低価格モデルのSlim 3シリーズですが、2022年ごろから上位モデルであるSlim 5シリーズと差があまりなく、しっかりとしたスペックになっています。
本機も最新スペックが満載で、Wi-Fi 6に対応しており、指紋センサーが統合された電源ボタン、そしてビジネスPC並みの高画質FHD Webカメラが搭載しています。
また、コンパクトな筐体で重量も1.37㎏と若干軽く、持ち運びに向いています。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 3.9] |
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コスパ | [usr 4.3] |
総合評価 | [usr 4.0] |
Contents
IdeaPad Slim 3i Gen 9のスペック
CPU | Core 3 100U Core 5 120U |
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メモリ | DDR5-5200 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS液晶 光沢なし |
OS | Windows 11 Home |
LAN | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD |
寸法(幅×奥行×高さ) | 324.3 × 213.8 × 17.9mm |
重さ | 約1.37㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) JEITA 2.0 |
最大約8.2時間(動画再生時) 最大約12.9時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 6.7万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはメインストリーム向けのCore Uプロセッサで、Core Ultraの下位モデルの位置づけです。下位モデルとは言え新しいCPUなので性能も高く、Core 5 120Uは約1.7万ほどのCPUマークスコアをつけています。
メモリはDDR5-5200MHzでオンボード最大16GBと十分な容量、ストレージはSSD PCIe 4.0で最大512GBとこちらも大容量です。
グラフィックはUltraとは違い今までのIris-Xeと同じで、Intel Graphicsと名称が変わりました。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)で視野角が広いIPS液晶、そして300ニトの輝度になります。
その他のスペックは、OSはWindows 11 Homeで無線はWi-Fi 6に対応、Webカメラは高画質FHDでプライバシーシャッター付き、そして電源ボタンに統合された指紋センサーがあるのでサインインは一瞬です。
14インチで1.37㎏とちょっと軽く、最大バッテリー駆動時間は約8.2時間と半日くらいは使えるバッテリー容量です。
インターフェイスはそこそこ十分にあり、USB Type-CはPowerDeliverとDisplayPort映像出力機能付きになります。電源コネクタはUSB Type-Cでなく通常の丸いACアダプタになり、この辺が低価格モデルかなと思います。
電源コネクタ以外はしっかりとしたスペックをしており、この価格の普段使い用PCとしては十分なスペックです。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | × | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.4㎏前後 | バッテリー10時間以上(JEITA 3.0) |
× | 〇 | 〇 | × |
低価格モデルなのでいくつかの項目は満たしていませんが。この3点が気になる方は、Thinkbookなどのビジネスモデルがおすすめです。
旧モデルとの比較
Gen 8が出なかったので、旧モデルは2022年発売のSlim 370i 14型になります。筆者も購入した機種ですが、コスパが高く満足いく機種でした。当時の価格は6.9万円からでしたが、性能が上がったGen 9は6.7万円からとより購入しやすくなっています。
また、2年前の機種と比較しても性能は全然違うので、スペックの比較は省略します。
それでは、以下にて特徴をご紹介します。
画面アスペクト比が16:10と縦に長い
画面アスペクト比が16:10の機種になります。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)とFHDに比べ縦に120ドットも長いので、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
さすがに15.6インチよりも情報量は少ないですが、一般的な14インチよりもより多くの情報が表示され、作業効率もアップします。
液晶はコントラスト比が高く視野角が広いIPS液晶で、光沢なし、そして輝度は300ニトになります。
こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
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250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見えるしっかりとしたスペックです。 |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
輝度もそこそこあり、情報表示量が多いので、外出先でも使いやすいです。
高画質FHD Webカメラ搭載
「あれ?」と思ったのですが、Slim 3シリーズにも高画質FHD Webカメラが搭載です。ここ最近はビジネス向けPCだとFHD画質が主流ですが、普段使いPCで、しかも下位モデルの本機がFHD画質というのはすごいです。
HD解像度のカメラと比べると全然解像度が高く、Web会議やビデオ通話で印象がアップしますね。また、プライバシーシャッターも搭載しており、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
スピーカーは1.5Wが2つ、デュアルマイクが搭載しており、こちらは標準的なものです。
その他の特徴
外観
ここ最近のLenovoの低価格モデルは、外観だけじゃわからなくなってきましたね。以前はベゼルが太かったり、やけに大きいとか重いとか一目でわかる低価格仕様でしたが、今は上位モデルとそん色ないですね。
寸法は幅324.3㎜、奥行き 213.8㎜、厚さ17.9㎜で、重量は1.37㎏とちょっと軽いです。
天板はシンプルで「Lenovo」のロゴがあるだけで、底面には幅広い通気口があります。
ラウンドエッジの筐体で、おしゃれです。MIL-STD-810H規格に準拠したテストもクリアしており、耐久性も高い機種です。
キーボード
84キーのフルサイズキーボードで、出荷されるのは日本語キー、バックライト付きでCopilotボタンもあります。コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIです。
タッチパッドは約104㎜×62㎜と小さいですが、使いにくいほどではないです。
電源ボタンに統合された指紋センサーが搭載しており、電源を入れたらサインインも完了しています。
CPU
Core 3 100U | Core 5 120U | |
Pコア | 2 | 2 |
Eコア | 4 | 8 |
スレッド | 8 | 12 |
キャッシュ | 10MB | 12MB |
ターボブースト | 4.7GHz | 5GHz |
Pコア最大周波数 | 4.7GHz | 5GHz |
Pコア基本周波数 | 1.2GHz | 1.4GHz |
Eコア最大周波数 | 3.3GHz | 3.8GHz |
GPU実行ユニット | 64EU | 80EU |
ベースパワー | 15W | 15W |
マックスパワー | 55W | 55W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
ちなみに今までのように「Core i」じゃなくなりましたが、中身は13世代Uシリーズのリフレッシュ版で、大きな変更はありません。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、PassMark Softwareが公表している数値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
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Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1335U | |
Core 5 120U | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U |
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機にはDDR5-5200が搭載で、オンボード最大16GBになります。動作周波数も高く、サクサク処理できます。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、512GBが搭載です。PCIe 4.0はデータ転送速度も速く、パソコンの起動も速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
Windows PCはWindows Defenderに守られていますが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル47WHrで、最大約8.2時間(動画再生時)になります。バッテリー駆動時間はそこそこ長いので、半日ほどの外出であれば十分だと思います。
充電時間は約3.5時間になります。
インターフェイス
インターフェイスは豊富じゃないですがそこそこ搭載しており、すべてのUSBポートのデータ転送速度は5Gbpsになります。電源コネクタがここ最近あまり見ない丸いタイプのもので、この部分は旧モデル感がでています。
左側面には電源コネクタ、USB 3.1 Gen 1、HDMI、USB 3.2 Gen 1 Type-C、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。USB Type-CはPowerdeliveryとDisplay Port映像出力機能です。
右側面には4 in 1メディアカードリーダーとUSB 3.2 Gen 1のみです。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
まとめ
良い点
・おしゃれな筐体
・画面比が16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示される
・高画質FHD Webカメラ
・電源ボタンに統合された指紋センサー付き
・MIL規格に準拠したテストをクリア
残念な点
・価格を考えると残念な点はないと言いたいが、電源コネクタがUSB Type-Cじゃないのは(Lenovoでは)めずらしい。
総合評価
6万円台の低価格モデルですが、しっかりとしたスペックをしており、コネクタ以外は特に気になる点もありません。
この価格で画面アスペクト比が16:10と縦に長く、メモリもストレージも最新モデルを搭載、指紋センサーも電源に統合されていて使い勝手が高いです。
また、低価格モデルと言えば筐体が大きかったり、重かったりすることが多いですが、本機はコンパクトな筐体で、14インチの平均重量・1.4㎏よりも若干軽いです。
持ち運びに向いており、外出先でも作業がしやすい機種です。