Lenovo Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)のレビューです。
今まで多くのYogaをレビューしてきましたが、Yogaにしては安い12万円台でこのスペックは反則でしょ?ってくらいコスパが高い機種です。
まずは本機の良い点、残念な点です。
良い点 | 残念な点 |
超高品質ディスプレイ | SDカードリーダーはない |
14インチで約1.3㎏と軽い! | – |
Copilot+PCで便利 | – |
CPU性能と排熱性能が高い | – |
14インチだが15インチ並みの表示が可能 | – |
豊富なインターフェイス | – |
良いスピーカー | – |
キーボードが打ちやすくなった | – |
Wi-Fi 7 | – |
おすすめユーザー層はこちらです。
・ 高品質なディスプレイで動画・画像編集をしたい人
・AI機能やCopilot+PCに興味がある人
・持ち運びやすくて仕事にも趣味にも使える万能PCを探している人
・12万円台で性能・デザイン・機能性を妥協したくない人
レビュー機はメーカからお借りしており、スペックはRyzen AI 7 350、LPDDR5X-7500MHz 32GB、SSD 512GBになります。
・週末セール(土日開催)
・新着セール情報
Contents
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)のスペック
CPU | Ryzen AI 5 340 Ryzen AI 7 350 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-7500 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14.5型) | 2.8K OLED DCI-P3 100% HDR1000 10bit |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD画素+IRカメラ |
オーディオ | Dolby Atmos、2W×4基 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 312 × 219.3 × 13.9mm |
重さ | 1.298g |
バッテリー(PCMark10で計測) | 最大約12.5時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 12.7万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはRyzen AI 300シリーズが搭載で、最大50 TOPSのNPUが搭載です。Ryzen 5は6コア12スレッド、Ryzen 7は8コア16スレッドと多コア多スレッドで、マルチコア性能もシングルコア性能も高めでした。
メモリはLPDDR5X-7500MHzでオンボード最大32GB、ストレージはSSD PCIe 4.0で最大1TBとどちらも高性能で大容量です。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長い14インチで、15インチ並みの情報が表示できます。
解像度は2.8K(3000×1872ドット)のOLEDディスプレイを採用しており、OLEDなので完全な黒を描写でき、高品質PureSight Proディスプレイ、HDR1000に対応し、デジタルシネマ規格のDCI-P3 100%にAdobe RGB 99%の広色域、そして10 bit 10.7億色の発色があり、リフレッシュレートは120Hzとぬるぬるです。
その他のスペックはWindows 11 HomeかProを選択でき、無線はWi-Fi 7に対応、WebカメラはFHD 1080pで、顔認証のIRカメラ付きになります。
14インチで実測1298gと軽く、バッテリー駆動時間は長めの最大12.5時間になります。
また、薄型のYogaでは珍しくインターフェイスが充実しており、USB-Aが1つ、USB4が2つ、マイク/ヘッドフォンジャックにHDMIもあります。
そして本機はCopilot+PCで、最先端の機能が使えます。
よくある質問と回答
ここではよく聞かれる質問と回答をまとめました。聞きたいことがない場合は、Xにて質問してもらえればすぐに回答します。
質問 | 回答 |
---|---|
納期が変わりました。こういうことは良くありますか? | 時期によりますが、大きなセールがある12月、1月、そして新年度に向けての買い替え需要が高い3月4月、サマーセールがある7~8月は納期がずれることがあるようです |
出荷からどのくらいで届きますか? | 経験からみると、出荷から通常2~3日以内に届くと思います(購入日からじゃなく出荷されてから) |
画像・動画編集に使えますか? | 当サイトの3Dグラフィック性能計測ではGTX 1650 Max-Qに近いスコアが出ていたので、動画編集もできます |
ファンはうるさいですか? | ベンチマーク計測時は50dBとちょっと音はしますが、一般的な使用をしているときは静かです |
PD充電できますか? | USB4があるので可能です |
PD給電とDP出力をケーブル一本でできますか? | USB4があるので可能です |
オンラインレッスンに合いますか? | カメラの解像度は210万画素と高いので、オンラインレッスンやミーティングにも合います |
メモリ/ストレージの増設はできますか? | いいえ、できません |
持ち運びに向いていますか? | 14インチで1298gと軽く、コンパクトでバッテリー駆動時間も長めなので持ち運び向きです |
ディスプレイは明るいですか? | 最大1100ニットとすごく明るいです |
Officeの使い心地は? | 快適に使えます |
PCを快適に使う目安のスペックは? | どのモデルを選んでも快適に使えます |
ディスプレイの色域の違いは何ですか? | 色域が広いとより正確な色を描写できます。広さはAdobe RGB(これはほとんどない) >DCI-P3 > sRGB > NTSC 45%になり、本機はAdobe RGB 99%になります |
バッテリー駆動時間は長いですか? | JEITA 3.0計測で12.5時間と長めです |
リフレッシュレートはいくつですか? | 最大120Hzです |
以下にて本機の特徴をご紹介します。
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
Lenovo AI Nowが使える(メモリ32GBモデル)
Lenovo AI Nowは、簡単に言うと「完全無料でインターネット不必要、そして完全にローカルで処理をするChat GPT」と言った感じで、プラスアルファの機能があります。
これ凄いんですよ。無料で、しかも回数制限もなく、自分好みのAIアシスタントを簡単に構築できます。
Local AI Modeでは完全にローカルで処理をするため、今まで情報漏洩の観点からChat GPTなどを使えなかった人にも合います。
Lenovo AI Nowには以下の機能があります。
・Local Chat(Chat GPYやGeminiみたいなもの)
・Knowledge Assistant(パーソナルナレッジベース (PKB) にファイルをアップし(ローカルに保存される)、検索、要約、洞察などができる)
・PC Assistant(Windowsの設定などを簡単にできる便利機能)
・Cloud Chat(現在使えないが、オンライン版のチャットのよう)
・Explore(Lenovo AI Nowの機能を1画面にまとめた項目)
こちらで詳しいレビューをしているので、ぜひ読んでみてください。
超高品質ディスプレイ
ディスプレイはすごくきれいです。Yogaのディスプレイは本当にきれいで、目も疲れにくいし、色も正確に描写できるし、コントラスト比も高く見やすいです。
超高品質ディスプレイで特徴が多いのでまとめました。
・14インチ
・2.8K OLEDで高精細、そして完全な黒を描写できる
・画面比16:10で15インチ並みの情報量
・PureSight Proディスプレイで、よりシャープな映像がより速く、そしてより現実の様に描写できる
・DCI-P3 100%、Adobe RGB 99%でプロ向けの正確な色を描写できる
・10 bit 10.74億色の発色
・コントラスト比100万:1でくっきりすっきり
・ハイダイナミックレンジのHDR1000とDolby Vision対応で白はより白く、黒はより黒く描写
・最大1100ニト(HDR標準)
・TÜV 認定のブルーライト低減
・マルチタッチ
・120Hzのリフレッシュレートでぬるぬる
ただし、光沢のあるディスプレイなので、反射しやすいです。
大きな特徴はこちらです。
本機は画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16:9の14インチディスプレイよりも多くの情報を表示できます。このおかげでスクロール回数も減るし、一目でより多くの情報を見て取れるので作業効率もアップします。
左は本機で、右はオリジナル画像です。本機の方が色が良く見えますね。
色域はDCI-P3 100%・Adobe RGB 99%と広く、一般的なクリエイターPCに採用されることが多いsRGB 100%よりもより正確に色を描写できます。動画・画像編集、2D/3DCADなどのクリエイティブワークや、動画視聴にすごく合います。
PureSight Proの詳細は公開されていないのですが、PureSightはいくつかの旧モデルにも採用されており、「よりシャープな映像がより速く、そしてより現実の様に描写できる」とのことです。Pro版なので性能が上がっているんだと思います。
こちらは黒をどれだけ描写できるかの比較で、完全な黒を描写できるOLEDディスプレイなのでしっかりと黒を表現できています。またコントラスト比は100万対1と高いので、メリハリのある映像になっています。
オリジナル画像よりも色鮮やかで、黒も真っ黒です。
視野角はどこから見ても暗くなる部分がなくしっかりと見えています。
輝度はピーク時1100ニト(標準500ニト)とかなり高いです。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
軽い筐体で持ち運びも楽々
重さは実測1298gで、14インチの平均(約1.4㎏)よりも軽いです。Yogaって実は重たい機種が多かったのですが、2025年モデルから随分と軽くなりました。
Yogaの筐体はどれも美しいですね。きれいなラウンドエッジに光が反射し、高級感が溢れています。
天板は指紋が付きやすかったので、撮影前に拭きました。
ベゼルも細く、すっきりした見た目です。
ベゼル幅は左右4.5ミリ、上7.2ミリ、下は10.5ミリでした。めちゃくちゃ細いですね~。
寸法は幅312ミリ、奥行き219.3ミリ、厚さ13.9ミリとすごくコンパクトです。
ディスプレイは180度開くので、人と画面共有するときなんかに便利です。
また、指一本でディスプレイを開けることができるので、片手にドリンクなど持っていてもすぐに開いて(顔認証もあるので)使うことができます。
1080p高画質カメラ
WEBカメラは高画質FHDで、顔認証のIRカメラ付き、そして電子式プライバシーも搭載しています。ちなみに、電子式なのでシャッターを閉じてもカメラの見た目は変わりません(画像右がシャッターを閉じた状態)。
上の画像は本機のWEBカメラと、一般的なビジネスPCに搭載されるFHDのWEBカメラで撮影した同じ人形で、本機はかなり暗く映りました。(なんでだろ??)
3Dアレイマイクが4つ搭載しており、スピーカーは2Wのウーファーが2つ、2Wのツイーターが2つになります。
動画で紹介しますが、音質はすごく良く聞き心地が良かったです。
また、本機にはNPUが搭載しているのでWindowsスタジオエフェクトが使え、自動フレーミングやアイコンタクト、背景のぼかしなどの効果が簡単に使えます。
豊富なインターフェイス
インターフェイスはUSB4が2つ、USB-Aは1つ、HDMIに3.5ミリジャックがあるのですごく便利です。Yogaでドックを使わなくても十分って言う機種は少ないので、本機は貴重ですね。
ただし、SDカードリーダーがないので、一眼を使う人は別途カードリーダーが必要です。
<左からHDMI、USB4が2つ>
<左からプライバシーシャッターボタン、電源ボタン、3.5ミリジャック、USB 3.2 Gen 1>
右側面には電源ボタンと。電子式プライバシーシャッターボタンもあります。
キーが大きく使いやすいキーボード
キーボードは日本語キーのバックライト付きで、ほぼすべての主要キーが同じ大きさなのでタイプミスしにくかったです。
個人的に良く使う左右カーソルキーも大きいし、コパイロットボタンもあるので、調べ物や疑問があるときもワンタッチで呼び出せるので快適です。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は実測18.7×18.5㎜とフルサイズで窮屈じゃなく、キーストローク(キーを押し込む距離)は実測1.1㎜(公称値1.5ミリ)と浅かったですが、キーボードが湾曲しておりちょっとくらい中心を外して打ってもしっかりと中心を打ててる感触で、深めで柔らかい打鍵感でした。
2025年のYogaのキーボードはすごく進化しており、普段ThinkPadを使う筆者でもタイピングしやすいと思うほどです。(ただし、さすがにThinkPadには負けますが)
タッチパッドは実測135.6ミリ×80.4ミリと大きく、操作しやすいです。
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
ベンチマーク
<レビュー機はRyzen AI 7 350>
どちらも最大50 TOPSのNPU性能を持つRyzen AI 7 PRO 350かRyzen AI 5 PRO 340が搭載でき、アーキテクチャにZen 5とZen 5cを採用しています。CはコンパクトのCで、IntelにはパワフルなPコアと高効率なEコアがありますが、Intelっぽく言えば、Zen 5はPコア、Zen 5cはEコアになります。
Zen 5cは1コア当たり1MBのキャッシュで(Zen 5は1MB当たり4MB)ピーククロック数も抑えており、電力効率が上がります。低負荷な作業をするときはZen 5cを使用し、バッテリー駆動時間が伸びるわけですね。IntelのPコアEコアと同じ概念です。
Ryzen 5は6コア12スレッド、Ryzen 7は8コア16スレッドで、マルチコア性能もシングルコア性能も高いです。
*TOPS・・・1秒間に何兆回演算を実行できるかの数値。50 TOPSは50兆回/秒
ベンチマークの総評を先に言うと、性能はすごく高く、ベンチマークによっては上位モデルのRyzen AI 9 HX 370やCore Ultra 9 285Hよりも高いスコアを出しているものもありました。
グラフィック性能も高めで、外部グラフィックのGTX 1650 Max-Qに近いスコアが出ていたので、高負荷な作業をする人に向いたCPUでした。
過去に同じCPUをレビューしましたが、総合的に見ると本機が一番高い性能でした。
CPU Mark計測結果
CPUの性能を測るCPU Markのスコアは27206と良いスコアでした。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ/本機 青/その他
Core Ultra 9 285H | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen AI 7 350 | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 7535HS |
Cinebench 2024は良いスコア
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア843、シングルコア114とどちらも良いスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 285H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen AI 7 350 | |
Apple M1 Max | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640U | |
Core i5-13420H | |
Apple M1 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Core Ultra 9 285H | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 7 350 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i5-13420H | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Core i7-1280P |
Geekbench AIはすごく高いスコア
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は3609、Half Precision(半精度)は1784、Quantized(量子化スコア)は7470と高い性能でした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 285H | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 7 350 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 5 7535U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
---|---|
Core Ultra 9 285H | |
Ryzen AI 7 350 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 285H | |
---|---|
Ryzen AI 7 350 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
PCMark10は全体的にすごく高いスコア
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は7380→ハイスペック寄りのミドルハイスペック
- Essentialは10969→通常用途やビデオ会議などはすごく快適にでできる
- Productivityは10264→すごく快適に使える
- Digital content creationは9688→めちゃくちゃ高い性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 7 350 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 9 285H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i5-13420H | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 7 350 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 9 285H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-13420H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 285H | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 7 350 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Core i7-1260P | |
Core i5-13420H | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U |
4K動画レンダリング時間はすごく速い
5分の風景を撮影した4K動画の、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。
3回計測し平均は2分49秒とすごく速かったです。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 7535HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 7 258V | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 9 285H | |
Ryzen AI 7 350 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Ryzen AI 9 HX 370+RTX 4060 |
3D Graphics Markは高いスコア
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。
3Dグラフィックス性能を測る3D Graphics Markのスコアは、5599となかなか高いスコアでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 9 285H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen AI 7 350 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-13420H |
Fire StrikeはGTX 1650 Max-Q並みの性能
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Fire Stikeは6838となかなか良いスコアで、外部グラフィックカードのGTX 1650 Max-Qとほぼ同じスコアでした。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Core Ultra 9 285H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen AI 7 350 | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535HS | |
Core i5-13420H |
次は2Dゲームのベンチマークで、軽めのゲームであるドラゴンクエスト10は14230で「すごく快適」、重ためのFFXIV黄金のレガシーは6516で「やや快適」でした。(画質はFHD)
総合してみると、毎日いくつもの編集をするプロじゃなければ、画像・動画編集も快適にできるほどの性能です。
Memory Markはまぁまぁのスコア
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5X-7500MHzの32GBで、Memory Markで性能を計測したら2894とまぁまぁ良いスコアでしたが、当サイトで計測した平均には届きませんでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
本機種LPDDR5X | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
シーケンシャル速度が速いストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0の512GBで、シーケンシャル速度を計測したらリード(読み込み速度)は6580MB/秒、ライト(書き込み速度)は5553MB/秒とどちらも速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を計測しました。5回計測した平均は13.8秒とすごく速いです。
1回目 | 14秒 |
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2回目 | 13秒 |
3回目 | 14秒 |
4回目 | 14秒 |
5回目 | 14秒 |
平均 | 13.8秒 |
高い排熱性能
ベンチマークの結果を見ると、あれだけ良いスコアがこの薄型PCで出ていたのでしっかり排熱できていると思います。
底面にはメッシュの大きな通気口があります。
ただし、通気口の裏側(筐体内部に位置する方)には通気口をふさぐように補強用のプラスチックが配置されているので、実質、大きな通気口の左右部分しか使えていないと思います。
筐体内部には2つのファンに2本のヒートパイプがあり、高い排熱仕様です。
CPUの性能を100%フルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時に、PC表面温度と底面温度、そして騒音値を計測しました。
この時のPC表面温度は47.1度とちょっと高めで、底面温度は45.1度とちょっと熱めでした。膝の上に置いて使っていると結構熱いので、高負荷な作業をするときはテーブルに置いた方がよさそうです。
騒音値は平均50dBとファンの音がしっかりと聞こえます。扇風機の中くらいの音でした。
ちなみに普通に使っていてCPUを100%使うことはほぼないので、ここまでの音や温度を見ることはないと思います。
その他の特徴
バッテリー駆動時間
バッテリーは70Whrと大容量で、JEITA 3.0測定で最大約12.5時間となりました。バッテリー駆動時間は結構長いので、ディスプレイ輝度にさえ気を付けたら半日以上は普通に使えます。(最大輝度は1100ニットとかなり明るいので、使用時はご注意を)
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、通常であればPremium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができますが、執筆時現在、まだこの保証はありません。こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
まとめ
良い点
・超高品質ディスプレイ
・軽い!
・Copilot+PCで便利
・画面比16:10の14インチだが15インチ並みの表示が可能
・スピーカーが良い!
・Wi-Fi 7に対応
・CPU性能が高い
・薄型コンパクト機種にしては豊富なインターフェイス
・キーボードがずいぶん使いやすくなっている
残念な点
・SDカードリーダーがない
総合評価
すごくいい機種でしたね。
これ、12万円台からですが、価格設定間違ってないかな?ってくらいコスパが高いです。
おすすめ対象ユーザー層
・ 高品質なディスプレイで動画・画像編集をしたい人
・AI機能やCopilot+PCに興味がある人
・持ち運びやすくて仕事にも趣味にも使える万能PCを探している人
・12万円台で性能・デザイン・機能性を妥協したくない人
購入先