Lenovoの新しいゲーミングブランド・LOQ(ロック)のデスクトップです。
LOQのノートパソコンは前々から販売されていましたが、デスクトップは公式サイトに登場するのに時間がかかりましたね。
LenovoのゲーミングPCと言えばLegionを思い浮かべると思いますが、LOQは低価格モデルになります。ノートパソコンはそうでもないですが、本機デスクトップは旧スペックが主体になっています。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.0] |
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コスパ | [usr 3.6] |
総合評価 | [usr 3.5] |
Contents
Lenovo LOQ Tower 17IRB8のスペック
CPU | Core i5-13400/F Core i7-13700/F |
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メモリ | DDR4 最大32GB |
ストレージ | 最大 SSD+HDD×2 |
グラフィックス | GTX 166oSuper RTX 3050 RTX 3060 |
OS | Windows 11 Home |
LAN | 1Gbe/2.5Gbe、Wi-Fi 6E |
オーディオ | HDオーディオ |
寸法(幅×奥行×高さ) | 170 × 304 × 376mm |
重さ | 約8.4㎏ |
電源 | 310/380/500W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 15.7万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳背あるCPUは第13世代インテルで、Core i5かCore i7になります。Core i7はCPU Markスコアが4万近く、かなり高い性能です。また、末尾がFのCPUもあり、こちらは内蔵グラフィックスが無効になったモデルです。
今回はFでも無印でも同じ価格なので、末尾がFのモデルを購入することはないと思います。
メモリはDDR4-3200MHzで、最大32GBです。デスクトップにしては容量が小さいですが、ゲームをする上では十分な容量です。
ストレージはSSD PCIe 4.0が最大1TBと、最大で3.5インチHDDが2基搭載できます。ミニタワーなので、標準的な容量です。
グラフィックボードは懐かしのGTX 1660 Super(当サイトでは未確認)に、RTX 3050か3060が選択できます。いまさら感が強いGTXは選ばないと思いますが、RTX 3050はミドルクラス、RTX 3060はミドルハイの性能です。これらは旧モデルですが、十分に使えるグラボです。
その他のスペックは1ギガビットイーサネットに、Wi-Fi 6Eに対応、ハイディフィニションオーディオ(スピーカー無し)で、電源はスペックによって変わりますが310Wから500Wまで選べます。
CPUとSSD以外は2022年以前のスペックですが、「最新」にこだわらない人は気にならないと思います。
旧モデルとの比較
LOQのデスクトップは初で、旧モデルはありません。
LOQ Tower 17IRB8の特徴
筆者の記憶が正しければ、本機は量販店モデルとして販売されていたと思います。それがいつしか、公式サイトでも販売されるようになりました。
デザインは3Dと2Dのラインパターンが描かれ、ブルーのアクセントカラーが真ん中にあります。好みが分かれそうなデザインですが、このおかげで効率的な換気ができているそうです。
寸法は
・幅 170㎜
・奥行 304㎜
・高さ 376㎜
で、17Lのミニタワーです。約8.4㎏とゲーミングPCにしては軽めで、設置や移動もしやすいくらいです。
拡張性も少なく、PCI Express×1が1つ空いているだけで、中が空っぽなので筐体はエアフローが良いです。
フロントとリアにファンがあり、なぜだかフロントファンは「無し」を選ぶこともできます。
購入時にファンの有無を確認した方が良いです。
左側面には通気孔があり、右側面には無しです。
電源はスペックによりますが、310W、380W、そして500Wが選べます。小さな電源ですが、500Wを選んでいたら十分な電力供給があります。
Lenovo Vantage
Lenovo Vantageよりサーマルモードの設定やクロックアップなど、いろいろなカスタマイズが簡単にできるので、より快適にプレイすることができます。
CPU
Core i7-13700/F | Core i5-13400/F | |
Pコア | 8 | 6 |
Eコア | 8 | 4 |
スレッド | 24 | 16 |
クロック Pコア/Eコア |
2.1/1.5GHz | 2.5/1.8GHz |
ターボブースト | p: 5.1GHz E: 4.1GHz |
p: 4.6GHz E: 3.3GHz |
ターボブーストMax3.0 | 5.2GHz | – |
キャッシュ(L2) | 30MB(24MB) | 20MB(9.5MB) |
基本電力 | 65W | |
最大電力 | 219W | 154W/148W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
Core i7は「ターボブーストMax3.0」に対応しています。
- インテル ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 は、プロセッサーの中の最もパフォーマンスの高いコアを識別し、電力と熱のヘッドルームを利用して、必要に応じてそれらのコアの周波数をあげることにより更なるパフォーマンスを提供します
また、ゲームのパフォーマンスを上げる大きな要因として、L2/L3キャッシュの容量増量が挙げられます。クロック数も大切ですが、高速化に貢献した要因は、コア数とキャッシュ容量が7割を占めているそうです。
こちらはCPUの性能を測るCPU markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 14000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900 | |
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Core i7-13700K | |
Core i7-13700F | |
Core i9-12900K | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900 | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400 | |
Core i5-13400F | |
Core i5-12600 | |
Core i5-12500 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900 | |
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Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-13700 | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400 | |
Core i5-12400 |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900 | |
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Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Core i5-13600K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400 | |
Core i5-12400 |
グラフィックス
RTX 3060 | RTX 3050 | |
GPUアーキテクチャ | Ampere | |
プロセス | 8nm | |
CUDAコア | 3584 | 2560 |
RTコア | 28基 | 20基 |
Tensorコア | 112基 | 80基 |
ベースクロック | 1320MHz | 1552MHz |
ブーストクロック | 1777MHz | 1777MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 12GB | 8GB |
メモリバス帯域幅 | 360GB/s | 224GB/s |
TDP | 170W | 130W |
NVIDIA GeForce RTXシリーズはリアルタイム レイトレーシングが可能で、3Dの描写が現実世界のように見えます。「レイトレーシング」とは、光線(光)がどのように動くか追跡して表現する技術で、これを「リルタイム」でシュミレートし描写する技術なんです。また、fpsを落とさずに画質を上げることが出来るDLSSにも対応しているので、より鮮明な映像が楽しめます。
GTX 1660 Superには上記の機能はないですが、RTX 3050に近い性能があります。
DirectX 11で動作するFire Strikeと、DX12で動作するWQHD(2K/2560×1440)向けのTime Spyのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4070 Ti | |
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RTX 3090 | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
Radeon RX 6700 XT | |
RTX 3070 | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2080S | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1660S | |
GTX 1650S |
Time Spy
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4070 Ti | |
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RTX 3090 | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
Radeon RX 6700 XT | |
RTX 2080S | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2070S | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 | |
RTX 3050 | |
GTX 1660S | |
GTX 1650S |
ゲームベンチマーク
スコアの単位はfps(1秒間に更新されるコマ数)で、60以上が「快適」にプレイできる目安です。スペックや状況により数値は変動するので、参考値として見てください。また、画質は言及していない限り最高画質です。
RTX 3060 ゲームベンチマーク
青・・・高画質 赤・・・最高画質
Watch Dogs Legion | |
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Horizon Zero Dawn | |
Red Dead Redemption 2 | |
Assassin’s Creed Odyssey | |
Monster Hunter World | |
Far Cry New Dawn | |
Cyberpunk 2077 |
RTX 3050 ゲームベンチマーク
青・・・高画質 赤・・・最高画質
Watch Dogs Legion | |
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Horizon Zero Dawn | |
Assassin’s Creed Odyssey | |
Monster Hunter World | |
Far Cry New Dawn | |
Fortnite | |
APEX Legends | |
Rainbow Six Siege |
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、旧スペックですが悪くないです。また、メモリスロットは2つで、最大32GBになります。デスクトップとしてはかなり小さな容量ですが、ゲームをすることだけを考えたら、十分な容量です。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
DDR5-4800MHz平均 | |
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LPDDR4-4266MHz平均 | |
LPDDR5平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0で最大1TB、そして3.5インチHDDを2基搭載可能です。ここ最近6TBのHDDでも1万円ちょっとからあるので、自分で増設すると安上がりです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
2.5Gbe/1Gbe、Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
有線は公式サイトによると2.5ギガビットイーサネットもあるとのことですが、執筆時現在1ギガビットイーサネットのみ搭載可能です。
インターフェイス
前面には電源ボタン、コンボジャック、USB 3.2 Gen 1 Type-C(データ転送速度は5Gbps)、そしてUSB 3.2 Gen 1(同5Gbps)、USB 3.2 Gen 2(同10Gbps)になります。USBのデータ転送速度は1つを除き、遅いですね。
背面にはライン出力、USB 2.0が4つ、そしてイーサネットコネクタになります。
RTX 3060にはDisplayport×3とHDMI、RTX 3050にはDisplayport×2とHDMIになります。
モニター
Lenovoでは多くのゲーミングモニターを販売しているので、必要な方はこちらからどうぞ。
サポート・保証
Lenovo製品には標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、万が一の際にLenovo指定業者がPCを引き取りに来て、リペアセンターに配送、修理後、郵送してくれるサービスで、保証期間内は郵送費などは無料です。
また、Legion Ultimate Support(最長4年まで延長可)という「ゲーミングに特化した24時間サポート」にアップグレードもできます。
このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。
ライバル機種
こんなことを言ったら元も子もないのですが、上位モデルのLegionが本機よりも安く販売されています。。。
執筆時現在、Legion Tower AMDはRyzen 7 7700X+RTX 4060が14.9万円から、IntelモデルはCore i5-13500+RTX 3050が14.5万円からです。
Legion Tower 5 gen 8(AMD)
Ryzen 7000シリーズ搭載機種で、メモリやSSDも最新スペックです。グラフィックスはRTX 3060 Tiが搭載で、ホビーユーザーであれば十分な性能です。ほとんどのタイトルはプレイできると思います。
APU | Ryzen 5 7600 Ryzen 7 7700 Ryzen 7 7700X Ryzen 9 7900 |
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標準メモリ | DDR5 16GB(メモリスロット4つ/最大128GB) |
ストレージ | SSD 512GB(最大SSD×3+HDD×2) |
グラフィックス | RTX 3050 RTX 3060 LHR RTX 3060 Ti LHR RTX 4060 RTX 4060 Ti RTX 4070 RTX 4070 Ti |
LAN | 1000BASE-T/2.5GBASE-T、Wi-Fi 6E |
拡張スロット/ベイ | 3.5インチ×2、PCI Express ×16(1つ/空き0)、M.2 2230(WLAN用)1つ/空き0、M.2 PCIe SSD用(3つ/空き2) |
冷却 | 空冷 |
重さ | 最大14㎏ |
電源 | 500W 80PLUS Silver/850W |
価格 | 14.9万円~ |
Legion Tower 5i Gen 8
インテル13世代CPU搭載で、最高でCore i9-13900のモンスターCPUが搭載できます。メモリやSSDも2023年最新で、LANはワークステーションに採用されることがある2.5ギガビットイーサネットに対応です。グラボはRTX 3060 Tiでミドル(~ミドルハイ)クラスで、ホビーゲーマーには十分すぎるスペックになっています
CPU | Core i5-13400F/13400 Core i7-13700F/13700 Core i9-13900 |
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標準メモリ | DDR5 16GB(メモリスロット4つ/最大128GB) |
ストレージ | SSD 512GB(M.2スロット2つ) |
グラフィックス | RTX 3050 RTX 3060 LHR RTX 3060 Ti LHR RTX 4070 Ti |
LAN | 1000BASE-T/2.5GBASE-T、Wi-Fi 6E |
拡張スロット/ベイ | 3.5インチ×2、PCI Express ×16(1つ/空き0)、M.2 2230(WLAN用)1つ/空き0 |
重さ | 最大14㎏ |
電源 | 500W 80PLUS Silver 850W 80PLUS Platinum |
価格 | 14.5万円~ |
まとめ
最新スペックはそんなに搭載していないですが、そこそこの性能なので、中量級ゲームまでならそこそこ遊べる機種です。
ただし、先述したように上位モデルのLegionの方が価格が安いので、これを買う意味あるのかな?と言う疑問があります。
LOQじゃないとだめと言う人以外は、Legionを検討した方が良さそうです。