CPUには最新のRyzen 5000シリーズ搭載で、通常の末尾がUの省電力モデルじゃなく、末尾Hの「ハイパフォーマンスモデル」・Ryzen 7 5800HとRyzen 5 5600Hが搭載です。
ディスプレイは2.5Kのリフレッシュレート・120Hzで、画像編集や動画編集もできるクリエイタースペックになっています。
Proと言う名が付いているだけあって、個人向けモデルのIdeaPadでは異色の機種ですね。
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IdeaPad Slim 560 Pro (16、AMD)のスペックレビュー
CPU | AMD Ryzen 5 5600H AMD Ryzen 7 5800H |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 1650 |
ディスプレイ 画面比16:10 |
16型 WQXGA(2.5K) 350nit sRGB 100% 120Hz |
OS | Windows 10 Home |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5.1 |
オーディオ | Dolby Atmos |
生体認証 | 顔認証(IRカメラ) |
寸法 | 356x251x16.9㎜ |
重さ | 1.89㎏ |
バッテリー | 最大14時間(4セル・75Whr) |
保証 | 1年間 |
価格 | 7.9万円~ |
パソコンの頭脳であるプロセッサーには、最新のRyzen 7 5800HかRyzen 5 5600Hが搭載です。考えられないくらい高い性能で、デスクトップ向けCPUの上位モデルと同じくらいの性能です。
メモリは16GBとなっていますが、このスペックだと32GBにしたいというユーザーも多いんじゃないかなと思いますが、メモリスロットは無しで、オンボードメモリです。
ストレージはM.2 PCIe NVMeで、高速モデルですね。パソコンの起動も、データ移動もサクサクできます。
IdeaPadシリーズではめずらしくディスプレイが2.5Kの高解像度で、sRGB 100%と色域も高いので、色鮮やかに描写されます。Web用画像編集にも向いているほどの色域です。また、画面比が16:10と縦が長いので、表示される情報がより多くなっています。
グラフィックスには内蔵グラフィックスのRadeonか、NVIDIA GeForce GTX 1650が搭載可能です。ちなみにグラボ無しでも95Wの大きな電源ですが、グラボ付きは135Wになっています!!ノートパソコンって普通65W位がほとんどなので、かなり大きな電源ですね。イコール、パワフルです。
オーディオにはこだわりのドルビーアトモスが搭載で、比較的良い音質で楽しめます。
寸法は16型にしてはかなり小さく、重さは1.89㎏となっています。持ち運びにはそこまで向いていないですが、WiFi6に対応なので無線環境は抜群ですね。
全体的に見ると、特殊な作業をするプロ向けで、一眼などで撮影した画像を編集をする様なクリエイター、もしくは外出先でも大画面で作業をしたい人に向いていますね。
ライバル機種
本機種と似たような最新機種との比較です。ただし、16型と言うのは珍しくほとんどないので、違う型で比較しています。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Slim 560i Pro 14型 | Slim 550 15型 | |
CPU | Ryzen 5 5600H Ryzen 7 5800H |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB | SSD 512GB |
グラフィックス | 内蔵Radeonグラフィックス GTX 1650 |
Iris Xe | 内蔵Radeonグラフィックス |
ディスプレイ | 2.5K 画面比16:10 |
2,2K 画面比16:10 |
FHD 画面比16:9 |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 14時間 | 17時間 | 15時間 |
重量 | 1.89㎏ | 1.38㎏ | 1.66㎏ |
価格 | 7.9万円~ | 9.6万円~ | 5.8万円~ |
本機種の魅力は、何といってもCPUの性能ですね。ゲーミングPCに搭載されるハイエンドモデルで、デスクトップ並みの性能です。また、解像度も一番高く、画面比が16:10と縦に長いので表示される情報が多いです。また、グラボも搭載できるので、動画編集やゲームもできます。
Slim 560i Proはインテル11世代CPU搭載モデルで、14型になります。スペック的に似ており、Core i7-1165G7とRyzen 7 5800HのCinebench R23のシングルコア性能は、ほぼ同じくらいになります(下記CPUの項目で数値の比較をしています)。こちらも動画編集や画像編集がしやすいです。
Slim 550はRyzen 5000シリーズの末尾がUモデル搭載で、同じく高い性能ですが、当然、本機種搭載のHシリーズには負けます。ディスプレイもFHDで画面比が16:9と「普通」のモデルです。クリエイティブワークをしない人なら、こちらがコスパが高いですね。
メリット・デメリット
メリット
・マルチコアもシングルコア性能も高い
・大画面・高解像度
・電源が大きいので、パフォーマンスも大
・グラボ搭載可能
残念な点
・持ち運びがしやすいわけじゃない
・Thunderboltがあればよかった
IdeaPad Slim 560 Pro (16、AMD)の特徴
最大の特徴は、おしゃれでスリムなのにハイスペックと言うところですね。ベゼル(画面の黒い枠)もかなり細く、画面比率は91%(ベゼルの割合が9%)となっています。普通のパソコンは80%ほどなので、飛びぬけていますね。
寸法は幅356㎜、奥行き251㎜、高さ16.9㎜で、16型としてはかなり小型です。これって、15型とほぼ同じサイズなんですよね。
大学ノートA4サイズ(297×210㎜)と比べると、幅+約6㎝、奥行き+4.1㎝になります。厚さは16.9㎜と1円玉(直径20㎜)の4/5 サイズなので、16型にしてはかなり薄いです。
ただし、1.89㎏と若干重たいため、持ち運びが多い人はインテル製CPU搭載のIdeaPad Slim 560i Pro 14型が良いかもしれません。
エッジが丸く、すごくおしゃれですね。
16型なので大きな筐体ですが、厚さがないため、おしゃれに見えます。
底面には大きな吸気口があり、エアフローも良さそうです。スピーカーも底面にあるので低音が強くなるので、個人的に少な配置です。
オーディオ
オーディオはドルビーアトモスで、Netflixや映画館でも使用され始めた新しい規格です。特徴は、最大で9.1.6chのサラウンディングで、ここからもそこからも音が聞こえる感じです。臨場感が増しますね。
キーボード
キーボードはテンキー付きで、カーソルキーが下に出っ張っていますね。ゲーミングPC用のキーボードと同じ仕様です。クリエイティブワークもゲームもやりやすい設計になっていますね。
CPU
Ryzen 7 5800H | Ryzen 5 5600H | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 3 | Zen 3 |
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 |
GPUコア | 8 | 7 |
基本クロック | 3.2GHz | 3.3GHz |
ブーストクロック | 4.4GHz | 4.2GHz |
キャッシュ | 16MB | 16MB |
TDP | 45W | 45W |
プロセッサーは最新アーキテクチャのZen 3で、性能が高くて人気が爆発したRyzen 4000シリーズに採用されたZen 2よりも、大幅に性能が上がっています。変更点はいろいろありますが、大まかなものは以下になります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”19328″ lazy=”no” class=””]グラフの上から2つ目のCore i9-10900はデスクトップ向けのハイエンドCPUですが、Ryzen 7 5800Hはほぼ同じくらいのスコアになっていますね。すごいの一言ですね・・・。
こちらはCinebench R23のスコアです。こちらはまだデータが少ないので参考値で、一番下のCore i7-10700はデスクトップ向けのCPUですが、Ryzen 7は同じくらいのマルチコア性能がありますね。
[visualizer id=”19341″ lazy=”no” class=””]ノートパソコン派の私としては、「グラボなしの機種なら、デスクトップなんていらないんじゃないの?」って思うくらい高い性能です。
グラフィックス
グラフィックスにはCPU内蔵のRadeonグラフィックスか、NVIDIA GeForce GTX 1650が搭載可能です。
GTX 1650 mobile | |
---|---|
アーキテクチャ | Turing |
CUDAコア | 896 |
ベースクロック | 1395MHz |
ブーストクロック | 1560MHz |
メモリタイプ | GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 192GB/秒 |
メモリ速度 | 12Gbps |
メモリ容量 | 4GB |
TGP | 50W |
GDDR6でCUDAコア896基、VRAMが4GBとエントリークラスのグラフィックボードですが、画像編集やちょっとした動画編集もやりやすい性能があります。3DCADなども、そこまで複雑じゃない設計ならできますね。
こちらはFire Strike Graphicsのスコアです。
[visualizer id=”21889″ lazy=”no” class=””]もし、もっと本格的な動画編集などをしたい場合は、ゲーミングPCであるLegion 560が良いかもしれません。
ディスプレイ
解像度 | 光沢/液晶 | リフレッシュレート | 輝度 | 色域 | ||
2.5K 2560×1440 |
なし/IPS | 120Hz | 350nit | sRGB 100% | ||
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい | |||||
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広い | |||||
リフレッシュレート | 通常のディスプレイは60Hz(1秒間に60コマ更新)。120HzはゲーミングPCに搭載される高リフレッシュレート | |||||
nit | 明るさを表す単位。通常250前後が標準 | |||||
色域 | NTSC 75%はsRGB 100%相当で、Web用画像編集にも向いているほどの色域 |
ディスプレイが本当に、高品質ですね。今までIdeaPadシリーズはThinkPadなどと差を出すために、普通のディスプレイを搭載していましたが、さすがProモデルなので、プロでも満足がいく品質になっています。リフレッシュレートも120Hzと高いので、滑らかな映像が楽しめますね。
ちなみに、ディスプレイ上部のカメラにはIRカメラも搭載しているので、顔認証でログインが一瞬でできます。
こちらは、左がNTSC 45%のディスプレイで、右がsRGB 100%のディスプレイを、一眼カメラで撮影し、並べたものになります。リサイズ・圧縮しているので変色していますが、右の方が明らかに鮮やかな色になっていますね。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する場所で、パソコンの作業台になります。メモリが大きいと、より大きなデータが扱え、より速く処理されます。
本機種搭載メモリはDDR4-3200MHzで、現行最高の動作周波数(MHz)があるので、処理速度が速いです。メモリスロットは無しでオンボードのみなので、増設はできません
ストレージ
ストレージはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)で、ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動などにも関わる重要なパーツなんですね。
SSD PCIe NVMe | HDD | |
最大データ転送速度 | 16Gbps~32Gbps | 6Gbps |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
本機種にはM.2 SSD PCIe NVMeが搭載で、何をするにしてもサクサク快適に使えます。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル・75Whrとかなり大きいですが、MobileMark 2018で計測したら最大10時間、ビデオ再生時で最大12時間となっています。CPUのTDPが大きいからかなと思いますが、4セルの割にはバッテリー駆動時間は短めです。
とは言っても、14時間なら、ちょっとした外出であれば充電アダプターの持ち運びも必要ないですね。
WiFi6
実は、IdeaPadシリーズにはなかなかWiFi6対応モデルが出なかったのですが、本機種とインテル製CPU搭載のIdeaPad Slim 560i ProはWiFi6対応になっています!
WiFi6非対応なのでIdeaPadの購入をためらっていた人も多いと思いますが、これで安心ですね。
WiFi6とは次世代通信規格で、今まで以上に「より多くのデバイスに同時に電波を飛ばす」ことができ、最大通信速度も9.6Gbpsと現行のWiFi5より40%ほど早くなっています。
インターフェイス
左側面インターフェイスには電源コネクタ、HDMI、USB-C 3.1(最大データ転送速度10Gbps/給電、Display Port出力付き)、ヘッドフォン/マイクジャックがあります。
右側面インターフェイスにはSDカードリーダー、USB-A 3.0 Gen 1(最大データ転送速度5Gbps)が2つになります。
サポート・保証
本機種は1年間引き取り修理保証に、電話やチャットなどでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所に引き取り業者が取りに来てくれるので楽です。自分でリペアセンターに送らなくていいし、Lenovoの契約業者が来るので安心です。また、修理は国内でやっており、NECのコンピューター事業所で対応しているので、日本クオリティだし、修理、返送も比較的早いです。
まとめ
デスクトップ並みのプロセッサーにGTX 1650のグラフィクボード搭載可能、そしてディスプレイは16型2.5KのsRGB 100%なので、クリエイターPCとして十分な性能ですね。
USB-Cに至っては転送速度が10Gbpsと速いし、WiFi6にも対応しているので、外出先でも仕事がはかどると思います。何といっても、おしゃれな筐体なのでこの機種は争奪戦になりそうですね。