ミニタワーのThinkCentreで、最新のインテル12世代CPU搭載、メモリは最大64GBと大きく、PCIe 4.0のSSD+HDDも搭載可能と、ハイエンドモデルになります。
セキュリティも豊富で、さすがビジネスモデルと言った仕様です。
Contents
ThinkCentre Neo 50t Tower Gen 3のスペックレビュー
CPU | Core i5-12400 Core i7-12700 Core i9-12900 |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | 最大 SSD+HDD |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
OS | Windows 11 |
無線 | Wi-Fi 6/5、Bluetooth搭載可能 |
有線 | ギガビットイーサネット |
光学ドライブ | 搭載可能 |
内蔵スピーカー | 搭載可能 |
セキュリティ | TPM 2.0、Smart USB Protection、指紋センサーなど搭載可能 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 145×297.1×346㎜㎜ |
重さ | 最大5.5㎏ |
電源 | 260W/310W/380W |
保証 | 1年間 |
価格 | 8.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUには最新のインテル12世代が搭載で、ハイエンドモデルのCore i5、i7、そして16コア24スレッドのi9が選択できます。Core i5も11世代のCore i9に近い性能で、Core i7に至っては11世代Core i9よりも40%ほど高い性能になっています。
また、12世代CPUはWindows 11に最適化されているので、より快適に使える仕様になっています。
メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、最大64GBにできます。ただし、インテル12世代CPUは最新のDDR5に対応しているので、DDR4搭載と言うのはマイナスポイントですね。なぜDDR5にしなかったんでしょうね?
ストレージは最大でHDD SATAとPCIe NVMeが搭載でき、PCIe NVMeは128GBがPCIe 3.0で、その他は4.0になります。PCIe 4.0はシーケンシャルリードが最高7000MB/秒ほどあるので、PCIe 3.0(理論値約4000MB/秒)に比べかなり速いです。
無線はモデルによっては「なし」なので、カスタマイズからWi-Fiを選んで追加します。また、Wi-Fi無しモデルはBluetoothもないので、困ることが多くあると思います。ただし、ギガビットイーサネットは標準搭載です。
電源は260Wから最大で380Wまで選べます。
PCI Expres ×16が1つと、PCI Express x1が2つ空いており、最大215.5㎜までの奥行きがあるビデオカードが搭載可能です。ちょっとした拡張性もあるので、カスタマイザーにも好まれる仕様だと思います。
筐体はミニタワーでそこまで大きくないので、机上に置いてもいいし、もちろん、机の下に置いて使っても大丈夫です。Wake On LAN対応なので、背面インターフェイスのWake On LAN対応ポートにキーボードを繋げたら、「Alt+P」でパソコンの電源を入れることができます。
わざわざかがんで、電源ボタンを押さなくてもいいんですね。楽です。
電源もそこそこ大きく、CPUはインテル12世代、SSDはPCIe NVMe 4.0、そしてWi-Fi 6も搭載可能ですハイエンドデスクトップです。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/M70t Mini-Tower>
旧モデルのThinkCentre M70t Mini-Towerとの比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | M70t mini-tower | |
CPU | Core i5-12400 Core i7-12700 Core i9-12900 |
Core i3-10100 Core i5-10400 Core i7-10700 |
メモリ | 64GB | 64GB |
ストレージ | HDD+SSD | SSD x1+HDDx2 |
通信 | Wi-Fi 6/5/なし ギガビットイーサネット |
|
電源 | 最大380W | 最大380W |
重量 | 5.5㎏ | 5.9㎏ |
価格 | 8.3万円~ | 5.7万円~ |
筐体の寸法はほぼ同じくらいで、似た様な仕様になっています。ただし、本機は12世代CPUで、旧モデルは10世代CPUになり、性能が全然違います。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900 | |
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Core i7-12700 | |
Core i5-12400 | |
Core i7-10700 | |
Core i5-10400 | |
Core i3-10100 |
Passmarkスコアをみたら一目瞭然ですが、性能がかなり上がっていますね。旧モデルはなぜだか11世代CPUを搭載しなかったので10世代になり、本機種は2世代新しい12世代になっています。
また、SSDも最新のPCIe 4.0が搭載できるので、全体的な性能が上がっています。
ThinkCentre Neo 50t Tower Gen 3の特徴
Neoは「低価格ビジネスモデルのLenovoシリーズ」っぽい外観ですね。
寸法は、145×297.1×346㎜㎜
幅145㎜(≒千円札の長辺/150㎜)
奥行297.1㎜(≒千円札2枚分/300㎜)
高さ346㎜(≒一万円札2枚分/320㎜)
とほぼ同じになり、ミニタワーサイズです。
<左・本機種/右・旧モデル>
インテル12世代はTDPが高いので排熱処理が気になりますが、左側面に排気口が追加されているのでエアフローは良くなっていると思います。
レノボ独自のICE 5.0(インテリジェント・クーリング・エンジン)と言う機能を搭載しており、消費電力を抑えつつパフォーマンスを最大化するそうです。
右側面には排気口はありません。左側だけですね。
筐体の天板です(足が乗せやすそう・・・)。
底面にはゴム足があり、床や机を傷つけないですね。
インターフェイスが豊富
さすがにビジネスモデルなので、インターフェイスは豊富です(一部カスタマイズより追加可能)。
1. オプティカルドライブ (カスタマイズ)
2. 電源ボタン
3. 3 in 1 カード リーダー (カスタマイズ)
4. マイク入力
5. マイク入力/ヘッドフォン出力コンボ ジャック
6. USB3.1 Gen1 Type-C
7. USB3.2 Gen1
8. USB3.2 Gen2
9. ライン出力
10. DisplayPort
11. HDMI
12. VGA
13. イーサネット・コネクター(RJ-45)
14. USB2.0
15. PCI Expressスロット
16. PS/2ポート(カスタマイズ)
17. シリアル ポート(カスタマイズ)
18. シリアル ポート(カスタマイズ)
19. 電源コネクター
また、本機にはPCI Express ×16が1つ、PCI Express ×1が2つ空いており、最大215.5㎜のビデオカードを追加できます。なので、上記したインターフェイスに加え、グラフィックカードのポートが追加されます。(ただしビデオカードを搭載すると、一部ポートが追加できなくなります)
高性能12世代CPU
Core i5-12400 | Core i7-12700 | Core i9-12900 | |
開発コード | Alder Lake | ||
---|---|---|---|
製造プロセス | 7nm | ||
Pコア | 6 | 8 | 8 |
Eコア | 0 | 4 | 8 |
スレッド | 12 | 20 | 24 |
キャッシュ | 18MB | 25MB | 30MB |
GPU実行ユニット | 24 | 32 | 32 |
ターボブースト | 4.4GHz | 4.9GHz | 5.1GHz |
Pコア最大周波数 | 4.4GHz | 4.8GHz | 5.0GHz |
Pコア基本周波数 | 2.5GHz | 2.1GHz | 2.4GHz |
Eコア最大周波数 | – | 3.6GHz | 3.8GHz |
Eコア基本周波数 | – | 1.6GHz | 1.8GHz |
ベースパワー | 65W | 65W | 65W |
最大パワー | 117W | 180W | 202W |
CPUは最新のインテル第12世代が搭載で、Core i7とi9は高性能のPコアと省電力のEコアと言う2つのコアを搭載しています。これは負荷が低いものは省電力のEコアで処理をし、高負荷な事はPコアを使うというように分けており、省電力性とハイパフォーマンスを兼ね揃えた仕様になっています。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900 | |
---|---|
Core i7-12700 | |
Core i9-11900 | |
Core i5-12600 | |
Core i7-11700 | |
Core i5-12500 | |
Core i5-12400 | |
Core i5-11500 | |
Core i5-11400 | |
Core i3-12300 | |
Core i3-12100 | |
Pentium Gold G7400 |
前世代・11世代のCore i9-11900はスコアが約2.3万ですが、12世代Core i5-12400は約1.9万、Core i7に至っては約3.2万とかなり高性能ですね。
第12世代になり、かなり性能が上がっていますね。
メモリはDDR4-3200MHz
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機にはDDR4-3200MHzが搭載で、最大64GBになります。これだけあれば、特に困ることもないですね。
ただし、先述した様にCPUがDDR5に対応しているので、DDR5を搭載してくれていたら嬉しかったです。
PCIe 4.0搭載可能のストレージ
SSD(PCIe NVMe) | SSD(SATA) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 中価格 | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
SSDとHDDが搭載可能で、HDDは3.5インチのSATA接続になります。
SSDはPCIe NVMe Gen 4とGen 3の2種類があり、128GB以外はGen 4になります。
理論値ベースでPCIe 4.0は最大7000MB/秒ほど、PCIe 3.0は約4000MB/秒なので、雲泥の差があります。
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windowsに標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- OPAL・・・自己暗号化ドライブ。データが流出した時など、暗号化されているので解読されにくい
- シャーシ イントルージョン スイッチ・・・筐体へのアクセスを記録できる(誰かが勝手に開けて内部を触っても分かる)
ThinkCentreは「Thinkshield」というLenovoのセキュリティに守られていますが、Thinkshieldはセキュリティの総称になります。本機にはWindows DefenderやTPM、Smart USB Protectionなどが搭載可能です。
基本的に個人使用であればWindows Defenderで十分だと思いますが、追加のセキュリティをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。
WiFi6に対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4/5GHz | 300Mbps |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
インテルWireless-AC 9560 2×2(Wi-Fi 5) | 2.4/5GHz | 1.7Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
WiFiは無し、IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Wireless-AC 9560 2×2、そしてWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)になります。Wi-Fi 6はWi-Fi 5よりも1100円高いだけなので、Wi-Fi 6にしておいた方がいいです。
次世代通信規格のWiFi6は、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、家族共用の混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
電源
電源は260W(90%)か310W(92%)、そして380W(92%)になり、電源が大きい方がパソコンのパフォーマンスも上がるので、特別な理由が無い限り380Wを選んでおいた方が無難だと思います。
また、各電源の括弧の中の数字は電力変換効率で、一般的にStandardやGold、Silverなどの名称になります。
・80PLUS Bronze・・・82%~85%
・80PLUS Silver・・・85~88%
・80PLUS GOLD・・・87%~90%
・80PLUS Platinum・・・90~92%
・80PLUS Titanium・・・92~94%
本機には名称は載っていないですが、GOLD相当の90%かPlatinum相当の92%になり、もちろん、電力変換効率が高い方が省エネになります。
ちなみに本機にはPCI Express x16が1つ空いているのでビデオカードを増設したいという人もいるかもしれませんが、その場合は本機の電源との兼ね合いを見てカードを選んだ方が無難です。あまり消費電力が大きいカードを入れても、性能を引き出せない可能性があります。
サポート・保証
標準で1年間の「オンサイト修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証はオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の2種類があります。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
まとめ
良い点
・第12世代CPU搭載で高性能
・排気口が追加された筐体でエアフローが良くなった
・インターフェイスが豊富
・若干だが拡張性がある
・机上に置けるほどのサイズ
・電源の品質が良い
残念な点
・メモリがDDR4
総合評価
電源の品質も高く、CPUやSSDも現行最高、比較的小さな筐体なので場所を取りにくいという特徴があります。修理保証もオンサイト修理なので、エンジニアが直接家や事務所に来て修理してくれるのも助かります。
法人が購入するにしても個人で使用するにしても十分な性能で、Core i5でもかなりサクサク使え、「より速く」と言う場合はCore i7やi9を選ぶと十分以上だと思います。