機動性と性能のバランスがうまく取れた、ThinkPad P1シリーズ2024年モデルのGen 7です。
ワークステーションとしてはミドルハイスペックで、コンパクトな筐体に約1.82㎏と軽い筐体、そしてバッテリー駆動時間はJEITA 3.0測定で19時間とLenovoトップクラスになります。
旧モデルと比べると進化した部分も多いですが、改悪され購入しにくくなった部分もあります。
Contents
ThinkPad P1 Gen 7のスペック
CPU | Core Ultra 7 155H/165H Core Ultra 9 185H |
---|---|
メモリ | LPDDR5x-7500 最大64GB |
ストレージ | SSD×2 |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス NVIDIA RTX 1000/2000/3000 Ada RTX 4060/4070 |
ディスプレイ(16型) | WUXGA IPS WQXGA IPS WQUXGA OLED |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | なし/500万画素 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 354.4 × 241.2 × 17.05mm |
重さ | 1.82㎏~ |
バッテリー | 最大約19時間 170W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 39.5万円~ |
<性能評価>
パソコンの心臓であるCPUはインテル第14世代で、ハイパフォーマンスのHシリーズになります。上位モデルのCore Ultra 7か9まで選べ、vPro対応CPUもあります。また、すべてのCPUはNPU(AIコア)を搭載しており、対応アプリなど使いやすさが増します。
メモリはLPDDR5x-7500MHzで、最大64GBに対応しています。動作周波数も高いし、メモリもかなり大きくできるので、重たい作業もしやすいです。ただし、何を血迷ったかオンボードメモリでスロットなしです。。。
デフォルトで16GBですが、32GBは+55,000円、64GBは165,000円とかなり高額です。筆者は64GBが欲しかったのですが、これは手が出ません。よほどのお金持ちか、企業が買えると思います。
残念ですね。。。
ストレージはSSD PCIe 4.0でM.2スロットは2つあり、自分で増設も可能です。
グラフィックボードは業務用で高度な技術計算(OpenGL)に最適化された最新のRTX Adaか、DirectX(3Dゲーム)に最適化されたGeForce RTX 4060か4070が搭載可能です。用途に合わせてグラボを選べるのはうれしいですね。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示できます。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)、WQXGA(2560×1600)、そして4K・WQUXGA(3840×2400ドット)と3種類から選べます。
WQUXGAはOLEDディスプレイで高色域のDCI-P3 100%、その他はIPS液晶でsRGB 100%になります。輝度は400ニトか500ニトと高く、屋外でも使いやすいです。
また、WQUXGAのみタッチパネルで、Dolby VisionとHDR400に対応しています。X-Riteのからキャリブレーションは全モデル対応しているので、簡単に工場出荷時のディスプレイに戻せます。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、最新のWi-Fi 7に対応、WEBカメラは超高画質の500万画素でIRカメラ搭載です。中にはカメラなしのモデルもあるようなので、購入時にご確認を。
16インチのワークステーションで1.82㎏からと軽く、最大バッテリー駆動時間は約19時間と長めです。
2024年のトレンドと比較
2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | NPU | Copilotボタン | DDR5 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SSD PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | Wi-Fi 6E/7 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ以上 | 生体認証 | バッテリー10時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
旧モデルとの比較
旧モデルのThinkPad P1 Gen 6との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
旧モデル | 本機種 | |
CPU | Core i7-13700H/13800H Core i9-13900H |
Core Ultra 5 125H/135H Core Ultra 7 155H/165H Core Ultra 9 185H |
メモリ | DDR5-5600 96GB | LPDDR5x-7500 64GB |
ストレージ | SSD 2TB | SSD×2 |
GPU | RTX A1000 RTX 2000/3500/4000/5000 ada Geforce RTX 4060/4080/4090 |
NVIDIA RTX 1000/2000/3000 Ada RTX 4060/4070 |
ディスプレイ | WUXGA IPS WQXGA IPS WQUXGA OLED |
|
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 |
バッテリー | 19.5時間(JEITA 2.0) | 19時間(JEITA 3.0) |
重量 | 1.78㎏ | 1.82㎏ |
寸法 | 359.5 × 253.8 × 17.3mm | 354.4 × 241.2 × 17.05mm |
主な変更点です。
・CPUが14世代に
・メモリが最大64GBにダウン
・SSDが2枚搭載可能
・グラボからハイエンドがなくなった
・40g重たくなったが小さくなった
・バッテリー駆動時間がアップ
・コミュニケーションバーが搭載
・クイックメニューが搭載
・キークリックパッドじゃなく感圧クリックパッドに変更
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。スコアもかなり上がっていますが、旧モデルにはNPUはなく、14世代の本機はNPUアリです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-1370P | |
Core i7-1360P | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1350P | |
Core i5-1340P |
それでは本機の特徴です。
高性能インテル14世代CPU搭載
Core Ultra 9 185H | Core Ultra 7 155H/165H | Core Ultra 5 125H/135H | |
製造プロセス | Intel 4(7nm) | ||
P/E/LPコア | 6/8/2 | 6/8/2 | 4/8/2 |
スレッド | 22 | 22 | 18 |
キャッシュ | 24MB | 24MB | 18MB |
Pコア最大クロック | 5.1GHz | 4.8GHz | 4.5/4.6GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 8 | 8 | 7/8 |
ベースパワー | 45W | 28W | 28W |
マックスパワー | 115W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Arcベースになっています。Hシリーズのグラフィック性能はかなり高く、時々しか動画編集をしないような人であれば十分に使えます。
NPUを搭載しているPCはAI PCと呼ばれるのですが、本機もNPUを搭載しいろいろな場面でNPUを使いより快適に使えるようになっています。
Core Ultra 5 135HとCore Ultra 7 165H、そしてCore Ultra 9 185HはvProに対応しているので、多くのPCをきっかつ管理をする人に使いやすいです。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。スコアは公開されているものや、当サイトで計測したものになります。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core i9-13900H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core i5-13500H | |
Core i7-1370P | |
Core i5-1340P | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7730U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core i7-1355U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1335U |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
---|---|
Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i5-13450HX | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
---|---|
Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 9 185H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-13450HX | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900H | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13420H | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1235U |
高性能内蔵グラフィックスIntel Arcグラフィックス
内蔵グラフィックスはインテルArcグラフィックスで、インテルArcは14世代CPUの目玉の1つです。Arcはかなり高い性能で、Core Ultra 5 125HのベンチマークではグラフィックボードのGTX 1650 Max-Qよりも高い性能です。
仕事で毎日編集をする人はグラボ搭載モデルが良いですが、時々しかしないという方は内蔵グラフィックスでも十分かもしれません。ただし、本機のようなハイスペックワークステーションには、RTX Ada世代のグラフィックカードをお勧めします。
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4060 | |
---|---|
Radeon RX 6600M | |
RTX 4050 | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 2060 Max-Q | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M |
Night RaidはCPU内蔵グラフィックス向けのDirectX 12のベンチマークです。
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
業務用グラフィックカードとGeForceが搭載可能
グラフィックスは高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたRTX Ada世代と、DirectX(3Dゲーム)に最適化されたGeForceが選べます。
RTX 5000 |
RTX 4000 |
RTX 3000 |
RTX 2000 |
RTX 1000 |
RTX 500 |
|
アーキテクチャ | Ada Lovelace | |||||
CUDAコア | 9728 | 7424 | 4608 | 3072 | 2560 | 2048 |
RTコア | 76 | 58 | 36 | 24 | 16 | 16 |
Tensorコア | 304 | 232 | 144 | 96 | 80 | 64 |
TOPS | 682 | 538 | 319 | 232 | 193 | 154 |
メモリタイプ | GDDR6 | |||||
メモリ帯域 | 576GB/秒 | 432GB/秒 | 256GB/秒 | 256GB/秒 | 168GB/秒 | 128GB/秒 |
メモリ容量 | 16GB | 12GB | 8GB | 8GB | 6GB | 4GB |
TGP | 80-175W | 60-175W | 35-140W | 35-140W | 35-140W | 35-60W |
本機のTGP | – | – | 60W | 60W | 60W | – |
※搭載できるのはRTX 1000/2000/3000
TGPがちょっとに抑えられているので低めの性能になりますが、その分発熱も低いので安定して使えるというメリットもあります。
こちらはGeForceです。ミドルハイクラスのRTX 4060かハイスペックのRTX 4070が搭載可能です。
RTX 4070 Laptop | RTX 4060 Laptop | |
コードネーム | Ada Lovelace | |
CUDAコア | 4608基 | 3072基 |
RTコア | 36基 | 24基 |
Tensorコア | 144基 | 96基 |
ブーストクロック | 2175MHz | 2370MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | |
メモリ容量 | 8GB | 8GB |
メモリバス幅 | 128ビット | 128ビット |
メモリ帯域幅 | 256GB/s | 256GB/s |
TGP | 140W | 115W |
RTX 40シリーズ搭載でどのGPUもレイトレ対応で、より美しい描写が可能です。また、DLSSにも対応しているので、ゲームによってはfpsを落とさずに画質をアップできます。
ハイスペックディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA WQXGA WQUXGA |
なし なし 反射/傷防止 |
IPS IPS OLED |
400nit 500nit 400nit |
コントラスト比 | 色域 | カラーキャリブレーション | その他 |
1200:1 1200:1 100,000:1 |
sRGB sRGB DCI-P3 |
〇 〇 〇 |
WQUXGA)Dolby Vision、HDR400 |
ディスプレイは3種類あり、すべてのモデルでファクトリーカラーキャリブレーションに対応しています。これは、ディスプレイをワンクリックで工場出荷時の状態に戻せるので、今後、あの面倒くさいキャリブレーションをする必要がなくなります。
画面アスペクト比は16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示され、今まで見えなかった部分が見えるので、作業効率もアップします。Lenovoでは16:10のアスペクト比は普通になっていますが、同業他社を見るとまだまだ16:10の方が少ないですね。
解像度はWUXGA(1920×1200ドット)、WQXGA(2560×1600ドット)、そしてWQUXGA(3840×2400ドット)になります。高解像度の方が高精細で細かい部分まで見れるので、必要に応じて解像度を選べます。WUXGA以外は10bit・約10.7億色の表示が可能です。
個人的に大事な部分は、解像度はもちろんですが、輝度と色域です。
色域は広い方がより現実の色に近いので、例えば印刷関係や写真や映像の編集など、正確な色を見て正確な編集が必要な場合はDCI-P3 100%が一番ですが、Web用画像などであればsRGB 100%でも問題ないと思います。
左から広色域のDCI-P3 100%、sRGB 100%、そして本機には採用されていませんが一般的なPCに使われるNTSC 45%です。
DCI-P3 100%はDolby VisionとHDR400に対応しており、従来よりもより明るく(白はより白く、黒はより黒く描写できる)表現できます。このモデルはOLED液晶を採用しているので、真っ黒な「黒」も描写できますね。
最大輝度は400/500ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
もし、モニターの購入もお考えなら、先日私が購入したこちらのモニターがおすすめです。
Copilotキー+感圧式クリックパッド搭載キーボード
キーボードは16インチですがテンキーはなく、フルサイズ89キーで感圧クリックパッドになります。
ThinkPadと言えばトラックポイントに、この3つボタンクリックパッドですが、ThinkPad Zシリーズや2024年モデルの一部のThinkPadには、ボタンがない感圧式クリックパッドが採用されています。
他の機種だとどちらか選べたのですが、P1 Gen 7は今のところ感圧式しかありません。個人的に3つボタンの方が好きですが、感圧式も慣れたらそこそこ使いやすいです。
クリック時などはクリックしたような振動を指先に返す触知覚フィードバックがあり、本当にクリックしているみたいに感じになります。本当に下に下がっているように感じます。すごいですよね。
タッチパッド(クリックパッド)は135㎜×85ミリと比較的大きいです。
スペースキーの横の横にあるコパイロットキーはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。
ボタン1つで呼び出せて便利ですね。
また、電源ボタンに統合された指紋センサーも搭載しており、サインインも一瞬ですね。
アクセシビリティ向上のため、エンターキーやFnキー、F2とF3キーに突起(ポジションバー)が付きました。重要なキーの押し間違いが減りそうです。
そして、トラックポイントをダブルタップすると、TrackPoint Quick Menuがポップアップし、カメラやマイク、ノイズ抑制などの設定ができるようになりました。Web会議が多い人には使いやすいです。
コミュニケーションバー搭載で高画質WEBカメラも搭載
ちょっと飛び出したようになっていますが、コミュニケーションバーが搭載しており、このおかげでカメラやマイクのスペックが上がっています。
WEBカメラは超高画質の500万画素(おおよそ2.8K解像度)で、マイクはDolby Voice(周囲の騒音があるときや、複数人で会議をしているときに、自動的に音量を調整する機能)に対応しており、遠距離マイクが2つ内蔵されています。また、2Wスピーカーが2つ搭載です。
顔認証用のIRカメラ対応モデルもあるので、サインインも一瞬です。
また、先述しましたが本機はAIコアがあるのでWindows Effect Studioが使えます。自動フレーミングやアイコンタクト、背景のぼかしなど、Web会議などに「あったらいいな」があります。
その他の特徴
外観
16インチと大きなサイズですが、ワークステーションとしてだけでなく、普通のノートパソコンとみてもかなりコンパクトです。画面占有率は約92%と、ベゼルもかなり細いですね。
幅354.4㎜、奥行き241.2㎜で、厚さはなんと 17.05㎜とかなり薄いです。重さは1.82㎏からと、16インチのハイスペックワークステーションとしては軽いです。
ここは良しあしがありますが、P1シリーズって機動性と性能のバランスをとった機種なので、ほどほどに軽く、そしてそこそこ性能が高い機種になっているんです。
<ThinkPad Pシリーズの特徴>
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
アルミニウムの筐体に、2つのファンとヒートパイプで冷却しています。
ISV認証
本機種はISV(独立系ソフトウェアベンダー)により、アプリケーションとの互換性や安定稼働、高い運用性をテストされてISV認証を得ています。
ISV認証はこちらから確認できますが、発売されたばかりなのでいくつかのソフトのみ確認できました。
上の画像は「Bentley 2023 MicroStation Connect Edition」の認証を確認した画像で、iGPU時はRecommended、eGPU時はCertifiedとなっています。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5x-7500MHzで、オンボード最大64GBになります。
先述しましたがメモリはオンボードなので、自分で増設できないんですよね。しかも、公式サイトでカスタマイズすると32GBメモリで+55,000円、64GBは165,000円です。。。
無理でしょこれ?一般人が買うの。このクラスのワークステーションで16GBメモリなんて役に立たないし、我慢して32GBに妥協するということも可能ですが、妥協した価格が43万円だと妥協するのも惜しいですね。
<メモリ32GBにして、その他は一番低いスペックを選択>
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
最新のSSD PCIe 4.0×4が搭載で、M.2スロットが2つあるのでSSDの増設も可能です。SSDは2スロットともType-2280です。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
RJ45はないですが、2.5ギガビットイーサネットへの変換アダプタが購入可能です。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル90Whr大容量で、最大19時間の動画再生時間があります。Lenovoでもトップクラスのバッテリー駆動時間で、外出先でも長時間作業ができます。
また、急速充電にも対応しており、約1時間で80%、1.72時間でフルチャージです。
インターフェイス
インターフェイスはそこそこあり、Thunderbolt 4は2つもあるので、ドックを持っていたら据え置き用としても使いやすいです。Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。
右側面はスマートカードリーダー(オプション)、USB 3.2 Gen 1、USB 3.2 Gen 2 Type-C、そしてセキュリティスロットになります。
左側面には電源コネクタ、Thunderbolt 4が2つ、HDMI、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、一部モデルにはプレミアサポートと言うサポートになっていますが、引き取り修理保証でもこちらにアップグレードができ、24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
まとめ
良い点
・小型で持ち運びがしやすい
・14世代CPU搭載でAIコアもあり
・RTX AdaかGeForceが選べる
・最新スペック満載
・SSDの増設が可能
・画面比が16:10で、16インチでも17インチ並みの情報が表示される
・ディスプレイがハイスペックですべてのモデルでファクトリーカラーキャリブレーション対応
・500万画素のWEBカメラが搭載
・バッテリー駆動時間が長い
残念な点
・メモリがオンボードで自分で増設できない
・感圧式クリックパッドしか選べない
総合評価
全体的にハイスペックで、これだけ性能が高くバッテリー駆動時間の長いのワークステーションとしては軽いです。
なんと言ってもAIコアが搭載しているので、今後対応アプリが増えてきたら作業がもっとしやすくなりますね。
ただし、今回は軽量化の弊害と言いますか、メモリがオンボードになり、64GBにするには+15万円ほどかかります。また、3ボタンクリックパッドが選べないので、購入にためらう人も多いかもしれません。