超高性能プロセッサーのRyzen 5000Hシリーズ搭載で、グラフィクボードにはNVIDIA GeForce RTX 3060 Max-Qとスペックの高いクリエイターPCになります。
CPUとGPUだけじゃなくメモリもストレージも高品質で、そしてディスプレイも2.5K sRGB 100%で、全体的に「多くのクリエイターが満足する」出来になっています。
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ThinkBook 16p Gen 2 (AMD)のスペックレビュー
APU | AMD Ryzen 9 5900HX AMD Ryzen 7 5800H AMD Ryzen 5 5600H |
---|---|
メモリ | 最大24GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop |
ディスプレイ(16型) | WQXGA IPS 光沢なし ファクトリーカラーキャリブレーション対応 |
OS | Windows 10 Home,Pro |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.1 |
内蔵カメラ | HD 720p FHD 1080p |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
Microsoft Office | Office Home &Business 2019搭載モデルあり |
セキュリティ | TPM、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、アドミニストレーター パスワード、ユーザー パスワード、セキュリティ キーホール |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 354.6 x 252 x 19.9㎜ |
重さ | 1.99㎏ |
バッテリー | 最大13.3時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 17.6万円~ |
パソコンの頭脳であるAPU(プロセッサー)は最新のRyzen 5000シリーズのH(ハイパフォーマンス)モデルが搭載で、もともと高い性能がより高くなっています。これ、デスクトップ並みの性能ですよ!すごいです。
メモリはオンボード+スロットで最大24GBと大きく、画像編集や動画編集などのクリエイティブワークもしやすいですね。グラフィクボードは最新のRTX 3060 なので性能も高く、比較的重たいゲームもプレイできます。ただし、リフレッシュレートは未記載のためおそらく60Hzになるので、ゲームをするならリフレッシュレートが高い外付けモニターでのプレイになりますね。
ストレージは高速モデルのM.2 PCIe NVMe SSDが搭載で、パソコンの起動やゲームのロード時間、アプリの立ち上げも速いです。
ディスプレイは2.5KのWQXGAで、コントラスト比も高く視野角も広いIPS液晶が搭載です。通常のディスプレイよりも縦が長い16:10の画面縦横比率で、16:9のディスプレイよりも約11.5%画面領域が大きいので作業効率も上がりますね。
また、ファクトリーカラーキャリブレーションにも対応しているので、クリエイターには助かりますね。色域はsRGB 100%と広く、Web用画像編集をするクリエイター向けです。本音を言えば、Adobe RGB 100%やDCI-P3 100%だとより多くのクリエイターが「メイン機種」として使えたので残念です。
セキュリティも豊富で、指紋センサーや顔認証も搭載可能、WiFi6もあるので安定した高速通信で作業もできます。
このスペックで最大バッテリー駆動時間が13.3時間とかなり長いので、持ち運びが多い人も安心して使えると思います。
クリエイターにもゲーマーにも嬉しいスペックで、見た目もおしゃれな機種です。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/ThinkBook 15p>
旧モデルで15型のThinkbook 15pとの比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | ThinkBook 15p | |
CPU | Ryzen 9 5900HX Ryzen 7 5800H Ryzen 5 5600H |
Core i7-10750H |
メモリ | 24GB | 32GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1TB |
グラフィックス | RTX 3060 Laptop | GTX 1650 Ti Max-Q |
ディスプレイ | 16型)WQXGA sRGB 100% | 15.6型)FHD sRGB 100%、UHD Adobe RGB 100% |
通信 | WiFi6 | WiFi6、RJ45 |
バッテリー | 13.3時間 | 12.2時間 |
重量 | 1.99㎏ | 1.99㎏ |
価格 | 17.6万円~ | 11.3万円~ |
本機種は16型と大きくなりましたが重さは同じで、寸法も若干小さくなっています!すごいですね。
CPUとGPUは比べ物にならないくらい性能が上がっていますが、旧モデルには4Kディスプレイ・Adobe RGB 100%があるので、より解像度が高く色域も広いです。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。目安として普段使い用なら5000前後、ビジネス用途なら7000ほどのスコアで快適に使えます。
オレンジ色・・・本機種
青・・・比較
もう、性能は全然違いますね。かなり使い勝手が上がっています。
次にグラフィック性能を測るFire Strike Graphicsのベンチマークです。
オレンジ色・・・本機種
青・・・比較
グラフィックボードはエントリークラスのGTX 1650から、ミドルクラスの最新グラフィックボード・RTX 3060に変わり、性能は上がっています。
ライバル機種
<左から本機種・Legion 560i・Legion 760>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Legion 560i | Legion 760 | |
CPU | Ryzen 9 5900HX Ryzen 7 5800H Ryzen 5 5600H |
Core i5-11400H Core i7-11800H |
Ryzen 7 5800H Ryzen 9 5900HX |
メモリ | 24GB | 32GB | 32GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1TB | SSD 1TB |
グラフィックス | RTX 3060 | GTX 1650 RTX 3060 Laptop RTX 3070 Laptop |
RTX 3070 Laptop RTX 3080 Laptop |
ディスプレイ | 2.5K sRGB 100% 画面比16:10 |
15.6型)FHD sRGB 100% | 2.5K sRGB 100% 画面比16:10 |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 13.3時間 | 8時間 | 3.1時間 |
重量 | 1.99㎏ | 2.4㎏ | 2.5㎏ |
価格 | 17.6万円~ | 10.8万円~ | 20.4万円~ |
それぞれ特徴があり、本機種はおしゃれな普段使い用っぽい外観をしており、比較機種はゲーミングPCになります。というのも、本機種に搭載されるRTX 3060は性能が高いので、比較できるようなハイスペック機種はゲーミングPCのみでした。
各機種の特徴はこの様になります。
- 本機種・・・おしゃれな外観で高性能クリエイターPC。ゲームもできるほどの性能だが、リフレッシュレートの関係上外付けモニターを使用してのプレイ。このスペックにしては軽く、持ち運びにも向いている
- Legion 560i・・・ミドルハイエンドのRTX 3070も搭載可能で、シングルコア性能が高い
- Legion 760・・・最上位モデルのRTX 3080を搭載でき、APUもハイスペックだが、重たくバッテリー駆動時間が短い
こちらはプロセッサーのPassmarkスコアと、グラフィックボードのFire Strike Graphicsのスコアです。
オレンジ色・・・本機種搭載CPU
青・・・比較
オレンジ色・・・本機種搭載CPU
青・・・比較
メリット・デメリット
良い点
・おしゃれで高性能!
・バッテリー駆動時間が長い
・アルミニウム筐体で高級感があり、耐久性も高い
残念な点
・細かいことを言えば、Adobe RGB 100%やDCI-P3 100%のディスプレイがあればよかった
ThinkBook 16p Gen 2 AMDの特徴
以前の機種もベゼル(画面の黒い枠)は細かったですが、上下左右全てのベゼルが細いですね。画面占有率は何と90%!!ほぼすべてディスプレイです。
先述したように本機種は16型ですが、15.6型の旧モデルよりもコンパクトになっています。
寸法は
- 幅354.6㎜・・・B4サイズ(364㎜)
- 奥行き252㎜・・・一万円札1.5枚分(240㎜)
- 高さ19.9㎜・・・一円玉の直径(20㎜)
と、ほぼ同じです。重さは1.99㎏と、15.6型の旧モデルと同じです。このスペックの16型にしては軽いですね。
スリムな筐体なので、横から見てもおしゃれですね。ゲーミングPCのように「ずんぐりむっくり」していないので、カフェでもどこでも気にせずに作業ができます。
もちろんただスリムなだけじゃなく、ハイスペック機種なので「排熱」が重要ですが、背面に2つと左右に1つずつの排気口があるので、エアフローはゲーミングPC並みです。
底面には大きな吸気口もあります。細部にまでこだわった造りですね。
筐体の角は若干丸みを帯びており、メタリックな印象と言うよりも優しい印象の機種です。
ディスプレイは約180度まで開けるので、自分の見やすい角度に調整できます。
ThinkBookの指紋センサーは電源ボタンと統合しているので、電源を入れたらサインインも完了しています。また、執筆時現在未確認ですが、仕様書によるとIRカメラ(顔認証)も搭載可能とのことです。
素材
素材はアルミニウムで高級感があり熱にも強いので、発熱が多いグラフィックボード搭載でも筐体がたゆんだり変形したりしにくいです。
キーボード
タッチパッドはガラス製の一体型カバーで、キーボードは105キー・テンキー、バックライト付きです。カーソルキーが下に出っ張っているので、押し間違えをしにくいです。
APU
Ryzen 5 5600H | Ryzen 7 5800H | Ryzen 9 5900HX | |
製造プロセス | 7nm FinFET | 7nm FinFET | 7nm FinFET |
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 | 8/16 |
キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB |
GPUコア | 7 | 8 | 8 |
基本クロック | 3.3GHz | 3.2GHz | 3.3GHz |
ブーストクロック | 4.2GHz | 4.4GHz | 4.6GHz |
TDP | 45W | 45W | 45W |
搭載プロセッサーは最新のRyzen 5000Hシリーズで、全て「Zen 3」という最新のアーキテクチャになっています。
旧モデルのZen 2とZen 3の変更点はいろいろありますが、大まかなものは以下になります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
オレンジ色・・・本機種搭載
青・・・比較
Ryzenはデスクトップ並みの性能で、やばいですね。一番下のCore i5-1135G7もハイエンドモデルでかなり快適に使えますが、このグラフを見ると下の方の性能に見えますね・・・。
次はCinebench R23のスコアで、マルチコア性能はパソコンの総合性能を、シングルコア性能はクリエイティブワークをするときに重視するスコアです。
オレンジ色・・・マルチコア
青・・・シングルコア
マルチコアはかなり高いですが、シングルコアはIntelに少しだけ負けていますね。
グラフィックス
グラフィック性能が高いと動画編集や画像編集などの「グラフィック性能」が必要な作業が、よりしやすくなります。
オレンジ色・・・本機種搭載CPU
青・・・比較
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢/液晶 | コントラスト比 | 輝度 | 色域 | 視野角 |
2.5K 2560×1600 |
なし/IPS | 1200:1 | 400nit | sRGB 100% | 170° |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。 光沢無しは映り込みがしにくい |
||||
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広い | ||||
コントラスト比 | 最小輝度と最大輝度の差。 比が大きいとより鮮やかな色が描写される |
||||
nit | 明るさを表す単位。通常250前後が標準 | ||||
色域 | Web用画像編集にも向いているほどの色域 |
2.5Kの高解像度で、コントラスト比が大きく視野角も広いIPS液晶が搭載です。2.5Kなので拡大して詳細まで確認ができるので、より作業がしやすくなりますね。また、画面縦横比が16:10と縦に長いので、通常比率の16型よりも約11.5%も画面領域が大きいです。使いやすさ満点ですね。
色域はsRGB 100%で、一般的なノートパソコンよりも色鮮やかです。
写真は一般的なディスプレイ(NTSC 45%)とsRGB 100%(NTSC 72%相当)のディスプレイを一眼カメラで撮影し並べたものですが、明らかに右の方が鮮やかで発色がいいですね。
また、クリエイターには必須と言ってよいカラーキャリブレーションですが、本機種は「ファクトリーカラーキャリブレーション」対応で、簡単に工場出荷時の状態に戻せます!
私もキャリブレータ―を持っていますが、本機種なら必要ないですね。
<このキャリブレータ―も必要ないですね>
Webカメラ
ディスプレイ上部のWebカメラは、通常のHD 720pか、画質の良いFHD 1080pの2種類があります。ビデオ会議などweb上でミーティングが多い人は、1080pを選んでもいいかもしれませんね。相手の画面に表示される自分の映りが良くなります。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR4 3200MHzで、オンボードに1つとスロットに1つの最大24GB搭載できます。動作周波数が3200MHzと最速のものなので、処理速度が速いです!
また、メモリスロットがあるので増設も可能です。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはM.2 PCIe NVMe、PCIe 3.0×4というデータ転送速度がかなり速いストレージなので、パソコンやアプリ、ソフトの起動も激速です!!
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
- セキュリティキーホール・・・パソコンが持ち出されないようにロックするワイヤーなどを設置する個所
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル・71Whで、最大13.3時間のバッテリー駆動時間になります。かなり大きなバッテリーなので、駆動時間が長いですね。ちょっとした外出であれば充電アダプター無しでも、がっつり作業ができますね。
電源
電源は大きめの230Wです!一般的なノートパソコンの電源が65Wだと考えると、3倍以上大きな電源なので、高パフォーマンスも発揮できますね。
インターフェイス
インターフェースはHDMIが無いですが、その代わりにDisplay Portに出力できるようになっています。また、背面にUSB-Aが2つあるので、配線が多い人でもデスク回りがすっきりなりますね。
右側面にはマイク・ヘッドフォンジャック、SDカードリーダーがあります。
左側面にはUSB-C 3.2 Gen 2(映像出力機能付き)が2つと、セキュリティーキーホールがあります。
背面にはUSB-A 3.2 Gen 2が2つと、電源コネクタです。
USB 3.2 Gen 2は最大データ転送速度が10Gbpsと速いので、外付けHDDなどからのデータ移動もサクサクできます。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
また、上位サポートの「オンサイト修理」、もしくは「翌営業日オンサイト修理+プレミアサポート」に変更もできます。
- オンサイト修理・・・エンジニアが自宅や会社に来てその場で修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日にエンジニアが来て修理
- プレミアサポート・・・専任エージェントが24時間365日対応。一般のコールセンターとは別のコールセンターで対応
まとめ
ゲーミングPCやワークステーション以外で、ここまで性能が高い機種は珍しいですね。Lenovoも本腰を入れてクリエイターPCに取り組んでいるのかなと感じます。
スペックとしては申し分なく、デスクトップ並みの性能があるRyzen 5000HシリーズにRTX 3060、メモリもストレージも速度が速いものを搭載しているので、現在この筐体で発熱を防ぎつつ快適に作業ができる限界かなと思います。
吸気口も大きく、排気口が4つもあるのでエアフローも万全ですね。
ディスプレイは2.5KでsRGB 100%と質は良いですが、最高のAdobe RGB 100%だったら製版向けの写真編集をするプロもメイン機種として使用できたと思います。言い換えれば、製版向けの編集をしない人なら気にせずに使えるので、問題ない人も多いと思います。