Thunderbolt 4) | 10Gbps |
バッテリー | 16.7時間 | 12.6時間 | 10.7時間 |
重量 | 1.64㎏ | 1.59㎏ | 1.4㎏ |
価格 | 8.0万円~ (Ryzen 3) |
8.8万円~ (Core i5) |
7.2万円~ (Ryzen 5) |
全体的な総合性能は本機種が一番で、次にE14 Gen 2 Intel、最後がThinkBook 14 Gen 3です。
ただし、ThinkbookはRyzen 5搭載で7.2万円とかなり安く、一番軽いです。また、データ転送速度は10Gbpsあります。
ThinkPad E14 Gen 2 IntelはCore i5モデルが8.8万円ですが、グラフィック性能が高く、Thunderbolt 4があるのでデータ移動などかなり快適、そしてThunderbolt対応ドッグが使えます。
本機種はケチの付け所がほとんどないモデルですが、データ転送速度が遅いです。大きなデータ移動を頻繁にしない人は問題ないですが、仕事で大きなデータを読み込んだり、移動したりする人は転送速度が速いモデルがいいです。
まとめ
良い点
・CPUの発熱(最大温度)が下がり、より高い性能になった
・大容量40GBメモリ搭載可能
・FHD 1080pのWebカメラが搭載可能
・Wi-Fi 6標準搭載
・タイピングしやすいキーボード
・バッテリー駆動時間が長い
・アルミニウム筐体
残念な点
・インターフェイスが少ない
・USBのデータ転送速度が遅い
・ちょっと重い
総合評価
総合的な性能は高く、ビジネス用途でがっつり使いたい人でも問題なく使えます。特に1080p Webカメラが搭載できるので、今までの様にWebカメラを購入する必要もないと思います。
また、Wi-Fi 6も標準搭載で有線LANもあるので、通信環境はばっちりです。
価格もビジネスノートのThinkPadにしては安いですが、14型としては若干重たく、データ転送速度が遅く、インターフェイスが少ないです。インターフェイスが少ないのはハブを買えば改善しますが、転送速度は変えられないので、大きなデータを頻繁に移動する人には使いにくいかもしれません(大きなデータ移動をほとんどしない人は、気にならないと思います)。