Yoga最上位モデルの本機は全体的な品質が高く、ほぼ完成された機種と言うイメージです。
多くのノートパソコン販売しているLenovoでも、数えるほどしかないEvoプラットフォーム認証を得た機種になり、快適に使えること間違いなしの機種です。
また、音質にも妥協なく、Bowers&Wilkins製スピーカーが4つ搭載しており、「音楽を楽しめる」スペックです。
まずは、レビューのまとめをどうぞ。
良い点
・インテル12世代CPU搭載
・Evoプラットフォームで性能が高い
・画面比が16:10で、14型でも15型並みのの情報が表示される
・メモリはLPDDR5、SSDはPCIe 4.0と最新
・ディスプレイが16:10と縦に長い
・2.8Kや4Kがあり、OLED液晶、10.67億色対応
・オーディオはドルビーアトモスで、Bowers&Wilkins製スピーカーが4つ
・IPS液晶だとバッテリー駆動時間が長い!(OLEDも14時間とそこそこ長い)
・おしゃれなユニボディでアルミニウム筐体
残念な点
・インターフェイスがミニマム
・重量1.4㎏と軽くもなく、重くもない平均的な重量
Contents
Yoga 970iのスペックレビュー
CPU | Core i5-1240P Core i7-1260P/1280P |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS sRGB 100% 2.8K / WQUXGA OLED DCI-P3 100% 400nit |
アスペクト比 | 16:10 |
OS | Windows 11 Home、Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
オーディオ | ドルビーアトモス、Bowers&Wilkinsスピーカー×4 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
その他 | Evoプラットフォーム認証、FHD Webカメラ |
寸法(幅×奥行×高さ) | 318 × 230 × 15.25㎜ |
重さ | 1.4㎏ |
カラー | グレー、オートミール |
バッテリー 電源 |
IPS液晶 約23時間/OLED 約14時間 65W/100W |
保証 | 1年間 |
ペン | Lenovo Precision Pen 2(Lenovo E-カラーペンにアップグレード可能) |
価格 | 16.0万円~ |
<性能評価>
本機はEvoプラットフォーム認証を得た機種で、他にはない高品質ノートパソコンになっています(Evoについては後述)。
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル12世代CPUで、上位モデルのCore i7-1280Pも搭載可能です。12世代になり性能がかなり上がっており、クリエイティブワークも大分しやすくなりました。
PコアとEコアと言う2つのコアがあり、CPUがする作業を2つのコアに割り当てて実行できるようになったので、性能が上がり、使い勝手が高くなっています。
メモリも最新のLPDDR5-5200MHz、ストレージも最新のPCIe 4.0と、大きく性能が上がっています。ノートパソコンのコアスペックであるCPU・メモリ・ストレージの性能が大きく上がっているので、文句なしです。
また、本機はディスプレイの品質がすっごく良く、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15.6インチ並みの情報が表示されます。多くの情報を一目で見て取れるので、作業効率もアップです。
また、ディスプレイはFHD相当のWUXGA IPS液晶 sRGB 100%を始め、2.8Kと4K WQUXGAがあり、液晶はOLED(有機LED)、色域はDCI-P3 100%となっており、HDR500 True Black対応です。
真っ黒な黒が描写可能で、より力強くメリハリがある描写が可能になっています。しかも、10bit 10.74億色の表示が可能なので、もはや業務用のディスプレイです。ここまで高品質なディスプレイは珍しく、ほとんど出回っていないです。
また、オーディオもこだわりつくした品質で、立体的な音を再現できるドルビーアトモスに、Bowers&Wilkins製スピーカーが4つ(高音2.0W 2つ、低音3.0Wが2つ)搭載です!!ハイエンドタブレット並みです。
その他のスペックも高く、Windows 11 Home、新規格のWi-Fi 6E、指紋センサーと顔認証対応、大容量75Whrのバッテリーが搭載で、電源は最大100Wを選択可能です。
また、2 in 1 PCで場所を選ばずに使え、ペンも付属しているので、イラストやメモ取りにも使えます。
カラーはグレーとオートミール(グレートベージュをミックスしたような色)の2種類がありますが、執筆時現在はグレーのみの販売になっています。カラーは確認してから購入してください。
総合性能が高く、ほぼ欠点もなく、グラフィックボードがない機種としては、最高峰のPCです。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Yoga 950i>
旧モデルのYoga 950iとの比較です。新しい筐体になり、より洗練された外観です(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Yoga 950i | |
CPU | Core i5-1240P Core i7-1260P/1280P |
Core i5-1135G7 Core i7-1185G7 |
メモリ | LPDDR5 16GB | LPDDR4X 16GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | SSD PCIe 3.0 |
ディスプレイ | WUXGA/2.8K / WQUXGA OLED 16:10 |
4K UHD IPS 16:9 |
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
バッテリー | 23時間/14時間 | 12.2時間 |
寸法 | 318 × 230 × 15.25㎜ | 319.4×216.4×14.6㎜ |
重量 | 1.4㎏ | 1.37㎏ |
価格 | 16.0万円~ | 14万円~ |
旧モデルもEvoプラットフォーム認証なので同じく高性能ですが、全体的な性能が上がっています。
変更点は以下になります。
・CPUが11世代から12世代に
・メモリがLPDDR4XからLPDDR5に
・SSDがPCIe 3.0から4.0に
・ディスプレイのアスペクト比が16:9から16:10に
・WUXGAと2.8K解像度が追加され、OLED液晶も追加
・Wi-Fi 6が6Eに
・WebカメラがHD 720pからFHD 1080pに
・筐体は若干大きくなった
・30g増量
・バッテリー駆動時間がアップ
こちらは、プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i5-1240P | |
Core i7-1185G7 | |
Core i5-1135G7 |
2022年のトレンドと比較
2022年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。
ハイエンドPCは2022年に入り、基本スペックが高く、欠点が減ってきている状況です。欠点というと、例えばWebカメラが720Pの低画質や、マイクの質だったりですが、今まで別途購入が必要だったものが標準搭載になってきたイメージです。
12世代CPU | Evo | LPDDR5 | PCIe 4.0 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | 素材 | Dolby Atmos | 全方位360°マイク4つ |
〇 | アルミニウム | 〇 | × |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.2㎏前後 | 18時間以上バッテリー |
〇 | 指紋・顔 | × | 〇 |
Evoプラットフォーム認証は、100機種以上販売しているLenovoでも数機種しかないほどのものになります。本機はEvoプラットフォーム認証を得た機種なので、ハイハイエンドモデルですね。
全方位マイク4つ搭載はビジネスモデルのThinkPadのハイエンドモデルに搭載していますが、YogaやIdeaPadには見当たらないです。ただし、スピーカーは高品質のBowers&Wilkinsで、高音の2Wスピーカーが2つ、低音の3wスピーカーが2つと他のモデルでは見当たらないような高品質スピーカーです。
Evoプラットフォーム認証
第12世代CPUのEvoプラットフォームは、Project Athenaから数えて第3世代のEvoになります。
12世代CPUを搭載していたらEvo認証を得るわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
- Iris Xeグラフィックス搭載の第12世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制機能搭載
- Thunderbolt 4搭載
- ノートパソコンであること
- (必須じゃないが)Intel VSC(Visual Sensing Controller)搭載
12世代CPU搭載モデルは増えてきましたが、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかありません。 そのくらい特別な機種なんです。
Yoga 970iの特徴
狭額ベゼルを採用し、上部6㎜、左右2.9㎜、下部は10.9㎜とかなり細いです(ベゼルは画面の黒い枠)。左右は2.9㎜と、かなり細いです。
Webカメラ部分はノッチになっており、他の部分はベゼルが細くなっています。
このノッチ部分(カメラ部分)にはIRカメラ、マイクが2つ、高画質FHD 1080p Webカメラ、プライバシーシャッター、明るさ検知カメラがあります。
Webカメラの解像度が高いので(一般的なPCにはHD画質720pが搭載)、今までビジネスミーティング用に高画質の外付けカメラを使っていた人も多いと思いますが、本機ならこのままで十分ですね。
旧モデルよりもディスプレイが大きいので若干大きくなりましたが、
幅 318㎜(≒一万円札2枚分/320㎜)
奥行き 230㎜(≒千円札1.5枚分/225㎜)
高さ 15.25㎜(一円玉の直径4分の3サイズ/直径20㎜)
と、かなりコンパクトです。
厚さも15.25㎜とかなり薄いです。コンパクト筐体ですが、重量は1.4㎏と平均的な重さです。
アルミニウムのユニボディ採用で、デザイン性も高く、おしゃれですね。滑らかな丸みを帯びた加工がされており、一目で「ほかのPCとは違う」見た目です。
ユニボディとはボディを1つのパーツで構成し、つなぎ目などない仕様でなので、おしゃれなだけじゃなく耐久性も高くなっています。
近未来的なボディですね。さすがYogaと言った逸品ですね。
もちろん、天板やパームレスト、底面もアルミニウムになり、傷や熱、たわみにも強いです。
幅が広い通気口が底面にあります。
天板はいつもと同じで、シンプルなものになっています。
カラーはグレーと、オートミールと言う色があり、執筆時現在、販売はグレーのみです。オートミールは後々追加されるかもしれないです。
2 in 1 PC
2 in 1 PCとはディスプレイを360度回転させることができ、タブレットの様に使用したりできるタイプのPCになります。
<スタンドモード>
光が反射して見にくい時や、ディスプレイをもっと近づけたいときに有効なスタンドモードです。
<テントモード>
ベッドやソファに寝転がって使うとき、テントモードだと底面にある吸気口を塞がないので、本体が熱くなりにくいです。
<タブレットモード>
タブレットのように使えるタブレットモードは、絵をかいたりメモを取ったりもしやすいです。ただし、1.4㎏もあるので、片手で持つと疲れます。
4096段階の筆圧検知があるLenovo Precision Pen 2が付属しており、Lenovo E-カラーペンに+1100円でアップグレードできます。E-カラーペンはAdobe SuiteやワコムBamboo Paperに対応しています。
2 in 1 PCなので、どこででも使いやすいですね。
高品質なオーディオ
<赤枠部分にスピーカー>
オーディオはドルビーアトモス対応で、一般的なオーディオの様な平面的な音じゃなく、立体的な音を体感できます。また、Bowers&Wilkins製スピーカーが4つ(高音2.0W 2つ、低音3.0Wが2つ)搭載で、最高峰の品質だと思います。
ちょっと話がそれますが、ビートルズの「アビー・ロード」と言うアルバム、知ってますか?4人が横断歩道を歩いて渡っている、ジャケットのアルバムです。
そのアビーロードにあるアビー・ロード・スタジオではビートルズなどのミュージシャンがアルバムの録音をしたり、ハリーポッターのサウンドトラックも録音されたスタジオです。
由緒正しきスタジオなのですが、ここでは1988年からずっとBowers&Wilkins製のスピーカーを採用しているんですね。理由は単純で、音が良いからです。
そんな格式高いバウワース アンド ウィルキンソン製のスピーカーが、Yogaに採用されたって、実はすごいニュースなんです。
また、スピーカーはヒンジ部分にあり、360度回転するので、テントモードなどで使っても音が聞きやすくなっています。これは下位モデルの670や770iなどには見られない特徴です。
キーボード
スピーカーがキーボード横にないので十分なスペースがあり、タッチパッドはなんと135×80㎜と大きいです!操作性が上がっていますね。
キーボードは89キーのバックライト付きで、キーボード右に追加のファンクションキーがあり(通常のFキーは上部にあり)、いろいろな操作ができます。
右のキーは上から、Delete、パフォーマンスモードを切り替える、ビデオ電話時に背景をぼかす、オーディオモード変更、アプリなどのダークモードとライトモード変更、そして指紋センサーになります。
個人的にパフォーマンス変更ボタンと、背景ぼかしボタンがあるのは助かります。
CPU
Core i7-1260P/1280P | Core i5-1240P | |
Pコア | 4/6 | 4 |
Eコア | 8 | |
スレッド | 16/20 | 16 |
キャッシュ | 18MB/24MB | 12MB |
Pコア最大周波数 | 4.7/4.8GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 2.1/1.8GHz | 1.7GHz |
Eコア最大周波数 | 3.4/3.6GHz | 3.3GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 80 |
ベースパワー | 28W | |
最大パワー | 64W |
全てのCPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理し、Intel Thread Directorというハードコアが命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
また、11世代までは4コア8スレッドでしたが、本機搭載モデルは12コア16スレッド、Core i7-1280Pは14コア20スレッドとかなり多いので、マルチタスクもサクサクできます。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1280P | |
---|---|
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-11900H | |
---|---|
Core i7-11800H | |
Ryzen 7 5800U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-11500H | |
Core i5-11400H | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i9-11950H | |
Core i9-11900H | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i7-11800H | |
Core i5-11500H | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA 2.8K WQUXGA |
なし あり あり |
IPS OLED OLED |
400nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | 特徴 |
1000:1 1000000:1 1000000:1 |
sRGB 100% DCI-P3 100% DCI-P3 100% |
170° | Dolby Vision、タッチパネル HDR500 |
WQUXGA | 4K解像度で、3840×2400ドット |
---|---|
2.8K | 解像度は2880×1800ドット |
WUXGA | フル・ハイディフィニション相当、解像度は1920×1200ドット |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。差が大きい方が力強い描写が可能 |
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広い。OLED(有機LED)液晶はコントラスト比がかなり高く、完全な黒を描写可能 |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
Dolby Vision | Dolby社のHDRの技術。従来よりもより明るく(白はより白く、黒はより黒く描写できる)表現できる |
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15インチ並みの情報が表示されるので、一目でより多くの情報を見て取れます。
解像度は3種類あり、どれも高品質です。
全モデル共通でマルチタッチ、輝度は高めの400ニト、リフレッシュレートは60Hz、Dolby Vision対応になっており、2.8K以外はブルーライト軽減パネルになっています。
FHD相当モデルは画像編集をするクリエイター向けのsRGB 100%、他はデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%となります。
一般的なPCにはNTSC 45%が搭載していますが、本機搭載のディスプレイは広い色域ですね。より正確な色が描写されます。
また、WQUXGAはOLED液晶、HDR500 True Black対応でより引き締まった黒を描写でき、コントラスト比は100万対1 となっています!!WUXGAの1000:1でも高いコントラストなのですが、OLED液晶はすごいですね。
メリハリのある力強い描写が可能です。
4K WQUXGAモデルは10bit 10.74億色に対応しており、業務用モニターのレベルですね。一般的なディスプレイは8bit 1677万色なので、いかに発色が良いかわかると思います。Lenovoに確認したところ、2.8Kディスプレイも、同じく10bit 10.74億色ということです。
先日販売開始をしたYoga 770iも10bitでしたが、こんなに高品質なディスプレイは見る機会が少ないです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機には最新のLPDDR5-5200MHzが搭載で、動作周波数(MHz)も高く処理速度も速いです。
また、オンボードメモリなので増設などはできません。
ストレージ
SSD(PCIe 4.0×4) | SSD(PCIe 3.0×4) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大64Gbps | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) | |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージも最新のPCIe 4.0×4が搭載で、旧モデルのPCIe 3.0より帯域幅が倍になり、データ転送速度の最大値も倍になっています。
こちらはシーケンシャル速度のおおよそのスコアで、HDDはおおよその最大速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windowsに標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
などがあり、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。
Wi-Fi 6Eに対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4/5GHz | 300Mbps |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル・75Whrが搭載で、WUXGA IPS液晶モデルは最大23時間、2.8Kと4Kディスプレイは最大14時間になります。
また、急速充電にも対応しており、2時間前後で満充電になります。
OLEDディスプレイの場合は、外出時に充電アダプタを持ち運んだ方が安心ですね。
また、電源は65Wか100Wが選べ、よりパワフルに使いたい場合は100Wを選ぶと、高いパフォーマンスを発揮しやすいです。
インターフェイス
左側面インターフェイスは、USB 3.2 Gen 2が1つと、Thunderbolt 4が2つになります。USB-Aを搭載したら、幅がギリギリな感じになっていますね。
右側面には電源ボタン、USB 3.2 Gen 2 Type-C(DisplayPort出力機能付き、Powerdelivery対応)、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。
左右にUSB Type-Cポートがあるので使いやすいですが、ミニマムなインターフェイスです。SDカードリーダーがあればなお良かったです。
ちなみに、Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ライバル機種
<左から本機種・Yoga 770i・Yoga Slim 770i ProX>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
Yoga 770i | 本機種Yoga 970i | Yoga Slim 770i ProX | |
CPU | Core i5-1240P Core i7-1260P |
Core i5-1240P Core i7-1260P/1280P |
Core i5-12500H Core i7-12700H |
メモリ | 16GB | ||
ストレージ | SSD 1TB | ||
ディスプレイ | 2.8K OLED 10bit 14型 画面比16:10 |
WUXGA IPS 2.8K/WQUXGA OLED 10bit 14型 画面比16:10 |
3K IPS 8bit 14.5型 画面比16:10 |
無線 | Wi-Fi 6E | ||
電源 | 65W | 65W/100W | 100W |
バッテリー | 12時間 | 23時間(IPS) 14時間(OLED) |
18時間 |
重量 | 1.42㎏ | 1.4㎏ | 1.45㎏ |
その他 | Evo 2 in 1 PC |
Evo 2 in 1 PC |
PureSight Display |
価格 | 14.8万円~ | 16.0万円~ | 18.4万円~ |
一番低価格のYoga 770iはOLED液晶があり、10bit 10.74億色対応でEvoプラットフォーム認証を得た機種ですが、電源が65Wのみになります。
Yoga Slim 770i ProXはIPS液晶で8bit 1677色対応ですが、電源が100Wと大きく、CPUはハイパフォーマンスモデルのHシリーズになっています。また、ディスプレイが14.5インチと若干大きめです。
各機種の特徴ですが、簡単にまとめるとこの様になります。
本機はパワーとディスプレイ、オーディオ重視の人に合う。Yoga 770iはディスプレイ重視の人向け。Yoga Slim 770i ProXはパワー重視。
Yoga 770i・・・2.8K OLEDで10bit対応ディスプレイです。2 in 1 PCでEvo認証もあり、どこでも快適に編集作業ができます。
本機種・・・4Kディスプレイや2.8K OLEDディスプレイも選択可能で、10bit対応と、最高品質のディスプレイ。電源も100Wが選べ、ハイパフォーマンスを発揮できる機種。
Yoga Slim 770i ProX・・・唯一ハイパフォーマンスモデルのCPU搭載で、電源は100Wとパワフル。性能はこの中で一番高いです。ディスプレイはIPSですがPureSight Displayというディスプレイが搭載しており、これはよりシャープな映像がより速く、そしてより現実のものの様に描写できるとのことです。色域はΔE<1とのことで、こちらも高品質
まとめ
良い点
・インテル12世代CPU搭載
・Evoプラットフォームで性能が高い
・画面比が16:10で、14型でも15型並みのの情報が表示される
・メモリはLPDDR5、SSDはPCIe 4.0と最新
・ディスプレイが16:10と縦に長い
・2.8Kや4Kがあり、OLED液晶、10.67億色対応
・オーディオはドルビーアトモスで、Bowers&Wilkins製スピーカーが4つ
・IPS液晶だとバッテリー駆動時間が長い!(OLEDも14時間とそこそこ長い)
・おしゃれなユニボディでアルミニウム筐体
残念な点
・インターフェイスがミニマム
・重量1.4㎏と軽くもなく、重くもない平均的な重量
総合評価
グラフィックボードがないノートパソコンとしては、最高クラスの機種です。
2022年最新スペックをふんだんに搭載しており、100機種以上販売しているLenovoでも数えるほどしかないEvoプラットフォーム認証を得た機種なので、性能はお墨付きです。
100W電源を選択できるので、より高いパフォーマンスが必要な場合にも対応できますね。
また、筐体がおしゃれで、曲線美といいますか、すごく滑らかで丸みのあるエッジなど、こだわってく作られたのが一目でわかります。
ノートパソコンのスピーカーは音楽を聴くというよりも、音を鳴らすためにあったお飾り的な品質が多いですが、高音2.0Wが2つ、低音3.0Wが2つと本格的に良い音を聴けます。
ディスプレイは業務用モニター並みなので、言う事なしです。プロにも十分だと思います。
インターフェイスがミニマムで、筐体が平均的な重量ですが、デメリットも気にならないくらいメリットが大きく上回った機種です。