オールインワンPCでクリエイター向けの本機種は、イラストレーターの事を考えて作られた機種になります。
27インチの大画面に4K画質のUHD IPS液晶にタッチディスプレイ、そしてディスプレイが25度から90度の角度で調整できるので、直接画面にイラストを描くことが出来ます。
もちろんアクティブペンも付属しているし、Adobeのソフトに合わせた操作用ダイヤルも搭載です。
Radeon RX 560のグラフィックボードも搭載しているので、CGを使った作業や細かい書き込みがあるイラストや漫画などを作成する重たい作業もやりやすくなっています。
MicrosoftのSurface Studio 2というクリエイター向けのAll-in-One PCがあるのですが、本機種はこれに対抗したような機種ですね。
Sueface studioって50万くらいするので購入できる人が限られますが、それに対し本機種は販売当初は約30万円(Core i7)、現在は17.2万円(Core i5)のモデルもあるので購入しやすくなっています。
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Lenovo Yoga A940のスペックレビュー
CPU | Intel core i5-9400 Intel core i7-9700 |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | HDD 2TB+Optaneメモリ16GB |
グラフィックス | AMD Radeon RX 560 |
ディスプレイ | 27インチ 4K UHD IPS液晶 Dolby Vision マルチタッチ sRGB 100% |
OS | Windows 10 Home |
Microsoft Office | ー |
光学ドライブ | ー |
無線 | WiFi、Bluetooth v4.2 |
有線 | イーサネット |
生体認証 | 顔認証 |
付属 | アクティブペン、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウス |
寸法 | 636x228x475㎜ |
重さ | 14.6㎏ |
保証 | 1年間 |
価格 | 17.2万円 |
パソコンの頭脳であるCPUは、第9世代のCore i7とCore i5になっていますが、2020年12月末現在では、Core i5モデルのみになっています。
先ほど言及したSurface Studioはモバイル版のCPU搭載でしたが、本機種はデスクトップ用のCPUを搭載しているため、性能は高いです。
メモリは16GBと大きめなので、クリエイティブワークにも向いています。メモリスロットが2つあるので、出来る方はメモリの増設も可能です。(保証が外れますが)
ストレージはHDD(ハードディスクドライブ)のみですが、Optaneメモリが16GBもついているので、普通のHDDよりかなり速く動作します。データの読み込みなども、比較的速いです。
グラフィックスはエントリークラスのRadeon RX 560が搭載です。超高性能ではないですが、普通にCGなども使えるほどの性能があります。
ディスプレイはさすがハイエンドオールインワンPCなので、4K画質のUHDに、視野角やコントラスト比も高いIPS液晶が搭載です。sRGB 100%の色域で、Dolby VisionのHDR(ハイ・ダイナミックレンジ)なので鮮やかな色が描写されます。欲を言えば、もうちょっと高くてもいいのでAdobe RGB 100%(製版・プリントアウト向けの色域)のディスプレイにしてほしかったですね。
イラストをやる人なら分かりますが、パソコンの配線って多いですよね。アレもコレも繋げてるんですが、本機種はワイヤレスのマウスとキーボードが付属で、ストレージも2TBと大きく、直接画面に描けるのでパソコン周りはすっきりです。
しかもスマホなどをQi充電できるので、ここでもUSB接続は必要ないですね。
これだけの性能があって約17万円と言うのは、コスパが高いです。
公式ページのレビュー
公式ページでは、現在(2020年12月末)5段階評価で星4.7/215件となっています。
これだけのスペックがあり、Surface Studioと比べても3分の1ほどの価格で買えるので、評価も高いはずです。
Lenovo Yoga A940の特徴
Yoga A940はタッチパネルのディスプレイで、直接画面にイラストが描けます。ディスプレイは25度~90度に調整可能なので、Web閲覧時は90度、イラストを描くときは好きな角度に調整して使えます。角度はネジなどで固定するわけじゃないので、片手で簡単に角度を変えることが出来ます。
画面横についているダイヤルで、ブラシのストロークやチップのサイズ、透明度など調整が可能で、Illustrator、Photoshop、Lightroom、Microsoft Officeなどの定番アプリをスムーズに操作できます。また、このダイアルは左にも右にも取り付けることが出来るので、左利きの人でも使いやすいです。
ダイヤルをずっと持って作業をしなくてもいいですが、まぁ、今まで通り画面に手を置いて作業をした方がやりやすいと思います。
付属のキーボードはパソコン上部にある箇所に置くことが出来、マウスも使用していないときはQi充電対応パネルに乗せておけば、パソコン周りもすっきりですね。
意外に役に立つのがQi充電です。USBケーブルで接続しなくても充電できるので、楽ですね。
27インチ大画面で、寸法は636㎜幅、奥行き228㎜、高さ475㎜となっています。
- 幅は一般的なバスタオルの短辺(600㎜)
- 奥行きは千円札の短辺3枚分(228㎜)
- 高さは1万円札の長辺3枚分(480㎜)
と、ほぼ同じです。大きなパソコンなのである程度の場所は必要ですが、大きい分、細かい作業もしやすいですね。
ディスプレイ
解像度 | マルチタッチ | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 |
UHD 3840×2160 |
〇 | IPS/光沢無し | 350nit | 1000:1 | sRGB 100% Dolby Vision |
4K画質のUHDディスプレイで、コントラスト比も高く輝度も高めですね。明るいです。Dolby VisionはDolby社のHDR(ハイ・ダイナミックレンジ)で、最大輝度を高め、より大きなコントラストに滑らかなグラデーション、そして高い色域を表現できます。
色域はsRGB 100%なので、普通のパソコンに使われるモニターに比べると良いものです。
<一眼レフで一般的なモニター(NTSC 45%)左とsRGB 100%のディスプレイ(右)を撮影・圧縮しているので若干色が変化しています>
一般的なモニターはNTSC 45%と言う色域で、本機種のsRGB 100%はおおよそNTSC 72%になります。左と右を見比べると右の方が若干色が鮮やかですよね?特に緑は極端に違う色になっています。
色域が高いと「より正確な色(本来の色)が描写される」ので、重要なんです。
モニター上部にはカメラもついているので、Web会議などもしやすいです。また、IRカメラ搭載なので顔認証でログインが出来ます。
CPU
Intel core i5-9400 | |
製造プロセス | 14nm |
コア/スレッド | 6/6 |
基本クロック | 2.9GHz |
ブーストクロック | 4.1GHz |
キャッシュ | 9MB |
TDP | 65W |
プロセッサーは第9世代のIntel core i5-9400になります。クリエイター向けとしては、標準的な性能です。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”16292″ lazy=”no” class=””]性能を表すPassmarkスコアは9553なので、悪くない性能です。6コアなので、並行してやる違う作業もしやすいです。
グラフィックス
AMD Radeon RX 560 | |
製造プロセス | 14nm |
演算ユニット | 14~16 |
ストリーミングプロセッサー | 896/1024 |
基本周波数 | 1175MHz |
ブースト周波数 | 1275MHz |
メモリタイプ | GDDR5 |
メモリ容量 | 4GB |
メモリ帯域 | 112GB/秒 |
電源 | 60-80W |
グラフィックスはローエンドモデルのRadeon RX 560です。ぼちぼちの性能があるので、ある程度快適に3Dエフェクトなんかも使えます。
[visualizer id=”16302″ lazy=”no” class=””]いろんなソフトを使う上では問題ない性能です。が、なんでこんなに性能が低く、値段も高いものを「あえて」搭載したのか疑問が残ります。
本機種を使う上では問題ないですが、なぜかな?と思いますね。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する場所で、パソコンの作業台になります。メモリが大きいと、より速く、より大きなデータが扱えます。
本機種には、DDR4 2666MHzの8GBのメモリが2枚搭載です。メモリは2枚組み合わせが一番高い性能を発揮するので、良い構成だと思います。メモリ16GB1枚より、8GB2枚の方が処理速度も速いんですよね。
また、一般的にメモリは8GBあれば十分ですが、クリエイター向けなので大きめの16GBになっています。十分だと思います。
ストレージ
ストレージは大容量2TBのHDD(ハードディスクドライブ)SATA接続で、Optaneメモリが搭載しています。
HDD単体だと速度が遅いのですが、Optaneメモリがあることによって、読み込み・書き込み速度が結構速くなっています。
あえて言うなら、本機種もなぜ場所を取る大きなHDDを選んだんでしょうね?(価格が安いからですが)。SSDを搭載してくれていたら良かったと思います。
オーディオ
オーディオは映画館などで導入が進んでいる、Dolby Atmosが搭載です。最近はNetflixでもドルビーアトモス対応の作品がありますよね。
Dolby Atmosは最大9.1.6chに対応しており、いろんな方向から音が出てくる感じに聞こえます。(Atmos対応のスピーカーやヘッドフォンが必要)
また、本機種には3Wのスピーカーが2つ、5Wのスピーカーが2つ搭載なので、比較的良い音質で音楽を楽しめます。
インターフェイス
1. Thunderbolt 3 2. USB3.1 3. 3-in-1 メディアカードリーダー (SD、SDHC、SDXC) 4. オーディオコンボジャック 5. 電源ボタン |
6. HDMI入力/出力 切替スイッチ 7. 電源コネクター 8. イーサネット・コネクター(RJ-45) 9. HDMI コンボ端子(外部入力・出力対応) 10. USB3.0 |
インターフェイスはかなり豊富なので、困ることはないと思います。Thunderbolt 3もあるので、万が一配線が多い人はドッキングステーションを購入してもいいと思います。
保証・サポート
Lenovoのパソコンには、電話・チャット・LINE・メールでのサポートと、1年間引き取り修理が標準でついています。
保証は1年間で、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言って専任のエージェントが迅速に対応するものもあり、これは24時間365日対応なので(標準サポートは9時~18時)、夜中に何かあっても対応しやすいです。
まとめ
グラフィックスとストレージに少し疑問を感じますが、価格を見ると結構頑張っている構成になっていると思います。コスパ的には、全然悪くないですね。
特に、似たような性能のSurface Studio(約50万円から)に比べると、約17万円の本機種は全然コスパが高いです。
個人的に漫画を描くプロがメインで使うにはお勧めしませんが、イラストメインの人であれば比較的快適に使えると思います。
例えば、事務所にあるメイン機とは別に家で使う用だったり、アシスタントが修正などをする時に使うなどの作業であれば、購入しやすい機種になると思います。