Lenovoのフラッグシップモデルである、ThinkPad X1 Carbon Gen 11のレビューです。
ビジネスモデルの最高峰モデルなので、細かい部分までこだわって作られており、全体的な品質が高いです。
旧モデルのGen 10からそこまで大きく変化はしていませんが、価格もほぼ据え置きで、お得感があります。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.8] |
---|---|
コスパ | [usr 4.7] |
総合評価 | [usr 4.8] |
レビュー機はLenovo様からお借りしており、スペックはCore i5-1335U、メモリ16GB、ストレージ256GBになります。
サクッと概要をつかみたい方は、こちらのYoutubeをどうぞ。
ThinkPad X1 Carbon Gen 11のスペック
CPU | Core i5-1335U/1345U Core i7-1355U/1365U Core i7-1370P |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS 2.2K IPS 2.8K OLED |
OS | Windows 11 Home/ Pro Windows 11 Pro(Windows 10へのダウングレード権行使) |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | FHD、FHD&IRカメラ、FHD&IRカメラ、MIPI |
オーディオ | ドルビーアトモス |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315.6 × 222.5 × 15.36㎜ |
重さ | 1.12㎏~ |
バッテリー | 最大約28.5時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 20.7万円~ |
<性能評価>
Evoプラットフォーム認証を得た機種で、とにかく快適に使えます。詳しくは後述していますが、スリープからの復帰が1秒以内だったり、Wi-Fi 6EやフルHDのWebカメラを搭載・・・など多くのルールがあるのですが、基本的に「超快適に使えるノートパソコン」のみに与えられる認証です。
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第13世代で、省電力モデルのUシリーズと、パワフルなPシリーズがあります。Uシリーズはバッテリー駆動時間が長くなりますが、Pシリーズほどの性能はありません。
メモリはLPDDR5-6400MHzと旧モデルと同じく最高品質ですが、最大容量が倍増の64GBになっています。まぁ、正直言ってグラボがないPCで64GBも必要な人は少ないですが、選択肢が増えたことは良いことだと思います。
ストレージも同じく最新のSSD PCIe 4.0で、最大2TBと大容量です。
ディスプレイは多くの種類が選べ、最高で2.8K OLED液晶になっています。色域もDCI-P3 100%と広く、クリエイター向けの品質です。また、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15.6インチ並みの情報が表示されます。
重さはたったの1.12㎏~と軽く、最大バッテリー駆動時間が約28.5時間もあるので、外出先でも思いっきり作業ができます。
その他のスペックは顔認証や指紋センサーが搭載可能で、最新規格のWi-Fi 6Eに対応、オプションでLTEや5Gも搭載可能、Webカメラも高品質で高解像度です。
オーディオやマイク、スピーカーも最高峰のものが多く搭載しており、文句の付け所がない機種です。
2023年のトレンドと比較
2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
12/13世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.4㎏前後 | バッテリー14時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Gen 10>
ちょっと大きさが違うように見えますが、全く同じ大きさで、同じ筐体です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Gen 10 | |
CPU | Core i5-1335U/1345U Core i7-1355U/1365U Core i7-1370P |
Core i5-1240P/1250P Core i7-1260P/1270P/1280P |
メモリ | 64GB | 32GB |
ストレージ | SSD 2TB | |
ディスプレイ | WUXGA/2.2K IPS液晶 2.8K OLED液晶 |
WUXGA/2.2K/4K UHD IPS液晶 2.8K OLED液晶 |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE/5G | |
バッテリー | 28.5時間 | 24.9時間 |
重量 | 1.12㎏~ | |
寸法 | 315.6 × 222.5 × 15.36㎜ |
主な変更点です。
・CPUが13世代に
・メモリが倍増の64GBに(メモリの種類は同じLPDDR5-6400)
・バッテリー駆動時間が伸びた
・4K UHDディスプレイがなくなった
Gen 10と同じ筐体を使用しており、中身が若干変わったブラッシュアップモデルですね。4Kディスプレイがなくなったので、影響がある人もいると思います。メモリが64GBになったのはうれしいです。
とは言え、メモリ64GBを購入する人は少ないと思うので、実質変わったところはCPU性能かなと思います。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core i7-1370P | |
---|---|
Core i5-1340P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1365U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1345U | |
Core i5-1335U |
Evoプラットフォーム認証
第13世代CPUのEvoプラットフォームは、Project Athenaから数えて第4世代のEvoになります。CPUで言えば11、12、13世代のインテルCPUに、Evo認証があります。
ただし、13世代CPUを搭載していたらEvo認証を得るわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
- Iris Xeグラフィックス搭載の第13世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制機能搭載
- Thunderbolt 4搭載
- ノートパソコンであること
- Intel Unisonのサポート
12世代のEvo認証の要件に、「Intel Unisonのサポート」が追加されました。これは、スマホとPCをリンクして、PC上でスマホのデータをコピペしたり、スマホをPC上で操作できるものです。今も「スマートフォン連携」と言うアプリがありますが、これの連絡先にiPhoneも加わりました。
代々、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。
ThinkPad X1 Carbon Gen 11の特徴
X1シリーズは他のThikPadと違い、高級感がありますね。特に本機はカーボンファイバーとマグネシウム合金なので、マグネシウムやアルミニウムのみを使用した機種とは一味違います。
ベゼル幅は右5.8㎜、左6.0㎜、上部10㎜、下部約13.2㎜でした。耐久性を意識した機種なので超極細ではないですが、十分細くおしゃれになっています。
寸法は
・幅315.6㎜
・奥行き222.5㎜
・厚さ15.36㎜
とかなりコンパクトで、小さめのかばんにもすっぽり入ります。厚さも15.36㎜と薄いので、掴みやすいです。
重量は1.12㎏からと14インチではかなり軽量ですが、スペックにより重さは変わります。
レビュー機は1260gで約140gほど重く、筆者が使っているGen 10は1136gとかなり軽量でした。レビュー機はLTEモデルなので、重くなったのかなと思います。
これ、エンジニアなどにはすっごく助かるんですよね。ディスプレイはほぼ180度開くことができるので、地べたに座って作業をすることがある人にも使いやすいです。
天板は通常の物とカーボン柄があります。スペックによって変わるので、どのモデルでもカーボン柄を選べるわけではありません。上の写真はカーボン柄ですが、ちょっと見にくいですね。
アップです。編み込み柄になっていますね。
こちらはGen 10で、ブラックペイントの天板です。
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。安心して使える、高品質な機種です。
ディスプレイは指1本で、開けることができます。これって、便利なんですよね。片手に書類やコーヒーを持っているときでも、簡単に開けることができます。
底面には吸気孔があり、結構小さめで、ヒンジ部分にある排気口も小さいです。重たい作業をしているとそこそこ温度が上がるので、通気孔が大きくなってたらよかったなと思います。
と言うことで、排熱性能を確認してみます。
排熱性能
Cinebench R23と言うCPUをフルパワーで使うベンチマークを計測時に、CPU温度を測りました。
温度がケルビンで表記されているので摂氏にすると、平均65°(ケルビンでは338°)、最大75度になっています。
しっかりと排熱されているようです。温度が低いですね。
生体認証に顔認証と指紋センサーを搭載
電源ボタンと統合された指紋センサーが標準搭載で、電源を入れたらサインインも完了しています。ひと手間減って、より快適に使えますね。
また、オプションで顔認証のIRカメラも搭載できるので、どちらででもサインインできます。
カメラ周り
Webカメラは高品質で、カメラのf値が2.0と低く多くの光量を取り入れることができるので、より明るく、より良い映像が撮れます。
カメラは
・1080p(IRなし)
・1080p+IR(ハイブリット)
・1080p+IR+MIPI(人感検知)
の3種類があり、1080p+IR+MIPIは独立した2眼カメラになっています。1080p+IRはハイブリットカメラのようです。
上の画像は本機1080p+IR+MIPI(人感検知)と、Gen 10の1080p+IRハイブリットカメラの比較で、ズームして見てもらうとわかりますが、どちらも高精細です。
ただし、1080p+IR+MIPIのカメラはMIPI接続カメラもあるので、より優れたフレームレートや解像度になっています。
人感検知機能(MIPI)はLenovo Vantageからスマートセンサーをオンにして、ゼロタッチログインやゼロタッチロックの設定ができます。Vantageではユーザー存在センサーと、変な日本語になっていますね(笑)
すっごく便利な機能です。
天板上部には360°集音マイクが4つ搭載しており(写真の小さな丸)、「周囲の騒音のカットや複数人の会議参加時に自動的に音量を調整する」Dolby Voiceにも対応しています。
1人でも複数人でも、Web会議がしやすい仕様です。
スピーカーは2Wが2つ、0.8Wが2つの合計4つになり、キーボード横と底面にあります。一般的なノートパソコンにはスピーカーは2つなので、4つになると聞きやすさも上がります。また、オーディオはDolby Atmosなので、より臨場感のある音響です。
個人的に、今まで聞いた中でTOP3に入る音質で、ハイエンドタブレット並みだと思います。
キーボード
<日本語キー>
<英語キー>
キーピッチは縦横19.2㎜と大きめで、キーストロークは約1.5㎜と、筐体が厚いThinkPadに比べると打鍵感が少し下がります。それでも、キーが湾曲しているのでタイピングはしやすいです。
タッチパッドは56㎜×110㎜になり、幅は大きめですが、縦はクリック部分があるために若干短いです。ただし、ガラス製なので操作性は高いです。
ThinkPadは「Ctrl」と「Fn」の位置が通常と逆ですが、Lenovo Vantageよりワンクリックで変更できます。
ThinkPadでは英語キーか日本語キーか選べるのですが、打鍵感などは同じです。筆者は日本語キーのごちゃごちゃした感じが嫌いなので、基本的に英語キーを選びます。
CPU
i5-1345U | i5-1335U | |
コア(P/Eコア) | 10(2/8) | |
スレッド | 12 | |
Pコアクロック | 1.6GHz | 1.3GHz |
Pコア最大クロック | 4.7GHz | 4.6GHz |
Eコアクロック | 1.2GHz | 0.9GHz |
Eコア最大クロック | 3.5GHz | 3.4GHz |
L3キャッシュ | 12MB | |
GPU | 80EU | |
ベース/マックスパワー | 15/55W |
i7-1365U | i7-1355U | ||
コア(P/Eコア) | 10(2/8) | ||
スレッド | 12 | ||
Pコアクロック | 1.8GHz | 1.7GHz | |
Pコア最大クロック | 5.2GHz | 5.0GHz | |
Eコアクロック | 1.3GHz | 1.2GHz | |
Eコア最大クロック | 3.9GHz | 3.7GHz | |
L3キャッシュ | 12MB | ||
GPU | 96EU | ||
ベース/マックスパワー | 15/55W |
こちらPシリーズ搭載モデルはCore i7-1370Pのみ販売されていますが、いつも通りであれば、他のCPUも追加されると思います。
i7-1370P | i7-1360P | i5-1350P | i5-1340P | |
コア(P/Eコア) | 14(6/8) | 12(4/8) | ||
スレッド | 20 | 16 | ||
Pコアクロック | 1.9GHz | 2.2GHz | 1.9Hz | |
Pコア最大クロック | 5.2GHz | 5.0GHz | 4.7GHz | 4.6GHz |
Eコアクロック | 1.4GHz | 1.6GHz | 1.4GHz | |
Eコア最大クロック | 3.9GHz | 3.7GHz | 3.5GHz | 3.4GHz |
L3キャッシュ | 24MB | 18MB | 12MB | |
GPU | 96EU | 80EU | ||
ベース/マックスパワー | 28/64W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
Core i5-1345UとCore i7-1365UはvPro対応で、企業で一括管理をしたい場合などに向いています。
こちらはCPUの性能を測るCPU markスコアで、Core i5-1335Uは13220となりました。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1370P | |
---|---|
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 7730U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7530U | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1365U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1345U | |
Core i5-1335U/平均 | |
Core i5-1335U/本機 | |
Core i5-1235U |
本機のスコアは伸び悩み、前世代のCore i5-1235Uの平均とほぼ同じスコアでした。
※平均値はPassMark Software社の平均値
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
本機は、マルチコア6972、シングルコア2319と、シングルコアが若干高めでした。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-13700H | |
---|---|
Core i5-13500H | |
Core i5-1350P | |
Core i5-1340P | |
Core i7-1370P | |
Core i5-13420H | |
Core i7-1360P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U/平均 | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1345U | |
Core i7-1365U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U/Carbon Gen 11 | |
Core i3-1315U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900H | |
---|---|
Core i7-1355U | |
Core i7-1370P | |
Core i7-13700H | |
Core i5-13500H | |
Core i5-13420H | |
Core i5-1335U/Carbon Gen 11 | |
Core i5-1340P | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1345U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U/平均 | |
Core i3-1315U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 7 7730U | |
Core i5-1350P | |
Core i7-1365U |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
本機はマルチコア5104、シングルコア1514と低調なスコアでした。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-13700H | |
---|---|
Core i5-13420H | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U/x1 carbon Gen 11 |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1355U | |
---|---|
Core i7-13700H | |
Core i5-13420H | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U/x1 carbon Gen 11 | |
Core i5-1235U |
PCMark10
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・5000以上・・・超ハイスペック(グラボ搭載機種はこれ以上)
・4000以上・・・ハイスペック
・3000以上・・・中位モデル
・2000以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は4858→ハイエンドではないが高い性能
- Essentialは9383→通常用途やビデオ会議などかなり使いやすい
- Productivityは6452→高速に使える
- Digital content creationは5141→外付けGPU無しにしては高い性能
その他のCPUとの比較です。
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i5-1240P | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1135G7 | |
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11 | |
Core i7-1355U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i5-1235U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
---|---|
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1355U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1340P | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
---|---|
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1355U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11 | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1135G7 |
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
本機のCore i5-1335Uは2686と悪くないスコアで、標準的な性能です。
他のCPUとの比較です。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U |
グラフィック性能を測るために、ドラゴンクエストXとファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレのベンチマークを計測しました。
FFは標準品質ノートPCで5386・普通、ドラクエは標準品質で5150・快適でした。悪くないスコアです。
その他のCPUとの比較です。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5345U | |
Core i3-1115G4 | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355 | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1340P | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11 | |
Core i5-1235U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1240P | |
---|---|
Core i7-1355U | |
Core i7-1260P | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11 | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U |
ディスプレイ
ディスプレイは多くの種類があり、全モデル光沢なしになります。2番めのタッチパネルも光沢なしなのは、珍しいですね。光沢ありだと反射して見づらいですしね。
多くのモデルがありますが、一番最初のディスプレイを選ぶ人が多いと思います。
・WUXGA IPS sRGB 100% 400nit 省電力
・WUXGA IPS sRGB 100% 400nit ブルーライト軽減パネル タッチパネル
・WUXGA IPS sRGB 100% 500nit タッチパネル Think Privacy Guard
・2.2K IPS sRGB 100% 300nit
・2.8K OLED 反射汚れ防止 DCI-P3 100% 400nit
2.8K | 解像度は2880 × 1800ドット |
---|---|
2.2K | 解像度は2240 × 1400ドット |
WUXGA | 解像度は1920 × 1200ドット |
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15.6インチ並みの情報が表示されます。
より多くのものが一度で見て取れるので、作業効率もアップです。
IPS液晶モデルはすべてsRGB 100%で、Web用画像編集をするクリエイター向けの色域です。2.8KのOLED液晶はデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%と広色域で、動画編集向きです。
レビュー機は「WUXGA IPS sRGB 100% 500nit タッチパネル Think Privacy Guard」になり、i1 Display proで色域を計測しました。
sRGBカバー率は97.6%、sRGB比は105.6%でした。
こちらは、右から2.8K OLED DCI-P3 100%、WUXGA IPS sRGB 100%、そして一般的なPCに搭載のFHD IPS NTSC 45%になります。同じものを見ても、全然違う色ですね。
sRGB 100%はWeb用画像編集に向いており、DCI-P3 100%はデジタルシネマ規格で、動画編集に合う色域です。
<レビュー機はPrivacy Guard搭載モデルで500ニトだが、暗い>
輝度は300ニト~500ニトとなっており、屋外で使うことが多い人は400ニト以上のディスプレイをお勧めします。なぜだか分かりませんが、2.2Kディスプレイのみ300ニトとこの中では低く、室内では十分な明るさですが、晴れた屋外で使用すると暗いと思うことが多いです。
Privacy Guard液晶は、内蔵されたフィルターで横からののぞき見を防止する機能です。若干輝度が下がりますが、横からはかなり見にくくなるなので、カフェなどで作業をすることがある人は、あったら便利です。
こちらはPrivacy Guardを、OnとOffにした時の比較です。輝度は最大輝度で、Privacy GuardはLenovo Vantageでワンクリックで設定が可能です。
当然、正面から見るときも暗くなります。
輝度を計測したら473ニトと高かったですが、Privacy Guardがある液晶なので、実際はこの数値ほどの感じはしませんでした。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリは旧モデルと同じくLPDDR5-6400MHzで、処理速度はかなり速いですが、Memory Markで計測したら2673と、そこそこの数値でした。筆者所有のGen 10(32GB)が3129なので、ちょっと見劣り感があります。
また、今までは最大32GBまででしたが、最大64GBまで搭載できます。
他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
DDR5-4800MHz平均 | |
---|---|
LPDDR4-4266MHz平均 | |
X1 carbon Gen 11/LPDDR5-6400 16GB | |
LPDDR5平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージも最高のSSD PCIe 4.0×4が搭載で、パソコンの起動など何をするにしてもサクサクです。
シーケンシャル速度を計測したら、リード3890MB/秒、ライト2284MB/秒とビジネス用途でも快適に使える速度でした。ただし、PCIe 4.0にしては遅いです。
256GBのSSDはPerformanceモデルじゃないので、このせいで速度が上がらなかったのかなと思います。512GB以上のSSDは、Performanceモデルになっています。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動速度を5回計測しようと思いましたが、3回やってすべて同じ時間なので、3回にします。
- 22秒
- 22秒
- 22秒
起動速度はあまり速くないですね。
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
この様に、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
LTE/5G搭載可能
LTEはFibocom L860-GL CAT 16で、5G Sub6のFibocom FM350-GLが搭載可能です。
L860-GLのダウンロードは最大1Gbps、アップロードは最大75Mbps、Fibocom FM350-GLのダウンロードは最大4.7Gbps、アップロードは最大1.25Gbpsと超高速です。
本機はFibcom L860が搭載で、楽天の最強プランを契約しているSIMカードで速度を計測しました。
下り66Mbps、上り19Mbpsと、悪くない速度です。
LTE用の格安SIMなら大手のIIJmioか、楽天最強プランおすすめです。筆者はIIJmioでドコモ回線20GB/月 約2000円と、楽天最強プランを契約していますが、月に20GB以上使うのであれば楽天がお得です。
バッテリー駆動時間
バッテリーも旧モデルと同じ57Whrになりますが、最大24.9時間だったバッテリー駆動時間が、最大28.5時間と伸びています。
省電力性能が高まっていますね。
これだけバッテリーが持つので、丸一日十分に使えると思います。
選べる充電アダプタ
<45W/65W/65WスリムACアダプター>
アダプタは上記3種類が選べ、持ち運びや出張が多い人はスリムアダプターがおすすめです。
45Wと65Wアダプターどちらを使用しても、性能的にはそこまで変わりませんが、急速充電を使う場合は65Wになります。(45Wと65Wの性能差比較記事はこちら)
インターフェイス
インターフェイスは豊富ではないですが、SDカードリーダーがない点を除けば、十分にあると思います。Thunderbolt 4も2つあるので、ドックやハブがあれば外出時に多くのケーブルを抜き差ししなくて済みます。
Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。
右側面インターフェースにはマイク/ヘッドフォンジャック、nanoSIM(LTEモデルの場合)、USB-A 3.2 Gen 1、そしてセキュリティスロットがあります。
左側面インターフェースはUSB4(Thunderbolt 4)が2つ、USB-A 3.2 Gen 1、そしてHDMIになります。
USB-A 3.2 Gen 1はデータ転送速度が5Gbpsになりますが、このクラスのPCなので転送速度が10GbpsのUSB-A 3.2 Gen 2があったらなお良かったですね。
それでもUSB4(Thunderbolt 4)が2つもあるので、困る事は無いと思います。
Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
- (規格上)最大100Wまでの給電が可能
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
まとめ
良い点
・最高峰のビジネスノートPCで、最新スペック満載
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・カーボン素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・画面比が16:10で、14型でも15.6型並みの情報が表示される
・カメラやマイクなど総合性能と品質が高い
・バッテリー駆動時間がかなり長い
残念な点
・価格が据え置きなのでよいですが、旧モデルからそこまで変化がない
総合評価
総合的に見てもハイエンドPCで、文句の付け所もないと思います。価格も20.7万円からと、ハイエンドビジネスPCとしては手ごろな価格で、最高峰のビジネスPCなので仕事もサクッと終わらせることができると思います。
ただし、旧モデルから性能はあまり上がっておらず、下がった個所もあったので、