モバイル・タブレット向けSoCの、MediaTek Helio P90のベンチマークです。
ゲーム向けとしてはあまり高い性能ではありませんが、重ためのゲームである原神もできるし、Photoshop ExpressやLightroom、Microsoft Officeも使え、普段使いや軽めのビジネス用途なら問題なく使用できると思います。
ただし、アプリなどの動作はSoCだけじゃなくメモリなども大きく関係しているので、本記事記載の現象と全く同じように使えるかはSoC以外のスペックも関係してきます。
注)本記事で紹介している画像(スクリーンショット)は、タブレットの不具合のため全てが少しカットされています。申し訳ありません
Contents
MediaTek Helio P90の特徴
MediaTek Helio P90(MT6779) | |
アーキテクチャ | 12nm |
CPUタイプ | Arm Cortex-A55, Arm Cortex-A75 |
コア/スレッド | 8/8 |
クロック数 | 最大2.2GHz 最大2.0GHz |
内蔵GPU | PowerVR GM9446 |
メモリサポート | LPDDR4X-最大1866MHz |
ストレージタイプ | UFS 2.1 |
Helio P90はBig.LittleのSoCで、2組のプロセッサーを使用し、高負荷作業をしているときは高性能コアを、メールやWeb閲覧などの低負荷な作業をしているときは性能が低いコアを使用します。
メリットは、低負荷な作業時に高性能コアを使用しないので、バッテリー駆動時間が伸びるというものです。
また、メモリサポートはLPDDR4X対応なので高品質なメモリが搭載でき、ストレージはeMMCじゃなくUFSなので、こちらも転送速度が速いものに対応しています。
Wi-FiはWi-Fi 5 (a/b/g/n/ac)に対応で、Wi-Fi 6には対応していませんが、IEEE802.11ac(最大6.9Gbps)に対応しているので速度も速めです。
計測機種
SoC | MediaTek Helio P90 |
---|---|
メモリ | LPDDR4X 8GB |
ストレージ | UFS 128GB |
計測機種は「ALLDOCUBE X Game」で、スペックは上記したものになります。メモリが大きいので、同じSoCを搭載した他機種よりも、若干スコアが良いと思います。
SoC性能(CPUスペック)
タブレットやスマホに搭載されるプロセッサーはSoCと呼ばれ、CPUだけじゃなくGPUやモデムなどが一つのチップに載ったものになります。なので、PCとは違いCPUとは言わずにSoCと呼ばれますが、パソコンのプロセッサー(CPU)みたいなものです。
Geekbench 5
Geekbench 5はクロスプラットフォームのベンチマークで、パソコンの性能を測るCinebenchの様にシングルコア性能とマルチコア性能を測定できます。
スコアはマルチコア(総合性能)が1031、シングルコア(クリエイティブワークがしやすい指標)が218でした。
Geekbench5 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 870 | |
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Snapdragon 690 5G | |
Snapdragon 730G | |
MediaTek Helio G90T | |
Snapdragon 662 | |
MediaTek Helio P90 X Game |
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MediaTek Helio P22T | |
Snapdragon 439 | |
Snapdragon 429 | |
MT8166 |
Geekbench5 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 870 | |
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Snapdragon 690 5G | |
Snapdragon 730G | |
MediaTek Helio G90T | |
Snapdragon 662 | |
MediaTek Helio P90 X Game |
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Snapdragon 439 | |
Snapdragon 429 | |
MediaTek Helio P22T | |
MT8166 Tab 7 (3rd Gen) |
ベンチマーク的には控えめな性能ですが、使っていて「そんなにスコア低いかな?普通にサクサク動くけど」と思いました。
PCMark 10
・Work・・・6340
・Web Browsing・・・5763
・Video Editing・・・5624
・Writing・・・5499
・Photo Editiing・・・11779
・Data Manipulation・・・4879
総合(Work 3.0)
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 730G | |
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MediaTek MT8183 | |
MediaTek Helio P60T | |
MediaTek Helio P90 | |
Snapdragon 662 | |
MediaTek Helio P22T | |
MT8166 |
Webブラウジング
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 730G | |
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MediaTek MT8183 | |
Snapdragon 662 | |
MediaTek Helio P90 | |
MediaTek Helio P60T | |
MediaTek Helio P22T | |
MT8166 |
総合性能は8000以上だと比較的何でも(編集など)快適にでき、本機種の6340は普通よりちょっと快適なくらいです。普段使い+アルファもしやすい性能ですね。
3Dグラフィック性能
3Dグラフィック性能を測る定番ベンチマーク3DMarkをダウンロードして計測しましたが、OPEN GL ES3.0のSling Shot、OPEN GL ES3.1のSling Shot Extremeは測定できたのですが、Wild Life(Vulkan)は実行できませんでした。
Sling Shotは2212もあるのである程度のゲームもできるし、ゲームをしな人なら困ることは一切ないグラフィック性能だと思います。
ゲームはできる?
あまり性能が高いSoCじゃないですが、ゲームは普通にできました。
Call of Duty Mobileシーズン1は意外にサクサクプレイでき、カクツキや遅延も少なかったです。
マリオカートも普通にプレイ可能でした。
原神は敵が多く、必殺技を使うとカクつくこともありますが、ホビーユーザーであれば問題ないレベルでプレイできます。
Photoshopは使える?
Photoshop Expressは軽い画像編集アプリなので、低スペックのSoCでも意外に使えるんですね。
Helio P90では普通にサクサク使えました。
Microsoft Officeは使える?
WordとExcelのアプリをダウンロードしましたが、え~・・・なんと、Officeのアカウント作成画面でロボットじゃないことを証明するテストがあるのですが、ここに来るとかなり動きが重く、1クリック反応するのに10秒近くかかり、重くてこれ以上進みませんでした。(Helio P90のせいじゃなく、Microsoftのせいだと思いますが・・・)
なので、「Office」と言う名のアプリをダウンロードして設定しました。
どちらも一般的な作業であれば、問題なく使えました。ちょっと関数などは試していないので分かりませんが、編集や校正をするのには問題ないと思います。
Helio P90搭載モデル
・Ulefone Armor 7 Unbreakable(スマホ)
最後に
ベンチマークのスコアを見るとローエンドSoCに部類すると思いますが、普段使い用であれば十分な性能だと思います。むしろ、原神もプレイできるほどなので、個人的には「結構良いSoC」だと思います。
今回ベンチマークを取った機種はALLDOCUBE X Gameと言う中華タブレットで、メモリが8GBと大きいのに価格は3万円以下であるので、タブレットをお探しの人はこちらのレビュー記事も読んでみてください。
もしくは、他のSoCやCPUのスペックを確認するなら、「CPU Benchmark」も併せてどうぞ。