ThinkCentre M90t Mini-Towerはビジネス用デスクトップPCで、低スペックからグラフィックボード搭載のハイスペックまで選べる機種になっています。
広い机なら机上に置いても圧迫感も少ないし、「Alt+P」で起動できるのでデスクからちょっと離れていても使いやすいです。
パソコンの堅牢性・耐久性はトップクラスで、米国防総省が制定する「米軍の物資調達に必要な基準(温度変化・湿気・衝撃・振動など全840ページある規格)」に対応した機種なので、日本国内で使う分には十分すぎるほどの仕様です。
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Lenovo ThinkCentre M90t Mini-Towerのレビュー
<マウス・キーボード付き、モニターは別売り>
CPU | Intel Celeron G5900 Intel core i3-10100など Intel core i5-10400など Intel core i7-10700/10700F |
メモリ | 最大128GB |
ストレージ | SSD x2+HDDx3(最大合計9TB) |
グラフィックス | CPU内蔵 AMD Radeon 520 AMD Radeon RX 550X NVIDIA GeForce GTX 1660 Super NVIDIA GeForce RTX 2060 |
OS | Windows 10 Home, Pro |
光学ドライブ | ウルトラスリムDVDスーパーマルチドライブ DVD-ROM なし |
Office | Office Home &Business 2019搭載可能 |
無線 | なし、WiFi5、WiFi6、Bluetooth搭載可能 |
有線 | 内蔵イーサネット ギガビットイーサネット インテルイーサネット・サーバーアダプター |
電源 | 180~500W |
寸法 | 170 x 297.9 x 376㎜ |
重さ | 最大7.5㎏ |
付属 | マウス、キーボード(付属取り消し可能) |
セキュリティ | パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、アドミニストレーター パスワード、セキュリティ キーホール、USB Smart Protection、筐体内部ロックを搭載可能 (オプション)、シャーシ イントルージョン スウィッチを搭載可能 (オプション) |
保証・サポート | 1年間オンサイト修理、電話、チャットなどでのサポート |
価格 | 税込)7万400円~ |
CPUはライトユーザー用のCeleronから、かなりがっつり使う人向けの10世代Core i7-10700までと幅広く選べるので、用途に合わせてスペックを選びやすいです。
メモリも最大128GBまで増設できるので、一般的な用途であればまず困ることはないし、ストレージも最大5基・9TBも搭載できるので、多くのデータを保存できます。
本機種はその他のMini-Towerシリーズと違い、NVIDIAのグラフィックボードが搭載可能です。本格的な画像・動画編集やCADといったグラフィック性能が必要な作業にも対応できます。
電源は180Wから、最大500Wと大きなものが選べます。電源はパフォーマンスに関わる重要な部分なので、カスタマイズできるのは嬉しいですね。
また、本機種の特徴としてカスタマイズからクリック一つで自分が必要な機能を搭載したり、必要ないものは省くこともできるので、自分好みの機種を作ることが可能です。
サポートは電話やチャット、LINEでの対応、保証はオンサイト修理と言って、万が一の場合はエンジニアが直接指定住所に伺って修理してくれます。リペアセンターに郵送しなくていいので、早いし、安心ですね。
ThinkCentre M90t Mini-Towerの外観
ミニタワーシリーズにはいくつかの種類があるのですが、本機種が一番大きい機種になります。大きいといっても約19Lの筐体なので、小型ですね。
幅は170㎜、奥行き297.9㎜、高さ376㎜で、
・幅は1万円札(長辺160㎜)
・奥行きは千円札(長辺150㎜)2枚分
・高さは懐かしのビデオテープ(188㎜)2つ分
と同じくらいです。幅が狭いので、いろんな場所に置きやすいですね。
外観はかっこいいと思います。ワンポイントのさりげないロゴもいいですね。
筐体の右側面です。
筐体の左側面です。
セキュリティも当然堅牢で、誰かが筐体を開けて触っても分かるシャーシイントルージョン(オプション)や、筐体を内部からロックできるシャーシE-Lock(オプション)などもあり、完全防備です
Smart Power On
電源ボタンは前部の右上にありますが、キーボードの「Alt+P」を押せばパソコンを起動できるので、デスク下の奥に設置しても、もしくはちょっと離れた場所に設置しても、わざわざかがんで電源ボタンを押さなくていいので便利ですね。
インターフェイス
1. オプティカルドライブ 2. 電源ボタン 3. メディアカードリーダー スロット(搭載モデルのみ) 4. マイク入力 5. ヘッドホン出力 6. USB3.1 Gen1 Type-C 7. USB3.1 Gen1 8. USB3.1 Gen2 |
9. ライン出力 10. シリアルポート 11. DisplayPort x2 12. PS/2ポート x2 (マウス/キーボード用) (オプション) 13. IOポート(Type-C/HDMI/DP) 14. イーサネットポート(RJ-45) 15. USB3.1 Gen1 16. USB3.1 Gen1 17. 電源コネクター |
USB-C、もしくはUSB-Aはカスタマイズより数が増やせ、HDMIは「Rear I/O Card」という項目から追加できます。
インターフェイスは、これ以上必要ないでしょ?と言うくらいありますね。
無線LANやBluetoothで繋ぐ場合は、カスタマイズから選べるので、お忘れなく。
CPU
型番 | |
Celeron | Intel Celeron G5900 |
Pentium | Intel Pentium G6400 |
Core i3- | 10100 10300 10320 |
Core i5- | 10400F(グラボ搭載必須) 10400 10500(これ以降のモデルはvPro対応) 10600 |
Core i7- | 10700F(グラボ必須) 10700 |
種類が多いですね。同じCPUでも型番の数字が大きい方がクロック数が高いので、若干性能が高くなっています。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”17554″ lazy=”no” class=””]グラフを見て分かる通り、CeleronとPentiumはかなり低い性能なので、生産性はかなり落ちます。「あまり高い性能のパソコンは必要ない」という場合であればいいかもしれませんが、おすすめはしません。
Core i3-10100はスコアも9000越えと性能が高いので、Zoomで会議しながらエクセルで資料作成などという使い方でも十分な性能がありますね。より快適に使いたい場合や、グラフィックボードを搭載する場合は、Core i5以上になります。(Core i3は内蔵グラフィックスのみ)
「複数の作業を快適にできるかどうか」の目安にコアとスレッドがあるのですが、この数値が大きいほうがより多くのデータを同時に扱いやすくなります。
- Celeron・・・2コア2スレッド
- Pentium・・・2コア4スレッド
- Core i3・・・4コア8スレッド
- Core i5・・・6コア12スレッド
- Core i7・・・8コア16スレッド
<アプリの数は例>
また、Core i5-10500以上には、企業の情報システム部門など、システム管理に携わる人向けの機能であるvProが搭載しているので、数多く購入する場合は管理がしやすくなります。
グラフィックス
グラフィックスはいくつかの種類が選べ、動画編集や画像編集が快適にできるNVIDIAのグラフィックボードも選択が可能です。Core i5はAMDのグラフィックボードが、Core i7はNVIDIAのグラフィックボードが搭載できます。
AMD Radeon 520やRX 550Xは高い性能ではないですが、オフィスで使用するのを目的としたカードなので、若干使いやすくなると思います。
3Dグラフィック性能を測るFire Strike Graphicsのスコアは、以下になります。NVIDIAのグラボのみ計測で、クリエイティブワークにも使える性能です。
[visualizer id=”17564″ lazy=”no” class=””]GTX 1660 Superはギリギリエントリークラスの性能で、RTX 2060はミドルクラスです。Photoshopや、Adobe Premiere CCなどのクリエイティブソフトを使って作業ができる性能があります。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、メモリが大きいとより多くのとこを、より大きなデータを扱うことが出来ます。
最低8GBあればそこそこ動きますが、ビジネス用途だと16GB以上は欲しいですね。法人用(会社用)で購入する場合は、32GBもあれば普通は十分以上だと思います。
ちなみにメモリはCore i3とCore i5はPC4-21300(2666MHz)、Core i7はPC4-23400(2933MHz)になります。
この動作周波数(MHz)が大きい方が処理速度も速いので、大きなデータを扱う場合や動画編集をする場合は大きめのメモリを搭載しておくと、作業がしやすいです。
ストレージ
ストレージはパソコンのデータを保存するだけじゃなく、パソコンの起動やデータのやり取り等の速度にも影響するパーツです。
本機種は、3.5インチベイ2つ、2.5インチベイ1つ、そしてSSDを2つ搭載でき、最大でHDD 3基(販売は最大合計5TB)、SSD2つ・最大4TBの合計9TB搭載可能です。
SSD | HDD | |
最大データ転送速度 | 16Gbps~32Gbps | 6Gbps |
平均起動時間 | 約15秒~20秒 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
9TBあればかなり大容量なので、多くのデータをPCに保存できますね。
OS(オペレーティングシステム)
OSはWindows 10 Homeとビジネス用のWindows 10 Proが選べます。
ProにはWindowsをカスタマイズするのに必要な機能や、複数のOSをインストールできるHyper-Vと言った機能、遠隔操作ができたり、チームをマネジメントする人なんかはProを選びます。
個人使用であればビジネスで使うと言っても、Homeで十分かなと思いますが、Microsoft storeでいつでもアップグレードできるので、必要になったら購入するでもいいと思いますよ。
電源
本機種ではファームファクターという個所から、カスタマイズで電源の大きさが選べ、180W(85%)、300W(85%、90%)、500W(92%)が選べます。
横に書いてある%は変換効率になり、どの家電製品の電源も同じですが、100Wの電源から100Wが供給されるわけではありません。例えば、100Wの85%であれば「100Wの消費電力で85W供給」できます。
実際は、80Plus StandardやGOLD、Pulatinumなど色々な種類があり、180W(85%)などの表記は珍しく、通常は180W 80PLUS GOLDの様に記載されます。
- 80PLUS Standard・・・80%
- 80PLUS BRONZE・・・82%~85%
- 80PLUS Silver・・・85~88%
- 80PLUS GOLD・・・87%~90%
- 80PLUS Platinum・・・90~92%
- 80PLUS Titanium・・・92~94%
本機種は4種類の電源がありますが、グラボアリなら500W、グラボなしなら300Wがいいかなと思います。
と言うのも、例えば私たちは100%の力で走るより、50%の力で走ったほうがより長時間走ることが出来ますよね。パソコンもそれと同じで、100%のフルパワーで電力を供給するよりも、50%くらいで必要な電力が供給できると一番良いんですね。
若干ですが省エネにもなるし、一般的にパソコンの寿命も延びます。
MIL規格対応
MILとはアメリカ国防省が制定した規格で、米軍物資調達の基準になります。簡単に言うと、米軍が戦地や紛争地に持って行っても安心して使える頑丈なもの、という事ですね。
LenovoではThinkシリーズはMIL規格の品質テストを行っているので、耐久性が高く堅牢です。
セキュリティ
さすがにビジネス用PCなので、セキュリティは堅牢です。
- Windows Defender・・・Windowsに搭載されるセキュリティで、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・Trusted Platform Moduleの略で、OSや他のハードウェアから独立して機能するセキュリティチップの事です。パスワードなどの重要情報を格納できます。
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
- セキュリティキーホール・・・パソコンが持ち出されないようにロックするワイヤー設置する個所
- 筐体内部ロック(一部のモデルに搭載)・・・筐体カバーをロックできる
- シャーシ イントルージョン スイッチ(一部のモデルに搭載)・・・筐体へのアクセスを記録できる(誰かが勝手に開けて内部を触っても分かる)
- Smart USB Proection・・・USBポートからのデータ流出や、外部からUSBポート経由でシステムやネットワークに侵入を防ぐ
保証・サポート
Lenovo製品は電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、保証は1年間になっています。電話サポートは、Lenovo休業日以外の毎日朝9時から18時までで、Lenovo休業日は通常、第2第4日曜日と年末年始などです。
本機種には「オンサイト修理」と言って、エンジニアが直接家や事務所に来て修理をする保証が付いています。
最長で5年まで延長も出来るので、安心ですね。
アップグレードすると「翌営業日オンサイト修理」と「プレミアサポート」になり、「24時間365日、専任エージェントが対応」してくれるサポートに、最短翌営業日に修理が可能なのでより安心ですね。
詳細はこちら「プレミアサポート」で確認できます。
まとめ
グラフィックボードも搭載できるハイスペックモデルで、価格も税込み7万400円からと安いので企業ならまとめ買いもしやすいと思います。
基本的にCore i3以上を選べば快適に作業ができるし、Core i5-10500以上ならvProにも対応しているので企業でも管理がしやすいですね。