Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD)の実機レビュー Ryzen 5000シリーズ・PCIe 4.0搭載モデル

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高性能のRyzen 5000シリーズ搭載で、メモリは最大40GB、ストレージは最新のPCIe 4.0が搭載したハイスペック機種です。

15.6インチと大型なので毎日PCを持ち運びするような人じゃなく、据え置き用や時々持ち運ぶことがあるよと言う人、もしくは、重たくても外出先でがっつりと作業をしたいからと言う人に向いています。

購入機種はRyzen 3 5425U、メモリ8GB、SSD 512GBです。

まずはレビューのまとめからどうぞ。

良い点

・CPUの最大温度が下がったが、性能はかなり高い
・メモリを最大40GBに増設可能
・PCIe 4.0搭載
・低価格で必要十分以上の性能
・FHD 1080pのWebカメラが搭載可能
・Wi-Fi 6標準搭載

 

残念な点

・インターフェイスの品質や数は控えめ
・思ったほどメモリ性能が高くない
・ちょっと重い

 

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ThinkPad E15 Gen 4(AMD)のスペックレビュー

CPU Ryzen 3 5425U
Ryzen 5 5625U
Ryzen 7 5825U
メモリ 最大40GB
ストレージ SSD 最大1TB
グラフィックス Radeonグラフィックス
ディスプレイ(15.6型) FHD IPS液晶 マルチタッチあり、sRGB 100%あり
FHD TN液晶
OS Windows 11 Home/Pro
無線 Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2
有線 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T
カメラ FHD 1080p /720p
生体認証 指紋センサー、IRカメラあり
セキュリティ パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、セキュリティ キーホール
寸法(幅×奥行×高さ) 365 × 240 × 18.9㎜
重さ 1.78㎏~
バッテリー 最大16.7時間
保証 1年間
価格 8.1万円~

<性能評価>

 

パソコンの頭脳であるプロセッサーには、高性能Ryzen 5000シリーズが搭載です。ただし、今までのRyzen 5000シリーズじゃなく、上位モデルのリフレッシュ版になっています。

通常版(旧モデルに搭載) 上位モデル 本機搭載モデル
Ryzen 3 5300U 5400U 5425U
Ryzen 5 5500U 5600U 5625U
Ryzen 7 5700U 5800U 5825U

Zen 3アーキテクチャですがTDPが低いので、上位モデルほどの性能はありません。ただし、より発熱を抑えた設計なので、高負荷な作業でもやりやすくなっていいます。

メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、オンボードに8GB+メモリスロットに1つ空きがあり、最大32GBのメモリを搭載できます。合計すると最大40GBのメモリを搭載できるので、画像編集やPDFなどの大きなデータを大量に読み込むことがある人には特に有効です。

ストレージは最新のPCIe 4.0×4で、今まで搭載されていたPCIe 3.0にから帯域幅が倍になり、最大データ転送速度が倍くらいに速くなっています。シーケンシャル速度は倍にはならなかったですが、読み込みも書き込みも速かったです。ちなみに、スロットがもう1つあるので、増設も可能です(ただし、保証外になります)。

ディスプレイはモデルにもよりますが、高画質FHD IPS液晶かTN液晶が選べ、IPS液晶のモデルは広色域のsRGB 100%やマルチタッチディスプレイがあります。一般的な用途から、画像編集をするようなクリエイターにも向いているディスプレイが選べます。

CPUなどのスペックだけじゃなく、今まではハイエンドモデルのみ搭載していたFHD 1080pの高画質Webカメラや、Wi-Fi 6が標準搭載。高画質Webカメラはビジネスに必須と言っても良いものなので、これは助かります。

バッテリー駆動時間は45wHrモデルが最大14.1時間、57whrモデルが16.7時間と、どちらも長いので、丸1日充電なしでも使える人が多いと思います。

インターフェイスがちょっと少ないですが、総合的に見ると、この価格にしては総合的に高いスペックだと思います。

 

公式サイト

 

旧モデルとの比較

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4とGen 3の筐体<左/本機種・右/ThinkPad E15 Gen 3>

旧モデルのThinkPad E15 Gen 3との比較です。旧モデルと言っても、E15 gen 3は2021年6月に発売されたばかりで、実質新機種の部類に入ります(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 E15 Gen 3
CPU Ryzen 3 5425U
Ryzen 5 5625U
Ryzen 7 5825U
Ryzen 3 5300U
Ryzen 5 5500U
Ryzen 7 5700U
メモリ 40GB 24GB
ストレージ SSD PCIe 4.0 SSD PCIe 3.0
ディスプレイ FHD TN/IPS FHD TN/IPS
無線 Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E Wi-Fi 5/6
Webカメラ 1080p/720p 720p
バッテリー 14.5時間 14.2時間
重量 1.78㎏ 1.7㎏
価格 8.1万円~ 7.4万円~

変更点です。

・CPUが上位モデルでZen 3に
・最大メモリ容量が大きくなった
・SSDがPCI Express 4.0に
・標準でFHD 1080p Webカメラが搭載
・80g重くなった

本機種のスペックは旧モデルから劇的に変わったわけじゃないですが、Webカメラの品質だったり、Wi-Fiだったりと、いろいろな点で改善されています。。個人的に一番うれしいのは、メモリ容量が大きくなったところと、Webカメラにより高品質な1080pを搭載できる点です。

価格がちょっと上がっていますが、性能も上がっているので、妥当な値上げだと思います。新機種にこだわらない人は、旧モデルもいいかもしれません。

 

こちらはプロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。

Passmarkスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 5825U  17572
Ryzen 7 5700U  16272
Ryzen 5 5625U  15108
Ryzen 5 5500U  13579
Ryzen 3 5425U  10946
Ryzen 3 5300U  10092

 

ThinkPad E15 Gen 4(AMD)の特徴

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) 正面

外観は伝統的な「ThinkPad」でトップカバーはアルミニウム製、画面占有率は85%となっています。

ベゼル(画面の黒い枠)は実寸で上部11.5㎜、左右約8.5㎜、下部約17㎜で、2022年のLenovoノートパソコンとしては若干太いかなと思います。

 

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) 横から

寸法は

・幅365㎜(≒千円札2.5枚分/375㎜)
・奥行き240㎜(≒一万円札1.5枚分/240㎜)
・厚さ18.9㎜(≒一円玉の直径/20㎜)

になり、15.6インチなので大きめで、重さは1.78㎏と若干重たいです。ただし、持ち運びが少ない人なら影響は少ないと思います。

 

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) 厚さ

厚さは18.9㎜と大きめですが、筐体前部に向かい細くなっているので、太く見えません。コンパクトな15.6型モデルでも16㎜くらいなので、そこまで差はありませんね。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) 天板

天板はシンプルな「ThinkPad」のロゴと、「Lenovo」のロゴがあります。シンプルでいいですね。また、トップカバーはアルミニウムになっており、強度も高く傷にも強い、そして剛性も高いです。

また、旧モデルに比べ若干指紋が付きにくくなっています。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 3

こちらはThinkPad E15 Gen 3の天板ですが、こちらの方が指紋が付きやすいと思います。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) 底面

底面カバーは、触ってすぐにわかるほどのチープなプラスチック素材です。メモリを増設したときにカバーを外したのですが、たわみもあり、壊れるかと思いました。人に見られる箇所じゃないですが、「天下のThinkPad」なので残念です。

この点は、兄弟モデルのThinkPad E14 Gen 4はアルミニウム素材だったので、強度も高そうです。

通気口は大きめで、ベンチマークを取っているときもそこまで熱くならなかったので、エアフローは良さそうです。

 

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) ディスプレイをほぼ180度に開いた状態

本機は約180度開くことができるので、地べたに座って作業をすることがあるエンジニアにも使いやすいです。

 

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 右斜め前から

公式サイトでは専用イヤフォン収納モデルの写真もありますが、執筆時点ではこのモデルは販売されていません。

 

生体認証は顔認証と指紋センサー搭載可能

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) 電源ボタン

生体認証はモデルによっては指紋センサーも顔認証も無しで、カスタマイズからそれぞれ追加ができます。

指紋センサーを選んだ場合は、電源ボタンと指紋センサーが統合しているので、電源を入れたらサインインが完了です。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4のカメラの種類

顔認証のIRカメラは、1080P FHDカメラ搭載になります。

 

Webカメラは高画質FHD 1080p搭載!

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 Webカメラ

執筆時点で販売されているモデルには、標準で高画質FHD 1080pのWebカメラが搭載しています。一般的なノートパソコンにはHD 720pが搭載していますが、FHD画質になると段違いにきれいになります。

また、プライバシーシャッターも搭載しているので、Webカメラを使用しないときは閉じておくと安心です。

こちらは720pと1080p WEBカメラの比較です。

720p HDカメラと比べると、全然きれいですよね。Web会議が多い人や、オンラインレッスンの先生や生徒も、高解像度の映像が相手に映し出されるので、印象アップしやすいと思います。

マイクはデュアルアレイマイクが搭載で、オーディオはBMWなどの高級外車に使用されることが多いハーマンカードンで、2W×2になります。

カメラとマイクの性能を計測したら、カメラは409、マイクは1297となりました。

他の機種との比較です。

カメラ性能マイク性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

ThinkPad E14 Gen 4 1080p  437
ThinkPad E15 Gen 4 1080p  409
FHD 1080p平均  400前後
HD 720p平均  100前後

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

IdeaPad Flex 570  1875
Thinkbook 13s Gen 2  1727
Thinkbook 14 Gen 2  1554
ThinkPad E15 Gen 4  1297
ThinkPad E14 Gen 4  1197
IdeaPad Slim 550i  716

カメラ性能は高め、マイク性能は普通よりちょっと上でした。

また、FHDカメラが必要ないという人向けに、720pのカメラも選択できるようになっています。

 

MILスペック

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 背面

本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。

安心して使える、高品質な機種です。

 

キーボード

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 キーボード<キーボードは日本語か英語が選べます。>

キーボードはJISキー・110キー、テンキー・バックライト付きになります。トラックパッドは100㎜×69㎜と小さいですが、スムースに動き操作性は高いです。また、赤いボタンのトラックポイントを使えば、手がキーボードから離れずに作業ができます。

キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は実測18.8㎜ × 19.4㎜と、余裕を持ってタイピングできる幅があります。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は約1.6㎜と深く、一般的なノートパソコンに比べると打鍵感が高いです。

また、ThinkPadのキーは湾曲しているので、タイピング時に中心からずれてタイプしても、しっかり反応してくれ、ミスタイプも減ります。

 

今回初めてバックライト無しのキーボードを購入したのですが、キーが若干ザラザラしており、プラスチック感が強いです。見た目はほぼ変わりませんが、触ると安っぽく感じます。

こちら↓はバックライト付きのキーですが、つやつやしてゴムっぽい感触でした。すごくタイピングがしやすいです。

ThinkPadのキーボード

 

こちらは本機のキーで、ザラザラしており見た目からプラスチック感が強いです

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 キー

購入するなら、バックライト付きがおすすめです。

 

CPU

Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U
製造プロセス 7nm
アーキテクチャ Zen 3
コア/スレッド 4/8 6/12 8/16
L3キャッシュ 8MB 16MB
GPUコア 6 7 8
基本クロック 2.7GHz 2.3GHz 2.0GHz
ブーストクロック 4.1GHz 4.3GHz 4.5GHz
TDP 15W

アーキテクチャは最新のZen 3になっており、通常版のZen 2に比べ以下の様な特徴があります。

  • コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
  • IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
  • シングルスレッドの性能が最大23%UP
  • マルチスレッドの性能が最大108%UP
  • バッテリー効率が上がった

ただし先述した様に、TDPが15Wなので上位モデルのRyzen 3 5400UやRyzen 5 5600U、そしてRyzen 7 5800Uより若干低い性能になっています。ただし、発熱がより抑えられた設計なので、使いやすさは増しています。

こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアの計測結果で、8GBメモリ時は10946、メモリ2枚の24GB時は11759と、どちらも予想より高性能でした。

 

スコアの目安

  • 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
  • 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 10000~・ハイエンドPCに搭載される
  • 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

Passmarkスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 5800H  21767
Ryzen 7 5800U  19960
Ryzen 7 Pro 5850U  19604
Ryzen 7 5825U  17572
Ryzen 5 Pro 5650U  16850
Ryzen 7 5700U  16272
Ryzen 5 5600U  15944
Ryzen 5 5625U  15108
Ryzen 5 5500U  13579
Ryzen 3 5400U  12110
Ryzen 3 5425U 24GB  11759
Ryzen 3 5425U 8GB  10946
Core i7-1165G7  10620
Core i5-1135G7  10098
Ryzen 3 5300U  10092
Ryzen 3 5425U平均  9641
Core i3-1115G4  6546

ビジネス用途でもスコア7000以上あれば比較的快適に使えるほどですが、本機は一番性能が低いRyzen 3 5425Uでも10946と、Core i7-1165G7以上の性能です。

TDPは下がりましたがこれだけ性能が高いので、高負荷な事でも十分快適に使えると思います。

 

次はCinebench R23の計測結果です。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 Cinebench R23 スコア

こちらは8GB時でマルチコアは5239、シングルコアは1300と、Ryzen 3としては高性能です。ちなみに、メモリ24GB時もほぼ同じスコアでした。

Cinebench R23は、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。

マルチコアシングルコア

Cinebench R23 マルチコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 5800H  12969
Ryzen 7 5875U  11530
Ryzen 7 5800U  11203
Ryzen 7 5700U  9555
Core i5-1240P  8392
Ryzen 5 5500U  7783
Ryzen 5 5600U  7582
Ryzen 7 4700U  6874
Core i7-1165G7  6070
Core i5-1135G7  5913
Ryzen 3 5300U  5379
Ryzen 3 5300U  5379
Ryzen 3 5425U  5239
Core i7-1065G7  4475
Core i3-1115G4  3343

Cinebench R23 シングルコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1185G7  1538
Core i7-11850H  1517
Ryzen 7 5875U  1510
Core i7-1165G7  1504
Core i5-1240P  1488
Ryzen 9 5900HX  1478
Ryzen 7 5800U  1478
Ryzen 5 5600U  1372
Core i5-1135G7  1343
Core i3-1115G4  1319
Ryzen 3 5425U  1300
Ryzen 5 5700U  1274
Ryzen 7 4700U  1184
Ryzen 5 5500U  1180

 

最後にPCMark10です。

・Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」
・Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」
・Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」

を表しています。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 PCMark10 計測結果

総合性能は、以下が目安です。

5000以上・・・超ハイスペック(グラボ搭載機種はこれ以上)
4000以上・・・ハイスペック
3000以上・・・中位モデル
2000以下・・・エントリ―クラス

  • 総合性能は4818
  • Essentialは8743→通常用途やビデオ会議などはかなり使いやすい
  • Productivityは8193→Offie系のアプリはかなり使い勝手が高い
  • Digital content creationは4240→平均的
EssentialProductivityDigital Contents

Essential

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i3-1215U  9899
Core i7-1165G7  9553
Core i5-1135G7  9502
Ryzen 7 4700U  9230
Ryzen 7 5700U  8951
Ryzen 3 5425U  8743
Core i7-1065G7  8661
Core i3-1115G4  8411
Ryzen 3 Pro 4350G  8271
Core i5-1235U  8197
Ryzen 5 5500U  7907

Productivity

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 3 5425U  8193
Ryzen 7 5700U  8065
Ryzen 7 4700U  7641
Ryzen 3 Pro 4350G  7534
Ryzen 5 5500U  7209
Core i7-1165G7  6643
Core i3-1215U  6570
Core i5-1135G7  6300
Core i3-1115G4  5994
Core i5-1235U  5542
Core i7-1065G7  5487

Digital Content Creation

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 5700U  5282
Ryzen 7 4700U  5178
Core i7-1165G7  5150
Core i3-1215U  4796
Core i5-1235U  4716
Ryzen 3 Pro 4350G  4555
Ryzen 5 5500U  4445
Ryzen 3 5425U  4240
Core i5-1135G7  4189
Core i7-1065G7  3699
Core i3-1115G4  3646

ちなみに、メモリ増設後はすべての項目で+300~400くらいで、総合性能は+7.4%でした。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 増設後のPCMark10 計測結果

 

グラフィックス

グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。

PerformanceTestで計測したGraphics Markのスコアは、故障かな?と思うくらい低い性能の「1127」でした。購入機種は8GBメモリでシングルチャンネルメモリで動作しているため、メモリ2枚時のデュアルチャンネルメモリよりも低い性能になりますが、それにしても低かったです。(5回計測して、一番良かったものを紹介しています。)

と言うことで、メモリを1枚追加して計測しました(オンボード8GB+スロット16GB)。

メモリ2枚時には1859まで伸びました。1800くらいあれば、Lightroomなどの写真編集アプリも使いやすいので、実用性はあります。ちなみに、メモリ1枚時のグラフィック性能は驚くほど低い性能ですが、前項で紹介したPCMark10の「Office系のアプリの使いやすさ」が、過去一番高い性能だったのが、不思議です。

他機種との比較です。

Video Card Benchmarks

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 7 PRO 6850U  5663
MX550  5089
MX450  3715
Core i7-1165G7  3681
Core i5-1135G7  2898
Ryzen 7 5800U  2416
Ryzen 5 5500U  2326
Core i3-1215U  2258
Ryzen 7 5700U  2251
Core i5-1235U  2196
Core i3-1115G4  2118
Ryzen 5 5600U  2101
Ryzen 7 4700U  2066
Ryzen 3 5425U メモリ2枚  1859
Ryzen 5 4500U  1818
Ryzen 3 5400U  1734
Ryzen 3 5300U  1606
Ryzen 3 4300U  1314
Ryzen 3 5425U メモリ1枚  1127

 

 

ディスプレイ

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 ディスプレイ

解像度 光沢 液晶 輝度 コントラスト比 色域 その他
FHD(未発売) なし TN 250nit 500:1 NTSC 45% 視野角90°
FHD なし IPS 300nit 800:1 NTSC 45% 視野角170°
FHD なし IPS 300nit 1200:1 sRGB 100% 視野角170°
FHD(未発売) あり IPS 視野角170°、マルチタッチ
FHD フル・ハイディフィニション、一般的な画質で解像度は1920×1080ドット
光沢 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい
コントラスト比 最少輝度と最大輝度の差。差が大きい方が力強い描写が可能
液晶 IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広い。TN液晶はその逆
nit 明るさを表す単位。室内であれば250nit~、350~400nitあれば日光の当たる場所でも見やすい

液晶は上記した4種類があり、執筆時点ではTN液晶モデルとタッチパネルモデルはまだ販売されていませんが、ほとんどの人はTN液晶を選ばないと思うので、問題ないと思います。

現在販売されているディスプレイが一番人気で、標準的なものになります。

解像度はフルHD、視野角が広くコントラスト比も高いIPS液晶、そして、現在は300ニトと輝度が高くなっています。

i1 Display Proで色域や輝度を調べました。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4の色域図

・sRGBカバー率は61.8%
・輝度は278ニト

でした。色域はNTSC 45%なのでこのくらいかなと思いますが、輝度は公称値300ニトですがそれよりも低い278ニトでした。

余裕があれば色域が広いsRGB 100%のディスプレイを選ぶと(+3300円)、全然きれいな色が描写されるので、個人的にはお勧めしたいです。

sRGB 100%とNTSC 45%のディスプレイ<左・NTSC 45%/右・sRGB 100%>

sRGB 100%はWeb用画像編集にも向いているし、単純に全てがより鮮やかに描写されるので、写真・動画・映画などを見る時に見やすいです。

最後に視野角のチェックです。

視野角は170°と広いので、特に問題ないです。

 

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

本機搭載のメモリはDDR4-3200MHzで、オンボードに8GB1枚搭載しています。メモリスロットが1つ空いており、最大32GBのメモリを搭載できます。メモリは2枚1組で使うのが基本なので、必ずもう1枚追加した方が良いです。

こちらはMemory Markの計測結果で、メモリ1枚・8GB時は1880と遅めで、メモリ2枚・24GB時は2389と普通でした。

もしメモリが1枚の場合はシングルチャンネルメモリと言って、グラフィック性能が大幅に下がり、全体的な処理速度も遅くなります。

追加するメモリはオンボードにある8GBに合わせるのが常套手段ですが、大きなデータを扱う人は16GBや32GBを搭載しても使いやすくなるので良いと思います。

他の機種との比較です。

Memory Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Thinkbook 13s Gen 2 16GB  2921
Ideapad Flex 550i 14型 8GB  2700
ThinkPad X12 Detachable 16GB  2549
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 16GB  2539
Yoga 660 16GB  2417
ThinkPad E15 Gen 4 24GB  2389
Thinkbook 15 Gen 2 8GB  2227
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 32GB  2204
ThinkPad E14 Gen 2 Intel 8GB  2205
IdeaPad Slim 360(17) 8GB  2195
Ideapad Flex 550i 15型 8GB  2175
ThinkPad E14 Gen 4  2127
Thinkbook 14 Gen 2 8GB  1908
ThinkPad E15 Gen 4 8GB  1880
Ideapad s145 AMD 8GB  1682

 

ストレージ

SSD(PCIe 4.0×4) SSD(PCIe 3.0×4) HDD
最大データ転送速度 最大64Gbps 最大32Gbps 最大6Gbps(SATAの場合)
平均起動時間 10秒~15秒 30秒~2分(新品の場合)
温度 熱くなりにくい 熱くなりやすい
価格 高い 安い

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

本機には最新のPCIe 4.0×4が搭載しており、PCIe 3.0×4よりも帯域幅が倍になり、データ転送速度がかなり上がっています。SSDの増設も可能なので、大容量にできますね。

CrystalDiskMarkでシーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み)は3187MB/秒、ライト(書き込み)は3031MB/秒とかなり高速でした。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4のシーケンシャル速度 計測結果

PCIe 4.0にしてはリードが伸びなかったので調べたら、ストレージのスロットがPCI Express 3.0×4までしか対応していませんでした。

その他の機種との比較です。

シーケンシャルリード

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

ThinkPad E14 Gen 2 Intel 256GB  3402MB/秒
Ideapad Flex 570 14型 256GB  3362MB/秒
ThinkPad T14 Gen 3 AMD 256GB  3251MB/秒
ThinkPad E15 Gen 4 PCIe 4.0  3187MB/秒
Thinkbook 14 Gen 2 256GB  2986MB/秒
ThinkPad E14 Gen 4 Intel 256GB  2868MB/秒
Yoga 660 512GB  2410MB/秒
ThinkPad X12 Detachable  2395MB/秒
Thinkbook 13s Gen 2 512GB  2302MB/秒
Thinkbook 15 Gen 2 256GB  2240MB/秒
IdeaPad Slim 360(17) 256GB  1980MB/秒
Ideapad s145 AMD 256GB  1645MB/秒

また、M.2スロットが1つ空いているので増設も可能ですが、保証が外れます。

筆者も増設しようとしたのですが、ネジが硬くてネジ穴がつぶれたのでできませんでした。ちなみに、兄弟モデルのE14 Gen 4も同じようにネジ穴がつぶれました・・・。今までで初めてです、こんなこと。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 SSDの増設<潰れたネジ穴>

 

セキュリティ

Lenovoのセキュリティ

セキュリティは

  • Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
  • TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
  • パワーオンパスワード・・・電源を入れた時のログインパスワード
  • ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
  • スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
  • セキュリティキ―ホール・・・ワイヤーなどを繋げて持ち運びできないようにする

などがあり、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られています。(詳しくは、公式サイトをどうぞ。)

ThinkShield
基本的にビジネスモデルなので十分なセキュリティがありますが、追加のセキュリティをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。

仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。

 

公式サイト

 

Wi-Fi 6に対応

周波数 通信速度
IEEE802.11a 5GHz 54Mbps
IEEE802.11b 2.4GHz 11Mbps
IEEE802.11g 2.4GHz 54Mbps
IEEE802.11n 2.4/5GHz 300Mbps
IEEE802.11ac
(Wi-Fi 5)
5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6E)
2.4/5/6GHz 9.6Gbps

次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

公式サイトではWi-Fi 6Eも搭載できると記載されていますが、執筆時現在、Wi-Fi 6Eは選べません。

旧モデルと同時に同じ場所でWi-Fi速度を計測したら、本機120Mbpsに対し、旧モデルは57Mbpsでした。同時にやったので1台ずつやるより速度は劣りますが、それでも良いスコアでした。2倍くらい差が出ていますね。

計測結果から見ると、Wi-Fiのアンテナも良くなっているみたいで、Wi-Fi 6はかなり速いですね。

 

バッテリー駆動時間

バッテリー駆動時間は標準の45Whrで最大約14.1時間、モデルによってはカスタマイズから57Whr・最大約16.7時間のものが選択できます。

どちらを選んでも長いバッテリー駆動時間なので、持ち運ぶことが多い人でも使いやすいと思います。

 

インターフェイス

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4(AMD) 厚さ

右側面インターフェースはUSB 2.0、RJ45、そしてセキュリティキーホールになります。

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4 右側面インターフェイス

左側面インターフェースはUSB Type-C 3.2 Gen 1、USB 3.1、HDMI、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。USB Type-Cは電源で使いますが、映像出力機能も付いています。

USB-CとUSB 3.1のデータ転送速度は5Gbpsと遅いので、大きなデータ(数十GB以上のデータ)の移動を頻繁にする人はご注意を。

また、まともに使えるポートはUSB 3.2と、電源共有のUSB-Cなので、こういったハブを持っておくと便利かもしれません。

Lenovo USB Type-C 7-in-1 ハブのインターフェイスLenovo USB Type-C 7-in-1 ハブ

 

サポート・保証

Lenovo サポートと保証

標準で1年間の「片道引き取り修理保証(修理時は片道送料負担)」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)

保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3つにアップグレードできます。

  1. 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
  2. オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
  3. 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理

修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。

 

ライバル機種

Lenovo ThinkPad E15 Gen 4と比較機種<左から本機種・E14 Gen 3・T14 Gen 3>

 

本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできま

本機 ThinkPad E15 Gen 3 ThinkPad T14 Gen 3
CPU Ryzen 3 5425U
Ryzen 5 5625U
Ryzen 7 5825U
Ryzen 5 5500U
Ryzen 7 5700U
Ryzen 5 PRO 6650U
Ryzen 7 PRO 6850U
メモリ 40GB 24GB 32GB
ストレージ SSD×2 SSD ×2 SSD×1
ディスプレイ FHD IPS
15.6型16:9
FHD IPS
15.6型16:9
WUXGA,2.2K
4K相当
14型画面比16:10
無線 Wi-Fi 6 Wi-Fi 5/6 Wi-Fi 6E, 4G/5G LTE
バッテリー 16.7時間 14.2時間 21.1時間
重量 1.78㎏ 1.7㎏ 1.21㎏
価格 8.1万円~
9.2万円(Ryzen 5)
8.9万円~
(Ryzen 5)
13万円~

各機種の特徴です。

・本機種・・・Zen 3のRyzen 5000シリーズでメモリも大容量、ストレージも増設可能とポテンシャルが高い機種。Ryzen 3モデルならダントツでお買い得。Ryzen 5以上でも全体的な品質は旧モデルより上なので、おすすめ

・E14 Gen 3・・・2021年に発売された旧モデルですが、Ryzen 5でも8.9万円と価格が安い。最新機種にこだわらないなら、コスパが高い本機がいいかも

・ThinkPad T14 Gen 3は上位モデルで、5万円ほど高いですがかなり性能・品質が高いです。また、唯一の画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、15インチ並みの情報が表示されます。持ち運びにも便利な1.21㎏で、バッテリー駆動時間は丸1日使っても十分な容量です

 

筆者購入時の納期

7月5日に購入し目安納期(出荷予定)は1~2週間で、到着は7月20日と15日ほどで来ました。Webサイトに書かれた通りの納期だったので、不満はないです。

 

まとめ

良い点

・CPUの最大温度が下がったが、性能はかなり高い
・メモリを最大40GBに増設可能
・PCIe 4.0搭載
・低価格で必要十分以上の性能
・FHD 1080pのWebカメラが搭載可能
・Wi-Fi 6標準搭載

 

残念な点

・インターフェイスの品質や数は控えめ
・思ったほどメモリ性能が高くない
・ちょっと重い

 

総合評価

リフレッシュ版の新しいRyzen 5000シリーズ搭載で、メモリは最大40GB、ストレージはPCIe 4.0と、スペック的には十分だと思います。特殊な専門分野での使用じゃないかがぎり、困ることは無いと思います。

また、生体認証も指紋センサーと顔認証を搭載でき、WebカメラがFHDと高画質、高速通信が可能なWi-Fi 6搭載と、Eシリーズとは思えないほどです。

ただし、やはり低価格モデルなので、底面カバーは樹脂素材を使用、1.78㎏と若干重ため、インターフェイスが少ないといったマイナス要素もあります。

使い方によっては標準装備で大丈夫な人もいれば、先ほど紹介した様な7 in 1ハブなどないと使いにくいという人もいると思いますが、8万円台とビジネスモデルにしては低価格で十二分の性能があります。

 

公式サイト

 

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