ThinkCentreのMシリーズTinyは、最近人気がある省スペースモデルの中でも抜群に小型化に成功した機種になります。
寸法は幅3.45㎝、奥行18.2㎝、高さ17.9㎝と、少年ジャンプより小さなサイズになっています!
今までデスクトップが欲しかったけどスペースの都合で購入を控えていた人には、おすすめのサイズです。
しかも小さいだけでなく、性能の高いRyzen Proシリーズのプロセッサーも搭載なので、ビジネス用途でもがっつり使えます。
Contents
Lenovo ThinkCentre M75q-1 Tinyのレビュー
<モニターは別売り>
CPU | AMD Athlon 300GE Pro AMD Ryzen 3 Pro 3200GE AMD Ryzen 5 Pro 3400GE |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | HDD 最大1TB+SSD 最大1TB |
グラフィックス | Radeon Vega |
OS | Windows 10 Home。Windows 10 Pro |
Microsoft Office | 搭載可能 |
光学ドライブ | 無し ウルトラスリムDVD-ROM ウルトラスリムDVDスーパーマルチドライブ |
無線LAN | 無し、IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、AC 9260 |
セキュリティ | Windows Defender、TPM、ハードディスクパスワード、セキュリティキーホール、Smart USB Protection、DASHなど |
付属 | マウス、キーボード |
電源 | 65W、135W |
寸法 | 34.5x182x179 |
重さ | 最大構成 1.32㎏ |
保証 | 1年間オンサイト修理 |
価格 | 3.9万円~ |
レビュー | [usr 4.5]/1076件のレビュー |
パソコンの頭脳であるプロセッサー(以下APU)には、標準クラスのAthlonから、比較的性能の高いRyzen 3 Pro、5 Proが搭載できます。
本機種では筐体がかなり小型化されているので、発熱を抑えるために省電力モデルEシリーズが使われています。これによってシステム温度が上昇しにくいので、発熱によるパフォーマンス低下を防ぐことが出来ています。
メモリは最大32GBと大容量で、ストレージは最大2TBと大きいので、外付けHDDを使うこともあまりないんじゃないかな?と思います。
ThinkCentreはビジネスモデルなのでセキュリティも堅牢になっており、TPMやハードディスクパスワードなどのビジネスで使うならば入れておきたいセキュリティが搭載されています。
また、本体がかなり小さいので、デスク傍の棚や、デスクの上に置いても圧迫感が無いので置き場所に困らないです。
Lenovo ThinkCentre M75q-1 Tinyの特徴
<バーティカルスタンド装着時> | <モニター背面に装着時> |
<写真はLenovoより>
光学ドライブを搭載すると幅がかなり大きくなり、バーティカルスタンドは使えません
写真を見たら一番速いですが、小さいですよね。足が短いテーブルの下にも置けるし、モニターの後ろに設置したら一切場所を取らないし。
縦置きする時はバーティカルスタンドを使うと倒れずに設置できますが、光学ドライブを搭載すると本体の幅が大きくなるので、使えません。ご注意を。
寸法は幅3.45㎝、奥行18.2㎝、高さ17.9㎝と、かなり小型なんです。
- 幅3.45㎝は、SDカード(長さ3.2㎝)とほぼ同じ
- 奥行きと高さは、少年ジャンプなどB5判(182㎜x257㎜)サイズより小さい
置き場所に困ることは無いです。
筐体が小型なので熱がこもらないように、対処もされています。筐体前面・背面・側面にメッシュ状の排気口があり、発熱が高いプロセッサーを省電力モデルにしています。
通常のプロセッサーは65Wですが、本機種搭載モデルは35Wとほぼ半分になっていて、消費電力が少ないので電気代も安くなるし、発熱自体も軽減されています。
小型と言ってもインターフェイスは通常のパソコンと同じ、もしくはそれ以上あり、HDMIとDiplay Portも標準で搭載です。カスタマイズによってもう一つ増やせるので、最大モニター3台の接続が出来ます。(その場合は、メモリも大きめにカスタマイズ推奨です)
モデルによっては無線LANが「なし」になっているものも時々有るので、WiFi接続をする人は必ず確認しておきましょう。無線LANなしの場合は、Bluetoothも無しです。
CPU
CPUはパソコンの頭脳で、より性能が高いとパソコンもサクサク動きます。
本機種搭載のプロセッサー(以下APU)は3種類あり、全て省電力モデルになります。
Athlon 300GE Pro | Ryzen 3 Pro 3200GE | Ryzen 5 Pro 3400GE | |
製造プロセス | 12nm | 12nm | 12nm |
コア/スレッド | 2/4 | 4/4 | 4/8 |
ベースクロック | 3.4GHz | 3.3GHz | 3.3GHz |
ブースト時 | ー | 3.8GHz | 4.0GHz |
TDP | 35W | 35W | 35W |
Passmarkスコア | 4337 | 7295 | 8154 |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
Athlon(スコア4337)を選択した場合は標準的な性能で、普段使いのパソコンとしては十分な性能があります。
ビジネス用途であればRyzen 3もしくはRyzen 5くらいの性能があれば、Zoomで会議中に調べものをしながらエクセルで資料造りなどの、ヘビーな用途にも使えます。
並行作業(複数作業)がしやすいかどうかの目安になるコアとスレッドは、AthlonとRyzen 3は比較的普通サイズ、Ryzen 5の4コア8スレッドはそこそこ大きいです。
いくつもの作業を並行してやる場合は、Ryzen 5が一番使いやすいです。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、大きければ大きい程より大きなデータが扱いやすくなります。
メモリは4GBから、大容量の32GBまで選択できます。ちなみにメモリを選ぶときは「同じ性能のもの2枚差し」の方が同じ容量の1枚差しよりも性能が高いので、2枚組のものがおすすめです。
メモリはPC4-21300で、動作周波数2666MHzです。標準的なメモリが搭載されています。
ストレージ
ストレージは最大1TB HDD(ハードディスクドライブ)と最大1TB SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)が搭載できます。
SSD | HDD | |
値段 | 高い | 安い |
動作音 | 静か | うるさい |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
データ移動 | 速い | 遅い |
寿命 | 長い(壊れにくい) | 短い(壊れやすい) |
2つの違いはこの様になり、SSDはHDDの数十倍のデータ転送速度があります。HDDのみの場合は起動にも時間がかかるし、何をするにしてもSSDより数倍~数十倍時間がかかります。
本機種で一番良い構成は、SSDのみか、SSD(512GB)+HDD(1TB)のデュアルストレージになります。
また、SSDはM.2 PCle-NVMeで性能が高いものが搭載されていますが、サイズが違う2種類があります。
- M.2 2280・・・幅22㎜x長さ80㎜
- M.2 2242・・・幅22㎜x長さ42㎜
2280はOPALという自己暗号化ドライブ対応なので、セキュリティがより強固になっています。これは、ハードウェアレベルでストレージを暗号化できるので、仮にウイルスが侵入してデータを盗もうとしても、暗号化されているので解読されにくいという特徴があります。
また、2280はPCIe 3.0×4で、最大データ転送速度は32Gbps(32GB/秒)、2242はPCIe 3.0×2でデータ転送速度は16Gbpsです。
HDDはSATA接続で、最大データ転送速度は6.0GbpsとHDDにしてはかなり速いものが搭載されています。
無線LAN
標準でWireless-AC 9260が搭載されていますが、時期によっては無線LAN無しのものも有ります。購入時には、確認しておいた方がいいです。
IEEE 802.11 ac/a/b/g/n とWireless-AC 9260の違いは、Wireless-AC 9260の方が新しく上位性能です。
セキュリティ
主なセキュリティをご紹介します。
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアやフィッシングなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
- セキュリティキーホール・・・パソコンが持ち出されないようにロックするワイヤー設置する個所
- Smart USB Protection・・・USBポートからのデータ流出や、外部からUSBポート経由でシステムやネットワークに侵入を防ぐ
- AMD GuardMIテクノロジー・・・マルウェアやフィッシングなどのサイバーセキュリティ―に対処
- DASH(Desktop and Mobile Architecture for System Hardware)・・・保護されたアウトバンド管理やリモート管理が可能
さすがにビジネスモデルなので、セキュリティは堅牢ですね。
インターフェイス
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標準でほぼ必要なものは付いていますね。十分だと思います。イーサネットコネクター(RJ-45)はLANケーブルポートの事で、有線接続をする時に使います。
ThinkCentre M75q-1 Tinyのカスタマイズ
本機種ではカスタマイズが多様にできるのですが、多様に出来過ぎて難しいと思います。ほとんどの項目は触らなくても大丈夫ですが、一応解説しておきます。
赤枠の項目は、是非確認しておきましょう。その他はほとんどいらないですが、古い機器を使っている人は、VGAポートやシリアルポートが必要だったりするので、要確認です。
電源は標準で65Wですが結構小さいので、135W(+2200円)をおすすめします。供給電力が小さいと、パフォーマンスも下がるし、電源の寿命も下がります。
まとめ
これだけの性能で、インターフェイスも多様で3.9万円からというのは、コスパが高いですね。
選ぶプロセッサーによってはビジネス用途でがっつり使えるし、もちろんAthlonでも個人の普段使い用として十分に使えるので、多くの人に合う機種であります。
何と言ってもここまで場所を取らないので、どこにでも設置できるのはポイントが高いですね。