Lenovo ThinkPad P16s Gen 3のレビュー

当サイトは広告、アフィリエイトを含みます

16インチの大画面ワークステーションで、最新スペックが満載の機種です。

ビデオカードはローエンドモデルですが、その他のスペックは高めで、持ち運び用のワークステーションとして、もしくは学生や2DCAD、簡単な3DCAD、そして画像・動画編集などをする人に合います。

 

Lenovoでは11/14までもみじ祭 を開催中で、割引+ポイントが最大で10倍還元+小型アダプタ110円!

ThinkPad P16s Gen 3のスペック

CPU Core Ultra 5 125H/135H
Core Ultra 7 155H/165H
Core Ultra 9 185H
メモリ DDR5-5600 最大96GB
ストレージ SSD 最大2TB
グラフィックス 内蔵グラフィックス
NVIDIA RTX 500 Ada
ディスプレイ(16型) WUXGA IPS
WQUXGA OLED
OS Windows 11 Home/Pro
通信 Wi-Fi 6E、LTE、1ギガビットイーサネット
生体認証 指紋センサー、顔認証
WEBカメラ 500万画素
寸法(幅×奥行×高さ) 361.5 × 248.6 × 21.13mm
重さ 1.82㎏~
バッテリー 最大約14.18時間
標準保証 1年間
価格 21.6万円~

<性能評価>

 

パソコンの頭脳であるCPUはインテル第14世代で、ハイパフォーマンスのHシリーズになります。Core Ultra 5から9まで選べ、vPro対応CPUもあります。また、すべてのCPUはAIコアを搭載しており、対応アプリなど使いやすさが増します。

メモリはDDR5-5600MHzで、最大96GBに対応しています。動作周波数も高いし、メモリもかなり大きくできるので、重たい作業もしやすいです。また、Core Ultra 9以外はRTX 500 Adaを選択でき、グラフィック性能もちょっと高いです。

ストレージはSSD PCIe 4.0で、最大2TBになります。ストレージは1枚だけ搭載可能で、増設はできません。

ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示できます。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)かWQUXGA(3840×2400ドット)とかなりの格差があり、中間スペックの2.5Kや3Kはありません。

執筆時現在WUXGAは色域が狭いNTSC 45%のみなので、普通のワークステーション向けのディスプレイを選ぶにはWQUXGA(DCI-P3 100%/+93,500円になります)を選ばないといけません。

ただし、仕様書にはWUXGA sRGB 100%も記載されているので、後々発売されるのかもしれません。

その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、Wi-Fi 6Eに対応、WEBカメラは超高画質の500万画素でIRカメラ搭載モデルはHPD(人感検知機能)付です。

16インチのワークステーションで1.82㎏と重くなく、最大バッテリー駆動時間は14.18時間と長めです。

2DCADや簡単な3DCADを扱う人や、画像動画編集などをする人で、PCの持ち運びが多く、外出先で作業をすることが多い人に合います。

 

 

公式サイト

 

2024年のトレンドと比較

2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)

14世代CPU NPU Copilotボタン DDR5
SSD PCIe 4.0 アスペクト比16:10 sRGB 100%以上 Wi-Fi 6E
輝度300nit以上 1080P Webカメラ以上 生体認証 バッテリー10時間以上

モデルによっては色域が狭いNTSC 45%もありますが、カスタマイズからDCI-P3 100%のディスプレイも選べます。

 

 

旧モデルとの比較

旧モデルのThinkPad P16s Gen 2との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)

旧モデル 本機種
CPU Core i5-1340P/1350P
Core i7-1360P/1370P
Core Ultra 5 125H/135H
Core Ultra 7 155H/165H
Core Ultra 9 185H
メモリ DDR5/LPDDR5X 64GB DDR5 96GB
ストレージ SSD 2TB SSD 2TB
GPU NVIDIA RTX A500 NVIDIA 500 Ada
ディスプレイ WUXGA IPS タッチあり
WQUXGA OLED
無線 Wi-Fi 6E、4G LTE
バッテリー 16.7時間(JEITA 2.0) 14.18時間(JEITA 3.0)
重量 1.7㎏ 1.82㎏
寸法 361.98 × 255.5 × 20.5mm 361.5 × 248.6 × 21.13mm

主な変更点です。

・CPUが14世代に
・メモリが最大96GBに
・グラボが最新のRTX Adaシリーズに
・筐体が少し小さくなった
・120g重たくなった
・コミュニケーションバーが搭載
・クイックメニューが追加

旧モデルからそこまで変化はありませんが、AIコアやコミュニケーションバーが搭載し、使い勝手が上がった機種です。

こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。スコアもかなり上がっていますが、旧モデルにはAIコアはなく、14世代の本機はAIコアありです。

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル

Core Ultra 9 185H  33266
Core Ultra 7 165H  28719
Core Ultra 5 135H  24091
Core Ultra 7 155H  24271
Core i7-1370P  22664
Core i7-1360P  21549
Core Ultra 5 125H  20071
Core i5-1350P  20032
Core i5-1340P  20197

 

それでは本機の特徴です。

 

高性能インテル14世代CPU搭載

Intel 14世代CPUのロゴ

Core Ultra 9 185H Core Ultra 7 155H/165H Core Ultra 5 125H/135H
製造プロセス Intel 4(7nm)
P/E/LPコア 6/8/2 6/8/2 4/8/2
スレッド 22 22 18
キャッシュ 24MB 24MB 18MB
Pコア最大クロック 5.1GHz 4.8GHz 4.5/4.6GHz
Eコア最大クロック 3.8GHz 3.8GHz 3.6GHz
Xコア 8 8 7/8
ベースパワー 45W 28W 28W
マックスパワー 115W

CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。

また、14世代からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。

AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Arcベースになっています。Hシリーズのグラフィック性能はかなり高く、時々しか動画編集をしないような人であれば十分に使えます。

NPUを搭載しているPCはAI PCと呼ばれるのですが、本機もNPUを搭載しいろいろな場面でNPUを使いより快適に使えるようになっています。

Core Ultra 5 135HとCore Ultra 7 165H、そしてCore Ultra 9 185HはvProに対応しているので、多くのPCをきっかつ管理をする人に使いやすいです。

こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。スコアは公開されているものや、当サイトで計測したものになります。

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 9 185H   33266
Core i9-13900H   29430
Core Ultra 7 165H  28719
Core i7-13700H   27666
Core Ultra 7 155H   24271
Core Ultra 5 135H  24091
Core i5-13500H   23206
Core i7-1370P   23042
Core i5-1340P   20922
Core Ultra 5 125H  20071
Ryzen 7 7730U  19034
Core Ultra 5 135U  18742
Core i7-1260P   18691
Core Ultra 5 125U  17921
Core Ultra 7 165U  16756
Core i7-1355U  16378
Core Ultra 7 155U  15059
Core i5-1335U   13220

 

こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i9-14900HX  18313
Core i7-14700HX  16213
Core i7-13650HX  14077
Core Ultra 7 155H  12749
Core Ultra 7 165H  12545
Core Ultra 9 185H  12163
Core i5-13450HX  11891
Snapdragon X Elite X1E-78-100  11392
Core Ultra 5 125H  10242
Core Ultra 5 135H  10239
Core Ultra 7 155U  9716
Core Ultra 5 135U  9396

シングルコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i9-14900HX  2922
Core i7-14700HX  2853
Core i7-13650HX  2524
Core Ultra 9 185H  2522
Core Ultra 7 165H  2502
Core Ultra 7 155U  2354
Core i5-13450HX  2337
Core Ultra 7 155H  2294
Core Ultra 5 135H  2247
Core Ultra 5 125H  2184
Snapdragon X Elite X1E-78-100  1628

Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i9-13900H  18874
Core Ultra 7 155H  16825
Core Ultra 9 185H  16750
Core i7-13700H  16201
Core Ultra 7 165H  15743
Core Ultra 5 135H  14771
Core Ultra 5 125H  11000
Core i5-13420H  9948
Core i7-1355U  9033
Core i5-1235U  5545
Core i5-1340P  5251
Core i5-1335U  5104

シングルコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 9 185H  1849
Core Ultra 7 155H  1761
Core i7-13700H  1704
Core Ultra 5 135H  1692
Core Ultra 7 165H  1668
Core i5-13420H  1661
Core Ultra 5 125H  1646
Core i5-1340P  1532
Core i5-1335U  1514
Core i5-1235U  1472

 

 

高性能内蔵グラフィックスIntel Arcグラフィックス

インテルArcグラフィックス

内蔵グラフィックスはインテルArcグラフィックスで、インテルArcは14世代CPUの目玉の1つです。Arcはかなり高い性能で、Core Ultra 5 125HのベンチマークではグラフィックボードのGTX 1650 Max-Qよりも高い性能です。

仕事で毎日編集をする人はグラボ搭載モデルが良いですが、時々しかしないという方は内蔵グラフィックスでも十分かもしれません。ただし、本機のようなハイスペックワークステーションには、RTX Ada世代のグラフィックカードをお勧めします。

DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。

Fire Strike

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4060  23768
Radeon RX 6600M  19910
RTX 4050  18269
RTX 3060  17853
RTX 2070 Max-Q  15624
RTX 2060 Max-Q 13876
GTX 1660 Ti 13074
RTX 3050 Ti 11768
RTX 3050 10718
GTX 1650 8033
Core Ultra 5 125H 7888
GTX 1650 Max-Q 6861
Arc A350M 6770

 

Night RaidはCPU内蔵グラフィックス向けのDirectX 12のベンチマークです。

Night Raid

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4050  43397
RTX 3050  39341
RTX 3050 Ti  34440
GTX 1650 Ti  27333
Core Ultra 5 125H  26164
GTX 1650 Max-Q  20322

 

Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。

Wild Life

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4050  51293
RTX 3050  34590
RTX 3050  33448
RTX 3050 Ti  29016
GTX 1650 Ti  23752
Core Ultra 5 125H  23037
GTX 1650 Max-Q  16974

 

 

業務用グラフィックカード搭載可能

グラフィックスはDirectX(3Dゲーム)に最適化されたGeForceじゃなく、高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたRTX Ada世代です。発色が良く、CAD等を使う設計・建築、メディアクリエイターの業務用グラフィックボードです。

RTX
5000
RTX
4000
RTX
3000
RTX
2000
RTX
1000
RTX
500
アーキテクチャ Ada Lovelace
CUDAコア 9728 7424 4608 3072 2560 2048
RTコア 76 58 36 24 16 16
Tensorコア 304 232 144 96 80 64
TOPS 682 538 319 232 193 154
メモリタイプ GDDR6
メモリ帯域 576GB/秒 432GB/秒 256GB/秒 256GB/秒 168GB/秒 128GB/秒
メモリ容量 16GB 12GB 8GB 8GB 6GB 4GB
TGP 80-175W 60-175W 35-140W 35-140W 35-140W 35-60W
本機のTGP 35W

※搭載できるのはRTX 500

TGPが最低に抑えられているので低めの性能になりますが、その分発熱も低いので安定して使えるというメリットもあります。

 

 

ハイスペックディスプレイ搭載可能

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3(Intel) ディスプレイ

ディスプレイは16インチと大きく、以下のスペックがあります。

  1. WUXGA IPS 光沢なし 300ニト NTSC 45%
  2. WUXGA IPS 光沢なし 300ニト NTSC 45% タッチ
  3. WUXGA IPS 光沢なし 400ニト sRGB 100% 省電力パネル(未確認)
  4. WQUXGA OLED 反射防止/汚れ防止 400ニト DCI-P3 100% HDR500

WUXGAは1920×1200ドット、WQUXGAはいわゆる4K解像度で3840×2400ドットと高精細で細かな部分もしっかりと見えます。

赤文字の3番は執筆時現在未確認ですが、仕様書に記載されていました。このモデルが販売されるかどうかわかりませんが、販売されない場合はWQUXGAが候補になるかもしれません。

というのも、1番と2番の色域はNTSC 45%と言って、低価格なPCに採用される色域です。20万円もするPCに搭載することはないと思います。もしくは、色域が関係ない2DCADを作成する人などのみ使えると思います。

これを見比べたら一目瞭然ですが、色が全然違いますよね?ただし、DCI-P3 100%のモデルは9.3万円ほど価格が上がるので考え物です。

また、DCI-P3 100%のディスプレイのみX-Rite Pantone ファクトリー・カラー・キャリブレーション対応しており、Dolby VisionやHDR500 True Blackにも対応しています。映像編集をする人向けのスペックです。

また、OLEDディスプレイは完全な黒を表現でき、コントラスト比も高くシャープでメリハリのある映像が描写されます。

最大輝度は300か400ニトで、こちらは輝度の目安です。

220ニト 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える
250ニト 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える
300ニト 屋外の日陰でも見える
400ニト 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい
500ニト 屋外向け
600ニト 画面に直射日光が当たっても比較的見える

もし、モニターの購入もお考えなら、先日私が購入したこちらのモニターのレビューもどうぞ。

Lenovo ThinkVision P27u-20の購入レビュー クリエイター向け4K解像度

 

 

Copilotボタン搭載

Copilotボタン搭載

コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。

例えばCopilotで「Lenovoパソコンを購入するのに、おすすめのパソコンレビューサイトは?」と質問したら、当サイトも紹介されました。信頼性が高いAIです(笑)。

冗談はさておき、このボタン1つでいろいろなことができるので、最近はChatGPTじゃなくコパイロットを使うことが多くなりました。

 

 

NPUっていつ使うの?

AIコアって何?

ここ最近、AI、AIと言われていますが、AIコアであるNPUっていつ使うの?っていう疑問ありますよね。

今現在NPUコアを使ってできるものはWindows Studioエフェクトや、一部のアプリ(Photoshopなど)がNPU対応の機能を実装しています。

Windows Studioエフェクト

 

と言うことで、現在はそこまで活躍する場がないですが、今後あると便利になるといったものになります。

現在どの程度使えるのか当サイトで筆者の用途で検証してみましたが、検証時点ではPhotoshopなどでAIコア対応機能が実装されていなかったので、参考程度に見てください。

筆者がやることで、NPUを使いそうなものはこちらです。

・Lightroomで編集
・PhotoshopでAI画像生成・Youtube動画作成
・Web会議・オンラインレッスン
・AI音楽生成ソフトで音楽作成

動画にまとめたので、どうぞ。

この中でNPUを使ったものは、Webカメラを使用時にWindows Studioエフェクトを使ったときのみです。ちなみに動画にはありませんが、Copilotで画像を生成しているときもNPUは動きませんでした。

 

コミュニケーションバー搭載で高画質WEBカメラも搭載

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3(Intel) 背面

ちょっと飛び出したようになっていますが、コミュニケーションバーが搭載しており、このおかげでカメラやマイクのスペックが上がっています。

WEBカメラは超高画質の500万画素(おおよそ2.8K解像度)で、マイクはDolby Voice(周囲の騒音があるときや、複数人で会議をしているときに、自動的に音量を調整する機能)に対応しており、遠距離マイクが2つ内蔵されています。また、2Wスピーカーが2つ搭載です。

顔認証用のIRカメラ対応モデルもあり、こちらは人体検知(HPD)機能付きになるので、のぞき見されていると警告を出した、離席するとロック、戻るとアンロックされたりします。

 

Windows Studioエフェクト

また、先述しましたが本機はAIコアがあるのでWindows Effect Studioが使えます。自動フレーミングやアイコンタクト、背景のぼかしなど、Web会議などに「あったらいいな」があります。

 

 

その他の特徴

 

外観

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3(Intel) 正面

画面アスペクト比が16:10の16インチなので、画面が大きく見やすいですね。筐体も大きいですが。

 

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3(Intel) 横から

寸法は

幅361.5㎜
奥行き248.6㎜
高さ21.13㎜

で、16インチなので大きいですが、15.6インチと大差ないサイズです。

また、一般的なノートパソコンよりも分厚い21.13㎜ですが、エアフローを考えるとこのくらい厚くてよいかなと思います。

 

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3(Intel) 左斜め前から

以前は右側面に排気口がありましたが、マウスを使っていると温風が当たって嫌な人は多かったと思いますが、排気口は背面に移動したので安心です。

本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。

 

 

ISV認証

本機種はISV(独立系ソフトウェアベンダー)により、アプリケーションとの互換性や安定稼働、高い運用性をテストされてISV認証を得ています。

ISV認証はこちらから確認できますが、発売されたばかりなのでいくつかのソフトのみ確認できました。

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3 ISV認証

上の画像は「Bentley 2023 MicroStation Connect Edition」の認証を確認した画像で、iGPU時はRecommended、eGPU時はCertifiedとなっています。

 

 

キーボード

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3(Intel) キーボード

ThinkPadのキーボードはタイピングがしやすいことで有名で、打鍵感が良く、トラックポイントを使えば、ホームポジションから離れずに作業が可能です。

キーボードはフルサイズ110キーで、バックライトの有無はカスタマイズから変更できます。ただし、バックライト無しのキーボードはプラスチック感が強く打鍵感も低いので、バックライトありを強くお勧めします。

トラックパッド(タッチパッド)は67.6㎜×115㎜で、アクセシビリティ向上のため、エンターキーやFnキー、F2とF3キーに突起(ポジションバー)が付きました。重要なキーの押し間違いが減りそうです。

そして、トラックポイントをダブルタップすると、TrackPoint Quick Menuがポップアップし、カメラやマイク、ノイズ抑制などの設定ができるようになりました。

指紋センサーは電源ボタンと指紋センサーが統合されているので、電源を入れたらサインインも完了です。

 

 

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

搭載メモリはDDR5-5600MHzで、2スロット・最大96GBになります。公式サイトでは最大64GBにできるので、96GBにする場合は自分でやることになります。

 

 

ストレージ

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

最新のSSD PCIe 4.0×4が搭載で、最大2TBと大容量です。パソコンの起動も10秒ほどと速いです。

軽さと引き換えにM.2スロットは1つしかないので、ストレージの増設はできません。

こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。

シーケンシャル速度

オレンジ色・・・リード 青・・・ライト

PCIe 4.0×4  ~約7000MB/秒
 ~約5000MB/秒
PCIe 3.0×4  ~約3000MB/秒
 ~約2000MB/秒
HDD  600MB/秒
 200MB/秒

 

 

セキュリティ

ThinkShield

ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。

一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。

 

 

Wi-Fi 6Eに対応し、イーサネットも搭載

対応周波数 速度
IEEE802.11ac
(Wi-Fi 5)
5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6E)
2.4/5/6GHz 9.6Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。

また、1ギガビットイーサネットも搭載しており、無線でも有線でもサクサク使えます。

 

 

バッテリー駆動時間

バッテリーは57Whrか75Whrとどちらも大容量で、最大14.18時間の動画再生時間があります。Lenovoでもトップクラスのバッテリー駆動時間で、外出先でも長時間作業ができます。

 

 

インターフェイス

インターフェイスはそれほど困らない程度にあり、Thunderbolt 4は2つもあるので、ドックを持っていたら据え置き用としても使いやすいです。Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。

 

Lenovo ThinkPad P16s Gen 3(Intel) インターフェイス

左側面にはHDMI、Thunderbolt 4が2つ、USB 3.2 Gen 1、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。

右側面はスマートカードリーダー(オプション)、SIMスロット、USB 3.2 Gen 1、イーサネットコネクタ、そしてセキュリティスロットになります。

Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。

  • Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
  • 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
  • PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
  • 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
  • 8K出力にも対応

 

 

サポート・保証

Lenovo サポートと保証

標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)

また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。

  1. 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
  2. オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
  3. 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理

 

 

まとめ

良い点

・16インチのワークステーションとしてはコンパクトで軽い
・14世代CPU搭載でAIコアもあり
・ローエンドグラフィックボード搭載可能
・最新スペック満載
・画面比が16:10で表示量が多い
・最大メモリ容量が大きい
・ディスプレイがハイスペック
・500万画素のWEBカメラが搭載
・バッテリー駆動時間が長い

 

残念な点

・16インチでストレージの増設ができない
・(執筆時現在)sRGB 100%のモデルがなく、NTSC 45%の色域以外を選びたい場合は+10万円ほどの出費になる

 

総合評価

全体的にハイスペックで、なんと言ってもAIコアが搭載しているので、今後対応アプリが増えてきたら作業がもっとしやすくなります。

最高でCore Ultra 9 185Hが搭載できますが、グラフィックはRTX 500 Adaとそこまで高い性能じゃないので、持ち運び用としてや、そこまでグラフィック性能を必要としない人に合います。例えば2DCADメインの人や、簡単な3DCAD、簡単な動画編集をすような人向けですね。

個人的に、やっぱり16インチだしワークステーションなので、ストレージの増設ができたらよかったなと思います。

 

公式サイト

パソコンガイド運営者の写真