前世代からかなり性能が上がったインテル第12世代CPUで、通常版のPシリーズと省電力版のUシリーズがあります。
主にPシリーズは一般的なノートパソコンに搭載され、UシリーズはタブレットPCなどの薄型機種に搭載されるようなCPUです。ただし、一般的なノートパソコンにも搭載されているので、薄型PCだけじゃなさそうです。
もちろん通常版の方が高い性能ですが、Uシリーズでも第11世代Core i7-1165G7以上のPassmarkスコアが出たので、高性能です。
レビューに使用した機種はLenovo ThinkPad E14 Gen 4で、Core i5-1235U・メモリ8GB/24GB・SSD PCIe 4.0 256GBになります。レビュー機は8GBメモリ1枚が搭載していたのですが、シングルチャンネルメモリで動作していたので、グラフィック系のベンチマークは24GBに増設したときにもベンチマークを取りました。
ただし、機種によってはメモリ1枚でもデュアルチャンネルメモリで動作するようになっているので、購入機種をご確認ください。
Contents
Core i5-1235Uの仕様
Core i7-1255U | Core i5-1235U | Core i3-1215U | |
Pコア | 2 | ||
Eコア | 8 | 4 | |
スレッド | 12 | 8 | |
キャッシュ | 12MB | 10MB | |
Pコア最大周波数 | 4.7GHz | 4.4GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 1.7GHz | 1.3GHz | 1.2GHz |
Eコア最大周波数 | 3.5GHz | 3.3GHz | 3.3GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 80 | 64 |
ベースパワー | 15W | ||
最大パワー | 55W |
CoreとスレッドはCore i7と同じですが、周波数はCore i3並みです。また、レビュー機では最大パワーも15Wになっていました。
以下のベンチマークは、「バランスモード」という通常モードで計測しています。
Passmarkスコア
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i7-1280P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
Core i7-1165G7のスコアが10620だったので、Core i5-1235Uは約30%ほど高い性能になっています。
Cinebench R23
Cinebench R23は一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i9-12900H | |
Core i5-12500H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1215U | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-12500H | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
Cinebenchでも、Core i7-1165G7を上回っていますね。
GeekBench 5
Geekbench 5はクロスプラットフォームのベンチマークで、Cinebenchの様にシングルコア性能とマルチコア性能を測定できます。
Geekbench 5 マルチコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i5-1235U | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon 8cx Gen 3 | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i7-1195G7 | |
Ryzen 7 4700U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-10510U | |
Core i3-1115G4 |
Geekbench 5 シングルコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i7-1195G7 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon 8cx Gen 3 | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-10510U | |
Ryzen 7 4700U |
う~ん、、、マルチコアが異常に高いですね。なんででしょ?
PCMark10
こちらはPCMARK10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安です。
5000以上・・・超ハイスペック
4000以上・・・ハイスペック
3000以上・・・中位モデル
2000以下・・・エントリ―クラス
本機のスコアはこの様になりました。
- 総合性能は4238
- Essentialは7907→通常用途やビデオ会議など使いやすい
- Productivityは5542→Office系のアプリは複雑じゃなければ快適に使える
- Digital content creationは4716→外部GPU無しにしては高性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
---|---|
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 3 Pro 4350G | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1065G7 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 7 4700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 |
今まですべての項目でCore i7-1165G7を上回っていましたが、PCMark10ではCore i7の方が高い性能になっています。
グラフィック性能
左がメモリ2枚にした時のスコアで2196、右はメモリ1枚時で1831でした。メモリ1枚時はUHDグラフィックで動作、メモリ2枚時はIris Xeで動作しています。
グラフィック性能は、Iris Xeにしては低いと思います。
その他のCPUとの比較です。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 PRO 6850U | |
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Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U 24GB | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 7 4700U | |
Core i5-1235U 8GB | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 4300U |
ゲームベンチマーク
ドラゴンクエストXのベンチマークは24GBメモリ時で、「5135・快適」でした。
こちらはFFXIV ENDWALKER 暁月のフィナーレで、標準品質・ノートパソコンで3443でした。
FFXIVはちょっと重たいので設定を下げてベンチマークを取ったら、「4336・普通」となりました。
他のCPUとの比較です。
ドラクエX
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
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Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i3-1115G4 | |
Core i5-1235U |
FFXIV
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1115G4 |
Core i5-1235U搭載おすすめ機種
ThinkPad E14 Gen 4 Intel
今回ベンチマークを取った機種です。インテル第12世代CPU搭載で、省電力モデルのUシリーズか、通常版のPシリーズが選べます。メモリとストレージも増設可能なので(保証が外れますが)、カスタマイザーにも好かれるスペックです。もちろん、公式サイトからもスペックアップできます。最新の12世代CPU搭載ThinkPadが9万円からと、安くなっています
CPU | Core i3-1215U Core i5-1235U/1240P Core i7-1255U/1260P |
---|---|
メモリ | 最大40GB |
ストレージ | SSD ×2 |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス NVIDIA GeForce MX550 |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS タッチあり |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E 1000BASE-T ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(オプション) |
Webカメラ | 720P、1080P、1080P+IRカメラ |
重さ | 1.64㎏ |
バッテリー | 最大約11.8時間 |
価格 | 9.0万円~ |
ThinkBook 14 Gen 4
14インチで1.4㎏とそこそこ軽量で、持ち運びがしやすく、画面も大きいので外出兼据え置き用として活躍します。最新スペックを搭載したモデルで、満足がいく機種だと思います
CPU | Core i3-1215U Core i5-1235U/1240P Core i7-1255U/1260P |
---|---|
メモリ | 最大40GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス NVIDIA GeForce MX550 |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 光沢なし(マルチタッチあり) |
LAN | Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E、ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー |
カメラ | 720p、1080p |
重さ | 1.4㎏~ |
バッテリー | 45Wh/60Wh 約7.7時間(45Wh時) |
価格 | 9.7万円~ |
IdeaPad Slim 370i 17
インテル12世代CPU搭載でディスプレイもNTSC 72%と広い色域なので色鮮やか、そして指紋センサーも搭載しています。17インチと大きいので、据え置き用として使いやすいです
CPU | Core i3-1215U Core i5-1235U Core i7-1255U |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(17.3型) | FHD IPS 光沢なし |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 5 |
生体認証 | 指紋センサー |
重さ | 2.04㎏ |
バッテリー | 最大約6.7時間 |
価格 | 8.2万円~ |
最後に
Core i5-1235Uは、Passmarkスコアが前世代の上位モデルであるCore i7-1165G7より高い性能で、使っていてもストレスなく多くのことができます。
ビジネス用途の場合は、実務的なことをすると、PCMark10で紹介した様にCore i7-1165G7には及びませんが、十分な性能があると思います。
ただし、内蔵グラフィックスはあまり高くなく、動画編集やOffice系のアプリを多用する人は、11世代のCore i5やCore i7の方がグラフィック性能が全然高いの、使いやすいかもしれません。
まだ1機種しかベンチを取っていないので結論ではないですが、グラフィック性能が低いので、ビジネス用途よりも普段使い用のPCに合うかなと思います。