Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11の実機レビュー 13世代インテルCPU搭載

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Lenovoのフラッグシップモデルである、ThinkPad X1 Carbon Gen 11のレビューです。

ビジネスモデルの最高峰モデルなので、細かい部分までこだわって作られており、全体的な品質が高いです。

旧モデルのGen 10からそこまで大きく変化はしていませんが、価格もほぼ据え置きで、お得感があります。

当サイトの評価は、このようになりました。

スペック [usr 4.8]
コスパ [usr 4.7]
総合評価 [usr 4.8]

レビュー機はLenovo様からお借りしており、スペックはCore i5-1335U、メモリ16GB、ストレージ256GBになります。

サクッと概要をつかみたい方は、こちらのYoutubeをどうぞ。

Lenovoでは11/28までブラックフライデーセール を開催中で、割引+ポイントが最大で10倍還元+小型アダプタ110円!

ThinkPad X1 Carbon Gen 11のスペック

CPU Core i5-1335U/1345U
Core i7-1355U/1365U
Core i7-1370P
メモリ 最大64GB
ストレージ SSD 最大2TB
グラフィックス 内蔵グラフィックス
ディスプレイ(14型) WUXGA IPS
2.2K IPS
2.8K OLED
OS Windows 11 Home/ Pro
Windows 11 Pro(Windows 10へのダウングレード権行使)
無線 Wi-Fi 6E
生体認証 顔認証、指紋センサー
WEBカメラ FHD、FHD&IRカメラ、FHD&IRカメラ、MIPI
オーディオ ドルビーアトモス
寸法(幅×奥行×高さ) 315.6 × 222.5 × 15.36㎜
重さ 1.12㎏~
バッテリー 最大約28.5時間
標準保証 1年間
価格 20.7万円~

<性能評価>

 

Evoプラットフォーム認証を得た機種で、とにかく快適に使えます。詳しくは後述していますが、スリープからの復帰が1秒以内だったり、Wi-Fi 6EやフルHDのWebカメラを搭載・・・など多くのルールがあるのですが、基本的に「超快適に使えるノートパソコン」のみに与えられる認証です。

パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第13世代で、省電力モデルのUシリーズと、パワフルなPシリーズがあります。Uシリーズはバッテリー駆動時間が長くなりますが、Pシリーズほどの性能はありません。

メモリはLPDDR5-6400MHzと旧モデルと同じく最高品質ですが、最大容量が倍増の64GBになっています。まぁ、正直言ってグラボがないPCで64GBも必要な人は少ないですが、選択肢が増えたことは良いことだと思います。

ストレージも同じく最新のSSD PCIe 4.0で、最大2TBと大容量です。

ディスプレイは多くの種類が選べ、最高で2.8K OLED液晶になっています。色域もDCI-P3 100%と広く、クリエイター向けの品質です。また、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15.6インチ並みの情報が表示されます。

重さはたったの1.12㎏~と軽く、最大バッテリー駆動時間が約28.5時間もあるので、外出先でも思いっきり作業ができます。

その他のスペックは顔認証や指紋センサーが搭載可能で、最新規格のWi-Fi 6Eに対応、オプションでLTEや5Gも搭載可能、Webカメラも高品質で高解像度です。

オーディオやマイク、スピーカーも最高峰のものが多く搭載しており、文句の付け所がない機種です。

 

 

公式サイト

 

2023年のトレンドと比較

2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)

12/13世代CPU DDR5 PCIe 4.0 アスペクト比16:10
Wi-Fi 6E sRGB 100%以上 輝度300nit以上 1080P Webカメラ
Thunderbolt 4 生体認証 重量1.4㎏前後 バッテリー14時間以上

 

 

旧モデルとの比較

<左/本機種・右/Gen 10>

ちょっと大きさが違うように見えますが、全く同じ大きさで、同じ筐体です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 Gen 10
CPU Core i5-1335U/1345U
Core i7-1355U/1365U
Core i7-1370P
Core i5-1240P/1250P
Core i7-1260P/1270P/1280P
メモリ 64GB 32GB
ストレージ SSD 2TB
ディスプレイ WUXGA/2.2K IPS液晶
2.8K OLED液晶
WUXGA/2.2K/4K UHD IPS液晶
2.8K OLED液晶
無線 Wi-Fi 6E、4G LTE/5G
バッテリー 28.5時間 24.9時間
重量 1.12㎏~
寸法 315.6 × 222.5 × 15.36㎜

主な変更点です。

・CPUが13世代に
・メモリが倍増の64GBに(メモリの種類は同じLPDDR5-6400)
・バッテリー駆動時間が伸びた
・4K UHDディスプレイがなくなった

Gen 10と同じ筐体を使用しており、中身が若干変わったブラッシュアップモデルですね。4Kディスプレイがなくなったので、影響がある人もいると思います。メモリが64GBになったのはうれしいです。

とは言え、メモリ64GBを購入する人は少ないと思うので、実質変わったところはCPU性能かなと思います。

 

こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル

Core i7-1370P   22664
Core i5-1340P   20197
Core i7-1260P   18691
Core i5-1240P   17318
Core i7-1365U   16232
Core i7-1355U   16378
Core i5-1345U   18673
Core i5-1335U   13220

 

 

Evoプラットフォーム認証

Evoプラットフォーム認証

第13世代CPUのEvoプラットフォームは、Project Athenaから数えて第4世代のEvoになります。CPUで言えば11、12、13世代のインテルCPUに、Evo認証があります。

ただし、13世代CPUを搭載していたらEvo認証を得るわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。

  • Iris Xeグラフィックス搭載の第13世代CPU搭載機種
  • アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
  • AI推論も高速で使える
  • 電源を問わずにレスポンスが良い事
  • 9時間以上のバッテリー駆動時間
  • フルHD以上
  • 1秒以内でスリープから復帰
  • 30分の充電で4時間駆動
  • Wi-Fi 6E実装
  • Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
  • フルHD以上のWebカメラを搭載
  • 音声ノイズ抑制機能搭載
  • Thunderbolt 4搭載
  • ノートパソコンであること
  • Intel Unisonのサポート

12世代のEvo認証の要件に、「Intel Unisonのサポート」が追加されました。これは、スマホとPCをリンクして、PC上でスマホのデータをコピペしたり、スマホをPC上で操作できるものです。今も「スマートフォン連携」と言うアプリがありますが、これの連絡先にiPhoneも加わりました。

代々、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。

 

 

ThinkPad X1 Carbon Gen 11の特徴

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 左斜め前から

X1シリーズは他のThikPadと違い、高級感がありますね。特に本機はカーボンファイバーとマグネシウム合金なので、マグネシウムやアルミニウムのみを使用した機種とは一味違います。

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11とGen 10の重さ比較

ベゼル幅は右5.8㎜、左6.0㎜、上部10㎜、下部約13.2㎜でした。耐久性を意識した機種なので超極細ではないですが、十分細くおしゃれになっています。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 横から

寸法は

・幅315.6㎜
・奥行き222.5㎜
・厚さ15.36㎜

とかなりコンパクトで、小さめのかばんにもすっぽり入ります。厚さも15.36㎜と薄いので、掴みやすいです。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11とGen 10の重さ比較

重量は1.12㎏からと14インチではかなり軽量ですが、スペックにより重さは変わります。

レビュー機は1260gで約140gほど重く、筆者が使っているGen 10は1136gとかなり軽量でした。レビュー機はLTEモデルなので、重くなったのかなと思います。

 

Thinkpad X1 Carbon Gen 11 ディスプレイを180度開いた状態

これ、エンジニアなどにはすっごく助かるんですよね。ディスプレイはほぼ180度開くことができるので、地べたに座って作業をすることがある人にも使いやすいです。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11の天板

天板は通常の物とカーボン柄があります。スペックによって変わるので、どのモデルでもカーボン柄を選べるわけではありません。上の写真はカーボン柄ですが、ちょっと見にくいですね。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11の天板

アップです。編み込み柄になっていますね。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 10 天板

こちらはGen 10で、ブラックペイントの天板です。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 背面

本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。安心して使える、高品質な機種です。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 片手で開けることができるディスプレイ

ディスプレイは指1本で、開けることができます。これって、便利なんですよね。片手に書類やコーヒーを持っているときでも、簡単に開けることができます。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11の底面カバー

底面には吸気孔があり、結構小さめで、ヒンジ部分にある排気口も小さいです。重たい作業をしているとそこそこ温度が上がるので、通気孔が大きくなってたらよかったなと思います。

と言うことで、排熱性能を確認してみます。

 

排熱性能

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 CPU温度計測結果

Cinebench R23と言うCPUをフルパワーで使うベンチマークを計測時に、CPU温度を測りました。

温度がケルビンで表記されているので摂氏にすると、平均65°(ケルビンでは338°)、最大75度になっています。

しっかりと排熱されているようです。温度が低いですね。

 

 

生体認証に顔認証と指紋センサーを搭載

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 指紋センサー統合型電源ボタン

電源ボタンと統合された指紋センサーが標準搭載で、電源を入れたらサインインも完了しています。ひと手間減って、より快適に使えますね。

また、オプションで顔認証のIRカメラも搭載できるので、どちらででもサインインできます。

 

 

カメラ周り

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 Webカメラ

Webカメラは高品質で、カメラのf値が2.0と低く多くの光量を取り入れることができるので、より明るく、より良い映像が撮れます。

カメラは

・1080p(IRなし)
・1080p+IR(ハイブリット)
・1080p+IR+MIPI(人感検知)

の3種類があり、1080p+IR+MIPIは独立した2眼カメラになっています。1080p+IRはハイブリットカメラのようです。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11とGen 10のWebカメラ比較

上の画像は本機1080p+IR+MIPI(人感検知)と、Gen 10の1080p+IRハイブリットカメラの比較で、ズームして見てもらうとわかりますが、どちらも高精細です。

 

ただし、1080p+IR+MIPIのカメラはMIPI接続カメラもあるので、より優れたフレームレートや解像度になっています。

 

人感検知機能設定方法

人感検知機能(MIPI)はLenovo Vantageからスマートセンサーをオンにして、ゼロタッチログインやゼロタッチロックの設定ができます。Vantageではユーザー存在センサーと、変な日本語になっていますね(笑)

すっごく便利な機能です。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 10 のマイク

天板上部には360°集音マイクが4つ搭載しており(写真の小さな丸)、「周囲の騒音のカットや複数人の会議参加時に自動的に音量を調整する」Dolby Voiceにも対応しています。

1人でも複数人でも、Web会議がしやすい仕様です。

スピーカーは2Wが2つ、0.8Wが2つの合計4つになり、キーボード横と底面にあります。一般的なノートパソコンにはスピーカーは2つなので、4つになると聞きやすさも上がります。また、オーディオはDolby Atmosなので、より臨場感のある音響です。

個人的に、今まで聞いた中でTOP3に入る音質で、ハイエンドタブレット並みだと思います。

 

 

キーボード

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11のキーボード<日本語キー>

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 10 キーボード<英語キー>

キーピッチは縦横19.2㎜と大きめで、キーストロークは約1.5㎜と、筐体が厚いThinkPadに比べると打鍵感が少し下がります。それでも、キーが湾曲しているのでタイピングはしやすいです。

タッチパッドは56㎜×110㎜になり、幅は大きめですが、縦はクリック部分があるために若干短いです。ただし、ガラス製なので操作性は高いです。

ThinkPadは「Ctrl」と「Fn」の位置が通常と逆ですが、Lenovo Vantageよりワンクリックで変更できます。

ThinkPadでは英語キーか日本語キーか選べるのですが、打鍵感などは同じです。筆者は日本語キーのごちゃごちゃした感じが嫌いなので、基本的に英語キーを選びます。

 

 

CPU

i5-1345U i5-1335U
コア(P/Eコア) 10(2/8)
スレッド 12
Pコアクロック 1.6GHz 1.3GHz
Pコア最大クロック 4.7GHz 4.6GHz
Eコアクロック 1.2GHz 0.9GHz
Eコア最大クロック 3.5GHz 3.4GHz
L3キャッシュ 12MB
GPU 80EU
ベース/マックスパワー 15/55W
i7-1365U i7-1355U
コア(P/Eコア) 10(2/8)
スレッド 12
Pコアクロック 1.8GHz 1.7GHz
Pコア最大クロック 5.2GHz 5.0GHz
Eコアクロック 1.3GHz 1.2GHz
Eコア最大クロック 3.9GHz 3.7GHz
L3キャッシュ 12MB
GPU 96EU
ベース/マックスパワー 15/55W

こちらPシリーズ搭載モデルはCore i7-1370Pのみ販売されていますが、いつも通りであれば、他のCPUも追加されると思います。

i7-1370P i7-1360P i5-1350P i5-1340P
コア(P/Eコア) 14(6/8) 12(4/8)
スレッド 20 16
Pコアクロック 1.9GHz 2.2GHz 1.9Hz
Pコア最大クロック 5.2GHz 5.0GHz 4.7GHz 4.6GHz
Eコアクロック 1.4GHz 1.6GHz 1.4GHz
Eコア最大クロック 3.9GHz 3.7GHz 3.5GHz 3.4GHz
L3キャッシュ 24MB 18MB 12MB
GPU 96EU 80EU
ベース/マックスパワー 28/64W

CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。

また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。

Core i5-1345UとCore i7-1365UはvPro対応で、企業で一括管理をしたい場合などに向いています。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 CPU Maekスコア計測結果

こちらはCPUの性能を測るCPU markスコアで、Core i5-1335Uは13220となりました。

 

スコアの目安

  • 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 15000~・ハイエンドPCに搭載される
  • 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1370P   23042
Core i5-1340P   20922
Ryzen 7 7730U  19034
Core i7-1260P   18691
Ryzen 5 7530U  17704
Core i5-1240P   17318
Core i7-1365U   16232
Core i7-1355U   16378
Core i5-1345U   18673
Core i5-1335U/平均   18217
Core i5-1335U/本機   13220
Core i5-1235U  13039

 

本機のスコアは伸び悩み、前世代のCore i5-1235Uの平均とほぼ同じスコアでした。

※平均値はPassMark Software社の平均値

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 Geekbench 6計測結果

こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

本機は、マルチコア6972、シングルコア2319と、シングルコアが若干高めでした。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-13700H  12410
Core i5-13500H  12215
Core i5-1350P  10455
Core i5-1340P  10302
Core i7-1370P  10095
Core i5-13420H  9912
Core i7-1360P  9542
Core i7-1355U  9033
Core i5-1335U/平均  8102
Core i5-1235U  7858
Core i5-1345U  7850
Core i7-1365U  7549
Core i5-1340P  7281
Core i5-1335U/Carbon Gen 11  6972
Core i3-1315U  6784
Ryzen 7 7730U  6714
Ryzen 5 7530U  5546

シングルコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i9-13900H  2617
Core i7-1355U  2567
Core i7-1370P  2536
Core i7-13700H  2426
Core i5-13500H  2378
Core i5-13420H  2321
Core i5-1335U/Carbon Gen 11  2319
Core i5-1340P  2317
Core i7-1360P  2306
Core i5-1345U  2240
Core i5-1340P  2217
Core i5-1335U/平均  2183
Core i3-1315U  2124
Ryzen 5 7530U  1885
Ryzen 7 7730U  1857
Core i5-1350P  1727
Core i7-1365U  1636

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 Cinebench R23計測結果

Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

本機はマルチコア5104、シングルコア1514と低調なスコアでした。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-13700H  16201
Core i5-13420H  9948
Core i7-1355U  9033
Core i5-1235U  5545
Core i5-1340P  5251
Core i5-1335U/x1 carbon Gen 11  5104

シングルコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1355U  2551
Core i7-13700H  1704
Core i5-13420H  1661
Core i5-1340P  1532
Core i5-1335U/x1 carbon Gen 11  1514
Core i5-1235U  1472

 

PCMark10

Lenovo ThinkPad X1 carbon gen 11 PCMark10計測結果

こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。

総合性能の目安は以下になります。

・5000以上・・・超ハイスペック(グラボ搭載機種はこれ以上)
・4000以上・・・ハイスペック
・3000以上・・・中位モデル
・2000以下・・・エントリ―クラス

本機種のスコアです。

  • 総合性能は4858→ハイエンドではないが高い性能
  • Essentialは9383→通常用途やビデオ会議などかなり使いやすい
  • Productivityは6452→高速に使える
  • Digital content creationは5141→外付けGPU無しにしては高い性能

その他のCPUとの比較です。

EssentialProductivityDigital Contents

Essential

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1260P  9744
Core i5-1240P  9728
Core i7-1165G7  9553
Core i5-1340P  9549
Core i5-1135G7  9502
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11  9383
Core i7-1355U  9110
Ryzen 7 5700U  8951
Ryzen 3 5425U  8743
Core i5-1235U  8197
Ryzen 7 7735U  7590
Core i5-1235U  7399

Productivity

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 7735U  8540
Ryzen 3 5425U  8193
Ryzen 7 5700U  8065
Core i7-1355U  7619
Core i7-1165G7  6643
Core i5-1340P  6632
Core i3-1215U  6570
Core i5-1235U  6532
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11  6452
Core i5-1135G7  6300
Core i7-1260P  6187
Core i5-1240P  6167
Core i5-1235U  5542

Digital Content Creation

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 7735U  7159
Core i7-1260P  6406
Core i5-1240P  5875
Core i7-1355U  5572
Ryzen 7 5700U  5282
Core i7-1165G7  5150
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11  5141
Core i5-1235U  4818
Core i3-1215U  4796
Core i5-1235U  4716
Core i5-1340P  4661
Ryzen 5 5500U  4445
Ryzen 3 5425U  4240
Core i5-1135G7  4189

 

グラフィックス

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 3D graphics Mark計測結果

グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。

本機のCore i5-1335Uは2686と悪くないスコアで、標準的な性能です。

他のCPUとの比較です。

3D Graphics Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 7735U  5098
Core i7-1165G7  3681
Ryzen 5 PRO 6650U  3526
Core i7-1260P  3263
Core i7-1355U  2981
Core i5-1135G7  2898
Core i5-1335U  2686
Core i5-1340P  2542
Ryzen 7 5800U   2416
Ryzen 7 PRO 5850U  2328
Core i5-1240P  2326
Ryzen 5 5500U  2326
Core i5-1235U  2319
Core i3-1215U  2258

 

グラフィック性能を測るために、ドラゴンクエストXとファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレのベンチマークを計測しました。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 ドラゴンクエストXとファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレのベンチマーク

FFは標準品質ノートPCで5386・普通、ドラクエは標準品質で5150・快適でした。悪くないスコアです。

その他のCPUとの比較です。

ドラクエXFFXIV

ドラクエX FHD画質

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1165G7  13150
Ryzen 5 5500U  10769
Ryzen 7 5700U  10370
Ryzen 3 5345U  9348
Core i3-1115G4  7283
Core i7-1260P  6272
Core i7-1355  6213
Core i5-1240P  6204
Core i5-1340P  5661
Core i3-1215U  5651
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11  5150
Core i5-1235U  5135

FFXIV 標準品質

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i5-1240P  6402
Core i7-1355U  6270
Core i7-1260P  6155
Core i3-1215U  5913
Core i7-1165G7  5561
Core i5-1335U/X1 Carbon Gen 11  5386
Core i5-1235U  4509
Ryzen 3 5425U  4082
Ryzen 5 5500U  3732
Ryzen 7 5700U  3731
Core i5-1235U  3443

 

 

ディスプレイ

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 正面

ディスプレイは多くの種類があり、全モデル光沢なしになります。2番めのタッチパネルも光沢なしなのは、珍しいですね。光沢ありだと反射して見づらいですしね。

多くのモデルがありますが、一番最初のディスプレイを選ぶ人が多いと思います。

・WUXGA IPS sRGB 100% 400nit 省電力
・WUXGA IPS sRGB 100% 400nit ブルーライト軽減パネル タッチパネル
・WUXGA IPS sRGB 100% 500nit タッチパネル Think Privacy Guard
・2.2K IPS sRGB 100% 300nit
・2.8K OLED 反射汚れ防止 DCI-P3 100% 400nit

2.8K 解像度は2880 × 1800ドット
2.2K 解像度は2240 × 1400ドット
WUXGA 解像度は1920 × 1200ドット

画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15.6インチ並みの情報が表示されます。

より多くのものが一度で見て取れるので、作業効率もアップです。

IPS液晶モデルはすべてsRGB 100%で、Web用画像編集をするクリエイター向けの色域です。2.8KのOLED液晶はデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%と広色域で、動画編集向きです。

 

WUXGA IPS sRGB 100% 500nit タッチパネル Think Privacy Guard

レビュー機は「WUXGA IPS sRGB 100% 500nit タッチパネル Think Privacy Guard」になり、i1 Display proで色域を計測しました。

sRGBカバー率は97.6%、sRGB比は105.6%でした。

こちらは、右から2.8K OLED DCI-P3 100%、WUXGA IPS sRGB 100%、そして一般的なPCに搭載のFHD IPS NTSC 45%になります。同じものを見ても、全然違う色ですね。

sRGB 100%はWeb用画像編集に向いており、DCI-P3 100%はデジタルシネマ規格で、動画編集に合う色域です。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 左斜め前から<レビュー機はPrivacy Guard搭載モデルで500ニトだが、暗い>

輝度は300ニト~500ニトとなっており、屋外で使うことが多い人は400ニト以上のディスプレイをお勧めします。なぜだか分かりませんが、2.2Kディスプレイのみ300ニトとこの中では低く、室内では十分な明るさですが、晴れた屋外で使用すると暗いと思うことが多いです。

Privacy Guard液晶は、内蔵されたフィルターで横からののぞき見を防止する機能です。若干輝度が下がりますが、横からはかなり見にくくなるなので、カフェなどで作業をすることがある人は、あったら便利です。

こちらはPrivacy Guardを、OnとOffにした時の比較です。輝度は最大輝度で、Privacy GuardはLenovo Vantageでワンクリックで設定が可能です。

当然、正面から見るときも暗くなります。

 

X1 Carbon Gen 11の輝度

輝度を計測したら473ニトと高かったですが、Privacy Guardがある液晶なので、実際はこの数値ほどの感じはしませんでした。

 

 

メモリ

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 Memory Mark計測結果

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

メモリは旧モデルと同じくLPDDR5-6400MHzで、処理速度はかなり速いですが、Memory Markで計測したら2673と、そこそこの数値でした。筆者所有のGen 10(32GB)が3129なので、ちょっと見劣り感があります。

また、今までは最大32GBまででしたが、最大64GBまで搭載できます。

他のメモリとの比較です。

Memory Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

DDR5-4800MHz平均  2774
LPDDR4-4266MHz平均  2735
X1 carbon Gen 11/LPDDR5-6400 16GB  2673
LPDDR5平均  2666
DDR4-3200MHz平均  2151

 

 

ストレージ

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

ストレージも最高のSSD PCIe 4.0×4が搭載で、パソコンの起動など何をするにしてもサクサクです。

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 シーケンシャル速度計測結果

シーケンシャル速度を計測したら、リード3890MB/秒、ライト2284MB/秒とビジネス用途でも快適に使える速度でした。ただし、PCIe 4.0にしては遅いです。

 

Lenovo SSDの種類

256GBのSSDはPerformanceモデルじゃないので、このせいで速度が上がらなかったのかなと思います。512GB以上のSSDは、Performanceモデルになっています。

こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。

シーケンシャル速度

オレンジ色・・・リード 青・・・ライト

PCIe 4.0×4  ~約7000MB/秒
 ~約5000MB/秒
PCIe 3.0×4  ~約3000MB/秒
 ~約2000MB/秒
HDD  600MB/秒
 200MB/秒

 

起動速度を5回計測しようと思いましたが、3回やってすべて同じ時間なので、3回にします。

  1. 22秒
  2. 22秒
  3. 22秒

起動速度はあまり速くないですね。

 

 

セキュリティ

ThinkShield

ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。

この様に、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。

 

 

Wi-Fi 6Eに対応

対応周波数 速度
IEEE802.11ac
(Wi-Fi 5)
5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6E)
2.4/5/6GHz 9.6Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。

 

 

LTE/5G搭載可能

LTEはFibocom L860-GL CAT 16で、5G Sub6のFibocom FM350-GLが搭載可能です。

L860-GLのダウンロードは最大1Gbps、アップロードは最大75Mbps、Fibocom FM350-GLのダウンロードは最大4.7Gbps、アップロードは最大1.25Gbpsと超高速です。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen 11 楽天のSIMでLTE通信

本機はFibcom L860が搭載で、楽天の最強プランを契約しているSIMカードで速度を計測しました。

ThinkPad X1 Carbon Gen 11 楽天のSIMカードのLTE通信速度

下り66Mbps、上り19Mbpsと、悪くない速度です。

LTE用の格安SIMなら大手のIIJmioか、楽天最強プランおすすめです。筆者はIIJmioでドコモ回線20GB/月 約2000円と、楽天最強プランを契約していますが、月に20GB以上使うのであれば楽天がお得です。

 

 

バッテリー駆動時間

バッテリーも旧モデルと同じ57Whrになりますが、最大24.9時間だったバッテリー駆動時間が、最大28.5時間と伸びています。

省電力性能が高まっていますね。

これだけバッテリーが持つので、丸一日十分に使えると思います。

 

 

選べる充電アダプタ

45W、65W、65WスリムACアダプター<45W/65W/65WスリムACアダプター>

アダプタは上記3種類が選べ、持ち運びや出張が多い人はスリムアダプターがおすすめです。

45Wと65Wアダプターどちらを使用しても、性能的にはそこまで変わりませんが、急速充電を使う場合は65Wになります。(45Wと65Wの性能差比較記事はこちら

 

 

インターフェイス

インターフェイスは豊富ではないですが、SDカードリーダーがない点を除けば、十分にあると思います。Thunderbolt 4も2つあるので、ドックやハブがあれば外出時に多くのケーブルを抜き差ししなくて済みます。

Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 右側面

右側面インターフェースにはマイク/ヘッドフォンジャック、nanoSIM(LTEモデルの場合)、USB-A 3.2 Gen 1、そしてセキュリティスロットがあります。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 11 左側面

左側面インターフェースはUSB4(Thunderbolt 4)が2つ、USB-A 3.2 Gen 1、そしてHDMIになります。

USB-A 3.2 Gen 1はデータ転送速度が5Gbpsになりますが、このクラスのPCなので転送速度が10GbpsのUSB-A 3.2 Gen 2があったらなお良かったですね。

それでもUSB4(Thunderbolt 4)が2つもあるので、困る事は無いと思います。

Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。

  • Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
  • 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
  • PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
  • 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
  • 8K出力にも対応
  • (規格上)最大100Wまでの給電が可能

 

 

サポート・保証

Lenovo サポートと保証

標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)

また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。

  1. 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
  2. オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
  3. 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理

 

 

まとめ

良い点

・最高峰のビジネスノートPCで、最新スペック満載
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・カーボン素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・画面比が16:10で、14型でも15.6型並みの情報が表示される
・カメラやマイクなど総合性能と品質が高い
・バッテリー駆動時間がかなり長い

 

残念な点

・価格が据え置きなのでよいですが、旧モデルからそこまで変化がない

 

総合評価

総合的に見てもハイエンドPCで、文句の付け所もないと思います。価格も20.7万円からと、ハイエンドビジネスPCとしては手ごろな価格で、最高峰のビジネスPCなので仕事もサクッと終わらせることができると思います。

ただし、旧モデルから性能はあまり上がっておらず、下がった個所もあったので、

 

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