2024年4月に発売開始したIdeaPad Slim 3 Gen 8 AMDですが、海外では2023年に発売されており、日本では1年遅れになりました。
1年遅れなのでスペックは2023年のものがメインですが、6万円台から発売されているにもかかわらず、しっかりとしたスペックになっています。
最新スペックにこだわらないけど、サクサク使えるPCが欲しいという場合に合います。
Contents
IdeaPad Slim 3 Gen 8 14型 (AMD)のスペック
CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
---|---|
メモリ | DDR4 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | FHD |
寸法(幅×奥行×高さ) | 324.3 × 213.8 × 17.9mm |
重さ | 約1.37㎏ |
バッテリー | 最大約13.7時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 6.4万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはRyzen 7000シリーズが搭載で、普段使い用としてはかなり高い性能で、Ryzen 3でも約1.1万ほどのCPU Markスコアがあり、十分サクサク使えますね。
メモリはDDR4-3200MHzで最大16GB、ストレージはデータ転送速度が速いSSD PCIe NVMeで最大1TBと大容量です。
ディスプレイはFHD IPS液晶と一般的で、光沢なし、NTSC 45%の色域になります。
その他のスペックはOSにはWindows 11 HomeかProが選べ、無線は高速通信が可能なWi-Fi 6、そして指紋センサーが標準搭載です。
14インチで1.37㎏とちょっと軽めで、バッテリー駆動時間は最大約13.7時間とそこそこあるので、据え置き用兼持ち運び用に向いています。
AIコアであるNPUはありませんがLenovo AI Engineを搭載しており、適応性の高いSmart Power機能で、作業に基づいて、パフォーマンス、バッテリーライフ、熱効率を最大化します。AI EngineはゲーミングPCに搭載されるシステムでしたが、普段使い用の本機にも搭載しています。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
Ryzen 8000 | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
× | × | × | × |
Wi-Fi 6 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | × | 〇 | 〇 |
Copilotボタン | 生体認証 | バッテリー14時間以上 | NPU |
× | 〇 | × | × |
さすがに2023年の機種なので2024年のトレンドには沿っていませんが、いくつか丸もあり、価格も安いので悪くないと思います。
旧モデルとの比較
見落としがなければ、旧モデルは2021年発売のIdeaPad Slim 360 14 AMDになります。日本では、もう3年も新しい機種が出ていなかったんですね。変更点はこちらです。
・CPUがRyzen 7000シリーズにアップ(以前はRyzen 5000シリーズ)
・TN液晶がIPS液晶に
・HD WebカメラがFHDに
・バッテリー駆動時間が最大11時間から13.7時間に
・Wi-Fi 5が6に
・質量1.5㎏→1.37㎏
特徴
低価格モデルにしてはベゼル(画面の黒い枠)も細く、画面占有率は87%と高いです。低価格モデルですが、コンパクトですね。
寸法はこちらで、この価格のPCにしてはコンパクトで薄いと思います。
・幅 324.3㎜
・奥行き 213.8㎜
・厚さ 17.9㎜
質量は1.37㎏と、平均的な14インチの1.4㎏を下回っています。
シンプルなデザインでアークティックグレーと言う色で、どこにでも、誰にでも合いそうですね。
底面の通気口は大きくないですが、Ryzenプロセッサーなので発熱は心配ないと思います。
キーボードは84キーの日本語キーで、バックライト付きです。タッチパッドは104㎜×62㎜と大きくないですが、使いにくいサイズと言うわけでもありません。
ディスプレイは14インチのFHD解像度で、コントラスト比が高く視野角も広いIPS液晶になります。ここ最近のディスプレイは16:10と縦に長い機種が多いですが、本機は16:9になります。
色域はNTSC 45%と一般的な低価格モデルに採用されるものですが、このPCで画像編集などをしないと思うので、気にならないと思います。
輝度は意外に高く300ニトになり、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
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250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
高画質FHD Webカメラ搭載
意外と言ったら失礼ですが、ビジネスPCに採用されることが多い、高解像度FHD Webカメラ(207万画素)が搭載しています。
通常、低価格モデルや普段使いPCにはHD(約92万画素)が搭載されるので、本機はWeb会議やオンラインレッスンなどで相手により映りが良い自分が表示されます。
FHDとHDじゃ全然違いますね。
プライバシーシャッターもあるので、カメラを使っていないときは閉じておくと安心です。
Ryzen 7000シリーズ搭載
Ryzen 7 7730U | Ryzen 5 7530U | Ryzen 3 7330U | |
製造プロセス | 7nm | ||
アーキテクチャ | Zen 3 | ||
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 | 4/8 |
L3キャッシュ | 16MB | 8MB | |
ベースクロック | 2.0Hz | 2.3GHz | |
ブーストクロック | 4.5GHz | 4.3GHz | |
GPUコア | 8 | 7 | 6 |
TDP | 15W |
※Ryzen 3は非搭載
アーキテクチャはRyzen 5000シリーズと同じZen 3になり、TDPは省電力の15Wです。最大温度が95°と低いので、今までよりも長時間高負荷な作業がしやすくなっています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 14000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
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Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 7 5825U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 7330U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7520U | |
Ryzen 3 7320U |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1350P | |
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Ryzen 7 7735U | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1335U | |
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Core i5-1340P | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 7 7730U | |
Core i5-1350P |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
その他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 9 PRO 6950H | |
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Ryzen 7 6800H | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 7 7730U | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 5 7520U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1335U | |
---|---|
Ryzen 9 PRO 6950H | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 7 6800H | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7520U |
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
その他のCPUとの比較です。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1340P | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 7 5800U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5625U |
メモリとストレージは旧スペック
メモリはDDR4-3200MHzと最新のDDR5じゃないですが、最大16GBもあるし、普段使い用としては十分だと思います。
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。こちらはM.2スロットが最新のPCIe 4.0じゃなくPCIe 3.0×4で、最大1TBと大容量です。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
IdeaPadにはWindows標準搭載のWindows Defenderがあり、Natural File Guardという統合されたセキュリティで守られています。
より強固なセキュリティをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリーは47WHrが搭載で、最大約13.7時間とそこそこ長いバッテリー駆動時間があります。また、急速充電にも対応しており、約2時間で満充電になります。
インターフェイス
USBのデータ転送速度はすべて5Gbpsで、インターフェイスは必要十分にあると思います。
右側面インターフェイスは4-in-1 メディアカードリーダーと、USB 3.2 Gen 1です。
左側面インターフェイスは電源コネクタ、USB 3.2 Gen 1、HDMI、USB 3.2 Gen 1 Type-C(Fullファンクション)、そしてマイク/ヘッドフォンジャックです。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理になります。
引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
ライバル機種はすべて2024年モデルで、画面アスペクト比が16:10と縦に長い機種です。
IdeaPad Slim 3i Gen 9 14
画面比が16:10と縦に長く、14インチですが15インチ並みの情報が表示されます。DDR5にSSD PCIe 4.0が搭載、WEBカメラは高画質FHDと高めのスペックです。電源ボタンに統合された指紋センサーもついており、サインインは一瞬です。このスペックで6万円台からと、2024年モデルでTOP5に入るコスパが高い機種だと思います。
CPU | Core 3 100U Core 5 120U |
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メモリ | DDR5-5200 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1GB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS液晶 光沢なし |
LAN | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD |
重さ | 約1.37㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) JEITA 2.0 |
最大約8.2時間(動画再生時) 最大約12.9時間 |
価格 | 6.7万円~ |
>IdeaPad Slim 170 14型(AMD)
一応2024年モデルですが、その他の2024年モデルのような最新スペックは搭載していません。
低価格モデルのSlim 1シリーズですが、CPUはRyzen 7000シリーズと高性能で、メモリもSSDも標準的な品質のため、あまり安くないです。ディスプレイの品質がちょっと低いので、モニターに繋いで使う人に合うと思います。また、バッテリーはこのクラスにしては長い、11.2時間もあります
CPU | Ryzen 3 7320U Ryzen 5 7520U |
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メモリ | 8GB |
ストレージ | SSD 256GB |
ディスプレイ(14型) | FHD TN液晶 光沢なし 220nit |
無線 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0 |
生体認証 | なし |
重さ | 1.4㎏ |
バッテリー | 11.2時間 |
価格 | 6.8万円~ |
まとめ
良い点
・この価格にしてはCPU性能が高い
・Wi-Fi 6に対応
・高画質FHD Webカメラ搭載
・指紋センサー搭載
・14インチで1.37㎏とちょっと軽い
残念な点
・価格を考えると特になし
総合評価
本機は最新スペックを搭載していないですが、価格を考えるとすごく良いスペックだと思います。高性能のRyzen 7000シリーズが搭載し、指紋センサーにFHD Webカメラ、そしてWi-Fi 6にも対応しているし。
14インチで1.37㎏とちょっと軽いので、持ち運びにも向いていますね。
旧モデル中心のスペックですがサクサク使えるので、最新スペックにこだわらない人に向いています。