IdeaPad Flexシリーズは2020年7月7日リリースの新しい機種で、YogaとIdeaPadを足して2で割ったような2 in 1 PCです。
もしくはIdeaPad C340の500シリーズ版と言った感じで、かなりそそられるスペックをしています。
CPUは最新のRyzen 4000シリーズが搭載、メモリも最新高性能のDDR4-3200MHzなので、かなり快適に使えます。
ディスプレイは比較的大きな14型なので、イラスト作成はもちろん、画像編集などをする時でも使いやすいし、1.5㎏と軽量なので持ち運びもしやすいです。
2021年3月4日追記)
最新のRyzen 5000シリーズ搭載モデルが追加されたので、情報をアップデートしています
Contents
IdeaPad Flex 550 14(AMD)のスペックレビュー
プロセッサー(4000シリーズ) | Ryzen 3 4300U Ryzen 5 4500U Ryzen 7 4700U |
---|---|
プロセッサー(5000シリーズ) | Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 128GB~512GB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS 光沢あり マルチタッチ |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
OS | Windows 10 Home |
Office | Office Home &Business 2019搭載可能 |
指紋センサー | 有り |
無線 | WiFi、Bluetooth v5.0 |
セキュリティ | Windows Defender、プライバシーシャッター、 |
サイズ | 321.5×217.5×17.9mm |
重さ | 1.5㎏ |
バッテリー | 最大13.6時間(4000シリーズ) 最大16.1時間(5000シリーズ) |
同梱 | アクティブペン |
価格 | 5.5万円~(4000シリーズ) 6.1万円~(5000シリーズ) |
CPUには超人気のRyzen 4000シリーズが搭載です。低価格高性能モデルで人気なので、このCPUを搭載した機種は在庫が少ないんですよね。本機種も販売当初は「在庫なし」が続いてましたね。
メモリもDDR-3200MHzと高性能メモリが搭載で、最大16GBまで搭載できます。ストレージは高速起動・高速データ転送速度があるM.2 SSDです!パソコンの起動なんて、10秒ほどです!
ディスプレイは高画質のフルHD IPS液晶で、コントラスト比も高いのできれいな色合いが描写されます。
HDMIもあるのでモニターにつないで使うことも可能だし、SDカードリーダーもあるので一眼やデジカメを使っている人には使いやすい機種です。
本機種は何と言っても2 in 1 PCと言って、タブレットの様にも使えたりする360度画面が開くタイプです。付属品としてデジタルペンもあるので、買ったその日からイラストを描いたり、メモを取ったりと出来ます。
この性能で、2 in 1 PCで5.5万円はアリなの?ってくらいお買い得になっていますね。
Windows 11アップデート対象機種
ここ最近(2021年6月以降)世間を騒がせているWindows 11ですが、8月30日にMicrosoft公式サイトで調べてみたら、当然アップグレード対象機種でした。IdeaPadもTPM 2.0標準搭載なので、当たり前ですね。
Windows 11にアップデートするシステムの最小要件は、こちらになります。
- 1GHz以上で動作する複数コアを搭載した64bitCPU
- メモリ4GB以上
- ストレージ64GB以上
- DirectX 12サポート
- 9インチ以上720p以上の解像度
- Microsoftアカウント
- ネット接続
- UEFIによるセキュアブートをサポート
- TPM 2.0
旧モデルとの比較
Flexシリーズは本機種からになり、旧モデルがありません。
ライバル機種
<左から本機種・Flex 550i 14・IdeaPad Slim 550 14>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Flex 550i 14 | Slim 550 14 | |
CPU | Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB | SSD 512GB |
グラフィックス | Radeon | Iris Xe | Radeon |
ディスプレイ | FHD IPS | FHD IPS | FHD IPS |
バッテリー | 16.1時間 | 12.2時間 | 14時間 |
重量 | 1.5㎏ | 1.5㎏ | 1.45㎏ |
2 in 1 PC | 〇 | 〇 | × |
価格 | 6.1万円~ | 6.6万円~ | 5.9万円~ |
本機種とFlex 550iは同じ筐体を使用しており、CPU以外は全て同じです。また、Slim 550は性能はほぼ同じですが、50g軽く、2 in 1 PCではありません。
こちらはパソコンの性能を測るPassmarkスコアです。
[visualizer id=”23714″ lazy=”no” class=””]Ryzen搭載モデルは、性能がかなり高くよりさくさく使いやすいです。
ただし、グラフィック性能はインテルモデルがかなり高いです。
[visualizer id=”23726″ lazy=”no” class=””]購入のポイント
- 本機種・・・画像編集などのクリエイティブワークをしない人で、2 in 1 PCが欲しい人向け
- Flex 550i・・・クリエイティブワークをする人は、インテルモデルが使いやすい
- Slim 550・・・2 in 1 PCでなくても良いなら、本機種が軽く、コスパも高い
メリット・デメリット
良い点
・2 in 1 PCで使い勝手が高い
・アクティブペン付属で、メモ取りや簡単なイラストを描いたりできる
・おしゃれ
残念な点
・2 in 1 PCとは言え、タブレットの様に片手で持つには重い
・USB-Cに映像出力機能があればより使いやすかった
・時々うるさい
「時々うるさい」と言うのは、電源を付けて立ち上げた後はファンがめっちゃ回っておりうるさいことがあります。もしかしたらRyzen 5だとうるさくないかもしれないし、私の機種だけかもしれませんが気になったので・・・。
Lenovo IdeaPad Flex 550の特徴
今までの機種と一番変わったところは、上下左右のベゼル(画面の黒い枠)が今までにないくらい細くなっている所です。多くのパソコンをレビューしていますが、ここまで上下左右全てのベゼルが細いノートパソコンはみたことが無いです。(2020年7月リリースのいくつかのIdeapadは同様に細いです)
結構ベゼルが細い機種を集めましたが、Flex 550がダントツですね。Slim 150はここに並べたらかなり太く見えますが、標準よりちょっと大きいくらいのサイズですよ。
横のベゼルが細い機種は2019年くらいから少しづつ出ていましたが、上下左右全部ここまで細いのはほとんどないと思いますよ。少なくとも、2020年7月リリース以前の機種では見たことが無いです。
画面の枠が狭いとおしゃれだし、画面も大きく見えますね。
寸法は横321.5㎜、縦217㎜で、大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べても横+2.3㎝、縦+0.7㎝大きいだけで、以前に比べかなり小型化されています。
厚さは17.9㎜となっており、1円玉の直径が20㎜なのでそれより小さいくらいです。カバンに入れて持ち運びもしやすいです。
重さも持ち運びしやすい1.5㎏(実測1573g)、バッテリーも最大16.1時間と長持ちになっています。
私が今までメインで使っていたIdeapad S540 15型と大きさを比べたら、14型なので当たり前ですが、かなりコンパクトでした。
ちなみに、天板はアルミニウム素材で、底面は樹脂素材になっています。手触りも良く、指紋も付きにくいので頻繁に拭かなくても大丈夫そうです。
IdeaPadシリーズは元来スピーカーが底面部分にあったのですが、スピーカーがキーボードの横に配置されたために音がクリアに聞こえます。
排気口はヒンジの部分に、吸気口は大きく底面にあるのでエアフローも良いです。
昨年販売されたIdeapad s540と比べても、一目瞭然に改善したのが分かります。以前はヒンジが排気口の真ん前にあったのでエアフロ―が良くなかったのですが、Flex 550ではすっきりしています。
Flex 550 | Ideapad S540 |
2 in 1 PC
<デスクトップモード> | <スタンドモード> |
最大の特徴は、コレ、2 in 1 PCでしょうね。パソコンのボディとディスプレイを繋いでいるヒンジが360度回転するので、色々な形状にできます。
<タブレットモード> | <テントモード> |
集中して動画や映画を見たり、複数人で見る時はスタンドモードが見やすいですし、ソファやベッドの上でのんびり見る時は排気口をふさがない様にテントモードで見たり。
移動中の車内やカフェで使う時はタブレットモードにと、時と場所を選ばずに使えますね。
イラストを描いたりメモを取る
付属のペンはLenovo Digital Penで、4096段階の筆圧を感知し傾き検知はあります。MediBang Paintでいろいろとやってみたのですが、反応も良く使いやすいです。
私の様に絵心が無く(笑)、何となく描いてみたい人には十分過ぎですね。反応も良く、思いっきり早く動かしても100%反応しています。
画面に直接書き込みやイラストを描けるので、講義のメモ取りや、社会人であればミーティングのメモ取りなどプライベート以外でも活躍する機種です。
Onenoteというアプリを使えば、手書きの文字をテキストに変換も出来ます。
私の汚い時でも、読み取ってくれました(笑)
また、一番うれしいのが、手を置いてもペンが正常に反応するし、置いた手には何も反応しないので、以前の様に「手を浮かせて書く必要が無い」です。
キーボードはいたって普通の品質で、キーストロークが若干浅いので軽めに打つとタイピングしやすいと思います。キーピッチ(1つのキーから次のキーの中心までの距離)は実測で横18.6㎜、縦18.3㎜と比較的広いので、手が大きな人でも窮屈じゃないと思います。
ディスプレイ
ディスプレイは、FHD IPS液晶 光沢あり マルチタッチになっています。
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
---|---|
IPS液晶 | 視野角が広く、いろんな角度から見ても画面がきれいに見える |
光沢あり | 背景など映り込みしやすい反面、画面が明るくきれいに見える |
マルチタッチ | タブレットの様にタップできるディスプレイ |
高画質のフルHDでIPS液晶なので、画面はきれいです。一般的に光沢なしが好まれる傾向ですが、私は個人的に光沢ありの方になれているので、うれしいですね。スマホやタブレットも「光沢あり」なので、慣れている人は多いかもしれません。
画面はIPS液晶なので横や上など色々な角度から見てもきれいで、視野角も広いです。ただし、光沢ありなので少し反射していますね。
i1 Display Proで色域などのディスプレイ情報を計測したので、ご紹介します。
ピンクがAdobeRGBで黒がsRGB、そして黄色が本機種の色域です。
- AdobeRGB比とカバー率・・・48.4%
- sRGB比・・・65.3%
- sRGBカバー率・・・64.5%
- 輝度・・・248nit
画像編集などをしない人は特に色域を気にする必要はありませんが、平均的なノートパソコンの色域です。また、輝度は室内や屋外の日陰であれば問題なく使えるほどです。
また、画面上部の前面カメラを隠せるプライバシーシャッターが搭載されているので、カメラを使わない時は隠せます。
APU(プロセッサー)
プロセッサーは4000シリーズと5000シリーズがあり、当然、5000シリーズがより高い性能になっています。
- Ryzen 3 4300U(4000シリーズ)
- Ryzen 3 5300U(5000シリーズ)
コア/スレッド | GPUコア | 基本クロック ブーストクロック |
キャッシュ | TDP | |
Ryzen 3 4300U | 4/4 | 5 | 2.7/3.7GHz | 4MB | 15W |
Ryzen 3 5300U | 4/8 | 6 | 2.6/3.8GHz | 4MB | 15W |
Ryzen 5 4500U | 6/6 | 6 | 2.3/4.0GHz | 8MB | 15W |
Ryzen 5 5500U | 6/12 | 7 | 2.1/4.0GHz | 8MB | 15W |
Ryzen 7 4700U | 8/8 | 7 | 2.0/4.1GHz | 8MB | 15W |
Ryzen 7 5700U | 8/16 | 8 | 1.8/4.3GHz | 8MB | 15W |
AMD製のプロセッサーは、すっっっごく性能が高いんです。でも安いです。というのも、有名なIntelに追い付け追い越せと攻めている企業なので、低価格高性能で市場にプロセッサーを投入しています。
下のグラフは、Performancetestで計測したPassMarkスコアの比較です。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・Ryzen 5000 青・・・Ryzen 4000
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 4300U |
本機種搭載で一番性能が低いRyzen 3 4300Uでも8000オーバーと、ビジネス用途で使う場合の目安スコア7000を上回っていますね。
Ryzen 5と7は、専門職用のPCに搭載されるような高い性能ですね。
Flex 550のRyzen 7 5700uモデルを購入したので、Passmarkスコアを紹介します。14557となり、Ryzen 7 5700Uの平均より若干低いですが、かなり高性能です。
また、Ryzen 5000シリーズは「マルチスレッディング」と言って、スレッドがコアの倍になっており、より快適に使えるようにもなっています。
<アプリの数は例>
グラフィックス
グラフィック性能が高いと画像編集がしやすかったり、Officeワークや複数画面での作業もしやすくなります。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 4300U | |
UHD |
ここ最近、内蔵グラフィック性能が大きく上昇したので、どれを選んでも普通に使えそうですね。下から4番目のIris Plusは2019年に発表されたとき、「おー、すごい」って思ったので、これと比べるとRyzen 3以外は同等、もしくはそれ以上の性能です。
ただし、先ほども言ったように、「ちょっと画像編集なんかもやってみたいな」って人や、「ビデオエディター」などで動画編集もしたい人はIntelモデルの方が使いやすいです。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、メモリが大きいとより大きなデータが扱いやすくなります。
本機種搭載のDDR4-3200MHzは最高峰のメモリで、メモリの性能を計測するMemory Markでもかなりの高得点を獲得しました。処理族度が速いです。
ちなみにメモリはDDR4-3200MHzと、旧機種に搭載されていたDDR4-2400MHzより大きく性能が上がっています。周波数が高いと処理速度が上がるので、本機種は以前の2400MHzに比べ30%以上処理速度が速くなっています。
ストレージ
ストレージはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)で、128GBか256GB、大容量の512GBが選べます。256GBでも容量は十分大きいですが、大きなファイルなどを使う予定の人は512GBが良いでしょうね。
SSDの種類は、M.2 PCle-NVMeという最速タイプが搭載です。
SSDはSATAとPCle-NVMeがあるのですが、
- SATA・・・データ転送速度の理論値が6Gbps
- PCle-NVMe・・・データ転送速度の理論値が32Gbps
となっていますが、シーケンシャル速度(実際の読み込みと書き込みの性能)は、この様になりました。
読み込みが3269MB/秒で、書き込みが2923MB/秒です。かなり速いですね。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間はRyzen 7 5700Uが最大18.5時間、Ryzen 5と3が16.1時間となっています。結構長いので、安心して外出時に持ち運べますね。
サポート・保証
IdeaPadでは標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所に指定業者が引き取りに来て、リペアセンターに配送。修理後には返送してくれます。(郵送費はすべてLenovo負担)
また、修理は国内でやっており、NECのコンピューター事業所で対応しているので、日本クオリティだし、修理、返送も比較的早いです。
ADP(アクシデントダメージプロテクション)は、落下や水濡れ、火災などの事故による障害や、盗難紛失にも対応する保証です。これは素晴らしいと思います。
インターフェイス
- USB 3.0
- 4-in-1メディアカードリーダー
- 電源ボタン
- 電源コネクタ
- HDMI
- USB3.0 Type-C (Power Delivery対応、DC-in機能付き)
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
インターフェイスにはHDMIもあるので、ケーブル1本で外部ディスプレイに接続できます。また、メディアカードがあるので、デジカメや一眼で撮った写真も簡単に移動できますね。
USB-CのPower Delivery対応、DC-in機能付きなので電源アダプタと併用と言う意味です。
まとめ
2 in 1 PCでここまで性能が高いのに、これほど安い機種も珍しいですね。とくにAMDは超ハイスペックモデルなので、ガッツリ使う人にぴったり合います。
14型のパソコンなので据え置き用として使ってもいいし、軽いし小さいので外出用としても持ち運びがしやすいですね。