IdeaPadのS300シリーズの新製品Slim 350は、前機種S340からCPU(APU)の性能がかなり上がっています。
S340もライトユーザー~ヘビーユーザーに対応していましたが、今回搭載のCPUは上位モデルが搭載されています。
感想としては、「このパソコンにここまで性能が高いCPUを何で入れたの?」って思うくらいです。
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IdeaPad Slim 350 14型(AMD)のレビュー
プロセッサー | AMD 3020E AMD Ryzen 3 4300U AMD Ryzen 5 4500U AMD Ryzen 7 4700U |
---|---|
メモリ | 4GB、8GB |
ストレージ(SSD) | 128GB、256GB、512GB |
ディスプレイ | HD TN液晶 光沢なし FHD TN液晶 光沢なし |
グラフィックス | AMD Radeonグラフィックス |
Office | 搭載機種有り |
セキュリティ | Windows Defender、プライバシーシャッター |
サイズ | 327.1x241x19.9㎜ |
重さ | 1.5㎏ |
バッテリー | 約9時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 3.8万円~ |
パソコンの頭脳部分であるプロセッサーにライトユーザー向けのA4から、ヘビーユーザー向けのRyzen 7まであるので、幅広いスペックのラインアップですね。
あまりパソコンを使わない人から、毎日何時間もがっつり使う人にも対応しています。
メモリも標準サイズの4GBから大きめの8GBとあるので、安心して使えますね。8GBのモデルは、4GBオンボード+スロットに4GBなので増設が可能の様です。4GBのものはオンボードのみで空きスロットがないので増設は出来ないですね。
ストレージにはなんと高速タイプのPCIe-NVMeが使用されているので、大きなファイルを頻繁に読み込む人でも快適に使えるタイプです。
アイデアパッドはコスパが高いものが多いですが、Slim 350もスペックが高いです。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Ideaoad S340>
旧モデルのIdeaPad S340との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | IdeaPad S340 | |
APU | 3020E Ryzen 3 4300U Ryzen 5 4500U Ryzen 7 4700U |
Athlon 300U Ryzen 3 3200U Ryzen 5 3500U |
メモリ | 8GB | 8GB |
ストレージ | SSD | SSD |
ディスプレイ | HD TN、FHD TN | FHD TN |
無線 | WiFi5 | WiFi5 |
バッテリー | 9時間 | 11時間 |
重量 | 1.5㎏ | 1.55㎏ |
価格 | 3.8万円~ | 3.6万円~ |
実はS300シリーズからSlim 3シリーズに名称が変わり、筐体が大きくなりベゼル(画面の黒い枠)も太くなりました。また、以前はIdeaPadでもメモリスロットがあり増設が可能だったのですが、オンボードになったため増設はできません。
上位モデルと差を出すために、改悪されたんです。とは言っても、ほとんどのユーザーは自分でカスタマイズしないので影響はありません。
改良された点は、
- APUの性能が上がった
- 軽くなった
です。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種
青・・・比較
性能はかなり上がっています。
ライバル機種
<左から本機種・IdeaPad Slim 550i・IdeaPad Slim 550 AMD>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Slim 550i | Slim 550 | |
CPU | 3020E Ryzen 3 4300U Ryzen 5 4500U Ryzen 7 4700U |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 8GB | 16GB | |
ストレージ | SSD 512GB | ||
グラフィックス | Radeon | Iris Xe | Radeon |
ディスプレイ | HD TN、FHD TN | FHD IPS | |
無線 | WiFi5 | ||
バッテリー | 9時間 | 12時間 | 14時間 |
重量 | 1.5㎏ | 1.45㎏ | |
価格 | 3.8万円~ | 5.9万円~ | 6.1万円~ |
本機種Slim 3シリーズはSlim 5シリーズの廉価版と言う位置づけで、若干性能が劣りますが普段使い用であれば性能的にそこまで違いはありません。
ただし、上位モデルはメモリも大きく、ディスプレイがIPS液晶なのでより鮮やかな色彩で見やすいです。また、バッテリー駆動時間も長めですね。
こちらはプロセッサーの性能比較です。普段使いはスコア5000ほど、ビジネス用途は7000ほどが目安のスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種
青・・・比較
本機種のプロセッサーはAMD 3020eがかなり低い性能ですが、それ以外は高性能です。
購入のポイント
- 本機種・・・TN液晶だが、普通に使えるスペックで低価格
- Slim 550i・・・パソコンの起動が速く静か。画像・動画編集などのクリエイティブワークをする人におすすめ
- Slim 550 AMD・・・とにかく高性能プロセッサーでサクサクパソコンを使いたい人向け
メリット・デメリット
良い点
・低価格
・Ryzen 3以上を選べば普通に高性能
残念な点
・TN液晶なので視野角が狭い
IdeaPad Slim 350 AMDの特徴
先述したように、ちょっとベゼル(画面の黒い枠)が大きいですね。
寸法は
幅327.1㎜・・・一万円札2枚分(320㎜)
奥行き241㎜・・・一万円札1.5枚分(240㎜)
高さ19.9㎜・・・1円玉の直径(20㎜)
と、ほぼ同じです。前モデルより大きくなったとはいえ、カバンにすっぽり入るサイズですね。
素材は樹脂(プラスチック)ですが、シルバーなのでチープな感じはしないですね。
この色が好きでIdeaPadを買う人も多いかと思いますが、私も好きな色ですね。
OSも最新のWindows 10 Homeが搭載されているので、Windows Defenderというセキュリティが搭載されています。マルウェアやフィッシングなどのウイルス対策ソフトで、高性能です。
プロセッサー
パソコンの頭脳であるプロセッサーは、以下の4種類が搭載できます。
- AMD A4-3020E
- AMD Ryzen 3 4300U
- AMD Ryzen 5 4500U
- AMD Ryzen 7 4700U
ADMの最新世代が使われているので、かなり性能は高くなっています。下のグラフは本機種搭載のプロセッサーとIntel製の比較です。(A4-3020Eは持ち合わせがなく計測できませんでした。ネットにも情報なしですが、エントリーモデルなので性能が高いものではないと予測されます)
[visualizer id=”9150″]Ryzen 7は、IntelのハイエンドモデルCPUであるCore i7-10875Hに迫る性能を持っていますね。このi7-10875Hは、15万20万以上するパソコンに使われるるものですよ
しかもRyzen 3は、前世代のハイスペックモデルであるRyzen 7 3700Uよりも性能が高くなっています。
このクラスのパソコンにこんな高性能のプロセッサーを使うなんて、Slim350はすごいですね。
性能とコスパ重視で考えれば、ベゼルが大きくなったマイナス部分も挽回できていますね。
コアとスレッド
コアとスレッドが大きいと、同一時間内に処理できるデータ量が大きくなります。2コア4スレッドが標準的な性能ですね。
コアとスレッド数 | |
AMD A4-3020E | 2コア2スレッド |
AMD Ryzen 3 4300U | 4コア4スレッド |
AMD Ryzen 5 4500U | 6コア6スレッド |
AMD Ryzen 7 4700U | 8コア8スレッド |
コアとスレッドは道路に例えたら分かりやすいのですが、例えば4コア4スレッドだと4本の道路に4台の車(データ)が同時に通行(処理)できるのですが、4コア8スレッドだと4本の2車線道路・計8車線に8台の車(データ)が同時に通行(処理)できる感じです。
AMD A4は2コア2スレッドなのでライトユーザー用ですが、Ryzen3以上は標準以上の性能があるのでパソコンが快適に使えます。
今回はコアとスレッドは同じ数字ですが、4コア4スレッド、8コア8スレッドは性能が高いです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
先ほど少し言いましたが、8GBを選ぶと4GBオンボードで4GBスロットなのでメモリの増設が可能ですね。
搭載メモリはDDR4-2666MHzになります。
ストレージ
ストレージにはM.2 PCIe-NVMeという、高速データ移動が出来るものが搭載されています。ハイエンドモデルのパソコンに使われるものと同じタイプです。
安いものにはHDD(ハードディスクドライブ)やSSDのSATAと言うものも使われるのですが、速度が全然変わってきます。
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ハードディスクドライブに比べ約30倍、SATAに比べ約7倍の速度になっているので、パソコンがサクサク動きます。
ディスプレイ
ディスプレイは以下の2種類があります。
- HD TN液晶 光沢なし 220nit
- FHD TN液晶 光沢なし 220nit
HD | ハイディフィニション、1366x768の解像度 |
---|---|
FHD | フル・ハイディフィニション、1920x1080の高解像度 |
TN液晶 | 視野角が狭いので画面の角度を変えると薄暗く見えることもあり |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度を表す単位、250前後が標準 |
HDディスプレイはコントラスト比が低く視野角が狭いという特徴がありますが、その分低価格です。IPS液晶と比べると若干青みがかった色をしていますが、2つ並べて見ないと分からないと思います。
ただし、高解像度のFHDディスプレイが選べるので、ディスプレイの品質自体は悪くないです。
前面カメラにシャッターが付いているので、使わない時はセキュリティの意味を込めてカバーで隠すことが出来ます。
ウイルス感染してしまっても、こちら側が撮影されることが無いので必須アイテムですね。
バッテリー
バッテリー駆動時間は最大9時間なので、使い方によっては外出時に充電アダプターを持ち運んだ方がいいです。
インターフェイス
- 電源ボタン
- 4-in-1メディアカードリーダー
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
- 電源ジャック
- HDMI
- USB2.0
- USB3.0
SDカードのデータ移動も出来るし、ケーブル一本で外部ディスプレイに接続できるHDMIもあります。
種類が多いわけじゃないですが、困ることは無い構成になっています。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
まとめ
最後にもう一度、Slim 350の特徴をまとめます。
- CPUの性能が前機種から50%~100%ほど上がった
- SSDが大容量でPCIe-NVMeという高速データ転送が出来るものが搭載
- ディスプレイにはフルHD選択可能
- サイズが前機種より大きくなった
- 価格は4万円~
本機種はがっつり使う人に合うスペックになりました。この値段でこのスペックのパソコンは、あまりないお買い得品ですね。