久しぶりの新機種ですね。旧モデルは2020年のLegion T550iになります。11世代搭載モデル(予定ではT560i)が発売されなかったので、560を飛ばしてLegion T570iという名称になっています。
上位モデルと同じように、サイドパネルがガラスになったり、RGBファンが搭載していたりと、外観も大きく変わりました。
それでは、まずはレビューのまとめです。
・第12世代CPU搭載
・メモリが最新のDDR5
・SSD PCIe 4.0搭載
・ローエンドからミドルハイエンドのGPU
・LEDライティングがかっこいい
残念な点
・電源が小さい
・転送速度が10GbpsのUSBが1つしかない
Contents
Legion T570iのスペックレビュー
CPU | Core i5-12400F Core i7-12700F |
---|---|
メモリ | DDR5 最大128GB |
ストレージ | 最大HDD×2+SSD×2 |
グラフィックス | GTX 1660 Super RTX 3060(LHR) RTX 3060 Ti(LHR) RTX 3070(LHR) |
OS | Windows 11 Home |
LAN | Wi-Fi 6 ギガビットイーサネット(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T) |
オーディオ | Realtek HD Audio、スピーカーなし |
冷却方式 | 空冷 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 205 × 420 × 395㎜ |
重さ | 14㎏ |
電源 | 500W 80PLUS BRONZE |
保証 | Legion Ultimate Support 1年間 |
価格 | 14.3万円~ |
※LHR(ライト・ハッシュ・レート)はマイニングのパフォーマンスが低くなるように設定されたGPU。マイニング以外の事は同じ性能
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはインテル12世代CPUで、ゲーミングPCに使われることが多いFシリーズが搭載です。基本的に通常版(例・末尾にアルファベットがないCore i5-12400など)と性能は変わりませんが、内蔵グラフィックが無効化されています。
メモリは最新のDDR5-4800MHzで、メモリスロット4つ・最大128GB搭載可能です!DDR5は価格が高いので、このクラスのゲーミングPCではDDR4を使用している機種も多いですが、さすがLenovoです。こだわってますね。
ストレージも最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、最大2枚搭載可能、HDDは3.5インチ SATA 7200rpmになり、最大2基の搭載が可能です。合計4つのストレージを搭載できるので、容量的に困る人はあまりいないと思います。
グラフィックボードはミドルクラスのGTX 1660 Superから、ミドルハイエンドのRTX 3070まで4種類が選べます。予算ややりたいゲームに合わせてグラボを選べるので、多くの人に購入しやすいようになっていますね。
また、RTXシリーズはLHR(ライト・ハッシュ・レート)というマイニングのパフォーマンスが低くなるように設定されたモデルなので、ゲームもマイニングもという人は注意が必要です。
その他のスペックはWindows 11 Homeで、Wi-Fi 6と最大1ギガビットイーサネット、電源は500Wで80PLUS Bronzeになります。
電源はRTX 3070と3060 Tiにしてはちょっと小さめで、80 PLUS GOLDじゃないですが、ここ以外は特に問題ない構成になっていると思います。あえて言えばスピーカーがないですが、ゲーミングPCだとヘッドフォンを使うことがほとんどなので、問題ないと思います。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Legion T550i>
旧モデルのLegion T550iとの比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | T550i | |
CPU | Core i5-12400F Core i7-12700F |
Core i5-10400 Core i7-10700 |
メモリ | 128GB DDR5 | 128GB DDR4 |
ストレージ | SSD+HDD | SSD+HDD |
GPU | GTX 1660 Super RTX 3060/3060 Ti RTX 3070 |
GTX 1650S/1660S RTX 2060/2070S/3070 |
LAN | Wi-Fi 6 ギガビットイーサネット |
|
寸法(幅×奥行×高) | 205 × 420 × 395㎜ | 185 × 457 × 456㎜ |
電源 | 500W | 400/650W |
重量 | 14㎏ | 14㎏ |
価格 | 10.3万円~ | 8.1万円~(現在販売終了) |
変更点です
・筐体の容積が若干下がった
・CPUが10世代から12世代に
・メモリがDDR4からDDR5に
・SSDがPCIe 3.0から4.0に
・最大電源ユニットが650Wから500Wに
・筐体がものすごくかっこよくなった
筐体の幅は少し大きくなりましたが、全体的に小さくなっています。また、電源が650Wだったのですが、これが500Wと小さくなっています。グラボはほぼ同じものを搭載できますが、CPU性能が高くなっているので、グラフィック性能も上がっています。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700F | |
---|---|
Core i5-12400 | |
Core i7-10700 | |
Core i5-10400 |
Legion T570iの特徴
サイドパネルがガラスケースになったので、すっごくかっこよくなりましたね。実際、ガラスケースじゃないのは本シリーズのみだったので、「ようやく」といった感じです。
RTX 3070搭載モデルは前面と背面パネルに120㎜のファンが1つずつあり、その他のモデルは背面ファンのみになります。
筐体は以前よりも2㎝幅広くなりましたが、奥行きと高さは低くなっており、ミニタワー寄りのミドルタワーといった感じです。
寸法は、幅205㎜、奥行き420、高さ395㎜で、おおざっぱに言うと、幅が500mlペットボトルの高さ1本分で、奥行きと高さは500mlペットボトル2本分のサイズになります。
重量は14㎏で、この筐体サイズにしては結構重たいですね。
正面です。前面部分はメッシュになっているので、風通しも良さそうです。
背面です。結構大きな通気口です。
左側面です。人気のOMENもそうですが、ここ最近のデスクトップは自作PCみたいにおしゃれですよね。また、中も結構スカスカで、エアフローは良さそうですね。
右側面です。
最大でフロントファン、リアファン、上部にもファンがあるようです。
拡張性はそこまでありませんが、
・PCI Express×16が1つ
・PCI Express×4が1つ
・PCI Express×1は0
・M.2 SSDは2つ
・3.5インチベイが2つ
になります。
天面です。
底面です。
CPU
Core i5-12400F | Core i7-12700F | |
製造プロセス | Intel 7 10nm | |
Pコア | 6 | 8 |
Eコア | – | 4 |
スレッド | 12 | 20 |
キャッシュ | 18MB | 25MB |
Pコア 最大/基本クロック |
4.4/2.5GHz | 4.8/2.1GHz |
Eコア 最大/基本クロック |
– | 3.6/1.6GHz |
ターボブースト | 4.4GHz | 4.9GHz |
Base Power Max Power |
65W 117W |
65W 180W |
Core i7-12700は高性能のPコアと省電力のEコアを搭載しており、ハイパフォーマンスと省電力性を兼ね揃えたプロセッサーです。Core i5はEコアはありませんが、6コア12スレッドと多コアですね。
こちらはPassmarkスコアの測定結果です。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900 | |
---|---|
Ryzen 9 5900 | |
Core i7-12700K | |
Core i7-12700F | |
Core i9-11900 | |
Core i5-12600 | |
Core i7-11700 | |
Core i5-12400F | |
Core i5-11400 | |
Core i3-10105 |
インテル12世代は消費電力が高いので、CPU性能はかなり高く、消費電力も高いですね。
グラフィックス
RTX 3070 | RTX 3060 Ti | RTX 3060 | GTX 1660S | |
GPUアーキテクチャ | Ampere | Turing | ||
プロセス | 8nm | 12nm | ||
CUDAコア | 5888 | 4864 | 3584 | 1408 |
RTコア | 46 | 38 | 28 | – |
Tensorコア | 184 | 152 | 112 | – |
ベースクロック | 1500MHz | 1410MHz | 1320MHz | 1520MHz |
ブーストクロック | 1730MHz | 1665MHz | 1777MHz | 1785MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 8GB | 8GB | 12GB | 6GB |
メモリバス帯域幅 | 448GB/s | 448GB/s | 360GB/s | 192Gbps |
TDP | 220W | 200W | 170W | 100W |
ご存じのように、レイトレやDLSSが使用できるのはRTXシリーズになり、GTX 1660 Superでは使うことができません。
NVIDIA GeForce RTXシリーズはリアルタイム レイトレーシングが可能で、3Dの描写が現実世界のように見えます。「レイトレーシング」とは、光線(光)がどのように動くか追跡して表現する技術で、これを「リルタイム」でシュミレートし描写する技術なんです。また、fpsを落とさずに画質を上げることが出来るDLSSにも対応しているので、より鮮明な映像が楽しめます。
DirectX 11で動作するFire Strikeと、DX12で動作するWQHD(2K/2560×1440)向けのTime Spyのスコアです
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3090 | |
---|---|
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
Radeon RX 6700 XT | |
RTX 2080 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2080S | |
RTX 2070S | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1660S | |
GTX 1650S |
Time Spy
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3090 | |
---|---|
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
Radeon RX 6700 XT | |
RTX 2080S | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2070S | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1660S | |
GTX 1650S |
ゲームベンチマーク
スコアの単位はfps(1秒間に更新されるコマ数)で、60以上が「快適」にプレイできる目安です。スペックや状況により数値は変動するので、参考値として見てください。また、画質は言及していない限り最高画質です。
RTX 3070 ゲームベンチマーク
青・・・FHD 赤・・・QHD
Watch Dogs Legion | |
---|---|
Horizon Zero Dawn | |
Red Dead Redemption 2 | |
Assassin’s Creed Odyssey | |
Monster Hunter World | |
Far Cry New Dawn | |
Cyberpunk 2077 |
RTX 3060 Tiです
RTX 3060 Ti ゲームベンチマーク
オレンジ色・・・高画質 青・・・最高画質 赤・・・QHD
Watch Dogs Legion | |
---|---|
Horizon Zero Dawn | |
Red Dead Redemption 2 | |
Assassin’s Creed Odyssey | |
Monster Hunter World | |
Far Cry New Dawn | |
Cyberpunk 2077 |
RTX 3060です
RTX 3060 ゲームベンチマーク
青・・・高画質 赤・・・最高画質
Watch Dogs Legion | |
---|---|
Horizon Zero Dawn | |
Red Dead Redemption 2 | |
Assassin’s Creed Odyssey | |
Monster Hunter World | |
Far Cry New Dawn | |
Cyberpunk 2077 |
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のDDR5-4800MHzで、メモリスロットは4つ・最大128GBにできます。旧モデルのメモリはDDR4-2933か2666だったので、60%以上処理速度が上がっています。
メモリは最大で128GBまで増設できるので、ゲームだけじゃなくクリエイティブワークも十分にできますね。
ストレージ
SSD(PCIe 4.0×4) | SSD(PCIe 3.0×4) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大64Gbps | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) | |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機には最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、HDDはSATA 7200rpmになり、それぞれ最大2基ずつ搭載が可能になっています。
こちらはシーケンシャル速度のおおよそのスコアで、HDDはおおよその最大速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
Wi-Fi 6に対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4/5GHz | 300Mbps |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
インテルWireless-AC 9560 2×2(Wi-Fi 5) | 2.4/5GHz | 1.7Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
また、ギガビットイーサネットにも対応しているので、通信環境は普通に良いと思います。
電源
電源は500W 80PLUS BRONZEになり、お世辞にも良いものとは言えませんが、ぎりぎり悪くないとも思います。
ですが、RTX 3070やRTX 3060 Tiのことを考えたら、もうちょっと大きな電源を搭載しないといけないですよね。
インターフェイス
上部インターフェイスは、USB 3.1 Gen 1が2つ、ヘッドフォン・マイクジャック、電源になります。
背面はUSB 3.1 Gen 1が2つ、USB 2.0が4つ、USB Type-C 3.1 Gen 2、LINE IN/OUT、HDMI、Display Portが3つ、そしてイーサネットコネクタになります。
USBのデータ転送速度は、USB Type-C のみ10Gbpsで、USB 3.1 Gen 1は5Gbpsになります。USB 2.0はマウスやキーボードなどの周辺機器を接続するもので、HDDやSSDなどのデータ移動には使いません(速度が遅いから)。
ちなみにLEDスイッチは、背面にあります。
インターフェイスは、配信など何をするにも必要十分なポートがあります。
サポート・保証
Lenovo製品には標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、万が一の際にLenovo指定業者がPCを引き取りに来て、リペアセンターに配送、修理後、郵送してくれるサービスで、保証期間内は郵送費などは無料です。
また、Legion Ultimate Support(最長4年まで延長可)という「ゲーミングに特化した24時間サポート」も1年付いており、このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。
ライバル機種
<左から本機種・OMEN 25L・OMEN 40L>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
OMEN 40L | OMEN 25L | 本機種 | |
CPU | Core i7-12700K | Core i7-12700F | Core i7-12700F Core i5-12400F |
メモリ | 64GB | 128GB | 128GB |
ストレージ | SSD×2+HDD×4 | SSD×2+HDD | SSD×2+HDD×2 |
グラフィックス | RTX 3070 RTX 3070 Ti RTX 3080 |
RTX 3060 RTX 3060 Ti |
GTX 1660S RTX 3060/Ti RTX 3070 |
冷却 | 水冷 | 空冷 | 空冷 |
電源 | 800W GOLD | 600W GOLD | 500W GOLD |
重量 | 18.7㎏ | 13.8㎏ | 14㎏ |
価格 | 25.4万円~ | 18.9万円~ | 14.3万円~ |
今回は価格とスペックがキレイに比例しているので、選びやすいと思います。
各機種の特徴です。
・本機種・・・電源が小さいため、低めのスペックを選ぶなら本機が一番だと思います。
・OMEN 25L・・・本機と似たようなスペックだが、ピンポイントにちょうど良いスペックが搭載。電源も十分
・OMEN 40L・・・とにかくかっこいい筐体で、スペックも高い。RTX 3080をお考えなら検討の価値あり
まとめ
・第12世代CPU搭載
・メモリが最新のDDR5
・SSD PCIe 4.0搭載
・ローエンドからミドルハイエンドのGPU
・LEDライティングがかっこいい
残念な点
・電源が小さい
・転送速度10GbpsのUSBが1つしかない
総合評価
CPUやメモリ、ストレージは最新スペックを搭載し、筐体もシースルーになっておしゃれになりましたね。自作にするかメーカー品にするかって悩むことあると思いますが、これだけおしゃれなら自作じゃなくてもいいかも・・・って思いますね。
本機はCPUやメモリ・ストレージ容量、そしてグラボは最大でRTX 3070と、全体的に高い性能ですが、先述した様に電源が小さいので、GTX 1660 SuperやRTX 3060を選ぶといいかなと思います。