Yoga Slimシリーズに、より快適に画像編集や動画編集もできるProモデルが登場しました。
CPUにはインテル第11世代が搭載、内蔵グラフィックスにはIris Xeが、外部グラフィックボードにはNVIDIA GeForce MX 450が搭載なので、グラフィックボードを必要としない編集ソフトも、Photoshopなどのグラフィックボードがあった方が良いソフトも使いやすくなっています。
また、通常の画面縦横比である16:9でなく、縦が長い16:10になっているので、より多くの情報が表示され、解像度も2.2Kと高いので詳細が表示されます。
色域も高いsRGB 100%なので、Web用画像編集がしやすいディスプレイです。
動画編集はもちろんですが、主に画像編集をするクリエイター向けの機種になっています。
Contents
Yoga Slim 750i Proのスペックレビュー
CPU | Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | 最大512GB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce MX 450 |
ディスプレイ | 14型2.2K IPS 光沢無し Dolby Vision sRGB100% 300nit、画面比16:10 |
OS | Windows 10 Home |
Microsoft Office | Office Home & Business 2019あり |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.0 |
生体認証 | 顔認証 |
オーディオ | Dolby Atmos |
寸法 | 312.4×221.4×14.6㎜ |
重さ | 1.33㎏ |
バッテリー | 15.2時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 9.8万円~ |
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第11世代CPUが搭載で、Evoプラットフォーム認証を受けた機種になります。Evoについては後述していますが、「とにかく快適にサクサク使えるPC」がEvoの特徴です。
グラフィックスのIris Xeは「内蔵グラフィックスでは最高の性能」があり、外部グラフィックボードのMX 450は「Iris Xeのより40%ほど高い性能」になっています。
メモリはLPDDR4x-4266MHzと、処理速度が最高クラスのものが搭載、ストレージは最速モデルのSSD PCIe 3.0×4が搭載です。データ移動も速く、パソコンの起動は高速です。
クリエイター向けPCなのでディスプレイの解像度も2.2Kと高く、高色域のsRGB 100%です。より正確な色が表現されるので、画像編集がしやすいです。
次世代通信規格のWiFi6に対応なので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。また、新規格のThunderbolt 4も搭載しているので、8Kディスプレイが使えたり、最大データ転送速度は40Gbpsと、大きなデータを扱う人にも使いやすい仕様になっています。
13型並みの小型サイズなのに4セルバッテリーと大容量で、バッテリー駆動時間が最大15.2時間と長く、持ち運びが多いクリエイターにも向いているし、Thunderbolt 4ポートから4Kや8Kディスプレイへの接続も出来るので、自宅で使うときはメイン機としてもいけますね。
ライバル機種
本機種と似たような14型最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | Yoga Slim 950i | Yoga Slim 750i Carbon | |
CPU | Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
Intel core i7-1165G7 | Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 2TB | SSD 1TB |
グラフィックス | Iris Xe GeForce MX450 |
Iris Xe | Iris Xe |
ディスプレイ | 2.2K HDR sRGB 100% 14型画面比16:10 |
UHD HDR sRGB 100% 14型画面比16:9 |
2.5K HDR sRGB 100% 13.3型画面比16:10 |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 15.2時間 | 18.7時間 | 14時間 |
重量 | 1.33㎏ | 1.3㎏ | 966g |
価格 | 9.8万円~ | 16.4万円~ | 11.8万円~ |
持ち運び重視なら750i Carbonが一番軽いですが、13型なのでディスプレイは若干小さめです。高解像度ディスプレイが欲しいという場合は、上位モデルのSlim 950iが4Kディスプレイになっています。
本機種は2.2Kと標準以上の解像度で、グラボにMX450も搭載可能と、動画・画像編集をするクリエイターにとっては使いやすい機種だと思います。また、価格も比較的安いので、購入もしやすいと思います。
Yoga Slim 750i Proの特徴
Yogaシリーズはスリムでおしゃれな機能が搭載しているのが特徴で、本機種は特に小型です。幅312.4㎜、奥行き221.4㎜、高さ14.6㎜と、13型クラスの寸法ですね。
先日レビューをする機会があったSurface Book 3と比べてみます。
幅 | 奥行き | 高さ | 重さ | |
本機種14型 | 312.4㎜ | 221.4㎜ | 14.6㎜ | 1330g |
Surface Book 3 13.5型 | 312㎜ | 232㎜ | 13~15㎜(キーボード装着時23㎜) | 1534g |
本機種は14型なので当然13.5型よりも大きなディスプレイですが、ほぼ全ての項目で本機種の方が小型です。しかもグラフィックボードも搭載しているのに、200g以上軽いです。
ベゼルが細い
ベゼルとは画面の黒い枠で、当然ベゼルが細い方が小型になるし、軽くもなり、画面が見やすいです。本機種は極限までベゼルを細めているので、他のどんなパソコンよりも細いです。
おしゃれだと人気なのでSurfaceとMacと比較していますが、どこのメーカーと比較しても本機種のベゼルは細いです。おしゃれです。
筐体
プレミアムアルミニウムを使用したボディは高級感があり、アルミニウムは耐久性も高く軽量です。ディスプレイ上部のカメラ部分が少し盛り上がっているのですが、このおかげで片手でパソコンを開く事が出来ます。
天板左上にあるさりげないロゴも、おしゃれですね。
筐体の角が丸みを帯びているので、優しい印象を与えるボディです。
スマートな機能が満載
本機種は「開くと自動で電源が入る」ので、わざわざ電源ボタンを押す必要がありません。また、顔認証システム搭載なので、サインインのためにパスワードを入れる必要もありません。楽です。
後ろから誰かが画面を見ていたら警告が出たり、離席すると自動でロックする機能もあります。
電源には3つのモードがあり、「省電力」で長時間バッテリー駆動が、「インテリジェント・クーリング」でファン速度とパフォーマンスのバランスが取れ、「エクストリーム・パフォーマンス」では性能を最大限に引き上げて作業が出来ます。
バッテリー駆動時間が長い
通常、小型で軽量なパソコンには3セルバッテリーが主流で、バッテリー容量が少ないから軽いという見方も出来ます。
本機種は4セルバッテリーが搭載で、高性能PCにもかかわらず最大15.2時間のバッテリー駆動時間があるので、外出時も充電アダプターの持ち運びは必要ない場合が多いと思います。
Evoプラットフォーム認証
Evoプラットフォーム認証を受けた本機種は、インテルとの共同開発で生まれた機種になります。Evoプラットフォームを簡単に説明すると、「とにかく快適に使えるノートパソコン」になります。インテル11世代のCPUを搭載していたらいいわけじゃなく、下記の項目全てに当てはまったもののみが、Evo認証を受けることが出来ます。
- ノートパソコンであること
- Iris Xeグラフィックス搭載の第11世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- WiFi6対応
- Thunderbolt 4搭載
インテル11世代CPUを搭載した機種で、より高い性能がある一部の機種のみ認証されています。
例えば、Officeのパフォーマンスが52%向上、ビデオ会議中にOfficeを使っての生産性が41%UP、Adobe CCを使った動画編集が2.5倍高速化など、今までに比べ生産性が高くなっています。
CPU
製造プロセス | コア/スレッド キャッシュ |
グラフィックス | ベースクロック シングルコアターボ時 |
|
Core i7-1165G7 | 10nm SuperFin |
4/8 12MB |
Iris Xe | 2.8GHz 4.7GHz |
Core i5-1135G7 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
Iris Xe | 2.4GHz 4.2GHz |
搭載CPUはどちらも4コア8スレッドで、Iris Xeが内蔵です。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”16929″ lazy=”no” class=””]Core i5でもビジネス用途で快適に使える目安の7000を大きく超えて、8357となっています。多くの人はCore i5でも十分な性能だと思います。
Core i7は約1万と、専門的なPCに搭載されるCPU並みの性能です。より快適に作業をしたい人は、i7ですね。
こちらはマルチコアとシングルコアの性能です。
[visualizer id=”16933″ lazy=”no” class=””]11世代CPUはシングルコアの性能が特に高いので、シングルコアで動作する編集ソフトがより快適に使えますね。もちろんマルチコアの性能も劇的に上がっているので、全体的にパワーアップしています。
グラフィックス
グラフィック性能は内蔵グラフィックスでは最高のIris Xeが、外部グラフィックボードにはNVIDIA GeForce MX 450が搭載です。
[visualizer id=”16937″ lazy=”no” class=””]MX 450はGDDR6でビデオメモリが2GBあるので、動画編集時に3Dエフェクトも比較的使いやすいし、軽い3Dゲームも出来ると思います。(ディスプレイのリフレッシュレートは60Hzです)
ディスプレイ
右にスクロールできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | Dolby Vision | 色域 | 縦横比 |
2240×1400 | なし | IPS | 300nit | 〇 | sRGB 100% |
16:10 |
解像度は2.2Kで、コントラスト比も高く視野角も広いIPS液晶が搭載です。画面の明るさは最大300nitと比較的明るい液晶です。
色域は「Web用画像編集」に向いているsRGB 100%と、高い色域があります。下の写真を見たら一目瞭然ですが、右のsRGB 100%のディスプレイの方がより鮮やかな色が描写されています。(画像は一眼レフで撮影。リサイズと圧縮をしているので、変色しています)
<左・一般的なディスプレイNTSC 45%/右・sRGB 100%(NTSC 72%相当)>
Dolby Visionとは「Dolby社のHDR(ハイダイナミックレンジ)の規格」で、最大輝度を高め、より大きなコントラストに滑らかなグラデーション、そして高い色域を表現できるようになっています。なので、普通のモニターに比べ、黒つぶれや白飛びなどが少なくなっています。
また、画面縦横比が通常の16:9でなく16:10と縦が長いので、より多くの情報が表示されます。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、大きなメモリを搭載しているとより大きなデータが扱いやすくなります。
普段使いやビジネス用途であれば8GBあれば十分ですが、画像編集や動画編集をするなら16GBがおすすめです。編集ソフトを使っている時って、あれもこれも同時に使うことが多いので、そうなると8GBじゃ重いと感じるときもあると思います。
本機種搭載のメモリはLPDDR4x-4266MHzで、オンボードになります。
この動作周波数(MHz)が高いとより高速にデータ処理が出来るのですが、4266MHzは現在最高の周波数なので処理速度は速いです。
ストレージ
ストレージはSSDのM.2 PCIe NVMe PCIe 3.0×4が搭載です。SSD(ソリッドステートドライブ)は旧来のHDD(ハードディスクドライブ)に比べ6倍以上の速度があり、本機種搭載のPCIe 3.0×4というのは、最高クラスの機種です。
- SSD SATA/HDD SATA・・・最大データ転送速度6Gbps
- SSD PCIe 3.0×2・・・最大16Gbps
- SSD PCIe 3.0×4・・・最大32Gbps
大きなデータを扱う人でも、サクサク使いやすいです。
また、ストレージはパソコンの起動にも影響するのですが、SSD搭載のノートパソコンは10秒~15秒ほどで起動が完了します。速いです。
インターフェイス
インターフェイスは少ないですが、Thunderbolt 4が2つもあるし、USB-Aもあるので困ることはないと思います。また、本機種はディスプレイを開けば電源が入るので、電源ボタンを触る機会は少ないと思います。
1. 電源ボタン
2. Powered USB 3.0
3. マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
4. Thunderbolt 4 ポート
Thunderbolt 4には、以下の特徴があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き(充電できるという意味)
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
- USB4.0規格に準拠
今後Thunderboltは、メインに搭載されるインターフェイスになると思います。
保証・サポート
Lenovoでは標準サポートとして、電話・チャット・LINE・メールのでのサポートがあり、保証は標準で1年間で、3年~5年に延長が可能です。
標準サポートでも十分ですが、不安な方はPremium Careという「24時間365日知識豊富な専任エージェント」がサポートする保証にアップグレードも出来ます。
また、ADP(アクシデント・ダメージ・プロテクション)は、落下、水濡れ、火災などの破損や盗難紛失でも保証してくれます。
まとめ
画像編集をメインにするクリエイターPCで、品質は最高クラスだと思います。ベゼルも細く、小型軽量、最新の11世代CPU搭載でEvoプラットフォーム認証と至れり尽くせりです。
外出時に持ち運びしやすいサイズで、WiFi6に対応しているので安定した高速通信が可能ですね。まぁ、2021年以降に購入するノートパソコンで、WiFi6がないものは致命的だと思いますが。
LenovoのYogaシリーズは、いつも最先端の技術を詰め込んだ機種をリリースするので、おしゃれな機能も多く、ビジネスでも学生でも、普段使いのPCとしても使いやすいと思います。