最新のCoreシリーズ2が搭載した機種で、メモリは最大64GBと大きく、ストレージも増設が可能、7万円台でThunderbolt 4搭載が搭載した高コスパノートPCです。
唯一気になるのは、ビジネスPCでAI機能に使うNPUがない点ですが、メモリも大きくハイパフォーマンスのHシリーズを搭載できるので、そこそこの性能になります。
Contents
ThinkBook 14 Gen 8のスペック
CPU | Core 3 100U Core 5 210H Core 7 240H |
---|---|
メモリ | DDR5-5600 最大64GB |
ストレージ | SSD×2 |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS 光沢なし、タッチあり |
OS | Windows 11 Home/Pro |
LAN | Wi-Fi 6E、ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | 1080p FHD |
スピーカー | 2W×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 313.5 × 224 × 17.5mm |
重量 | 1.36㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約7.8時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 7.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル100Uか200Hで、新しすぎるので現在Core 3 100Uしか性能が公開されていませんがCPU Markスコアが14414と良いスコアです。
ただし、普段使い用CPUなのでAIに必要なNPUは搭載していません。
メモリはDDR5-5600MHzで、公式サイトでは最大32GB(16GB×2)の販売ですが、最大メモリ容量は64GBなので、自分で増設できる人は安くスペックアップができます。
ストレージは最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TBと大きめです。M.2スロットがもう1つあり、SSDの増設も可能です。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、WUXGA(1920×1200ドット) IPS液晶、輝度は300ニトで、色域はNTSC 45%と狭いものしかありません。
OSはWindows 11 HomeかProが選べ、最新のWi-Fi 6Eに対応しイーサネット(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)もあり、無線でも有線でも安定した通信が可能です。
WEBカメラは高画質FHDで、2Wスピーカーが2つ、ノイズキャンセリング機能付きのデュアルマイクが搭載しています。
14インチで1.36㎏とちょっと軽く、バッテリー駆動時間は最大約7.8時間(動画再生時)と短めです。
インターフェイスは比較的豊富で、SDカードリーダーにUSB-Aが2つ、Type-Cが2つあり、この価格でThunderbolt 4もあるので、ドックを使わなくても十分足りると思います。
2025年のトレンドと比較
2025年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
NPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
× | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E以上 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | × | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.4㎏前後 | バッテリー10時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | × |
NPUはAI関連の機能で使うプロセッサーで、2024年後半からNPU搭載PCと非搭載PCの二極化になっています。
基本的にビジネス用途やクリエイティブワークなど重たい作業をする人は、NPUがあった方が作業が少し楽になります。代わって普段使い用途や学生などは、NPUがなくても問題ないと思います。(ビジネス用途でもNPUは必須じゃないですが、あった方が楽)
sRGB 100%はディスプレイの色域で、色鮮やかで画像編集などに向いていますが、本機には今のところないようです。
旧モデルとの比較
旧モデルのThinkBook 14 Gen 7との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
旧モデル | 本機 | |
CPU | Core Ultra 5 125U Core Ultra 7 155U Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
Core 3 100U Core 5 210H Core 7 240H |
メモリ | DDR5-5600 64GB | |
ストレージ | SSD×2 | |
ディスプレイ | WUXGA | |
LAN | Wi-Fi 6E、1Gbe | |
重量 | 1.38㎏ | 1.36㎏ |
寸法 | 313.5 × 224 × 16.9mm | 313.5 × 224 × 17.5mm |
主な変更点です。
・CPUが新しくなったが、NPUがなくなった
・20g軽量化
・少し厚くなった
・sRGB 100%のディスプレイがなくなった
新しいCPUが搭載したという点以外変わりはありませんが、以前はUltraシリーズで上位モデルのCPUが搭載していたので、総合性能は下がりました。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
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Core Ultra 5 125H | |
Core 3 100U |
それでは、本機の特徴をご紹介します。
メモリとストレージの増設が可能
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR5-5600MHzで、公式サイトでは最大32GB(16GB×2枚)にできますが、PC自体は最大64GBまで対応しています。
64GBにするには自分で増設する必要があり、保証が外れる可能性もあります。
その他のメモリとの比較です。
LPDDR5X平均 | |
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DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージは最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、公式サイトでは最大1TBまで選ぶことができます。ただし、M.2スロットがもう一つあり、SSDの増設が可能です。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
この価格でThunderbolt 4搭載
インターフェイスは困らない程度にあり、一眼カメラなどを使う人にはうれしい4 in 1メディアカードリーダーもあります。USB Type-Cのデータ転送速度は10Gbpsで映像出力機能付き、USB-Aは5Gbpsになります。そしてThunderbolt 4は驚異の40Gbpsです。この価格のPCにThunderbolt 4搭載ってすごいですね。
LenovoではThunderbolt 4対応ドックが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。
右側面は4 in 1 メディアカードリーダー、USB 3.2 Gen 1、RJ45、セキュリティキーホールになります。ここ最近は軽量化のためにイーサネットが省かれることも多いですが、本機にはあるので便利ですね。
左からUSB 3.2 Gen 2 Type-C(充電兼用)、USB 3.2 Gen 1、HDMI、Thunderbolt 4、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
生体認証が2つ搭載可能
デフォルトで指紋センサー統合型の電源ボタンがあり、WebカメラのカスタマイズからIRと書かれた顔認証用のカメラも選べます。
顔認証ってゼロタッチログインなので便利ですが、薄暗いところやカメラが汚れているとき、そして長く使っていると時々サインインできないことがあるんですよね。
そういう時に指紋センサーもあるとすごく便利です。
情報量が多いディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
14型 WUXGA | なし | IPS | 300nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | リフレッシュレート |
1000:1 | NTSC 45% | 178° | 60Hz |
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、通常のFHDよりも120ドット縦に長いWUXGA(1920×1200ドット)で、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
より多くの情報を一目で見て取れるので、生産性もアップします。
液晶はIPS液晶でコントラスト比は高めの1000対1、視野角は178度と広いです。
輝度は300ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
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250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰で見えやすい |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
その他の特徴
最新Intel Coreシリーズ2搭載
Core 7 240H |
Core 5 210H |
Core 3 100U |
|
製造プロセス | Intel 7(7nm) | ||
P/Eコア | 6/4 | 4/4 | 2/4 |
スレッド | 16 | 12 | 8 |
キャッシュ | 24MB | 12MB | 10MB |
Pコア最大クロック | 5.2GHz | 4.8GHz | 4.7GHz |
Eコア最大クロック | 4GHz | 3.6GHz | 3.3GHz |
実行ユニット | 64 | 48 | 64 |
ベースパワー | 45W | 15W | |
マックスパワー | 115W | 55W |
CPUは今までは「Core i」シリーズでしたが、本機は「Core」シリーズになっています。
今までの様にPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。最新CPUなので、現在Core 3 100Uのスコアのみ公開されていました。他のは公開され次第追記します。
スコアの目安
- 10000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 13000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 18000~・ハイエンドPCに搭載される
- 20000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 PRO 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core 3 100U |
Wi-Fi 6E対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
無線は次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。もちろん、ルーターも対応している必要があります。
FHD Webカメラ搭載
WEBカメラは高画質FHDで、プライバシーシャッターも搭載しています。
FHDと一般的なPCに採用されるHDと比べると、全然見た目が違いますね。より明るく、そして高精細、Web会議などでも印象アップです。
ドルビーオーディオの2Wスピーカーが2つ搭載し、スマートノイズキャンセリング機能付きのデュアルマイクも搭載です。
外観
ベゼルが結構細く、スリムなボディですね。
旧モデルは画面占有率は約90%となっていたので、本機も同じだと思います。
寸法は
・幅 313.5.0㎜
・奥行 224.0㎜
・高さ17.5㎜
で、コンパクトでカバンにも入れやすく、約1.36㎏と持ち運びにも便利です。
86キーのフルサイズキーボードで、出荷されるのは日本語キー、バックライト付きでCopilotボタンもあります。コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIです。
タッチパッドは約120㎜×75㎜と大きく、操作性も高いです。
ディスプレイは約180°開くことができ、画面をシェアするときにも使いやすいです。
底面には幅広い通気口があり、がっつりとフレッシュエアーを吸ってくれそうです。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
セキュリティ
ThinkBookは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
LTEは無し
5GやLTEには対応していません。外出先で使う場合は店舗のWi-Fiや、スマホのテザリングを使用することになります。
テザリング用の格安SIMなら、楽天最強プランがおすすめです。筆者はIIJmioでドコモ回線20GB/月 約2000円と、楽天最強プランを契約していますが、月に20GB以上使うのであれば楽天がお得です。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル45Whrか、4セル60Whrが選べます。60Whrの方がバッテリー駆動時間が長いですが、重量も若干増えます。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
まとめ
良い点
・コンパクトな筐体で持ち運びがしやすい
・メモリとSSDの増設が可能
・Thunderbolt 4搭載
・画面比が16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示される
・イーサネットコネクタ搭載
・生体認証が2つある
・SDカードリーダーあり
残念な点
・旧モデルより性能が下がった
総合評価
本機は旧モデルよりもCPUスペックが低いという点以外は、価格も安いしThunderbolt 4も搭載しているし、メモリとSSDの増設もできるのですごく良い機種だと思います。
普段使い用途や学生には十分以上の性能で、メモリも大きいので重たい作業もできます。