本機種は絶賛販売中ですが、後続機種のV15 Gen 2(光学ドライブ無し)や、IdeaPad L360i(光学ドライブあり)が販売開始しました!こちらのレビューもどうぞ。
レノボにはThinkPadやIdeaPadと言ったシリーズがありますが、その中にLenovoシリーズというものも有ります。
LenovoのVはスタンダードビジネスモデルという公式サイトの説明がありますが、スタンダードというよりも、ThinkPadビジネスモデルの廉価版と考えていた方がいいです。
廉価版とはいえ、TPMやハードディスクパスワード、セキュリティキーホールなども入っているので、セキュリティは一般用途のパソコンよりも強固になっています。
性能的には、ThinkPad(ビジネス用)とIdeaPad(プライべート用)を足して2で割った感じの機種です。
結論を先に言うと、レビューした感じでは当サイトではあまりお勧めできる機種ではない、と言う結論に達しました。どうしても光学ドライブ付きのパソコンが欲しい場合は検討してもいいかもしれませんが、外付け光学ドライブ(2000円くらいから)を購入し、IdeaPadやThinkBookを使った方がいいと思います。
こういった↓もの。(書き込みできるタイプ)
今であれば(2020年11月追記時)、ThinkBook 15 Gen 2 AMD(6.1万円~)やIdeaPad slim 550i(5.2万円~)など最新機種が出ているので、こちらがおすすめです。
Contents
Lenovo V330(15.6型)のレビュー
まずはスペックを見ていきましょう。
CPU | Intel core i3-8130U Intel core i5-8250U |
---|---|
GHz | i3)2.2GHz、i5)1.6GHz |
コア・スレッド数 | i3)2コア4スレッド、i5)4コア8スレッド |
メモリ | 8GB |
ストレージ | HDD/1TB、SSD/128GB、256GB |
OS | Windows 10 Home、Windows 10 Pro |
セキュリティ | TPM、ハードディスクパスワード、セキュリティキーホール、スーパーバイザーパスワード |
グラフィックス | CPU内蔵 UHDグラフィックス620 |
ディスプレイ | FHD |
バッテリー | 6.2時間(充電時間3時間) |
光学デバイス | 有り |
重量 | 2.05㎏ |
サイズ | 375x253x22.3mm |
保証 | 1年間送付修理 |
金額 | 約5.4万円~ |
ちょっとビジネスモデルにしてはスペックが低いので、ライトユーザーで時々資料作成に使うくらいのイメージで考えていたら良いかなと思います。ただし、Core i5はそれなりに性能も高いので、比較的快適に使えます。
あとはバッテリーがたったの6.2時間だし、2㎏オーバーとなっているので、室内で使う人を想定したモデルです。
外出先でも使えますが、充電ケーブルの持ち運びが必須ですね。
ここ最近見かけなくなった光学デバイス(DVDドライブ)が付いているので、DVDからデータを取り出さないといけない人にはおすすめですね。
Lenovo V330の安さの秘密
まず、なぜこんなに安いの?と思ったので詳しく調査しました。というのも、性能的にはCore i5もあるしストレージはSSDも選べるし、メモリも標準以上の8GBなので性能的には悪くないスペックなんですよね。
数点価格が安くなるポイントがあったので、紹介します。以下の点が気にならない方は、買ってもストレスなく使えます。
- ディスプレイがちょっと質の悪い物で、ベゼルが大きい
- ストレージがHDDやSSDでもSATAというもの
- メモリが古い物
- バッテリーが短い
- 重い
ディスプレイ
<V330> | <S340> |
ベゼル幅とは、パソコン画面の黒い枠です。人気のあるIdeapadと比べると一目瞭然ですが、V330はベゼルが若干大きいので画面が小さく感じるかもしれません。
また、ディスプレイはフルHDの高解像度ですが、TN液晶というものが使われています。これは視野角が狭いので、画面の角度を変えたら薄暗く見えるるし、コントラストも低いです。
ストレージ
ストレージには、HDDとSSD(SATA)という2種類が使われており、両者の違いは、こうなります。
SSD | HDD | |
値段 | 高い | 安い |
動作音 | 静か | うるさい |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
データ移動 | 速い | 遅い |
寿命 | 長い | 短い |
- HDDは磁気を帯びたディスクを高速で回転させ、磁気の性質を変えてデータを保存
- SSDはデータ保存をする空間に0と1の数字を書き込みデータ保存
HDDのメリットは安いという事以外にないですが、金銭的にきつい人はHDDでもいいかと思います。ただしSSDを一度使ったら違いが一目瞭然なので、二度とHDDは使わないと思います。
HDD(ハードディスクドライブ)は、遅い・うるさいが安いと言った特徴があり、以前主流でした。理論値は種類によって変わりますが600MB/秒くらいになっています。
今はSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)が主流になりデータ転送速度もかなり速くなっています。今回使用されるSSDはSATAというモデルで、理論値は6GB/秒なのでHDDよりかなり速いです。
実は2020年現在、SSDはSATAでなくPCle-NVMeというモデルが多く使われています。こちらの理論値は40GB/秒なので、SATAの約7倍の性能があります。
ちなみにIdeaPad S340は安いながらも(3.7万円~)、ストレージにSSD・PCle-NVMeを使っているので、もし「TPM・ハードディスクパスワード・スーパーバイザーパスワード」などが無くても大丈夫な人・一般用途で使う人は、S340の方が安いのに高性能なのでおすすめです。IdeaPad S340のレビューはこちらからどうぞ
メモリ
メモリは8GBと大きめですが、使われているモデルがPC-4 1700MHz DDR4になります。このMHzが大きい方が性能が高いのですが、今現在主流なのは2666MHzだと思います。
なので本機種搭載のメモリは、ちょっと古いやつが使われています。
バッテリー
バッテリーは6.2時間と少ないので、持ち運びすることが多い人は充電アダプターをいつも持ち歩いた方がいいですね。
まぁ、室内用で使う場合は関係ありませんが。
重さ
重さが2.05㎏とかなり重ためです。
こちらもバッテリー同様、室内用で使う場合はあまり気にしなくていいと思います。
上記5点が安さに秘訣になっています。
Lenovo V330の特徴
CPU(プロセッサ)
CPUはパソコンの頭脳部分で、命令系統を司ります。各機能にコレしてアレしてと命令を出す部分ですね。なので、パソコンのスペックの一番重要な部分の一つです。
選べるCPUは以下のものになります。
- Core i3-7020U(第7世代)
- Core i3-8130U(第8世代)
- Core i5-8250U(第8世代)
V330は第7・第8世代のCPUを使っていますが、最新世代は10世代になります。
下のグラフは本機種搭載のCPUと、第10世代CPUとのPassmarkスコアの比較です。
[visualizer id=”10146″]第8世代のCore i3でも3500オーバーと悪くないスコアです。Core i5になると6000オーバーなので、標準以上の性能があります。第7世代のモデルは買わない方がいいかもしれないです。性能が低いですね。
まぁ第8世代と言っても、今もっとも使われているCPUなので性能が悪いわけではないですね。
あとはコア数とスレッド数ですが、
- i3・2コア4スレッド
- i5・4コア8スレッド
になっています。
コアのイメージとしては道路で、スレッドが車線と考えると分かりやすいですね。
例えば、4コア4スレッドのCPUだと、4つの車線に4台の車(情報)しか行き来(処理)出来ませんが、4コア8スレッドになると、4つの車線に8台の車(情報)が行き来(処理)出来ます。
どういうことかと言うと、コアとスレッドが大きいと並行作業がしやすくなるんです。
並行作業とは、複数のアプリやファイル、タブを開いて作業をすることです。
性能が低いと多くのファイルなどを開けるだけで時間がかかったり、重くて動きが悪くなります。
i3の2コア4スレッドはめちゃくちゃ悪いわけじゃないですが、良いわけでもないです。
i5の4コア8スレッドは、大きめの性能です。
OS
オペレーティングシステムは、Windows 10 HomeとProがあります。
ProとHomeの一番の違いと言えば、Bitlockerを使えるかどうかだと思います。
Bitlockerとはストレージのデータを暗号化する機能なので、超重要なデータがある人なんかはProを選んだ方がいいです。
万が一パソコンを紛失した場合、他人がストレージの中身を見ても暗号になっているので何が書いてあるかすら分かりません。
他にもクライアントHyper-Vという機能もあり、Windows内で仮想マシンとして複数のOSが使えたりもします。
個人的にはProの性能って必要かな?と思うので、Windows 10 Homeで十分な人がほとんどだと思います。
必要であれば、後からMicrosoftストアで購入も出来ます。
セキュリティ
Windows 10には、Windows Defenderが標準搭載されています。
以前はあまり役に立っていなかったWindows Defenderですが、ここ最近は性能もかなり上がり、セキュリティソフトのランキングでも高評価を得ています。
TPMはTrusted Platform Moduleの略で、OSや他のハードウェアから独立して機能するセキュリティチップの事です。
独立しているので外部からの攻撃にも強いし、以前はストレージに収納されていた認証するときに使う暗号などの重要情報を、安全に格納できます。
ハードディスクパスワードとは、ハードディスクのストレージ(SSD)にハードウェアレベルでパスワードを設定し、仮にパソコン自体を盗まれたとしてもパスワードが分からない限り中身を読み込めないようにするセキュリティです。
スーパーバイザーパスワードは管理者向けのパスワード設定で、BIOSなどのハードウェア側の設定情報を見たり、変更したり、ユーザーパスワードの設定や変更も出来ます。
セキュリティキーホールは、セキュリティケーブルに繋いで物理的にパソコンをロックして持ち出し防止をするものです。
安いとは言ってもさすがにビジネスモデルですね。強固なセキュリティになっています。
ディスプレイ
ディスプレイはFHD(フル・ハイディフィニション)・TN液晶で、解像度は1920x1080です。
安い機種なのでIPS液晶ではないですが、さすがにHD(ハイディフィニション)じゃないので見やすいです。
注)IPS液晶とは、視野角が広い液晶画面の事です。視野角が広いと、どの角度から見ても画面がきれいに見えます。
バッテリー
バッテリーは先ほども言ったように6.2時間と少なく、充電時間が3時間もかかります。
6時間使うのに、3時間の充電が必要なのは結構ひどいですね・・・。
とは言っても、外出する人を想定した機種じゃないのでそこは仕方がないですね。
重量も2.05㎏と重ためなので、移動が多い人は重さを感じてくるかもしれません。
光学デバイス
- Type-C USB3,1が2つ
- Tpye-A USB3.0が2つ
- VGA
- HDMI
- マイク・ヘッドフォンジャック
- イーサネットコネクター
- 4in1メディアカードリーダー
- 光学ドライブ(DVDスーパーマルチドライブ)
色々付いているので、ビジネスシーンでも役に立ちますね。
最後に
最初に廉価版と言いましたが、スペックが高いものは10万円以上するので全部が全部安いわけではないですね。
外出が少なく室内で主に使う人で、安価なビジネスパソコンを探している人には合うかもしれないですね。
紹介したデメリットが分かったうえで、あんまり気にしないよ、という場合は全然OKだと思います。
詳細・購入は公式ページをどうぞ。