ヒンジが360度回転するIdeaPad 5i 2 in 1 Gen 9 16型です。
全体的に上位の普段使いモデルのスペックで、2 in 1 PCなのでどこででも使いやすい機種です。ただし、重量が2㎏もあるので、持ち運びというよりも自宅で使う人に向いています。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.1] |
---|---|
コスパ | [usr 3.9] |
総合評価 | [usr 4.0] |
Contents
IdeaPad 5i 2-in-1 Gen 9 16型のスペック
CPU | Core 5 120U Core 7 150U |
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メモリ | LPDDR5X 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(16型) | WUXGA IPS 光沢あり 2K OLED 光沢あり |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6/6E |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | Dolby Audio、2W×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 356 × 255 × 18.4mm |
重さ | 約2.0㎏ |
バッテリー | 最大約9.6時間 |
標準保証 | 1年間 |
付属 | Lenovoデジタルペン |
価格 | 11.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはメインストリーム向けのCore Uプロセッサで、Core Ultraの下位モデルの位置づけです。下位モデルとは言え新しいCPUなので性能も高く、Core 5 120UとCore 7-150Uは約1.7万ほどのCPUマークスコアをつけています。
メモリはLPDDR5X-4800MHzでオンボード最大16GBと十分な容量、ストレージはSSD PCIe 4.0で最大1TBとこちらも大容量です。
ディスプレイは16インチの大画面で、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)か2K(2048×1280ドット)の2種類があり、IPS液晶かOLEDディスプレイ、そして光沢ありのタッチパネルです。
色域はNTSC 45%(WUXGA)とDCI-P3 100%(2K)の2種類があり、DCI-P3 100%は動画編集をするようなクリエイターにも向いています。
そのほかのスペックはOSはWindows 11 HomeかProが選べ、無線はWi-Fi 6E(+1100円)かWi-Fi 6、そしてFHD Webカメラが搭載しており、指紋センサーも搭載です。
コンパクトな筐体ですが、2 in 1 PCとは言え重量は約2㎏と重たいので、家庭で使うのに向いています。タブレットモードやテントモードなどに形を変えるときは、一瞬とは言え重たいです。
重たい分バッテリー駆動時間は長めで、動画再生時は最大約9.6時間と長く、急速充電に対応しており約1.8時間で満充電です。
インターフェイスは必要十分にあり、普段使い用PCとしては特に問題ないです。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6/6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | △ | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | バッテリー10時間以上 | |
× | 〇 | △ |
普段使いPCなのでThunderbolt 4は搭載していませんが、その他はほぼ搭載です。バッテリー駆動時間は最大9.6時間と、ちょっとだけ10時間に届きません。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/旧モデル>
旧モデルのIdeaPad Flex 5i Gen 8との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
CPU | Core 5 120U Core 7 150U |
Core i5-1335U Core i7-1355U |
メモリ | LPDDR5X-4800 16GB | LPDDR4X-4266 16GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 1TB | |
ディスプレイ | WUXGA IPS 2K OLED |
WUXGA/WQXGA IPS |
無線 | Wi-Fi 6/6E | Wi-Fi 6 |
バッテリー(JEITA 2.0) | 17.6時間 | 17時間 |
重量 | 2.0㎏ | 2.1㎏ |
寸法 | 356 × 255 × 18.4㎜ | 357.8 × 253.9 × 18.7㎜ |
主な変更点です。
・CPUが14世代に
・メモリがLPDDR5Xにアップグレード
・2.5K(WQXGA)がなくなり2Kが追加
・最高色域がDCI-P3 100%に
・Wi-Fi 6Eが追加
・バッテリー駆動時間がちょっと上がった
・100g軽くなった
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1335U | |
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Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core i7-1355U |
スコアは似たようなものですが、13世代のCore i5は高いスコアでした。
2 in 1 PC
2 in 1 PCはヒンジが360°回転する仕様で、いろいろなモードに変形できるので、いろんな状況で使いやすいです。
右上の写真から時計回りに、
・タブレットモード
・テントモード
・通常のクラムシェルモード
・スタンドモード
です。
タブレットモード時はタブレットの様にして使えるので、付属のLenovoデジタルペンでメモを取ったり、イラストを描いたりしやすいです。ただし本機は16インチで2.0㎏もあるので、片手で持ってペンを使ったりなどの作業は難しいです。
テントモードはベッドに寝転んで使ったりするときに、底面にある吸気口を塞がないので筐体が熱くなりにくいです。また、ディスプレイが大きいので、迫力ある映像を楽しめますね。
スタンドモードはペンや指で操作するときに使いやすいです。
画面アスペクト比が16:10と縦に長い
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。
解像度はWUXGA(1920×1200ドット)かちょっと高精細の2K(2048×1280ドット)の2種類があり、WUXGAはIPS液晶で色域はNTSC 45%になります。2KディスプレイはOLEDディスプレイを採用し、高色域のDCI-P3 100%になります。画像・動画編集をするような人に向いています。
画像左(NTSC 45%)と比べると、右のDCI-P3 100%のディスプレイは全然色が違いますね。OLEDディスプレイは完全な黒を描写でき、コントラスト比は10万対1と高くメリハリのあるリアルな描写が可能です。
輝度はIPS液晶が300ニト、OLEDディスプレイは400ニトになり、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
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250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見えるしっかりとしたスペックです。 |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
また、どちらのディスプレイもタッチパネルで、ペンでも指でも操作が可能です。
画面が大きいので子供と一緒にお絵かきをしたり、動画を見たり、知育系のアプリをやったりと、子供がいる家庭でも使いやすいです。
高画質FHD Webカメラ搭載
WEBカメラは高画質FHDで、一般的にビジネスPCに採用されるスペックです。
HD解像度のカメラと比べると全然解像度が高く、Web会議やビデオ通話で印象がアップしますね。プライバシーシャッターも搭載しており、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
スピーカーはちょっと大きめの2Wが2つ、デュアルマイクが搭載しており、こちらは標準的なものです。
Windows 11 Proも選べる
IdeaPadでは珍しく、Windows 11 Proも選択可能です。 リモートデスクトップをホストしたり、Hyper-Vを使う人はProが良いです。
たったの5500円でアップグレードできるので、安いですね。
その他の特徴
外観
狭額ベゼルの筐体で、16インチの大きな画面がより大きく見えます。スタイリッシュですね。
表面にはAl陽極酸化スタンピングを施したアルミニウムを使用し、天板はアルミニウムを使用しています。
寸法は幅356㎜、奥行き255㎜、そして厚さ18.4㎜とコンパクトです。ただし、重量は2㎏と重く、筐体を持ち上げることが多い2 in 1 PCとしては使いやすいわけじゃありません。
持ち運びがしやすい重さじゃないですが、米軍の物資調達規格であるMIL規格の耐久性基準を満たしており、安心して使えます。
通気口は幅広く、がっつりとフレッシュエアーを吸ってくれそうです。天板はシンプルで、Lenovoのロゴがあるだけです。
キーボード
キーボードは84キーで出荷されるのは日本語キー、バックライトやCopilotボタン、テンキーもあります。コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIです。
タッチパッドは約120㎜×75㎜と大きく、操作性も高いです。
キーボード右下には指紋センサーがあり、サインインも一瞬です。
CPU
Core 3 100U | Core 5 120U | Core 7 150U | |
Pコア | 2 | 2 | 2 |
Eコア | 4 | 8 | 8 |
スレッド | 8 | 12 | 12 |
キャッシュ | 10MB | 12MB | 12MB |
ターボブースト | 4.7GHz | 5GHz | 5.4GHz |
Pコア最大周波数 | 4.7GHz | 5GHz | 5.4GHz |
Pコア基本周波数 | 1.2GHz | 1.4GHz | 1.8GHz |
Eコア最大周波数 | 3.3GHz | 3.8GHz | 4GHz |
GPU実行ユニット | 64EU | 80EU | 96 |
ベースパワー | 15W | 15W | 15W |
マックスパワー | 55W | 55W | 55W |
※Core 3は比較のため記載しています
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
ちなみに今までのように「Core i」じゃなくなりましたが、中身は13世代Uシリーズのリフレッシュ版で、大きな変更はありません。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、PassMark Softwareが公表している数値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
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Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1335U | |
Core 5 120U | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U |
Core 5の性能はかなり高めで、ビジネス用途でも十分なほどです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5X-4800MHzで、オンボード最大16GBになります。動作周波数も高く、処理速度も速いです。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、512GBか1TBが搭載できます。データ転送速度も速く、パソコンの起動も速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
Wi-Fi 6/6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6か6Eが選べ、Wi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。
LTE/5Gは無し
LTEや5Gはないので、外出先で無線につなぐときはスマホのテザリングや店舗のWi-Fiを使用することになります。
テザリング用の格安SIMなら、楽天最強プランがおすすめです。筆者はIIJmioでドコモ回線20GB/月 約2000円と、楽天最強プランを契約していますが、月に20GB以上使うのであれば楽天がお得です。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル57Whrで、最大約9.6時間(動画再生時)のバッテリ駆動時間があります。また、急速充電に対応しており、約1.8時間で満充電になります。
インターフェイス
インターフェイスは必要十分なものが搭載しており、2つあるUSB Type-CはどちらもDisplayPort出力機能付き、Powerdelivery対応になります。モバイルモニターやUSB Type-C搭載のモニターが使えるので、作業効率も上がります。
各インターフェイスです。
- HDMI
- USB 3.2 Gen 2 Type-C(データ転送速度は10Gbps)
- USB 3.2 Gen 2 Type-C(データ転送速度は10Gbps)
- マイク/ヘッドフォンジャック
- 電源ボタン
- microSDカードリーダー
- USB 3.2 Gen 1(データ転送速度は5Gbps)
- USB 3.2 Gen 1(データ転送速度は5Gbps)
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
IdeaPad Slim 3i Gen 9 16
6万円台からと低価格ですが、16インチの大画面でアスペクト比が16:10と縦に長く、17インチ並みの情報が表示されます。指紋センサーやWi-Fi 6、そしてFHD Webカメラが搭載と、6万円台のPCとは思えないスペックです
CPU | Core 3 100U Core 5 120U Core 7 150U |
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メモリ | DDR5-5200 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1GB |
ディスプレイ(16型) | WUXGA IPS液晶 光沢なし |
LAN | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD |
重さ | 約1.74㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) JEITA 2.0 |
最大約7.7時間(動画再生時) 最大約13.9時間 |
価格 | 6.6万円~ |
IdeaPad Slim 5i Gen 9
普段使い用のPCとは思えないスペックで、インターフェス以外は全体的にハイエンドモデルです。特にグラフィック性能が高く、計測したベンチマークは、GTX 1650 Max-Qよりもすべて高かったです。ディスプレイは最高でOLED+DCI-P3 100%を選べるので、クリエイターにも合う機種です
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | Intel Arkグラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS/OLED |
無線 | Wi-Fi 6/6E |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | FHD、FHD+IRカメラ |
重さ | 1.46㎏ |
バッテリー | 最大約19.6時間(動画再生時) |
価格 | 約12万円~ |
まとめ
良い点
・コンパクトでおしゃれな筐体
・2 in 1 PCなのでどこででも使いやすい
・画面比が16:10で、16インチでも17インチ並みの情報が表示される
・OLEDディスプレイで高色域のDCI-P3 100%あり
・FHD Webカメラ
・Wi-Fi 6Eに対応
・2つあるUSB Type-Cはフルファンクション
残念な点
・重たい
総合評価
最新スペックが満載した機種で性能も高く、2 in 1 PCなのでどこででも使いやすい機種です。また、普段使い用PCとしては珍しく、フルファンクションのUSB Type-Cが2つあり、データ転送速度も10Gbpsと速いです。
筆者も16インチの2 in 1 PCを持っていますが、やっぱろ画面が大きいので見やすい・使いやすいんです。ただし、重量は2㎏もあるので、持ち運びがしやすいわけではありません。自宅内移動くらいであれば問題ないので、持ち運びをお考えの人は、14インチをおすすめします。