ThinkPad X1 Extreme(2019)の後継機種でX1 Extreme Gen 2(2020)がようやく販売されました。
X1 Carbonなどの他の主要機種は2020年5月末に販売がスタートしたのですが、Extremeだけ遅かったですね。
さすがの最高峰モデルなのでスペックがやばいし、ほとんどの用途にも満足いく仕上がりになっていますね。
ただしこちらは日本では販売されておらずに、Gen 2をスキップしてが販売スタートしました。
日本ではGen 2は販売されずにGen 3が発表されました。レビューはX1 Extreme Gen 3をどうぞ。
Contents
ThinkPad X1 Extreme Gen 2(2020)のレビュー
CPU | Intel core i5-9400H(vPro対応) Intel core i7-9750H Intel core i9-9880H(vPro対応) |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | デュアルストレージ SSD+SSD 最大4TB |
ディスプレイ | FHD IPS 300nit FHD WVA LED 500nit HDR400,Dolby Vision UHD WVA LED 500nit HDR400、Dolby Vision UHD OLED 400nit マルチタッチ |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q |
OS | Windows 10 Home, Windows 10 Pro |
セキュリティ | FIDO、TPM、ThinkShutter、セキュリティキーホール |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WiFi6 | 対応 |
オーディオ | Dolby Atmos |
サイズ | 361.8x245x18㎜ |
重さ | 1.7㎏~ |
バッテリー | 最大14時間 |
保証 | 1年間引き取り修理 |
なんとIntel Core i9が選べます(超高いですが)!こんな高い性能必要ないですけど、かっこいいですよね。言ってみたいですよね、i9使っているって。
[chat face=”Cat12.jpg” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]パソコンのCPU何使ってるの?[/chat] [chat face=”dog-2467149_640-min.jpg” name=”” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]ただのCore i9-9880Hだよ[/chat] [chat face=”Cat.jpg” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]にゃ、にゃに!?[/chat]冗談はさておき、超高性能なので画像・動画編集などをする人は出来るだけ高い性能のCPUを使っていたら、レンダリングやエンコード時間も短くなるしおすすめですね。
メモリも最大64GBと、十分すぎる容量ですね。ストレージはデュアルストレージで最大4TBのSSDなので、かなり多くの写真や動画をパソコンに保存できますね。
ディスプレイはHDR(ハイダイナミックレンジ)対応機種もあるので、中価格帯で色彩が鮮明なディスプレイを購入できます。
グラフィックスはNVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Qで、編集作業に困らない性能があります。Adobe premiereやPhotoshop、Lightroomなども使えるほどの性能です。
全体的に見て、「さすがExtreme」と言ったスペックです。20万以上するのもしょうがないですね。
前モデルX1 Extram(2019)との比較
主な構成を見ていきますが、変更点はCPUとディスプレイなど数点が変わっています。
X1 Extreme Gen 2 | X1 Extreme(2019) | |
CPU | Intel core i5-9400H(vPro対応) Intel core i7-9750H Intel core i9-9880H(vPro対応) |
Intel core i5-9300H Intel core i5-9400H(vPro対応) Intel core i7-9750H Intel core i7-9850H(vPro対応) |
RAM | 最大64GB(DDR4 2666MHz) | 最大64GB(DDR4 2666MHz) |
ストレージ | SSD+SSD(最大4TB) | SSD+SSD(最大4TB) |
ディスプレイ<全て反射防止> | FHD IPS 300nit FHD WVA LED 500nit HDR400,Dolby Vision UHD WVA LED 500nit HDR400、Dolby Vision UHD OLED 400nit マルチタッチ |
FHD IPS 300nit FHD IPS 500nit UHD IPS 500nit UHD OLED 400nit マルチタッチ |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q | NVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q |
バッテリー | 14時間 | 15.6時間 |
重さ | 1.7㎏~ | 1.7㎏~ |
寸法 | 361.8x245x18㎜ | 361.8×245.7×18.4㎜ |
Factory Color Calibration | UHD液晶のみ選択可 | UHD液晶のみ選択可 |
変更点は赤文字部分ですが、ボディが若干小さくなり、ディスプレイの質が結構上がっていますね。HDRは色彩がはっきりとしているので、画像編集者は必要な機能ですね。
バッテリーが若干短くなっていますが、気にならないくらいの差ですね。寸法は小数点以降を書くのが面倒だったからか分かりませんが(笑)、少しコンパクトになっていますね。
インターフェイスの場所や構成が同じなので同じボディを使っていると思ったのですが、サイズがちうとなれば新しいボディを作ったってことでしょう。
まぁどちらにしても最新機種で最高峰モデルなので、使って後悔することは無いですね。
ThinkPad x1 Extreme Gen 2の特徴
外観はザ・ThinkPadといった感じですね。15.6型ですがテンキー(通常15型以上のPCでは右側にある数字のキー)が付いていません。
ベゼル(画面の黒い枠)も細いので、おしゃれな外観になっていますね。内蔵マイクは360度全方位マイクなので、ビデオ会議でも相手に声がクリアに聞こえます。
寸法は横361.8㎜、縦(奥行き)245㎜で、厚さが18㎜、重さ1.7㎏とコンパクトにまとまっています。これだけ機能が付いた機種は、どうしても大きくなったり重くなったりしますが、全然持ち運びも出来るサイズですね。
CPU(プロセッサー)
パソコンの頭脳であるCPUは、3種類から選べます。
- Intel core i5-9400H(vPro対応)
- Intel core i7-9750H
- Intel core i9-9880H(vPro対応)
vProとは、企業などで管理運用に適した機能が付いているモデルです。TXTやTPMでシステムが書き換えられたりした時に検知し、暗号を独立して機能するチップに格納したり、AMT(遠隔管理など)などの機能が付いています。
主に法人向けの機能になります。
各CPUの技術仕様はこの様になっています。
Core i9-9880H | Core i7-9750H | Core i5-9400H | |
製造プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 8/16 | 6/12 | 4/8 |
ベースクロック | 2.3GHz | 2.6GHz | 2.5GHz |
ブースト時 | 4.8GHz | 4.5GHz | 4.3GHz |
キャッシュ | 16MB | 12MB | 8MB |
TDP | 45W | 45W | 45W |
DirectX | 12 | 12 | 12 |
OpenGL | 4.5 | 4.5 | 4.5 |
下のグラフはCPUの性能を表すPassmarkスコアになります。(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”11970″ lazy=”no” class=””]下にあるIntel core i3が4200くらいで、ほぼ標準的な性能になっています。下から3番目のCore i7-10610Uは、通常はハイスペックモデルのCPUですが、ExtremeのCPUと比較するとかなり性能が低く見えますね。
Extreme x1 Gen 2搭載のCore i5-9400Hは8445と高い性能で、ほとんど困ることは無いくらいの性能ですね。
Core i7,i9は1万越えとなっており、特別な作業(編集作業など)をする人が快適に使うためのものです。普段使いじゃここまで性能高くても使わないと思いますが、エンコード時間とか短縮したいですもんね。高性能CPUが作業時間を短縮できます。
1万1000とか1万4000とかって、もう、デスクトップ並みの性能です。
CPUの性能にコアとスレッドがあるのですが、数字が大きいとより多くのデータ処理が同時にできます。
<イメージとしてはこんな感じです>
標準性能のCore i3は2コア4スレッドなので、i5の4コア8スレッドでも大きい方だし、6コア12スレッド(i7)や8コア16スレッド(i9)はモンスタークラスです。
グラフィックボード
グラフィックスはNVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Qになります。GDDR5のメモリー4GBです。
Max-Qデザインは小型で温度の上昇がしにくい反面、通常のものよりも性能が若干劣ります。
[visualizer id=”11982″ lazy=”no” class=””]グラフィックボードの中ではエントリークラスですが、ゲームをする為にこの機種を買う人はいないと思うので、十分な性能になっています。
プロが編集で使うAdobe premiere ProやLightroom、Photoshopなど問題なく使える性能です。
ゲームベンチマークスコア
NVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Qでのゲームのベンチマークスコアです。単位はfps(1秒間に更新されるコマ数・リフレッシュレート)で、60以上が「快適」にプレイできる目安です。
[visualizer id=”9063″ lazy=”no” class=””]重いゲームはカクカクするものがありますが、PUBGやWorld of Tanks、Apex legendsなどの中量級のゲームは高画質でもプレイが出来ます。
メモリ
パソコンの作業台であるメモリは、大きいと多くのデータを扱えるし、大きなデータも扱いやすいです。
Extreme x1 Gen 2では最大64GB搭載できるので、ほぼ問題なく何でも素早くこなせますね。
ストレージ
ストレージはデュアルストレージで、SSD+SSDの組み合わせが可能です。
どちらも最大2TB(合計4TB)なので、かなり多くのデータを保存できます。いちいち外付けHDDを繋がなくてもいいので、楽ですね。
ちなみにSSDの種類はM.2 PCle-NVMeで、もう一つの規格であるSATAに比べると約7倍のデータ転送速度になっています。
- PCle-NVMe・・・40Gbps
- SATA・・・6Gbps
小さなデータを扱っている時はそこまで差を感じないですが、大きなデータを扱う時は速度差が顕著に現れます。
ディスプレイ
ディスプレイは4種類から選べます。
- FHD IPS 300nit
- FHD WVA LED 500nit HDR400 Dolby Vision
- UHD WVA LED 500nit HDR400 Dolby Vision
- UHD OLED 400nit マルチタッチ
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
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UHD | ウルトラ・ハイディフィニション、解像度3940x2160 |
IPS液晶 | 視野角が広い液晶で画面の角度を変えても見やすい |
WVA | ワイド・ビューイング・アングル(Wide Viewing Angle)で視野角が広い液晶 |
nit | 輝度を表す単位、通常250前後が標準。300前後で日中の屋外でも見やすい |
HDR | ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range)の略で、色彩が肉眼で見る色彩に近い白(明るい色)と黒(暗い色)を表示できる |
Dolby Vision | Dolby社独自の規格で、最大12Bit幅の諧調 |
OLED | 有機LEDディスプレイ。 |
ThinkShutter | 前面カメラのカバー。万が一の場合も、こちら側が見られることがありません。 |
多くの人はDolby Visionのディスプレイを選ぶと思いますが、余裕があればOLEDも捨てがたいですね。
OLEDは、薄くできる、画面の応答速度が速い、画面を曲げることが出来る、省電力、黒がきれいなど、色々な特徴がありますが、価格が高いです。
UHDを選んだ場合はFactory Color Calibrationが利用可能なので、「工場出荷時の色」に簡単に戻せます。
OS
OSはWindows 10 Homeと、Windows 10 Proが選べます。
ProにはWindowsをカスタマイズするのに必要な機能や、複数のOSをインストールできるHyper-Vと言った機能があり、チームをマネジメントする人なんかはProを選ぶようです。
個人使用であればビジネスで使うと言っても、Homeで十分かなと思います。Microsoft storeでいつでもアップグレードできるので、必要になったらでもいいと思います。
また、WindowsにはWindows Defenderというセキュリティ機能が付いており、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
セキュリティ
セキュリティは色々付いていて、代表的なものを紹介します。
FIDO認証はFast Identity Onlineの略で、今までのパスワードにとって代わる新しい認証技術・多要素認証の一つです。
デバイス側で(今回の場合はX1 Extram Gen 2)で生体認証を使った本人確認(指紋認証など)を行い、サーバー側でデバイスの認証を行います。
簡単に言うと、生体認証によって本人確認をし、パソコンがサーバーに「これは本人ですよ」という情報を出し、サーバーは「パソコンが生体認証してこれは本人だって言っている」と認識する感じです。
なので、パスワードが破られることがありません。
TPMはTrusted Platform Moduleの略で、OSや他のハードウェアから独立して機能するセキュリティチップの事です。パスワードなどの重要情報を格納できます。
生体認証
生体認証は、指紋センサーと顔認証(IRカメラ)が搭載可能です。
顔認証は本当に楽ですよね。パソコンを開いたら顔を読み取ってくれて、瞬時にログインできます。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6は、簡単に言うと超高速回線で通信ができます。
今までのWiFi5の通信速度の理論値はは6.9Gbpsですが、6は9.6Gbpsと40%ほど速くなっています。(理論値なので必ずこの数値になるわけじゃないです)
また、WiFi6はより多くのデバイスに同時に電波を飛ばすので、多くのデバイスが接続されたWiFiでも快適に使えます。
インターフェイス
- 電源ジャック
- USB3.1 Type-C(Thunderbolt 3)x2個
- HDMI
- イーサネット拡張コネクター
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
- スマートカードリーダー(一部構成のみ)
- 4-in-1メディアカードリーダー
- USB3.1 Gen 1
- USB3.1 Gen 1(Powered USB)
- セキュリティー・キーホール
外部モニターやマウス、キーボードなどをパソコンに繋げる人は、Thunderbolt3に対応しているので、専用のドッキングステーションを買えばいちいち全てのケーブルを外さずに簡単に装脱着が出来ます。
イーサネット拡張コネクターは、LANケーブルポートのことです。Thunderbolt3のドッキングステーションにもLANポートは付いていますが(普通は)、Thunderbolt3を使わない場合で有線接続をしたい場合は、専用の拡張コネクターが必要です。
まとめ
最高峰モデルだけあってさすがのスペックですね。CPUも性能が高いし、グラボも付いているのでほとんどの用途に使うことが出来ます。
仕事で使うパソコンなら妥協はしたくない人が多いと思うので、ちょっと高いですが作業時間も短縮できると思うので、おすすめですね。
最初にも言ったように、日本ではGen 2を飛び越えてGen 3が販売されるので、そちらも要チェックです!