ありそうで無かった、真っ白なカーボン素材のボディが特徴のYoga Slim 750i Carbonは、最新のインテル第11世代CPU搭載で、Evoプラットフォームです。
13.3型なのにたったの966gと軽く、持ち運びが多い大学生や社会人におすすめの機種になります。
とにかく、おしゃれなんですよね、この機種は。白のカーボンファイバー素材のパソコンなんて、私は見たことがありません。
カーボン素材は上位モデルのみに使用され、見た目、手触り、そして堅牢性も高いです。
毎日持って出かけたくなるような、Yoga Slim 750i Carbonのレビューをご紹介します。
Contents
Lenovo Yoga Slim 750i Carbonのスペックレビュー
CPU | Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | Iris Xe |
ディスプレイ(13.3型) | WQXGA IPS 光沢無し 300nit sRGB 100% Dolby Vision |
OS | Windows 10 Home |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.0 |
生体認証 | 顔認証 |
オーディオ | Dolby Atmos |
Microsoft Office | 搭載モデルあり |
寸法 | 295.9×208.9×14.25㎜ |
重さ | 966g |
バッテリー | 約14時間 |
価格 | 11.8万円~ |
CPUは最新第11世代のCore i5とi7です。第10世代と比べても基本性能もグラフィックス性能も高く、色々なアプリケーションやソフトが使いやすくなっています。
特に内蔵グラフィックスのIris Xeは、NVIDIA GeForce GTX 660並みの性能があるので、クリエイターソフトのPhotoshopやPremiere Pro CCなどもかなり使いやすくなっています。
しかも本機種はEvoプラットフォームなので、その他の11世代CPU搭載モデルとは一味違います。(詳細は次の項で解説)
メモリは最大16GBとまず困ることはない容量で、ストレージはSSD 512GBか1TBと大容量です。
ディスプレイは2.5K画質のWQXGAでIPS液晶、高色域のsRGB 100%にDolby VisionのHDRなので、色が鮮やかなクリエイター向けの品質になっています。USB Type-Cが1つとThunderbolt 4が2つあり、全てがDisplay Port出力機能があるので、最大で3つのモニター+ノートパソコンのディスプレイの合計4つのモニターまで使えます。
まぁ、ここまで使うことはあまりないと思いますが、2-3画面使う人は多いので助かりますね。
次世代通信規格のWiFi6にも対応しており、込み合った回線でも安定した高速通信が可能、顔認証システムでログインも簡単です。
しかもたったの966gの重さなので、毎日持ち運びする人でも楽にできるし、バッテリー駆動時間が最大14時間とかなり長いので、外出時も充電アダプターの持ち運びは必要ないことが多いと思います。
ライバル機種
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | Yoga Slim 750i | Yoga Slim 750i Pro | |
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1TB | SSD 512GB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe | Iris Xe GeForce MX450 |
ディスプレイ | 2.5K 画面比16:10 |
2.5K 画面比16:10 |
2.2K 14型 画面比16:10 |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 14時間 | 14時間 | 15.2時間 |
重量 | 966g | 1.21㎏ | 1.33㎏ |
価格 | 11.8万円~ | 8.8万円~ | 9.8万円~ |
Yoga Slimシリーズには似たような名前の機種が多く迷いそうですが、基本的に同じスペックで、Thunderbolt 4も2つずつあります。ただし、Yoga Slim 750iのみEvoプラットフォーム認証ではありません。(Evoの詳細は次項で解説)
軽さ・性能・外観を重視するなら本機種が、価格を重視するならYoga Slim 750iが、グラフィック性能を重視するならMX450が搭載の750i Proが一番です。
メリット・デメリット
メリット
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・カーボン素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・画面比が16:10で、13.3型でも14型以上の情報が表示される
デメリット
・USB-Aが無いので、HDDなどの接続機器を持っている場合は、変換ポートかUSB-AーUSB-Cケーブルの購入が必要
Yoga Slim 750i Carbonの特徴
今までのノートパソコンとは全然違った最新機能を搭載した機種で、性能が高いクリエイターPCと言っても過言じゃない機能と性能です。
Evoプラットフォーム
本機種はEvoプラットフォーム搭載で、インテルとの共同開発された機種になります。Evoプラットフォーム認証を得るには以下の項目すべてを満たしている必要があり、インテル11世代CPUを搭載しているからと言って、全ての機種がこの認証を得ているわけではありません。言い換えると、Evoプラットフォームのパソコンは、一つ上の機能・性能を持った機種と言うことです。
- ノートパソコンであること
- Iris Xeグラフィックス搭載の第11世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- WiFi6対応
- Thunderbolt 4搭載
特に「AI推論も高速で使える」というのは、開発者向けのスペックですね。また、「1秒以内でスリープから復帰」はすごいです。スマホとかのレベルです。
上のグラフは11世代のCore i7-1185G7と、このクラスで最高のスペックを誇るAMD社のRyzen 7 4800Uとの比較ですが、Wordは1.38倍、Excelは1.3倍、Photoshopは1.4倍、Premiere Proは2.7倍も高速に動くとのことです。
外観
まず一番最初に目を引くのが、ベゼル(画面の黒い枠)の細さです。パネル比91%(ベゼル9%)なので、画面のほとんどが液晶ですね。パネル比80%(ベゼル20%)でも比率が高い方ですが、91%となると知っている限りでは最高の比率です。
丸みを帯びた筐体で、角が丸く、おしゃれに見えます。今まで白のノートパソコンと言えばプラスチック製が殆どでしたが、本機種は最軽量のカーボンファイバー素材で、剛性が25%向上、側面と背面カバーはマグネシウム合金が使用されています。
カーボンファイバーは硬く、堅牢性が高いのに軽いので、本機種はたったの966gと持ち運びがしやすい重量になっています。
寸法は幅295.9㎜、奥行き208.9㎜、厚さ14.25㎜とかなり小型です。大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比較すると、幅と奥行き共に-1.1㎜です。大学ノートより小さいので、ほとんどのカバンにフィットすると思います。
厚さは閉じた状態で14.25㎜と、1円玉(直径20㎜)の4分の3以下の大きさです。カバンに入れてもかさばりにくいです。
軽くて小さいだけでなく堅牢性も高い本機種は、米軍の物資調達規格(MIL-STD)に準拠しており、落下・振動・高温・低温・多湿などの様々な状況でのテストにクリアしています。
カラーは真っ白なムーンホワイトで、光沢がある外観に、3層サーマルコーティングを施し、指紋防止仕上げがしてあるので、いつでもきれいな見た目を保てます。意外に指紋が付きやすいパソコンって多いので、助かります。
薄くて小さなノートパソコンの欠点は大きなバッテリーが入れれないため、性能が高いとバッテリー駆動時間が短いのですが、本機種は大容量の50Wh 4セルリチウムイオンバッテリーなので、性能が高いにもかかわらず最大14時間のバッテリー駆動になっています。
また、約2時間で充電が満タンになります。
スマートAIセンサー搭載で、パソコンを開けば電源が入り、顔認証でそのままログインができます。パソコンを開けたらすぐに使える感じですね。
また、前面カメラの物理カバーであるPrivacy Shutter搭載、カフェなど他人がいるところで作業をする時にのぞき見を防止できるプライバシーガードも搭載です。場所を選ばずに、使うことが出来ますね。
CPU
製造プロセス | コア/スレッド キャッシュ |
グラフィックス | ベースクロック ブーストクロック |
|
Core i7-1165G7 | 10nm SuperFin |
4/8 12MB |
Iris Xe | 2.8GHz 4.7GHz |
Core i5-1135G7 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
Iris Xe | 2.4GHz 4.2GHz |
CPUはどちらも4コア8スレッドで、内蔵グラフィックスはIris Xeです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”15708″ lazy=”no” class=””]Core i5で8357と、1世代前のCore i7-10510Uより性能が高く、Core i7はなんと12402と、ゲーミングPCやクリエイターPCに搭載されるCore i7-10750Hと同じくらいの性能になっています。
どんな用途にも対応できるほどの性能ですね。
こちらはレンダリングを行ってスコアを出すCinebench R20です。誤差の範囲ですが、Core i5の方がマルチコアのスコアが高いです。
[visualizer id=”15710″ lazy=”no” class=””]マルチコアは、さすがに6コア12スレッドのCore i7-10750Hには負けていますが、シングルコアはどちらも500オーバーで、高い性能が出ています。
グラフィックス
Iris Xeは革新的なグラフィックス性能を持ち、世界最高の内蔵グラフィック性能です。動画編集などで3Dエフェクトも使いやすく、役に立つ場面が多いです。
こちらは、3Dグラフィックスの性能を示すFire Strike Graphicsのスコアです。
[visualizer id=”15714″ lazy=”no” class=””]外部ディスプレイのNVIDIA GeForce GTX 660並みの性能があり、動画編集や画像編集、2DCADなどもより快適に使え、簡単な3DCADも使えると思います。
ディスプレイ
光沢 | 液晶 | 輝度 | 色域 | その他 | |
WQXGA | 無し | IPS | 300nit | sRGB 100% | Dolby Vison アイケアモード 低ブルーライト認証 Privacy Guard PrivacyShutter |
WQXGA | 解像度2560x1600の2.5K画質。通常はWQHDだが、画面比率が16:10なので異なる名称 |
---|---|
IPS | 視野角が広く、コントラスト比も比較的高く、自然な色合いが描写できる |
TN | 視野角が狭くコントラストも低く、視野角も狭い低価格ディスプレイ |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常250前後が標準 |
HDR | ハイ・ダイナミック・レンジの略で、黒つぶれ、白飛びなどが無く、より本来の色を表現できる |
Dolby Vision | Dolby独自のHDR規格。最大輝度を高め、より大きなコントラストに滑らかなグラデーション、そして高い色域を表現できる |
sRGB | 色空間の規格。Web用画像編集にも向いているほど高色域 |
低ブルーライト | 目を悪くする原因と言われるブルーライトを軽減したもの |
Privacy Guard | 視野角を狭くしてのぞき見をしにくくする機能 |
Privacy Shutter | 前面カメラの物理カバー |
ディスプレイは2.5K画質で、IPS液晶、HDR対応なのでより鮮やかで力強い色が描写されます。ハイダイナミックレンジのディスプレイは描写力が違うので、Netflixなどで動画を見る時にHDR対応作品を選べばより楽しめます。
色域も高いsRGB 100%と、より正確な色が描写されるので 、Web用の画像編集にも向いています。
長時間パソコンを使う人にはうれしい、ブルーライトを軽減したアイケアモードもあります。ブルーライトを軽減する眼鏡を使うことが多いですが、今後は必要なくなりそうですね。
キーボード
人間工学に基づいて設計されたキーボードで、キーストロークは1.0㎜、キーピッチは18.7×18.2㎜と余裕があるので、ミスタイプもしにくくなっています。
メモリ
メモリはCore i5が8GBで、Core i7が16GBのオンボードになります。
メモリの種類はLPDDR4x 4266MHzでかなり動作周波数が高いメモリが搭載されています。(現行最高の周波数です)
この周波数が高いと「データ処理速度が速くなる」ので、高速表示が可能になります。
ストレージ
ストレージは高速タイプのM.2 PCIe NVMe SSDで、Core i5は512GB、Core i7は1TBとどちらも大容量です。
ちなみにストレージは一般的に2種類あり、HDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッド・ステートドライブ)の違いはこのようになります。
SSD | HDD | |
価格 | 高い | 安い |
動作音 | 静か | うるさい |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
データ移動 | 最大32Gbps | 最大6Gbps |
寿命 | 長い | 短い |
SSDは高速でデータ移動が出来るし、パソコンの起動も10秒前後と速いです。
本機種はモダンスタンバイと言う機能があり、スタンバイ中にメールやアップデートの同期を可能にし、さらに、低い消費電力でスリープ状態から1秒以内に復帰します。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応です。WiFi6は最大通信速度の理論値が9.6Gbpsと、今主流のWiFi5(6.9Gbps)に比べ40%ほど性能が高くなっています。
また、混雑した回線でもWiFi6は同時に電波を飛ばすことが出来るため、安定して高速通信が使えます。(契約回線やルーターがWiFi6対応であることが前提です)
オーディオ
オーディオは、映画館やNetflixなどの動画配信サービスでも利用され始めたDolby Atmosに対応です。
今までのオーディオだと5.1chや7.1chが最大でしたが、Dolby Atmosは最大9.1.6chのサラウンドが可能で、より多くの方向からよりリアルに聞こえます。
ただし、こういったDolby Atmos対応のヘッドフォンが必要です。
インターフェイス
- USB3.1 Type-C
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
- 電源ボタン
- Thunderbolt 4 ポート
- Thunderbolt 4 ポート
USB Type-C1つに、Thunderbolt 4が2つとシンプルなインターフェイスですが、Thunderbolt 4は高性能ポートなんですね。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000MB/秒
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
- USB4.0規格に準拠
例えばHDDなどのUSB-Aを使いたい場合は、USB-C to USB-Aのケーブルを購入したら使えます(こういったケーブルです↓)
もしくは、Thunderbolt 4対応のドッキングステーションが出たらそれを持っていた方が便利かもしれません。Thunderbolt 4は次世代規格でリリースされたばかりなので、まだドッキングステーションはありませんが、Thunderbolt 3のドッキングステーションはあります。
ドッキングステーションとはこういった↓もので、通常、USB AやC、SDカードリーダー、HDMIポート、有線LANポートなどがあります。
本機種はUSB Type-CにもDisplay Port出力機能があるので、最大3つのモニターに、ノートパソコンのディスプレイの合わせて4画面が利用できます。(ただしここまでモニターを増やすと、メモリがいっぱいになりそうですね)
まとめ
おしゃれで小型軽量にもかかわらず、カーボンファイバーとマグネシウム合金で作られた筐体なので、耐久性も高く堅牢です。
性能はインテル11世代CPU搭載でEvoプラットフォームなので、他のノートパソコンと比べるのが申し訳ないくらい高い性能です。ビジネス用途にも十二分対応できるし、学生はもちろん、動画編集や画像編集を趣味でする人にも向いています。