LenovoのハイエンドゲーミングPC、Legion Pro 7i Gen 8のレビューです。
現行最高のスペックを搭載し、全体的に高品質な機種です。スペックや価格から見ても、プロゲーマーを目指す人や、ガチ勢、もしくはゲームもクリエイティブワークもするという人向けです。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.8] |
---|---|
コスパ | [usr 4.2] |
総合評価 | [usr 4.5] |
Contents
Legion Pro 7i Gen 8 16型のスペック
CPU | Core i9-13900HX |
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メモリ | 32GB |
ストレージ | SSD×2 |
グラフィックス | RTX 4080 Laptop RTX 4090 Laptop |
ディスプレイ(16型) | WQXGA IPS液晶 240Hz |
OS | Windows 11 Home |
通信 | インテルKiller Wi-Fi 6E/Wi-Fi 6、1Gbe |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | Nahimicオーディオ |
寸法(幅×奥行×高さ) | 363.4 × 262.2 × 22~25.9mm |
重さ | 約2.8㎏ |
バッテリー 電源 |
最大約5.5時間 330W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 39.5万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル13世代で、超高性能Core i9-13900HXになります。CPU Markスコアを見たら約4.6万だったので。上位モデルのデスクトップCPU並みです。
メモリも最新のDDR5-5600で、2スロット・最大32GBになります。64GBに増設はできないようですね。
ストレージももちろん最新で、SSD PCIe 4.0になり、最大2枚搭載可能です。公式サイトでは最大1TB×2・計2TBにできます。
グラボも最新のRTX 4080かRTX 4090が搭載です。現行最高のグラボで、より多くのタイトルをQHD画質で楽しめます。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。より多くのものを見やすいので、ゲームもしやすいです。
また、解像度はWQXGA(2560×1600ドット)と高精細で、視野角が広いIPS液晶、HDR 400に対応し、リフレッシュレートは240Hzとぬるぬるです。
その他のスペックはWindows 11 Homeに、Wi-Fi 6Eと1ギガビットイーサネット、Webカメラは高画質のFHD、そしてゲーマーに人気のNahmicオーディオになっています。バッテリーは99.9Whrと超大容量ですが、バッテリー駆動時間は最大約5時間となっています。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/770i>
旧モデルのLegion 770iとの比較です。実際は本機はProモデルになるので若干違うシリーズですが、以前のProモデルは、下位モデルのLegion 5シリーズのみで、7シリーズにはありませんでした(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 770i | |
CPU | Core i9-13900HX | Core i7-12800HX Core i9-12900HX |
メモリ | DDR5-5600 32GB | DDR5-4800 32GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0×2 | |
GPU | RTX 4080 RTX 4090 |
RTX 3070 Ti RTX 3080 Ti |
ディスプレイ | 16型WQXGA IPS 光沢なし 500ニト | |
無線 | Wi-Fi 6/6E、1Gbe | Wi-Fi 6E、2.5Gbe |
バッテリー 電源 |
5時間 330W |
11時間 300W |
重量 | 2.8㎏ | 2.3㎏ |
主な変更点です。
・CPUが12世代から13世代に
・メモリが4800MHzから5600MHzにアップ
・グラビがRTX 40シリーズに
・2.5Gbeから1Gbeに
・電源が330Wに
・約500g重くなった
筐体がちょっと大きくなり、500g重くなっていますね。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core i9-13900HX | |
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Core i9-12900HX | |
Core i7-12800HX |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
RTX 4090 | |
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RTX 4080 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3070 Ti |
Legion Pro 7i Gen 8の特徴
なんと、ベゼル(画面の黒い枠)の画面占有率は93.6%で、ここまで細いベゼルは見たことがないと思います。スリムでスタイリッシュな外観になっており、アルミやマグネシウムを採用した筐体で、高級感も高くなっています。
寸法は
・幅 363.4㎜
・奥行 262.2㎜
・高さ 22~25.9㎜
と、16インチなので大きいですね。重さも約2.8㎏と重たいです。
メタル素材の筐体で、オニキスグレーと言う色です。天板と底面のアルミニウムとマグネシウムの50%は、リサイクルされたものを使用しています。インターフェイスも左右と背面に振り分けられているので、使いやすいです。
天板はシンプルです。
底面カバーにはかなり大きな通気孔があり、エアフローはかなり良いと思います。
冷却システムは旧モデルのLegion Coldfron 4.0から5.0にバージョンアップし、0.1㎜の3Dブレードを搭載したファン、液体金属がCPUからの熱伝導を強化します。また、CPUとGPUには、ベーパーチャンバーテクノロジーとハイブリッドヒートパイプテクノロジーがあり、効率的に冷却されるとのことです。
底面とキーの隙間からフレッシュエアーを取り込み、左右1つずつと、背面の2か所、合計4か所から排気しています。
オーディオは、ほとんどのゲーミングPCに搭載しているんじゃないか?と思うくらい、多くのゲーミングPCに採用されているNahimicオーディオです。バーチャルサラウンド機能で、臨場感や迫力のある音になります。
高画質Webカメラ
Webカメラは高画質FHD 1080pで、Tobii HORIZONもあります。Tobiiはウェブカメラを通して、自然な頭の動きを検出し追跡します。さらに、Tobii Awareは、自動調光、スクリーンタイムのトラッキング、プライバシー通知、オートロックなどのスマートな機能により、セキュリティ、プライバシー、生産性を向上させます。
Tobiiは、こちらの動画が分かりやすいので、どうぞ。
キーボード
キーボードは84キーで、RGBバックライト付きです。Legion Spectrumでキーごとに色の設定もできるし、いろいろなプリセットを使うこともできます。
タッチパッドは120×75㎜と大きいので、操作性も高いです。
また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と浅すぎず深すぎず、軽快にタイピングしやすいと思います。
CPU
Core i9-13900HX | |
Pコア | 8 |
Eコア | 16 |
スレッド | 32 |
キャッシュ | 36MB |
ターボブースト/ターボブーストMax3.0 | 5.4GHz |
Pコア最大周波数 | 5.4GHz |
Pコア基本周波数 | 2.2GHz |
Eコア最大周波数 | 3.9GHz |
GPU実行ユニット | 32EU |
ベースパワー | 55W |
マックスパワー | 157W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
また、ターボブーストMax3.0対応で,プロセッサーの中の最もパフォーマンスの高いコアを識別し、電力と熱のヘッドルームを利用して、必要に応じてそれらのコアの周波数をあげることにより更なるパフォーマンスを提供します
こちらはCPUの性能を測るCPU markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900HX | |
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Core i9-12900HX | |
Core i7-1370P | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1350P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1240P |
3年前(2020年)ですか、10世代CPUが発売されたのは。その頃は主にCore i7-10750H(CPU Markスコア約1.2万)が搭載していて、性能が高いと言っていたのですが・・・。本機は約4.6万です。十分でしょう。
Cinebench R23のスコアはまだわかっていないので、分かり次第情報をアップデートします。
グラフィックス
RTX 4080 Laptop | RTX 4090 Laptop | |
コードネーム | Ada Lovelace | |
CUDAコア | 7424基 | 9728基 |
RTコア | 第3世代 58基 | 第3世代 76基 |
Tensorコア | 第4世代 232基 | 第4世代 304基 |
ベース/ブーストクロック | 2280MHz | 2040MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | |
メモリ容量 | 12GB | 16GB |
メモリバス幅 | 192bit | 256bit |
メモリ帯域幅 | 432GB/s | 576GB/s |
TGP | 175W |
RTX 3080のCUDAコアが6144だったので、RTX 4080は約20%増加しています。Fire Strikeを見ると約40%、Time Spyは約57%の性能アップです。RTX 4090と10%弱の性能差ですが、価格を考えるとコスパが良いですね。
DirectX 11で動作するFire Strikeと、DX12で動作するWQHD(2K/2560×1440)向けのTime Spyです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4090 | |
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RTX 4080 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 4070 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 4060 | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 | |
RTX 2080S | |
RTX 2080 | |
Radeon RX 6600M | |
Radeon RX 6600M | |
RTX 2070 Super | |
RTX 4050 | |
RTX 3060 |
Time Spy
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4090 | |
---|---|
RTX 4080 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 4070 | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 4060 | |
RTX 3070 | |
RTX 2080S | |
RTX 2080 | |
Radeon RX 6600M | |
RTX 4050 | |
RTX 2070 Super | |
RTX 3060 |
ゲームベンチマーク
スコアの単位はfps(1秒間に更新されるコマ数)で、60以上が「快適」にプレイできる目安です。スペックや状況により数値は変動するので、参考値として見てください。また、画質は最高画質です。
RTX 4090ゲームベンチマーク
青・・・FHD 赤・・・QHD
Watch Dogs Legion | |
---|---|
Horizon Zero Dawn | |
Red Dead Redemption 2 | |
Assassin’s Creed Odyssey | |
Monster Hunter World | |
Far Cry New Dawn | |
Cyberpunk 2077 | |
Apex Legends |
RTX 4080ゲームベンチマーク
青・・・FHD 赤・・・QHD
Watch Dogs Legion | |
---|---|
Horizon Zero Dawn | |
Red Dead Redemption 2 | |
Assassin’s Creed Odyssey | |
Monster Hunter World | |
Far Cry New Dawn | |
Cyberpunk 2077 | |
Apex Legends |
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WQXGA(2560×1600) | なし | IPS | 500nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | リフレッシュレート |
1200:1 | sRGB 100% | 178° | 240Hz |
その他 | |||
---|---|---|---|
HDR 400、Dolby Vision、NVIDIA G-Sync、GTG 3ms |
ディスプレイは画面比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ以上の情報が表示されます。また、2.5Kと高解像度なので、細部まで表示できます。
公式サイトには、「ディスプレイは最先端のLenovo PureSight Gamingディスプレイ」と記載されており、詳しい情報はありませんが、Lenovoの他のシリーズである「Yoga」にはLenovo PureSight ディスプレイが採用されています。
これはよりシャープな映像がより速く、そしてより現実の様に描写できるとのことなので、このディスプレイよりもよりゲーミングに特化した仕様になっているのかなと思います。
また、HDR400やDolby Vision対応で、従来よりもより明るく(白はより白く、黒はより黒く描写できる)表現できるようになっています。
色域もsRGB 100%と広いので、一般的なディスプレイの色域であるNTSC 45%よりも鮮やかです。
<左/sRGB 100%・右/NTSC 45%>
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
最新のDDR5-5600MHzが搭載で、メモリスロット2つ・最大32GBになります。ゲームをする上では十分ですが、メモリが64GBにできたら、デスクトップ並みの本格的な動画編集や3DCADも使いやすかったですね。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージは最新のSSD PCIe 4.0で、最大でSSD2枚搭載できます。シーケンシャル速度が爆速なので、ゲームのロードも、パソコンの起動も激速です。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
Wi-Fi 6Eとギガビットイーサネットに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
有線接続は、最大1ギガビットになります。
バッテリー駆動時間
バッテリーは、こんな容量ほとんど見たことがないってくらい大きな、99.9Whrです!でかいですね~。ただし、消費電力も大きいので、最大バッテリー駆動時間は約5時間と短いです。
充電時間は、約1.2時間と短いです。
インターフェイス
インターフェイスはUSB-Aが4つ、USB Type-C(うち1つはThunderbolt 4)が2つあり、豊富だと思います。また、背面に多くのポートがあるので、机上がケーブルでごちゃごちゃなりにくいです。
右側面(画像1~3)はUSB 3.2 Gen 1、マイクヘッドフォンジャック、そして電子式プライバシーシャッターのボタンになります。
背面は(画像4~8)RJ45、USB 3.2 Gen 2 Type-C、HDMI、USB 3.2 Gen 1が2つ、そして電源コネクタです。
左側面(画像9~10)はUSB 3.2 Gen 1とThunderbolt 4で、Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
また、いくつかのモデルには標準で、「ゲーミングに特化した24時間サポート・Legion Ultimate Support」が付いています。このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。
しかも、スタッフはゲームに精通した熟練プレイヤーなので、専門用語(ゲーム用語)やコミュニティ用語での会話が可能です!
このサポートのおかげで、初心者でも気軽にゲーミングPCデビューできるようになりましたね。
まとめ
良い点
・かっこいい!
・最新スペックが満載で超高性能
・ディスプレイの品質が高く、画面比が16:10で見やすい
・底面カバーの通気孔が大きく、排気口の数も多い
総合評価
ハイエンド中のハイエンドで、ガチ勢向けのスペックと価格です。数年前のデスクトップよりも高い性能じゃないでしょうか?FHD解像度であれば、多くの重たいゲームもサクサクできそうですね。
リフレッシュレートも240Hzとぬるぬるなので、fpsをプレイする人は、特に恩恵を受けそうです。
欠点らしきところもないので、おすすめ度の高い機種です。